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表題作愛の在り処

高校からの親友 水野幸平/兄 松久保修一 30歳
勤めていた会社が倒産して求職中 松久保椋

あらすじ

勤めていた会社が倒産してしまい、実家で兄の修一と暮らしていた椋。このままではいけないという焦りから、幼なじみの幸平と相談して一人暮らしをすることに。しかし、椋に執着する修一が隣の部屋に引っ越してきた!以前の兄を期待してしまう椋は、エスカレートしていく束縛を振り切れない。だが、そんな椋を見かねた幸平に「こんな目に遭ってもいいのか!?」と、無理矢理抱かれてしまい……。
(出版社より)

作品情報

作品名
愛の在り処
著者
杏野朝水 
イラスト
スゥ 
媒体
小説
出版社
コスミック出版
レーベル
セシル文庫
発売日
ISBN
9784774726106
2

(5)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
2
得点
7
評価数
5
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

恋愛と成長と

兄(実際は親戚)と親友という、執着攻め二人に愛される世間知らずなお坊っちゃま受けです。
登場人物がほぼこの三人のみという構成に、最初はシンプル過ぎて物足りないと感じました。
しかし、主人公の受けが、何不自由ない暮らしだけど狭い世界に生きていることを考えると、その受けの一人称「僕」で進むこのストーリーにこの構成は納得だし、そこに閉塞感と静かな狂気を感じました。

と言っても、受けが無理やり抱かれたあと自分の恋愛感情を自覚してからは、そんな狂気もあまりなく、割と甘い展開になってしまうのですが。
それまで兄に守られ、親友を無邪気に慕っていた受けが、自分に向けられた感情を理解することで、自分の意志で好きな人を選び一歩踏み出すというラストは良かったです。

ただ、ドロドロの三角関係ものを期待すると、大きな修羅場もなく収束してしまうので肩透かしを食らうかなと思います。
あと、攻め二人とも執着は強いけど基本的に優しく、絡みはノーマルでそんなに酷いことはしません。

あとがきにあるように、恋愛と成長がテーマの話だったんだなと。
それならそれで、攻め二人が受けに執着する理由がもっと欲しかったし、受けが恋愛面でどちらを選ぶか、もう少し葛藤してもよかったんじゃないかな~とは思いました。

幼い頃両親を亡くし、伯母夫婦の家で育った椋は、修平を実の兄のように慕い、成人後も兄と二人で暮らしていた。
勤めていた会社が倒産し、親友・幸平のアドバイスも得ながら職を探す椋。
そこで、兄も身を固める歳だし、自立しなければとの思いから、引っ越しを決意する。
しかし数週間後、隣の部屋に引っ越して来る兄。寂しそうな顔で椋に触れる兄の手を拒めず、椋はされるがままになる。
後日、それを椋から聞いた幸平は、椋を押し倒し、ずっと好きだったと告げ…という、二人の近しい人物から求められ、交互に触られ…という話。

三人で…というシーンはなく、兄と幸平が互いに椋を取り合うような関係です。
どちらが本命になるかは、割とすぐ分かるかと思いますが一応読んでのお楽しみということで伏せておきますv

5

二つの執着愛

杏野作品、どこか少しほの暗い部分があるのが好きです。
今回は前回のような驚きガッカリ感はどうかありませんように、、と願いながら。
これは、以外にも意表をつくものが実はありました。
二つの愛情。
それは似たようでいて、違うのです。
一瞬同じ種類のものか?とも思われるのですが、結末からも途中からもそれは見えてきます。
ただ、ここで個人の好みを出すと主人公が受け入れられるかられないか。
ここで主人公になる青年、甘えん坊気質の23歳。
電球に背が届かないから、友人に替えてもらうって・・・おい!踏み台持ってきてじぶんでやれよ!!!
他にも、イライラするほど鈍で、好きか嫌いかというと「お前ついとんのか!」と叱咤したいほどに男らしくない大嫌いな性格を持つ人物でした。
ただ、それを主人公を取り巻く親友と兄が補うにあまりある、
どちらかというと兄の存在が、なかなかにいい存在感を出していて、その自分的弱点を補ってくれたのです。
この兄や親友が引き立つのも、この主人公ありきですしね~

両親が海外赴任で血はつながらないがまるきり実の兄弟のように育った兄と弟は実家で二人暮らし。
主人公=その弟・椋は就職した会社が倒産して無職で3か月、苦手な家事をこなしながらすごしている。
たまたま叔母が来たときに出た兄・修一の結婚話。
そうだよね、と考えた椋は一人暮らしをすることを決める。
修一に大反対されながら実行した引っ越しだが、しばらくすると修一は隣の部屋へ越してくる。しかも椋が実家で使っていた家具や思い出の品々を収納した椋の部屋まで作って、
そして実家といるのと変わらないように、彼が部屋へ来ることを強くすすめ、断れない椋。
高校時代からの親友で何かと助けてくれる幸平が、兄の様子を聞いて激怒して・・・

こうしてみると、兄の弟への執着愛というのを感じることができるのだが、
その意味合いが、いつもふつうにBLを読んでいるときの当たり前展開出なかった点が新鮮だ。
究極の溺愛であって、性愛までは?
この当たりのまぎらわしさが、面白さでもある。

それにしても椋、君は早くしっかりしなさい!!(苦笑)
しかし、そんな彼を幸平は好きなんだよねーーーww

2

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