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表題作忍姦~蜜戯の策~

太田平蔵,備中守:戦場の鬼神と呼ばれる猛将,30歳
凜(凜太郎),女中として平蔵に仕えていた忍び

その他の収録作品

  • 忍ぶ恋
  • とある忍びの死
  • あとがき

あらすじ

「そなたを秘密裏に監禁し、こうして夜な夜な犯してやるのもいいかもしれんな」
猛将・平蔵は、屋敷で働く凛に惚れていたが、その正体は潜入していた忍びだと発覚する。
激昂した平蔵は、縄で縛った凛を激しく蹂躙。
淫らに蕩ける身体に情欲と独占欲は燃え上がるが、凛は平蔵の元から姿を消してしまう。
実は凛も平蔵を愛していたが、忍びに許される事ではなかったのだ。
再会し、濃厚な愛欲に溺れる二人…だが引き裂こうとする者が現れ!?

作品情報

作品名
忍姦~蜜戯の策~
著者
丸木文華 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784799715567
3.9

(93)

(28)

萌々

(44)

(13)

中立

(0)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
14
得点
355
評価数
93
平均
3.9 / 5
神率
30.1%

レビュー投稿数14

BL忍法帖

淫靡にして、哀しい逢瀬。
鬼子の夢を読んだときに山田風太郎作品に似ている気がしていたのですが、そんな丸木文華さんの作品で、忍びネタというのでこれは是非読まねば、と思ってました。
これはもうタイトルに“忍法帖”と付けていいのでは?と。

時代小説なんかが好きで、よく読むのですがのその中でも、山田風太郎の忍法帖シリーズや司馬遼太郎の梟の城、隆慶一郎の花と火の帝など忍びを題材にした作品が大好きです。
BLなので、さほどグロテスクなシーンや時代背景の細かな描写はありません。しかしながら、この作品では受けの凛太郎がちゃんと忍びの仕事を全うしていて、ただ守られるだけの存在ではないんですよ。仕事とあらば他の男に抱かれるし、自分の前に立ちはだかるのであれば朋輩も殺します。彼に人間としての感情を教えたのは平蔵なので、いずれ本当に平蔵の為に命を落とすのかもしれませんね。
一応、ハッピーエンドの形を取ってはいますけど、平蔵には子供もいるし側室もいるし、太田家当主である以上凛太郎との蜜月は束の間である様な気がしてなりません。
どうか、二人の幸せが少しでも長く続くことを願ってやまないです。

13

岡山県が舞台「武将と忍者」の命をかけた恋愛

猛将・平蔵x屋敷で働く凛
(凛=凛太郎は美貌の少年忍者、くノ一の修練も受けている)
titleと笠井あゆみさんの表紙が凄く淫靡だけど、中身はまともな純愛物語。
鬼子と同じでこれも岡山県が舞台。

著者ブログによると「戦国時代が舞台の命をかけた恋愛」武将と忍者の純愛(https://bit.ly/2HMDgTJ)
もう一つ、戦国ものがあって「情恋~乱世の蜜華~」こちらは、殿x殿。東北。

ゲームのシナリオライターらしい展開で、幾つか山場があり、忍者として育てられた凛太郎が、太田の殿様の執着愛のおかげで心を開き、恋を知り、人としての情操を取り戻していく純愛物語。
「忍ぶ恋」
妬んで邪魔する正室や、凛太郎と組む兄弟子の長吉など、試練が色々あっても二人の心の結びつきは強かった。
凛太郎が忍者を抜ける際に片腕を失い、約束を守って「桔梗の花」一輪を持ち姿を現す場面に感動しました。(ここで失血死して物語が終わるのかと思った)
「とある忍びの死」
気になるのは、安定しない太田家に万一ある時、凛太郎が盾になる気持ちがまだある終りの場面。太田を守り、自分を犠牲にする生き方しか知らない凛太郎は、きっと太田より早く死んでしまうのだろうな、という予感を感じる終わり方で、少し寂しかった。
目的を達成する任務の捨て駒として、感情を捨てる洗脳教育を受けた凛太郎がとても健気で憐れでした。束の間かもしれませんが、幸せな時間を持つ結末があってよかった。やっぱり幸せな結末の小説を読むと、波乱が途中にあっても読後が気持ちいいです。

戦国時代の武将をアレンジして付けた「登場人物のモデルは誰か?」を想像するのも楽しかった。分かりやすいネーミングですよね。
---
備中:太田氏
旧国名の一。山陽道に属し、現在の岡山県の西部にあたる。古くは吉備 国の一部。備州
(備中の戦国時代前期(永正・大永期)の武将に、岩付太田氏が居ます。太田道灌の子孫)

