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表題作mother

高校からの親友で大会社御曹司 塚越祐紀
レイプで人間不信になる大学1年生 佐藤真治

その他の収録作品

  • child
  • あとがき

あらすじ

「天使のような子」と言われ天真爛漫だった真治は、バイト帰りにレイプされて以来、人間不信に陥ってしまう。けれど親友の塚越だけは、いつもそばにいてくれる特別な存在だった。支えてくれた塚越のおかげに再び社会に馴染めるかと思った矢先、自宅に差出人不明の封筒が届く。そこには自分のレイプ写真が......。淫らに乱れた記憶がよみがえり、自分は汚らわしい存在だという思いにとらわれた真治は、再び自分の殻に閉じこもろうとする。けれど塚越は、そんな真治をも受けとめてくれた。優しすぎる塚越に、いつしか真治は依存するようになり......。

作品情報

作品名
mother
著者
丸木文華 
イラスト
門地かおり 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
発売日
ISBN
9784592851004
4

(254)

(127)

萌々

(60)

(40)

中立

(8)

趣味じゃない

(19)

レビュー数
53
得点
1003
評価数
254
平均
4 / 5
神率
50%

レビュー投稿数53

どっちもおかしい

ヤンデレが読みたくて購入しました。
買って大満足です。
おもしろかった。

皆様の言うとおり、攻はなかなかのヤンデレ具合。
天使のような受を手に入れるためあれこれ手を尽くしています。
でもこの受もなかなかの変わり者。
どうしてここまで人を受け入れることができるの?というくらい優しい。
自分を敵視してる人にすら純粋に優しいです。
誰も彼もに好かれる受に攻は母親を重ねてしまいます。

ただ攻は受を完全に手に入れるためにあれこれ画策しますが、結局は受の優しさに取り込まれてしまいます。
帯には「天使の羽を折ることにした」と書いてありますが、実際は「折ろうとしたけどできなかった」という感じです。
こんなにひどい目に遭わせても自分を許し受け入れてしまう受に、攻はこれからもずっと歓喜と恐怖に駆られて生きていくんだろうなあ。
自分を捨てないでくれと何度も懇願する攻が、何だかかわいそうな気がしてしまいます。
それ以上にたくさんひどい事をしているんですが。
最終的に受は偶像化していた攻の母親をも超えてしまったみたいで、母親の形見である指輪すら捨てる決心をしてしまう。
閉塞的で狂気めいた、でも幸せなラストになっていて面白かったです。

22

攻めの感じたまりません

執着ものやヤンデレものを読みたく探し見つけた作品でした。初作家さんでしたが門地さんって事とここのレビューを見て即買いしました。

ヤンデレ好きな私にはツボりました。

私は天然系受けが、は?っとイラつき苦手なのでそこだけ気になっていました。天使みたいな受けなら苦手なキャラかな~っと。

受けに嫌みが通じない場面もありましたが受けの心理描写がちゃんとあったのでイラつかず読めましたwこんなのは初めてでしたw

しかも天使というキーワードとmotherというキーワードはなるほど~っとなりました。

天使は受けの容姿説明や攻めが受けに汚れたって綺麗なのもお前ぐらいのセリフもあり綺麗な人って意味だなって。よくある例え的なやつだなってあまり気にせず読んでましたが、
後半の受けが自分がなぜ天使って呼ばれてたかを思い巡らしてる時にまた違った天使の意味があり、またmotherも攻めは母性愛に飢えてるな~って読んでいて思う場面がありそういう意味かなっと思ってましたが後半の受けのセリフにお前マジか!なるほど~となりました!

