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切なく心揺さぶる「永遠の愛」のおとぎ話。
木人形のピノがとっても純粋で明るくて可愛い。
突然消えた父親代わりのパオロをいつかいつかと心待ちにしながら一年以上も孤独に帰りを待っているピノがすでに可哀想でのっけから切なくなります。
そこに現れる絵本にでてくる王子様みたいなラウルが登場し二人のパオロ捜索の旅が始まります。
木人形のピノに対して冷ややかなラウルの態度にピノが全然へこたれないのでピノの心の強さを感じました。
見た目は子供のようなピノだけど、ラウルが秘めている心の薄暗い部分には触れないように気を遣ったりするなど、精神的には見た目以上にずっと大人な部分が魅力的です。
パオロと縁のあるアンジェロと出会ってからは3人でのパオロ捜索が始まりますが、ピノがなぜかアンジェロの体に入れることがわかり、ピノは体調が不安定なアンジェロの代わりに体を借りて旅を進めていくことになります。
最初はピノに対してつれない態度だったラウルも、旅を進めていくなかでピノの優しさや素直な感情に救われ少しずつ心を許していきます。
好きなエピソードはたくさんあるのですが、集落のパオロの家を捜索して魔法人形のミケーレに出会うシーンは、ラウルが今まで忌々しく感じていた自分の能力が人形たちにとって救いになっていたとわかり、これからもおくりびとを続けていこうと決心する素敵な場面でとても感動しました。
必死にパオロの日記を見つけてきてくれて優しい言葉をかけてくれるピノに対して愛おしい気持ちが溢れラウルから抱きしめるシーンもとてもキュンキュンしてしまいました。
ラウル、ミケーレ、アンジェロと、つらい話が結構あるのですが、そのたびにピノの美しい心と言葉、その行動に救われるので、心があたたかくなります。
そんな優しいピノに対して、特別な感情が芽生えていくラウルの変化も微笑ましいですし、自分たちの気持ちにとまどいつつも関係を深めていく二人が尊いです。
お祭りのシーンはもう大変萌え散らかしてしまい、きゅんが止まりませんでした!
ピノが抱える切ない苦しみも相まって胸が締め付けられますが、二人の気持ちが重なりあい、とても幸せな気持ちになりました。
でも、そんな幸せな時間もつかの間、集落から見つけ出したパオロの日記をヒントに海辺の療養所に向かいそこでパオロと3人が感動の再会を果たすのですが、ここからが本当に切ない…。
パオロがピノを置いて家をでた理由、アンジェロが隠していたこと、パオロとアンジェロの深い絆、二人で過ごす最後の時間、パオロから知らされるピノの不穏な変化の事実。
いろんなことが明らかになり、悲しい現実もたちはだかって、それでもいつも通り明るく元気にふるまおうとするピノの健気さにもう涙が止まりませんでした。
ラウルを笑顔にしたいという、この世で一番優しい人形のささやかであたたかい願いが叶うのかどうか、ピノとラウルがどうなっていくのか、これから読む人には是非最後まで見届けてほしいです。
そしてピノによって救われたラウル、パオロ、アンジェロが生み出すピノの奇跡を見守ってください!
伊勢原先生が書かれた素敵な結末に心打たれること間違いなしです!
早朝目覚めて寝直せなくて(歳のせい)
前の日に購入したこの作品を読み始めたら止まらない止まらない…
朝から涙ポロポロ流しながら最後まで一気に読み通しました。
とにかくピノが可愛い。
素直で明るくて優しくて。今生は今更すぎてこんなにいい子にはなれないけど…次生まれ変わったらこんな心優しい人になりたいと思う。
とても優しいお話で、情景や登場人物の動きが目に浮かぶように描かれているので、普段は小説読まない派の人たちにもぜひ読んでほしい素敵なお話です。
ピノが「エヘヘ」っとおでこを叩く仕草が何回か描かれています。これが可愛くて!このシーンが大好きです。
寝る前に何気なく手にした一冊でしたが、純粋で心優しい小さな木の人形・ピノの初恋がとても可愛く、そして切なく…「彼の初恋を見届けるまでは眠れない!」と気づけば朝になっていました。
と言うか、泣き過ぎて眠るどころじゃ無かったですね
もう、中盤以降から涙が止まらない、止まらない……
人の心を持ち、歌ったり踊ったりできる〝魔法人形〟のピノ。
人間が大好きで、周りの人にはいつも笑顔でいて欲しい。困ってる人がいたら力になりたい。純粋で心優しく、人々がすっかり忘れてしまった〝大切な事〟を思い出させてくれるような、素敵なキャラクターでした*
小さな幸せを見つけて常に前を向くピノの明るさに、じんわりと癒されます。
そして、ピノの小さな幸せが多くの人に伝播する……
人形の魂を抜く「送り人」であるラウルもピノとの旅の中で、すっかり忘れていた〝大切な事〟を思い出して行きます。
孤独で寂しく、傷ついたラウルの心にそっと寄り添い続けるピノ。その小さな温もりにより、自らの運命を呪い、否定し続けていた「自分自身」を受け入れるラウルの変化に、胸がいっぱいになりました。
冷たく無愛想だったラウルとも次第に心を通わせていき、旅の中で「トキメキ」や「嫉妬」などの人間らしい感情を知っていくピノは、まるで初めての恋に戸惑う少年のよう!