伊賀忍者:
根拠地は、現在の三重県伊賀市と名張市 普段は農業や行商をして各地の情報を探る一方、指令が下ると戦場やその後方へ出向き、工作活動に励んだ。甲賀流と異なる点は、甲賀忍者が1人の主君に忠義を尽くすのに対し、伊賀忍者は金銭による契約以上の関わりを雇い主との間に持たない点。「抜忍成敗」に則り、厳酷な精神と高い体術を育成していた。江戸中期に帰農。

---著者は、こういう「小道具を使ったメッセージ」が上手いです---
★桔梗の花言葉:瀕死の凛太郎が再会場面で持つ花
花言葉は「永遠の愛」「一途」
桔梗の花言葉の由来は、夫や恋人が戦場から帰る日を無事を祈り、亡霊になっても永遠に待ち続ける、一途で切ない女性の伝承が東西にあるため。

★椿の花言葉:★椿の花の場面で、正室が妬む様子が描かれています。面白い。
赤い椿=「謙虚な美徳」 「控えめな素晴らしさ」 「気取らない優美さ」
裏花言葉は「犯罪を犯す女」
椿には邪悪なものを祓う力があるとされていた。

5

鬼のような風貌と初心な恋心のギャップ戦国版

すごい体格差…
その時代ならではの言葉やシチュで萌え上がらせるところも、文体を時代の雰囲気に合わせて変えているところも(“〜だった”が多く、若干読みづらさはあるものの)、いつもながら素晴らしかったです。
笠井あゆみ先生の挿絵は構図もかなり凝っていて華々しく、文章と相まって壮絶なムードでした!細い線で描かれる妓楼の部屋やお尻を握るような対面座位も最高でした…

戦国の時代に無双の強さを誇る太田平蔵は体格良く傷だらけで鬼のような風貌。でも実生活では女が怖がらないように出来るだけ優しく接するジェントルマン。
その彼がお凛(実は少女の格好をした忍凛太郎)に一目惚れして、出来るだけ背中を屈めて目線を合わせたり草花のお話をするなんて滅茶苦茶可愛すぎます!大男が少女に側室のお伺いを立てるなんて…激萌でした。

この作品では濡場にはそこまで萌えず(綿密で圧巻でしたが)、それよりも表立って一緒に居られない二人の僅かな逢瀬の数々が切なくて良かったです。
忍びとして報告する凛太郎を、平蔵は触れる事も出来ず上から眺めるしかないシーン。凛は凛で心の中で何度も彼の名前を呼んでいたり。
我慢出来ず凛太郎がお城の平蔵の腕の中に忍び込んだり、夢のようにお告げを囁いたり。

女は壊れないよう努めて優しく触れていた平蔵が、恋をした相手には感情も理性も振り乱され、「おかしくなる」と言われれば「痴けになればこれ幸いと座敷牢に閉じ込めよう」と激情赴くまま抱き潰します。
平蔵は鬼のような風貌と心の純粋さを持ち、凛太郎は平蔵の前ではメロメロメロでも他人に揶揄われれば鼻で笑うような冷たさを持っていたりと、ギャップの振り幅が魅力的。

嫉妬が渦巻いているのもとても良かったです。正室の豊の方は、自分には向けられない平蔵の恋心やお凛に遠慮なくぶつけられる熱情を妬む。お凛の兄分は変わってしまった弟を許せない。この二人とそれぞれ対峙する笠井先生の挿絵がまた素晴らしい…!!
いや、忍が正室を抱くとかありえんし、平蔵一人で政に悩み過ぎだったり、突っ込むとこはあるんですけども。

時代小説を全く読まない者でも把握しやすい文章に助けられ、また太鼓やシンフォニーが聴こえてくる様な戦の臨場感を味わえました。
バッドエンドしか想像できない激動の世のなか、昔の二人に戻ったような花のお話や穏やかな雰囲気(エロはエロい)の終わりもホッと終えられて良かったです。徹して純愛でした。

2

秀逸なエロスと人間描写

まず何より先に述べたいのは
笠井あゆみ先生のエロエロエロ美しすぎる挿絵について!!
口絵カラーがエロなのは勿論のこと
中の絵も10枚中6枚がエロシーンなのですが、それぞれの構図や表情など工夫されていて飽きさせません。
「え、これどこがどう絡み合ってんの?」
と思わず色んな角度から見つめたくなる、複雑で濃厚で隠微な合体図はさながら春画のようでした。