この受けに惚れましたw

攻めは用意周到で策略家で、でも赤ちゃんなんですw

それはもぉ~受けの彼女ともヤっちゃい挙げ句別れるようにしたり携帯勝手にいじったりたくさんたくさんヤンデレ的な描写がありました。



Hは攻めの気持ちも受けにまだ伝えられてない、レイプされた経験があるのに(レイプから快楽に目覚めてても)
自慰行為を見られた流れから友達と最後までいったのには最初うーんってなりました。ここは途中まででよくない?と私は思っちゃいました。

レイプ描写もあまりないので全体だと甘めでしょうか。

料理中やら風呂場でやら攻めは自分が使った玩具にさえ受けがそれでイってしまったので嫉妬してますw

内容もエロも読み応えありでとても良かったです。この作者の他の作品も読みたくなりました。

19

深いな

私としては、近年稀に見る深いBLだと思いました。

攻めの計画通りに受けが堕ちていくと見せかけて、実は最初から、絡め取られていたのは攻めのほうだったんですね。
受けの大きすぎる母性に知らず知らずのうちに、出会った時から、狂わされていたのは攻めのほうだったのだと思います。

私は松本ミーコハウス先生の恋のまんなかが大好きなのですが、それとかなり似たような衝撃を受けました。
こういうBL、大好きです。

18

羽を折られた天使

ものすごく面白かったです!
ただネタバレ無しの方が良い話だと思いますし(但し予想は簡単に付く)レビューを書いている自分が言うのも何ですが、レビューは先に読まない方が良いです。
ヤンデレ攻め好きには文句無くお勧めできる話です。
帯の文句で犯人の予想は付いて実際その通りだったのですが、自分の購入の決め手はその帯の文句だったりします。

以下ネタバレ含んだ感想につき注意


攻めの腹黒ヤンデレ具合が本当にやばいです。
特に攻めから受けの(元)彼女に対しての仕打ちが半端なかったです。
受けに対しては優しいですが、受け以外どうでもよく、受け以外の人間には本性がバレバレだったという…
同時収録の「child」は攻めの一人称の短編で、攻めの狂気がよく表されていたと思います。
攻めはヤンデレで明らかに異常ですが、受けもおかしい部分があるので、ある意味お似合いの二人だとは思います。

ラストはもっとバッドエンド寄りの物を想像していました(同作者の「三人遊び」みたいな)
作者さんはあとがきで「暗いけれどもバッドエンドではないと個人的には思っています」と書かれていましたが
バッドエンドではないどころか十分ハッピーエンドだと個人的は思います。

ヤンデレ(特に策士型)好きな方には本当にお勧めできます!
本当に購入して良かったです!

12

母を求めて泣き叫ぶ子ども

なるほど“母を求めて泣き叫ぶ子ども”というのは、一心不乱に泣いて、母親の関心を自分のものにしようと、全身でその愛情を獲得しようと必死になるものだな、と。
母親に愛されなくては死んでしまうから、一人では生きていけないから、泣き声でしか母親を呼べないから、火のついたように泣き叫ぶ、それが“母を求めて泣く子ども”か……と、しみじみ思わされた一作でした。

主人公の受けは、「天使」なんて呼ばれているほどの博愛精神の持ち主。人の悪意に鈍感で、深く物事を捉えない。
そんな受けの博愛精神と慈愛に母性と神聖性を感じた攻めは受けを溺愛し、執着するようになる。
そしてレイプされて初めて人の悪意に怯えるようになった受けを囲い込んで依存させていくというストーリーでした。

本作の攻めは、受けに対してはいつも爽やかな好青年なのに、裏では女を侍らして情報操作して、気に入らなかったり裏切ったりした奴は暴力制裁するというとても黒いキャラ。
そんな攻めが、本性がバレてからも受けにだけは優しくて愛情を注ぐというのが個人的にはかなり好みでした。

そんな攻めに溺愛された受けが依存度を深め、快楽地獄に二人して堕ちていく中で攻めが言った言葉がとても印象的で。

「花は咲いちまったら蕾には戻れないんだ。俺は蕾のお前に恋してた。花のお前には溺れてる。女だったら実らせて自分のもんにできるのに、お前は結実しない。お前はこんなに綺麗に咲いて男誘う香り垂れ流してるのに、実らない。他の誰にも散らされないように、大事に囲って、毎日世話して、愛して、それでも足りない。不安なんだ」

蕾を無理矢理こじ開けて咲かせた癖によく言う、と思うのですが、そんな身勝手さと愛情深さと執着と不安を共存させている本作の攻めを見事に象徴するセリフだなと感じました。
そして『mother』というタイトルのセンス。
神としか言いようのない作品だと思います。

12

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