電子限定おまけ付き&イラスト収録
伊達先生作品の『春になるまで待っててね』のスピンオフ作品。前作未読でも読めますが、『春になるまで~』と同じ世界観であることと、登場人物たちも登場しているので読んでいた方がより楽しく読めると思いますので未読の方は是非。
ということでレビューを。前作含めてのネタバレがありますのでご注意ください。
主人公は警察署で働いているフィン。28歳のヤマネ獣人だ。
警察署で働いているが、いわゆる警官、刑事、といった部署ではなく、事務職で働いている。市民を守るヒーローに憧れての職だったが、彼の属性からはあきらめざるを得ず、けれど真面目に働き市民たちからは愛されている。
そんな彼は唐突に恋人(男)に振られてしまう。
理由は「冬眠があること」だった。長い間寝られてしまうとつまらないのだという。そして、可愛らしいビジュアルに反して、表情と言葉があっさりしているのも「イメージと違う」らしい。
愛嬌がないことも、無愛想なことも自覚はしているが、そして冬眠をすることも申し訳ないとは思っているが、でも、彼にはどうしようもないことでー。
というフィン視点のお話です。
フィンが冬眠から目覚めて訪れたレストラン。
そこで働いているリス獣人のリックという青年が絡まれているところに出くわし、機転を利かせて助けたことから、リック、リックの恋人のディビス(消防士)、そしてディビスの同僚の消防士である豹族のテイラーと知り合いになりー?
リックとディビスが、前作の登場人物。
という繋がりがあります。彼らに再会できて嬉しかった。
というのはさておき。
リックは冬眠大好きっ子。
対して、今作品の主人公・フィンは、冬眠は嫌いではないができればしたくない派、に分類されるでしょうか。ウキウキで冬眠の準備をしていたリックも可愛かったですが、今巻のフィンもまた違った可愛さがある。
フィンの元カレが、まあクソ男でして。
クソで下劣で最低な男なんですね。
でも、そのクソ男のセリフにいちいち傷つくフィンが健気でかわいいの。
フィンに悪いところは一つもないのに、自分のことは棚に上げてひどいことをする元カレに天罰が下ればいいのに。
というところからの、テイラーくんが眩しい。
年下ワンコ攻めの鑑のような好青年でした。表情と表現力に乏しいフィンの感情の機微を正しく読み取る。それはひとえに、フィンをつぶさに見ているから。フィンが喜ぶことを、してほしいことを知りたいから。そこにあるのは、打算でもなんでもなくただひたすらフィンのことが好きという彼の一途な想いからきている行動からなので、読んでいて心がほっこりと温かくなります。
可愛らしい見た目を持つフィン。その「入れ物」から自分の願望を込めた理想像をフィンに押し付けてきた今までの恋人たち。
そうではなく、素のフィンを愛し、彼が彼らしく過ごせるように心を配ってくれるテイラー。テイラーと出会い、フィンが素の自分でいていいのだと。何の心配もなく冬眠していいのだと。そう思えるようになっていく過程がとにかく優しく心にじんわりと染み入ってくる。
登場人物はそう多くはありません。
テイラーとフィンが、心を通わせ、少しずつ愛情を育てていくシーンがメイン。この温かさが「冬眠」というバックボーンとうまくリンクして、終始やさしさと温かさに満ちた、そんな作品でした。
「冬眠BL」というバックボーンてなかなか斬新というか。
今までにお見掛けしたことがない設定で、前作を読んだときは良い意味で衝撃を受けました。今巻はその衝撃はない状態で読み始めるわけで、前作よりも萌えとか下がっちゃうかなー、なんて危惧しながら手に取りましたが、いやいやいや。
めっちゃ良かった!
文句なしの神作品。あとがきを拝見すると、もう続きは出ないのかな?と思ったりしましたが、でも、また読みたい。そんな感想を抱いたりもしました。
寒い冬にぴったりの温かく、そして暖かくなる、そんな1冊。冬のお供に超絶お勧めしたい作品でした。
冬眠シリーズ第2弾ですねヾ(*´∀`*)ノ♪
(前作未読でも問題ナシです!単独OK!)
(前作CPも少し登場しています^^)
冬眠がテーマの本作は本当に寒い冬にピッタリ…!
文章からふくふくほこほこした温かさが伝わります。
湯船に浸かっているような、陽だまりにいるような、
幸せがジワジワ浸透してくる心地よさが堪らんのです!!!
寒さでかじかんだ手足が湯船に入るとジンジンと痺れて
「あ”~~~………」って声が出ちゃう時みたいな感じ。
このシリーズは『読む温泉』と言っても過言じゃないと思ってます(﹡´◡`﹡ )
(読む温泉の効果ですか?)
(癒やし・多幸感・疲労回復・副効果による冷え軽減!)
(萌えるとテンション上がって熱くなるよね?私だけ?)
