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表題作いとしさの結晶

保科貴哉,25歳,着物メーカー担当者
津島志信,22歳,着物作家

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

着物デザイナーの志信は、まるで恋人のように接している保科のことを、過去に好きだったミヤという男の身代わりのように感じており…。

(出版社より)

作品情報

作品名
いとしさの結晶
著者
きたざわ尋子 
イラスト
青井秋 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344826649
3.2

(5)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
16
評価数
5
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

読む前のイメージとことごとく違いました。

きたざわさんはわりと好きでかなりの数読んでますが、正直『パターン』が決まった作品が非常に多いんですね(『パターン』は複数あります)。
そういう意味では、これはちょっと異色でした。

まず、志信(受)のキャラクターが、あらすじや表紙イラストから想定したのとまったく違いました。読む前に持ってたイメージにかすりもしなかった感じです。
てっきり『健気で儚げで(和服だし)何かと流されちゃう美人受』だと思ってたんですが(あらすじからも表紙からもそうとしか思えなかった)、外見は『儚げな美人』ですが、中身はフツーのちょっとやんちゃな男の子(22歳だから『子』じゃないんですが。ついでに職業もフツーじゃないし)でした。
きたざわさんにはちょっとないような受キャラクターでしたね。

あらすじにもあるように『記憶喪失』が絡んで来ますが、記憶喪失そのものに焦点を当てているわけではありません。扱いは単なるエピソード程度です。
でも確かにストーリーの大事なポイントにはなってるんです。『記憶喪失じゃなくても、ストーリー展開に支障はない』というわけじゃないんですね。

問題は『志信の記憶喪失』そのものではなく、記憶を失う前に好きだった男・ミヤと、記憶を失っていたときに出逢って恋をした、ミヤに似た保科(攻)という2人の男なんです。
志信は保科に告白されて、自分も好きだと思って受け入れ、数ヶ月間は確かに恋人同士だったんです。でも記憶が(完全にではないけれど)戻ってミヤを好きだったことを思い出した志信は、保科を拒絶します。

でも保科はそれを認めず、前の男を忘れさせるために今まで通り続けるよう迫られた志信はそれを承諾し、『恋人じゃないけど、やってることは恋人同士』という曖昧な関係が続いているんです。

志信も保科(攻)も私の好みのタイプではないんですが、まあ楽しめました。最近のきたざわさんの作品の中では結構よかったです。

ただ、志信の口が悪いんですが、口の悪い受が個人的に苦手なのでそこがダメでした。
それと、これこそきたざわさんテンプレート(のひとつ)なんですが、受が男性キャラクター勢にモテモテなのは、もうちょっと何とかしてほしいといつも感じます(別にここまで『みんな揃って』でなくてもいいじゃん!ってことです)。

2

大事な者は傍にいる

一種の記憶喪失モノと過去と今のはざまで受け様が真実の愛を見つける感じでしょうか。
内容的には淡々とした受け様の日常に日々を背景にしていて、読み始めは、
事故で過去の記憶を一時失っていた受け様が、新たに恋をするが、その後に断片的に
過去を思い出し、自分が記憶を無くす前に好きだった相手がいたことを思い出し、
攻め様の気持ちには応える事が出来ないと思いながらも攻め様がそれでもいいと、
身体の関係もありながらも恋人では無いと言う歪な関係を続けている二人。

過去の記憶は全て取り戻してはいない受け様なのですが、過去に好きだった相手を
思い出し、でもその相手は俳優として活躍してTVの中で見る事しかできない相手。
過去を懐かしむようにTVを見る受け様に、当然攻め様は嫉妬して不機嫌になる。
内容的には過去の恋に区切りを付けて今の恋を取るのか、はたまた愛しい思いでの中の
過去の恋を再び追い求めるのか・・・なんて想像したら~~~
おっと、そう来るのか?なんて思いがけない展開になってのハッピーエンド。
書下ろしは攻め様の束縛溺愛の激しさを感じさせるストーリー。
ネタバラシになると楽しさが半減するかもしれないかもなんて作品です。

2

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