しかし、〝本物の恋〟を知れば知るほど「木の人形」である事実が、ピノの心を蝕んでいき……
大好きなラウル、そして大切なパオロとアンジェロ。
大切な人々の幸せを1番に願う、小さな木の人形ピノの初戀が、どうか幸せなものでありますように……と願いながら結末を見守りました。
正直ラストは予想外でしたが、ピノとラウルの〝心の交流〟を大切に描いてきた作品だからこそ、見た目や形に囚われず〝心〟で惹かれ合う2人にピッタリのエンディングだったように思います。
本当に、素晴らしい作品をありがとうございました!
忘れかけていた〝ピノの心〟を無くさない為にも、何度も読み返したい、大切な一冊になりました。
まるで童話のようなとても可愛らしいおとぎ話のような物語です。
伊勢原ささら先生の作品を読むといつも心が洗われます。
木の人形と言えばピノキオが連想されますが、鼻は伸びません!(笑)
とても思いやり深く、心優しく夢見がちで、太陽の様に明るく愛らしい木の人形、ピノが主人公です。
ピノの行動やとても優しい心持ちや気持ちひとつひとつにとってもほっこりします。
ページをめくるたびに、ピノの可愛らしい仕草や元気な声が聞こえてくるようでした。
攻のラウルの閉じていた心がピノとの交流で少しずつ開かれていくのも納得です。
出会いと旅の道中での悲しい別れもあるのですが、そのすべてが優しい気持ちで包まれているように感じられます。
そしてちゃんとエッチもあるのですが、でもその表現は凄くチャーミングで、素敵な言葉で表現されてました。
ぜひ本編を読んでキュンとして下さい!
帯の先生のコメントもとっても可愛らしいので是非帯があるうちに♪
コミコミさんの特典小冊子は物語のその後なので読めたら読んだ方が良いと思います!
また、素敵な番外編をサイトに上げて下さってるので、気になられたら是非!
(本編を読んだ後の方が良いかなと思います)
https://fujossy.jp/books/27688
作家買い。
作家買いですが、yocoさんの描かれた優しい表紙に思わずうっとりしながら手に取りました。伊勢原先生と言えば健気受けのイメージが個人的に強いのですが、今作品の受けちゃんも超絶に可愛かったです。
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
木でつくられた人形のピノ。
彼を作ったのはパオロという男性。優しく穏やかで、ピノにいろいろなことを教えてくれた人物だ。パオロに心を入れられたピノは、人形でありながら人の様に考え、感じることができるのだった。
が、1年ほど前のある日、パオロは家を出て行ったまま帰ってこなくなってしまった。体調不良を訴えていたパオロがどこかで倒れているのではないかと気をもむピノではあったが、パオロに言われた「人形のふりをして動いたり話したりしてはいけないよ」という言葉を忠実に守り、今日も一人でパオロの帰りを待っている。
そして、果たして一人の人物がパオロとピノの住む家にやってくる。けれどそれは待ち焦がれていたパオロではなくー?
というお話。
人形を作り、その人形に命を吹き込むというファンタジー要素たっぷりのストーリー。ピノがとにかく可愛い。パオロを信じ、ずっと孤独に耐え、彼の帰りを待ち続けている。もうこれだけで涙が止まらない。
けれど、薄幸展開かと言われるとそうでもない。
ピノはとても朗らかな男の子だから。パオロから与えられた知識や感情をフルに生かして、彼は決してネガティブな感情にとらわれないからなのです。
そしてピノのもとにやってきた男性・ラウル。
パオロの元弟子で、人形を作っていた男性。彼もまた、パオロを探して彼の家に訪れるのだけれど。いなくなってしまったパオロを探して二人で旅に出るところから、二人の交流が始まっていきます。
寡黙で、笑うことをせず、ピノにも素っ気ない言葉しかかけないラウル。けれど、ラウルが「そう」なってしまったのにも理由がある。この理由が、きちんとこの作品の軸になっていてそこがまた良い。
ピノとラウル、二人でパオロを探す旅に出るが、また一人の美しい少年と出会います。彼の名はアンジェロ。アンジェロもまた、パオロを探していて…。ピノとラウル、そしてアンジェロも加わり、パオロを共に探すようになるけれど。
パオロが帰ってこなくなってしまった理由。
ラウルが寡黙で、「死神」と人から呼ばれている、その理由。
そして、ピノとアンジェロのつながり。
読み進めるうちにすべてがつながり、もう涙腺崩壊。パオロがピノとアンジェロを自分の意志で放置したのではないとわかって安心しつつ、彼らのすぐそこにやってくるであろう未来がなんとも切なかった。でも、パオロとアンジェロの深い深い愛情がめっちゃ良い。何ならこの二人だけで1冊の作品が作れるんじゃないかと思う、そんな二人なのです。
ラウルは寡黙青年ではありますが、ピノと出会い、そして過去の出来事から蓋をしてしまった心の扉が再び開いていく。人形として、人との関わりを持ってこなかったまっさらなピノが、人を疑うことを知らないピノが、ほかの人とかかわることに悋気を抱くシーンは思わず爆笑してしまいました。
人形のピノと人間のラウル。
2人の未来がどうなってしまうのか気になって気になってページをめくる手が止められませんでしたが、最後は大団円。心底ほっとしました。
切ないけれど、温かさや人を思ういろいろな形の愛情に満ち溢れた作品で、めっちゃ良かった。yocoさんの描かれた挿絵がまた良い…!この作品の持つ世界観にぴったりとはまっていて、萌え度は確実に上がりました。
キャラ良し、ストーリー良し、挿絵良しの文句なしの神作品。
読後、心がほっこりと温かくなる、そんな素敵な1冊でした。