さてさて。
冬眠BL第2弾は『冬眠』の概念が多角的に描かれ
より世界観が深まって解像度が上がります。
これがシンプルに素晴らしいなと思いました。
冬眠する種族もいれば、しない種族もいる。
冬眠に理解ある人・否定的な人・羨む人 etc.
様々な感情に揉まれて悲しみを抱えて冬眠をするーーー。
受け:フィンは冬眠する種族 (ヤマネ)
真面目で感情表現も下手で表情に出ない性分ゆえに
"一緒にいてつまらない"と恋人や友人は去って行く。
冬眠中に恋人が浮気していても何も言えないままで。
自分の性格や冬眠に対してじんわりとトラウマを抱えています。
攻め:テイラーは寒くなるほど元気いっぱい(雪豹)
太陽みたいに明るく、犬のように人懐っこく。
純粋ウブな年下攻めです…!
純粋ウブな年下攻めです…!(大事なことなので2度)
今回の物語は冬眠明けから始まります。
その年はフィンにとってトラウマになる冬眠でした。
沈んだ心を抱えている中でテイラーと出会います。
明るくて優しいテイラーはフィンの心を癒やします。
テイラーと過ごす毎日は楽しくて楽しくて、
春・夏・秋があっという間に通り過ぎーーそして冬。
冬眠をしないテイラーと冬眠を必要とするフィン。
種族が違う2人が一緒に冬を過ごすお話です。
まず特筆したい部分をストレートに書くと、
とにかく「「「 MAXキュン! 」」」が味わえます。
大事なことなので2度書いたテイラーの属性ですよ。
ウブで純粋で恋愛初心者の可愛さが爆発しててッッ!!
まるで子どものような好き好きアピールとか、
顔を真っ赤にして恋心を隠しきれない部分とか、
めっっっっっっちゃキュンキュンします!(∩´///`∩)
(かわいい年下攻めスキーさん絶対見て…!)
(素直にすくすく育った元気っ子可愛すぎる)
(恋愛初心者ゆえの不器用さは涙出るほど可愛い)
テイラーはめちゃくちゃイイコなんですよ。
フィンの悲しみもトラウマも溶かしてしまうほど、
優しくて温かくて存在自体が陽だまりみたいな子。
相手がフィンだから特別に気遣うのもあるけど、
心根が真っ直ぐな子だから、、、ホント眩しいぐらい。
そんで家事もサラッとこなしちゃうハイスペック男子。
でもハイスペックさを強く感じさせないところが良いのですよ!!!
どこにでもいそうな優しい青年で、
年相応に恋に振り回される姿がとても微笑ましくて。
(作者さんの表現の上手さだよな~としみじみ実感)
終始可愛くて可愛くて可愛くて、
フィンに恋している姿にキュンキュンします(∩´///`∩)
フィンは可愛らしい見た目に反して、
考え方・話し方など28歳の落ち着いた成人男性です。
警察官という職業も加わり堅物の格好良さがあります。
しかし見た目とのギャップのせいで心ないことを言われる苦労も多々…。
そんなフィンが抱えているコンプレックスの中に
「感情が表情に出ない」という部分もあってですね…。
"不快にさせないよう笑顔を作らなきゃ"
"テイラーくんに楽しいって伝えなきゃ"
って笑顔を作ろうとする場面では涙腺崩壊しました。
トラウマになった冬眠の時も
悲しみを押し殺して眠りについていたり。。。
なにを言われても"自分の性格のせい"と納得し、
我慢に慣れてしまって諦めているお人なんです (泣)
温かくほのぼのとした冬眠BLの中に
切な痛い感情を少しプラスされるとアカンですね。
前作もそうだったんですけど匙加減が上手い…!
フィンの人物像。テイラーに惹かれる理由。
テイラーがフィンに恋をしたキッカケ。
全ての点が繋がって恋愛が始まっていく過程にグッときました。
何度も書くけどこれは本当に『読む温泉』です。
湯船に浸かって微睡む心地よさを感じられます。
MAXキュンと共にこの心地よさを味わって欲しーーー!!!
めっっっっちゃ、かわいいぃぃぃ〜〜〜( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
"萌え"って言葉がしっくりくる、ハッピーキュートな作品でした。
ストーリー、キャラクター、イラストの可愛さトリプルコンボ!!!むにゃむにゃ〜のホッコリ〜のモフモフキュンの読後感に癒されるヒーリング物語に最後までメロメロになりました。
前作の「春になるまで待っててね」のスピンオフ作になるんでしょうかね。
私は未読でしたが全く問題なく読めました。ストーリーに前作が干渉していないので、読みにくさもなく普通に楽しめると思います。前作のキャラクターたちも登場しているので、既読の方には嬉しい友情出演ですね。私はこの作品を読んだキッカケに前作も読んでみたいなと思いました^ ^
動物の冬眠習性をこんなにも可愛く、しかもBLに落とし込む発想がすごい。前作を読んでないので、遅ればせながら今感動しています!
