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表題作山倉造園チョキチョキライフ

山倉翔,38歳,,寡夫で造園業を営む植木職人
敦士,23歳,,住み込みの弟子

同時収録作品山倉造園チョキチョキライフ

奥村,セフレ / 堂島,取引先担当者
敦士,植木職人見習い

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

昨日の晩、オレは好きな男が酔っているのをいいことに、
とんでもないことをしてしまった……
そして今、猛烈に後悔していた──!
植木職人見習いとして翔さんと一緒に暮らすようになって5年、
困らせたくなくて、この生活を壊したくなくて、
ずっと気持ちを隠して、ずっとずっと耐えていたのに!!
まさか自分から翔さんを襲ってしまうなんて!?
硬派な翔さんと、一途だけどチャラい敦士の
熱くてゆるいチョキチョキライフ登場?

作品情報

作品名
山倉造園チョキチョキライフ
著者
吉沢純 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHY文庫
発売日
ISBN
9784813041191
3.8

(31)

(5)

萌々

(17)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
117
評価数
31
平均
3.8 / 5
神率
16.1%

レビュー投稿数10

好きな人がいるから頑張れる

デビュー作が建築業、そして2作目のこの本は造園業の植木職人。
ガテン系が続きますが、これもまた汗臭くない爽やかなガテン。
そして、この作家さんの特徴なのでしょうね~自分が感じる「男っぽい」恋愛の有り方が描かれていて非常に好みなのではあります。
ちゃら男と言われる23歳のやんちゃ男子と、38歳のやもめ職人の歳の差カプ。
題名からしてコミカルな雰囲気が漂いますが、この主人公23歳のキャラクターにふさわしい題名だったんじゃないかと、印象に残るという点でもこの題名かなりお気に入り。
ただ、この主人公片想いをまぎらす為のセフレがいます。
また、後には他の男とも仕方なしに関係を持ったりします。
しかも、彼等とのエッチ描写がありますので、特定の攻め以外との関係があるのは地雷という方には注意であることは明記しておきます。

敦士が、高校を出てふらふらしているところを造園業をしている父親に無理矢理入らされたのは同業で妻を失くして一人暮らしの植木職人・翔の元。
敦士は翔がすぐ好きになってしまうのですが、5年間その想いを秘めています。
ある日、酔いつぶれた翔に思わず襲いかかって持った関係。
その日から関係がぎくしゃくし、セフレの存在を知られてしまい敦士は家を飛び出してしまう。
そんな経緯がありながら二人は気持ちを通じ合い、そしてより固い結びつきを得るお話となっています。

冒頭の植え込みでベアーを作るのを依頼されるシーン、なかなかに面白かったです。
親方に当たる翔が怖いので、若い敦士に依頼主のおばちゃんが頼むのです。
敦士も翔に反対されると思っているので尻込むのですが、おばちゃんの必死な様子にほだされてやり始めるのが上手くいかなくて、結局翔が手伝ってくれる。
見た目怖いけど、ほんとうは怖くないよというのを表現する場面になったのでしょうか。
また、このお話は関西弁で話されるのですが、顧客のおばちゃんんが全身豹柄で(爆)若い子が好きやって敦士をかわいがる姿とかあって、そうしたほのぼのとしたやり取りもエッセンスとしていい味を出していました(本編的には色々あるところなのですが)

敦士は今どきの男の子らしく、友人に誘われれば合コンに参加して割と男女問わずにお付き合いはしたりするみたいな、作中表現で言うならちゃら男な要素もある。
でも、ほんとうは翔一途。
彼が亡くなった奥さんを大事に思っていると思っている部分もあって、片想いでいるしかないから、そういう部分で発散させているようです。
彼は浅はかというか、おバカというか、複雑でないのが大変に解りやすい。
そして翔に出会ったからかも、好きだからかもしれないですが真面目です。
無事恋人になった後、大きな仕事の依頼主から仕事を切られたくなければと関係を迫られ、健気にも言うことを聞いてしまいます。
自分が我慢すれば済むと思った。
恋人からしたらとんでもない!かもしれないのですが、案外に展開としてはサラっとしているのです。
セフレと別れるシーンもそうでしたが、こういうサラっとしてドロドロと後を引かない部分というのは、気持ちがいいです。「男」だからこそと思える部分でありました。

また翔という男ですが、彼もまたいい男だったと思います。
スーパーに完璧じゃなくて、やはり本当は敦士が好きだったのを我慢して堪えていたと。
でも預かりモノだから手を出しちゃいけないと、自制していたと。
ご仏前の奥さんにちゃんと報告もしていたとか、38歳らしい等身大の男の有り様だったような気がします。
敦士が、セフレの奥村と別れようと会っていた場面で偶然翔が出くわすのですが、そこでの彼の何気に釘をさしながら、嫉妬丸出しでない姿とか、些細な部分ですがいい男ぶりでした♪
そして、敦士が翔の為を思ってしてしまった事も。
相手を頭ごなしに攻めるでなく、心配してお前が大事なんだと男前な態度を見せるのも大人の男らしくて。
結構敦士にメロメロ?かもしれないですが、二人して同じくらいに好きという雰囲気が伝わってきてよかったです。
エッチシーンも甘いだけじゃなくて、快感を求める姿に時々ちょっと間抜けなセリフがあってみたりして、こういう風の方が萌えるエッチシーンかもしれないです。

