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表題作はなかぐら

カメラマン 深山明
能の宗家の妾腹の息子 椎名千早

あらすじ

文芸社新BL文庫レーベル【ピーチ文庫】

「これは今まで読んだBL小説でもトップクラスの鬼畜作品」

美少年・千早の舞が男たちの劣情を掻き立てる! 禁忌と背徳に彩られた耽美派純愛小説。

能の桜堂流家元・叶家に突如やってきた美少年・椎名千早。先代家元の庶子だったが、両親の交通事故死で引き取られることになる。ところが、そこで待っていたのは苛烈で淫靡な屈辱の日々だった。名家隆盛の生贄として、スポンサーたちに千早の白い肌が捧げられる。絶望の中、千早は本当の幸せを掴めるのか。一世一代の舞が、半世紀前のスキャンダルを超えて千早の幸せを引き寄せる!

著者:高矢智妃

作品情報

作品名
はなかぐら
著者
高矢智妃 
イラスト
わいあっと 
媒体
小説
出版社
文芸社
レーベル
ピーチ文庫
発売日
ISBN
9784286132303
2.7

(8)

(0)

萌々

(1)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
20
評価数
8
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

好きなタイプの話でした

ムーンライトで作者(同人サークル名でしたが)を知ってからの購入なので、発売からずいぶん経っているようですね
個人的には、好きな話です。けなげ受けのようですが、自分の意思をきちんと押し通すことを思い出した後の、彼の実行力がワクワクしました
腹違いの鬼畜兄も好きなキャラクターです。彼にはもっとガンガン鬼畜攻めをしてもらっても良かったかなとも思いました
ツッコミどころもありますが、一気に読めました

2

僕は娼夫です

実は海外翻訳モノを読んでしまったために今のBL小説が薄味に思えて読めなくなっていたところ、このjune系の強いお話は脳みそ切り替えに丁度ぴったりと役立ちました!
文芸社から07年に大判で出てたのの文庫化ですね。
能の世界を舞台に、憎しみ、嫉妬、軋轢、虐待、これでもか、というほどの都合のよいお約束波乱展開がジェットコースターのように押し寄せてきて、実はトンチキなんですけど、それがいいのです♪

父親は能の家元で母親は妾。その二人が事故でなくなってしまったために本来なら施設に入るところ、流派の評判のために宗家に引き取られることになった主人公・千早。
そこには、隠居した祖父の宗鶴、年の離れた現在家元となっている長男の宗信、次男の宗行、他に父の本妻と宗信の妻がいます。
もちろん愛人の子供ということで虐げられ、とりあえず学校へは通わせてもらえますが、弟子入りさせないという条件もあり下働きをさせられておるのですが、中学3年のときから支援者や関係者への身売りをさせられるようになります。
そして高校に上がった時、施設の担当者でよくしてくれた花村の友人のカメラマン深山と出会い、彼等は恋に堕ちるのです。
そこからの苦難の道のりと、実は祖父の宗鶴が心に深くとどめた叔父との約束が深山と深いつながりがあり、叔父にそっくりという千早とも関係して、彼等の未来は協力者を得て自由になるために祖父が封印した演目「はなかぐら」を舞うことで羽ばたく準備をはじめるのですが・・・

登っては叩き落されて、そんな連続が続くのがjune系の魅力ですね。
そして千早は健気だけど強いです。
彼を応援する人が優しいいい人ばかりで、その反対にいる人たちは徹底的に悪い人で、善悪がはっきりしています。
そして一番のキーパーソンが千早と深山の祖父たちでした。
主人公たちの恋愛もありますが、それにはこの祖父・宗鶴の叔父と深山の祖父との叶わなかった恋と思いの因縁が絡んで、ラストに向けてのハッピーエンドへつなげていくという物語の二段がさねもあったりして短調でないのが飽きさせない部分かとも(もちろん、ひどい目にあう傷つく主人公の悲劇というのが一番のみせどころでしょうが♪)
ラストのドンデンにはビックリしましたヨ。だってあと数ページなのに、、、もしかして「死」ネタなのか!?とか

ツッコミどころは満載です♪(←実はこれが楽しい)
ネタバレになるから書かないほうがいいのかな?愉しみたい方はスルー願います

世界の狭い千早が深山を好きになるのは時間がかからなかったですが、深山ショタコンか?疑惑w
初エッチはういういしいかと思ったら、何かセフティーが抜けたみたいに「絶品だ」とか「ここがいいのか?」とか「ひくひくしながら」とかエロおやじ全開セリフが出まくり♪
初デートの件は超ビックリ展開です♪門限5痔半じゃなかったけ?
CM撮影の時の振り付け師とかw
宗信の奥さんの狂気とか・・・本妻さん最初に登場しただけでしたがあとどうなったんですかね?とか