獣人たちが住まう世界……種族によって体格差や習性差がちゃんと考慮されているのが面白いですね。冬眠生活の細かい設定も作り込まれていて面白かったです。
小型獣人と大型獣人の体格差カップルがなんと可愛らしいことか。お付き合いにウブな感じがニヤリを煽る煽る。読書欲を掻き立てられました。
"可愛げがない"と言われてきたヤマネ獣人のフィンと、フィンとお近づきになりたい雪豹獣人のテイラーとの、ピュアピュア恋。サッパリとした性格のせいか男運のないフィンが、春の陽の木漏れ日のような性格のテイラーと出会うことによって、本当の恋と本物の恋愛を知るようになっていきます。
フィンの元彼がどうしようもないクズ男に対し、テイラーは優しさの塊の男。それくらい天と地の差があるんですけど、悲しいかな…フィンは恋愛や自分自身の性格にも自信を失っていて、テイラーの好意を素直に受け止めることが出来ません。
自己肯定感も低く、恋愛にも積極的になれないフィンの冷えた心を溶かすのは、そう!あの人ただ1人。
これから冬が来ようというのに、テイラーの包容力で、フィンの心はホカホカあったか春の様相です。
恋愛初心者のような2人なので、恋愛の歩みはゆっくり。慎重になりすぎて勘違いも起きてしまうんですけど、それがこの2人らしくて逆にいい。噛み合わない"好き"の告白大会は可愛すぎでした。
テイラーの押しの強さと、恋愛に臆病なフィンの引きの強さとの綱引き状態が、最後どうなるかハラハラしながら見守りました。
こうした恋愛を見届ける一方で、仕事観についても考えさせられたりと読み応えたっぷり。ただ可愛いだけのストーリーに終始していないところが更に好感度上がりました。
ホワッとした空気感や優しい世界観がとても心地よく、好きをいっぱい感じさせてくれる心温まる素敵なお話でした。
春になっても…どころか一生涯一緒にいようと誓い合えるような2人の仲睦まじい姿が本当にお似合いで可愛らしかったです。
元気が欲しい、癒しを受けたいときのビタミン剤BLとして読んでみてはいかがですか(*´︶`*)♡
前作も多幸感に溢れてましたが、今作も同じく…幸せほっこりなお話でした!
大型獣人雪豹 テイラー×小型獣人ヤマネ フィン
テイラーは前作でリックにディビスのおうちを紹介した消防士さんです。人の良いあの消防士さん!めちゃくちゃ陽な太陽のような人です。お相手は、初登場のフィンさんなのですが、歳上でしっかり者で、表情筋が動きづらくてそれが原因でちょっと諦めちゃってる。そんな2人、初対面でテイラーからお友達になってほしいというところからスタートします。ちなみに冬眠はフィンさんだけなのですが、それをサポートしに一緒に暮らすというテイラーとの生活が…めちゃくちゃほっこり幸せだったのでぜひ読んでいただきたい!
ちょっとネタバレ気味です
何が良いって歳下で陽でわんこなテイラーと、歳上しっかり者優しいフィンの関係性です。テイラーにもちゃんとかっこいいところもあるんですが、実は恋愛初心者でもの慣れないところがめちゃくちゃ可愛い!そしてフィンが経験有りで慣れてて仕事ができるしっかり者、でも冬眠中はふにゃふにゃ、普段自分に自信なさげなところが可愛いんです。そしてそんなフィンが、テイラーをよしよししながら転がしてるところが歳上受けー!という萌えにフィットでした。そしてそれはえっち面でも変わらずテイラーがもの慣れなくてフィンが手綱を握ってる感じがはちゃめちゃに萌えまくってました!
獣人好き、ほっこりしたい、歳上受け好きな人におすすめしたいです!
他の方のレビューにもありましたが、とても多幸感溢れる作品でした。スピン元の「春になるまで待っててね」を萌2にしてたんですが、今ならきっと神評価だったと思います。久しぶりに再読したくなりました。
前作とは違って冬眠する獣人と冬眠しない獣人のCPなんですが、どうやって愛を育むのだろうと思いながら読み進めました。
今までの恋愛から新たな恋に諦観を滲ませていたフィンですが、明るくて愛情深いテイラーと一緒に過ごすことで力みが取れて安心感にフニャフニャになって行く姿が可愛いんです。なんならテイラーも可愛いので、可愛い〜可愛い〜を心の中で連呼しながら読んでいました。
そしてフィンの冬眠中に浮気相手を部屋に連れ込んでた元カレですが、絶対に冬眠中にやって来るだろうと思ってたので、テイラーによって自己肯定感の増したフィンに反撃され、テイラーに威嚇されて尻尾を巻いて逃げ出した時は拍手喝采でした。
冬に対する種族的なものは全然違うけど、こんなに素敵な過ごし方があるんだと目から鱗なお話でとても優しい気持ちになれました。
「春になるまで待っててね」のCPと友人関係なので彼等もチラッと登場しますが、こちらの作品だけでも大丈夫です。でも、あちらの作品も素敵なので可能なら読んで欲しいと思います。