では内容について・・・

戦では「猛将」と恐れられるが
根は心優しき武将・平蔵は
可憐な美貌の女中・お凛に少年のように純粋な恋心を抱いていた。
お凛が密偵のため女装し
屋敷に潜伏する草の者と知った後も
その愛は変わることなく…。

互いに一目惚れで初恋の二人は
人目を忍んで逢瀬を重ねる。
それぞれが死にそうになる等
切ない要素もあるのだけれど
それより互いにベタ惚れな二人のエロシーンや
愛の告白が強烈で、
読み終わってみると非常にラブラブで
糖度の高いお話という印象。


そんな二人の仲を快く思わないのが
平蔵の側室のお豊と、お凛の兄弟子・長吉。

一度は結託する二人だが
長吉は、いつも冷徹なお豊がふと見せた「女」の部分に幻滅し、以後は彼女を欲望の対象としか捉えなくなる。
最後の最後で平蔵への情が勝ってしまったお豊と
最後まで「忍びに色恋はご法度」と持論を捨てぬままお凛と相対する長吉。
同じあて馬ながら、女性と男性の違いが見えてこの二人の存在も興味深いものでした。


違いと言えば、平蔵と凛太郎の愛し方の違いも面白いです。
優しすぎるが故に自分からは凛太郎を束縛できない平蔵(ややヘタレ?)。
それに対して、凛太郎は平蔵のため
その身体も命も全て捧げ尽くすほどの
強さと熱さを持つ。

このように性格は違えど相思相愛な二人なので
数あるエロシーンは会話から何から
情熱的だわ長いわで
胸焼けしそうな濃さでしたw
「ふぐり」「腎水」など
時代がかった官能用語もバリエーション豊かで
エロスを感じるより
丸木さんの筆の巧みさに感心・・・

エロだけでなく
死と隣り合わせの戦国時代の緊張感や
脇役を含めた人の心の機微など
ドラマティックに描かれた秀作かと思います。

16

エロスとシリアスが、絶妙

丸木さんの戦国時代物です。
色々資料を見直して書かれたということで、世界観はバッチリです。
現代物とはまた違う『魔羅(アソコ)』だとか『腎水(精液)』だとかの言葉がBLでは新鮮ですねえ。
丸木さんの作品は買ったり買わなかったりがあるのですが、今作は笠井あゆみさんのイラスト買いでした。
雑誌掲載二作と書き下ろしですが、その三本でうまく一つにまとめられています。
この違和感のなさは流石です。

********************
攻めの備中守太田平蔵は大男の猛将で、30歳。
心根は優しくとも、太田家を備中一に押し上げた実力者。

受けの凛太郎は、平蔵の元へ仲間を手引きする為に忍んだ乱破(忍)。
女のように美しい、15、6歳に見える少年。
********************

一年前、荒れ果てた村で拾った凛太郎を連れ帰って女中とした平蔵でしたが、その美しさと心根に惹かれ側室(本妻と子供もいます)にと考えていた矢先の乱破侵入騒動。
もちろん少女と信じていたわけですし、自分が心を許した相手が敵方の乱破であったことで、怒りと落胆に襲われ衝動的に陵辱してしまいます。
しかし裏切られても平蔵は凛太郎が諦められず、凛太郎自身も平蔵に惚れ抜いていて、乱破としての自分の宿命に苦悩しつつも、己の命をかえりみず平蔵のために行動することでお話は進みます。

まあ、とにかくえっちシーンが多いわけですが、その割りにあまりいつもの丸木さんのエロスは感じません。
相変わらず攻めも喋りまくってはおりますが。(そこが丸木さんの好きなところ♡)
多分その場面が、ほとんど命がけのような雰囲気があるからかと。
時代背景が戦国なので、エロより命!(笑
本番シーンよりも、夢の中に乱破としての現れた凛太郎のシーンの方がエロスでしたねえ。
ちなみに、最初の陵辱シーンだけで笠井さんの挿絵が二枚もあってお得感が満載。

一本目は平蔵視点、二本目は凛太郎、三本目は両視点。
命の危険にさらされたり本妻の陰謀やらはありますが、それらはまああくまでBL世界でのことなので、あまり心配はいりません。
凛太郎の覚悟するシーンはなかなかに切ないですが、最後はハッピーエンドですのでご安心を。
そして、登場人物や時代背景は実在の歴史をもじっていたりしてちょっとクスリです。
シリアスばかりですとしんどくなるので、まあこれくらいの遊びがあって良かったのだと思います。
ちなみに帯のあおりは『毎晩、犯してやろう』なんですが、実際は遠距離恋愛のようなものなので願望ってことですね(苦笑

13

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