何より一番が、まだ17歳にもならない男子が二人で暮らすの夢見て希望にして、っておいおいおいっ!
キャラが好きとか嫌いとか全然気にならなくて、そんなベタコテ展開に目が向いて何か却って新鮮でいいなー。と気分転換にもってこいの一冊でした。

4

凌辱の嵐ですよ

このシリアスでドロドロしているような、受け様が凌辱の限りを尽くされるような
作品なのですが、この手の展開でエロスと巧みな心理を描かせたら最高と言う、
個人的にエロスの神と思える某作家さんと比較してしまい、不幸な背景で凌辱の限りを
尽くされる可哀想な受け様が出ている作品ですが、凌辱の多さに食傷気味になります。

能の世界が舞台の背景で、更に受け様の時代より前の祖父たちの時代の悲恋も関連した
人間の欲や嫉妬、名声やお金などドロドロした部分を描いた内容ですが、
能を舞台にしているのに、その能自体は前後だけにとどまっているのが少し残念。
それでもなかなか能を見る機会がない私にとっては能の雰囲気を少し味わった気がする。

内容的には受け様は能の家元が愛人に産ませた子供で、それでも二人は受け様を可愛がり
しかし、二人は事故で突然亡くなってしまった事から父の実家で能の宗家に引き取られ
小公女も真っ青な酷い扱いを長年受け、中学生になると母親が犯した罪だと
身体を嬲られ、客を毎週仕事のように取らせられる日々が始まる。

一人息もせずに生きているだけのような受け様が攻め様と出会い、徐々に人間らしく
雁字搦めに縛られてしまった日々に、一筋の明かりを見ているような感じです。
様々な思惑と背景が渦巻く中で、たった一つ受け様が願う事は愛する人と共に暮らすこと。
そんな些細な願いが叶うまでに、余りにも受け様は悲しい程の苦しみを味わう。
それでも、言いなりで人形のようだった受け様が攻め様との未来を自分の夢を手に入れる
為に、少しずつ強さを秘めていく、そんなお話です。

でも、ホント凌辱が多い、そして多いだけでエロスがあまり感じられない。
ラストの方でも受け様に聞きが何度も訪れ、解決した後の展開で、ふと感じたのが
某少女マンガの名作、ガラスの○○、受け様が踊った能の上演権利を~~なんてセリフで
思わず連想しちゃいました。
凌辱系が苦手でない方は十分楽しめると思うのですが・・・どうでしょうね。
厚さの割には読みやすい作品だと思います。

2

う~ん…

先日ちるちるさんのBLニュースで「能」が取り上げられていて、関連作品として掲載されていたこちらの作品。面白そうだなと思って手に取ってみました。

ごめんなさい、かなり辛口のレビューです。おいやな方はスルーしてください。




レビューを拝見していたのでかなりの凌辱シーンがある作品だということは理解したうえで購入しましたが、それでもまだ子どもである千早(受け)が受ける激しい凌辱シーンの連続にはちょっと胸焼けしました。

凌辱シーンもですが、何より出てくる登場人物たちのゲスさにはちょっとげんなり。千早の腹違いの兄たちの、能の家元の座をめぐっての利権争いがあったり、父親の愛人の子である千早への黒い思いであったり、というところは想定範囲内でしたが、まだまだ子どもである千早の身体に執着し凌辱の限りを尽くす次兄や、千早が凌辱される様を見て勃起して妻を抱く長兄には嫌悪感を感じました。そして次期家元の母親の身分に執着し続ける長兄の妻にも。

千早の祖父である先々代家元も、もう少し早く千早を助けてくれてもいいんじゃないのかと思いました。結局彼も自分の意向が優先してしまっていて、なのに終盤『良いおじいちゃん』であろうとするのにもなんか納得がいかなかった。

攻めの深山の魅力もさっぱりわかりませんでした。
千早よりもかなり年上の男性として、もう少し余裕のある、包容力のある男性をイメージしていましたが、千早と張り合いひどい言葉を投げつける彼のどこに千早が惹かれたのかまったくもって理解できなかった。
深山よりも花村のほうが良い男なのになあ、とかちょっと思ったりしました。

「能」が舞台になってはいますが、ほとんど能に触れることはなく正直『能が「テーマ」』というにはあまりにお粗末な感じ。千早が能に関して先代家元の才能を受け継いでいるというのもなんだかすごくご都合主義な設定だと思ったし、ちゃんとした稽古も受けていないのにちゃんと能が舞えるっていうのもなんだかな、と思いました。

セックスシーンの回数こそ多いもののそのほとんどが凌辱シーンなのでエロさはあまり感じず痛いだけな感じを受けました。

千早は自分ではどうすることもできない出自によって劣悪な環境に身を置くことになり、でもそこから何とか這い出そうとするガッツのある青年でそこは好感が持てましたが、いかんせん出てくるキャラたちが非道すぎて、また設定も甘くて、いまいち感情移入できませんでした。

評価下げてごめんなさい。でも、こういう感想もあるってことで。

4

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