• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作七月の交差点(クロスロード)

美大受験予備校の3浪生 ハル
ハルに片思いの同室寮生 ナツ

その他の収録作品

  • サマサmside:a'~糊代的インターバル
  • He encountered I'T.And then・・・?

あらすじ

美大受験生のための予備校・たまよし美術研究所専属寮、福寿館寮生の浪人生・ハルは、同室のナツから熱烈な好意を寄せられている。天才肌だが、絵以外はからっきしなナツの面倒をみるうちに彼の窮地を救ってしまったらしく、ラブ光線は激しくなる一方。 受験で一杯一杯なハルは一度はナツを拒絶するが、拒絶しても拒絶してもめげないナツに徐々に流されほだされて…!?
「三月某日、クマを拾った」から連なる、美大浪人生たちのセンチメンタル・サマー・デイズ、ハルナツシリーズ最新刊!

(出版社より)

作品情報

作品名
七月の交差点(クロスロード)
著者
高緒拾 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
シリーズ
三月某日、クマを拾った
発売日
ISBN
9784812480762
3.6

(15)

(3)

萌々

(4)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
53
評価数
15
平均
3.6 / 5
神率
20%

レビュー投稿数3

交差するそれぞれの想い

「三月某日、クマを拾った」の続編。(この後「九月のサヨナラ」に続き三部作的な展開となります。)
本作はいわゆる「ハルナツ」シリーズの続編で、結構(かなり?)難解な部分のあった前作よりも随分とわかりやすく読めると思う。
というのも、BL作品らしく「恋愛」の部分がクローズアップされてるから。

ナツはどうやら過去にハルに会っているらしい。そしてハルが自分を救ってくれた人として焦がれている。
描けなくなったナツに描けと言ってくれたハル。だけど描けないのはハルも同じで。
オトナに見えるハルも、十分若いんだよね…
彼も抱え込んでいる事があって。若さゆえの、友情と友を見捨ててしまったような後悔と。それらを引きずっている。
そのせいで恋愛を遠ざけ、それどころか絵そのものにもまともに向き合わずにきたけれど。
結局はまっすぐぶつかってくるナツの恋心を受け入れるわけだけど、ナツってホントに天然って言うか…
ただ、なし崩しにナツの押せ押せに負けてるだけのハルだから、これからどうなるか不安定でもある。

で、「ヘンゲンさん」の謎はまだ解けないんだけど、どうやらナツの心を捉えて離さないモノのイメージ、のような?
ヘンゲンさんのことをハルに聞かれて、赤くなって答えられないナツがかわいい。

0

本格的美術系のお話

「三月某日、クマを拾った」の続きです。
買った時は一作目をまだ読んでいなかったので、「?」が沢山ありました。
私も大昔は美術系の端っこくらいにはいたので、なんか懐かしいなぁ。
学生としての美術系色、かなり濃いです。

「三月…」読んでわかりました。
才能・嫉妬・スランプ・失望・焦り・情熱・そしてそれぞれの恋。
そんな世界です。
ナツの才能とツラい過去は「三月…」に描かれています。
ハルの流されやすい性格の事も、モク先輩が何者なんかもそっち読んで理解。
隣にいる人の才能への嫉妬とか焦り、これは美術でなくても普通の仕事とかでもある。
ハルの流されやすく自分に鈍感な性格は、普通によくいる、よくある感じ。
すごくわかる分、読んでいてイライラしたりします。
そういう意味でも、すごく共感してしまいます。

このお話には、ハル、ナツ、アキが出てきます。
次はもしかして十一月ってタイトルで、フユが出てくるのかな?
とかどうでもいい予想をしていました。
絵もお話もしっかりしていて、エロもちゃんと(主人公たちは少ないが)あるし。
完結したら、かなり読みごたえある話だと思います。
スローテンポが苦手な方には、無理かも?
でも、完結してから読むのはおすすめかな?
私も連載は完結してから買って一気読みが好きなんですが、ここまで読んだら続きが気になります。
はやく続き出ないかなぁ。
まだお話は途中なんで、これからどうなる?って感じです。

ちなみに。
ハル=
ヒゲの三浪生は、あまり人に興味を持たないタイプですが。
心配して世話をやいてくれる友人もいるし、何故か男にモテます。
今は三浪に悩んで苦悩していますが、本来は優しくてお人好しな人なんだろうなぁ、と思います。
ナツへの言葉とか読んでいると芯がしっかりしているようですが。
優しすぎて、とても感化されやすい、流されやすい人です。
物静かで、そして不思議な色気がある。
風邪で病んでいると襲いたくなる、ナツの気持ちがわかります。

ナツ=
見た目はチビで長髪で可愛い感じ?
人目を気にせず絵に没頭したり、熱い眼差しをおくったりする。
一見、猪突猛進なタイプのようですが。
意外と人目とか相手の気持ちを気にしてクヨクヨする、繊細さも持ち合わせています。
ヘンゲンさん(彼の絵のモチーフ)とハルには、とにかく我慢が出来なくて、まわりが見えなくなる程突っ走る。
ちょっと困った一途さんです。

ナツはハルに二回も救われましたが、ナツはハルを救えるのかな?
そこが今後の展開で楽しみです。

2

青春の分岐路

美大予備校の「たまよし美術研究所」を舞台にしたシリーズの第二巻。
1冊目は講師の川瀬の話がメインで、後半にこの本のメインカプであるハルとナツの話が導入としてありました。
同じ寮で同室のハルとナツ。
ナツはハルに片思いして、ナツの描く絵にいつも登場する”ヘンゲンさん”って?そんな部分しか明らかになってませんでしたが、今回の中でハルとナツの出会い=それがナツがハルへの想いを抱くきっかけになっていて、ハルがいるからナツがこのたま美研に来たのだということはわかりました。
ナツが描く”ヘンゲンさん”というのも、おぼろげに何なのか見えてきたような?

いつもだとストーリー神室×作画高緒のペアのところ、ピンで描かれるこの作品、実にテンポがゆっくりです。
雑誌で読んでいてもあまりのスローペースにじれったさを感じてハルの煮え切らなさとヘタレ部分にイラっとさえしたのですが、さすが単行本!
やはり一冊になるとそれなりに、この煮え切らなさも必要な要素だったのだと、彼の人となりがよく見えてきて納得できるのです。
やっと、ナツの気持ちをハルが受け入れるという展開なので色っぽさが足りない部分は、講師の川瀬がになってくれてます(笑)

ナツがハルを好きというのは言葉にしなくても誰にもバレバレでわかるくらいにわかってしまっている。
ハルはナツに恋愛をすると落ちるからやめておけ、って言ってるんですが、彼は実は3浪しており、親に迷惑かけている負い目もありもう落ちることができないという切実な現実も持っています。
ナツは言葉を伝える前に拒絶されてしまったので、落ち込むのですが、きちんと言葉で伝えることができるのです。
前進したような二人の関係だけど、まだハルはナツを好きって言ってない。
落ち込んだりするけど、実のところナツのほうが強い気がするんです。
エネルギーがあるっていうのか。
きっとハルもそれを感じてるんじゃないだろうか?だからこの二人まだまだなんです。
ハルがヘタレで受身だから。
同じ、美大を目指すという目標はあるけど、才能という部分でなにか影響もしてくるのかな?とか
少し進展はあっても、まだまだ不安要素がいっぱいです。
いったいこの物語は何処へ行くのかな?
モク先輩も気になるし。。。まだまだ続きそうです。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP