ボタンを押すと即立ち読みできます!
他の作品でもありますが、立野真琴先生、大抵髪の毛が黒×白(こっちが多い印象ですが)または白×黒なので、珍しいなと思いながら読んでいました。
立野真琴先生のふんわりした髪の毛大好きなのでまずそこでツボ。
日常生活に支障をきたす、かゆみが治まらないにツボ。
子どもにおもちゃにされる研修医にツボ。
意外とこの先生小児科似合いますね。
しかしながら立野真琴先生らしい、サスペンスが混じったお話なので、十分楽しめました。
帯にね、ぎょっとしたのです。
「クソガキだと思っていたが、
信じらんないくらい
エロかった!!」
【実物通り改行しています】
…現在進行形で普通に少女漫画も描く
立野さんの作品にそう言う帯が付くのは
どうした椿事だという事でレジに向かった
訳でして。
そして手に取った本作はこれまた安定安心の
立野節。ツンだった人達のデレる瞬間が
絶品の作品でした。
立野さんの作品は少女漫画時代から登場人物の
性別を問わずツンからデレへの転換が巧みだった
訳ですが、BL作品ではその描写にストッパーを
かけていらっしゃらないのだろうと愚考します。
もちろん本作でもツンからデレの転換は見事で、
更にデレの熟成工程も見れると言うおまけも有。
白衣と程好い甘々が好きな方に薦めたい一冊ですね。
「とある外科医と内科医の。」で当て馬くんだった研修医が登場するスピンオフ。
未だに失恋を引きずる研修医の攻め様、新しい出会いが無ければ忘れられないかと
思っていた所に綺麗美少年と出会うが、なんとも我儘な病院医院長のご子息。
そんな生意気な受け様に医院長経由で担当医に任命された事から始まるラブ。
性格は悪いけど見た目が極上な受け様、右手の骨折で入院しているが、何故か攻め様を
指名し担当医と言うお世話係に任命される。
失恋したばかりなのに小悪魔お坊ちゃまに振り回され始め、気弱なセリフで自慰の
お手伝いまでさせられてしまうのです。
毎回何かに誘われてる雰囲気なのに我儘で女王様みたいな受け様が、実はかなり
ナイーブで無理をしている事を攻め様は見過ごしてしまう。
骨折した原因が受け様をかなり傷つけ怯えさせているのですが、受け様の表面的な
我儘に気がいっていて、受け様をかなり叱りつけてしまい、担当医も変更してしまう。
それが受け様が危機的状況に陥ることになってしまうのです。
不器用で素直になれない受け様と、失恋を引きずる攻め様が新しい恋をするお話。
以外に身勝手キャラな攻め様だと思っていたけれど今作でいい味出していました。
ただ・・・やっぱり絵柄が好きになれないのです。
「とある外科医と内科医の。」で、三沢に振られてしまった遠野が主人公。
そちらの作品で遠野が、三沢への恋を諦めて涙を流すシーンが痛々しく、とても印象に残っていたので、スピンオフが描かれたのはすごく嬉しかったです。
ネタバレです。
腕を骨折して入院して来た院長の息子。
その骨折の仕方が異常。
そしてストーカーの存在。
目が離せないドキドキ展開(ストーカーが怖いよ!)で、立野さんらしからぬ?サスペンス風味も感じます。
腕が折られる回想などは、自分の腕が痛みそうなくらいの迫力でした。
これは怖いです。こんなことされたら…!ショックで死んでしまうこともあるという風見の説明も、さもありなんという感じ。
骨折した(させられた)のが右手ということで、日常生活のアレもコレも出来ない素敵展開。
なんだかんだで遠野が全て面倒を見ちゃいます。もちろんアッチの処理も。
生意気なボンボン(&魔性の美青年)という印象だった一葦ですが、素直になれなかっただけで、実は最初から遠野に恋していたんですね。好きだったから色仕掛けで困らせちゃったなんて、可愛いじゃないですか。
自分の受けた傷に関しては心を閉ざしていた一葦が、少しずつ遠野に対して歩み寄って行く。そしてそんな彼が気になる遠野の戸惑いの描かれ方がとてもイイ感じでした。
そして前作の風見と三沢の協力体制も微笑ましかったです。
序盤、三沢をきちんと諦めようと頑張る遠野や、そんな遠野と今まで通り上手くやって行こうとする三沢の心境がとても丁寧に描かれ、お互いの優しさを感じました。
前作品の主人公が全く出てこないスピンオフも多いですが、これは前作を踏まえての二人の関係がすごく良かったです。
全員が幸せになってしまったので、これ以上の続編は出ないかなぁ。
読むと幸せになれるような、素敵なシリーズだったと思います。