作者さんの後書きで色々な大人の事情が語られます。
自分的には全然作者さんの思う方向でいいと思うんだけどな~しかし、「売れなくてはいけない」というには色々制約も多いようです。

7

奈良さんのイラストとベストマッチ

奈良さんのイラストで作品のイメージがすんなり入ってくる感じで良かったです。
主人公二人が植木職人と言うシブイ職種も攻めになる山倉のイメージに合っているし
やんちゃな敦士が一応弟子になるのですが今どき風な若者なのに、
実は一途に山倉が好きで健気だけど、その気持ちの置き所がないから、
フラフラ遊んでしまうのも逆に切ない感じだけど、おバカなんです。

山倉は妻を事故で亡くした頃に仕事仲間でもある敦士の父親に頼まれ敦士を
5年前に預かってから二人暮らしをしている。
妻を失くして生きる気力が気薄になった時に現れたのが敦士で、
敦士は一目ぼれ状態で実父とは折り合いが悪いけど山倉に一目ぼれしてからは
真面目に山倉と仕事をしている健気くん。
そんな敦士に知らないうちに妻を亡くした寂しさを埋めてくれて癒される。
可愛い弟みたいに接しているのですが、敦士が気がつかないだけでかなり
大事にされていたりします。

敦士は5年も片思いし続けていて、相手が酔っていた時に肉食系のように乗っかって
しまうとんでもないことをしちゃいます。
それから二人の関係はギクシャクしてしまい、片思いの寂しさから見つけたセフレの
男と会っているところを見られ、説教され、逆切れして告白してしまい家出する。
行動がぶっ飛んでいてお子様なんだけど、必死な気持ちが伝わります。
敦士視点で描かれているのですが、両想いになった後も相手の為に何かしたい、
相手を守りたい気持ちで身体を張る様なおバカな行動し、尻軽気味かもと
思わないではないのですが、山倉を思えばこその愚かな行動。
ちょっとした感情の擦れ違いが不安にさせる。
山倉視点があったら意外にヘタレで嫉妬と溺愛を感じさせるかもと思う内容でした。

6

そっかヒゲが…

やはり出版社によってヒゲまでもがアウトになるのか…

凄い好きvvこの翔さん!!
職人気質で常識のある大人と突っ走るガキ(敦士)って感かな。

親元から植木職人の見習いとして翔さんのところに預けられて5年。
翔さんのことが好きだけど、今の距離を壊したくなくて他の男と関係を持つのですが
相手が酔ってることもあり、とうとう襲い掛かったんですよね。
だけど朝起きて謝ってくる翔さん…
やはり常識ある大人として、酔ってるからという言い訳はしないみたいです。
そこから2人がギクシャクしはじめて…

セフレのことも問い詰められて、逆切れの告白で飛び出す敦士。
友達の家に転がり込むも、ストーカーのごとく翔さんの日程をチェックし
覗きに行ってるという…(^^;)
だけど翔さんの方だって敦士のことを…
でも親御さんから預かってる大事な身で大人な分、
そういう気持ちで好きだなんて言えないんですよ。

だけど自分のそういう気持ちを踏まえたうえで敦士に告白
やっとこさ納まるところに納まった!!

と、ほっとしてたらお馬鹿な敦士はまたやらかすんですよね…
落ちついて考えれば分ることなのに、急な脅迫に選択を間違ってしまった。
翔さんの仕事をなくしたくなければ、そういう意味での相手をしろ。
勿論、翔さんのことを考えると体を差し出しちゃうんですよね。
翔さんがそれを知ったらどう思うかよりも先に翔さんの仕事が…って
分るんだけど落ち着けよ!!

これから先は敦士も選択を間違ったりはしないと思うのですが
この敦士だしな…

5

予想以上にときめいたー!!

これにつきますww
失礼ながら、造園にはそんなに興味はないですし
チョキチョキライフって……みたいな印象だったんです。実は。
でも奈良さんのイラストだし
関西弁大好きだし…という感じで読ませていただきました!

強面だけどとても優しい植木職人の山倉翔さんは
5年前事故で奥さんを亡くして一人身です。
そこへ住み込みで造園業を手伝っている敦士はバイで
ずっと翔さんが好きですが
側にいられるだけで幸せなので
どノンケだろう翔さんに、気持ちを伝えるつもりはありませんでした。
でも酔いに任せて、同じく酔っぱらった翔さんに乗ってしまい…。

わりとのっけから誘い受けしちゃってるじゃありませんか!w
いえ、好きですよ、どっちかっつうたら大好きですよ。
でも一緒に住んでるし一緒に働いてるのに
そんな大胆な事しちゃっていいのか!?という懸念を
後にとっぱらってもらえたので安心して読み進められました。

亡くなった奥さんに義理立てして
彼女の一人も作らない翔さんを気の毒がって
日頃お世話になっている人から女性を紹介されそうで
翔さんもそれを断りきれないのを
飲みの席で見てしまった敦士が焦ったわけです。

側にいられるのは嬉しいけど、ツラさも常につきまとってしまい
その欲望のはけ口をセフレで既婚者の奥村にぶつけます。
敦士はHなんて誰とでも出来ると思っているタイプですが
一度翔さんを感じてしまっては
翔さんだけが欲しいと思うようになるのです。
多少おバカでビッチなようで一途なんですよ…。
翔さんがいない間でも、いつも考えるのは翔さんの事ばかりだし。
奥村は、身体だけの関係なのに敦士に好意をよせていて
もっと割り切ってくれないと、と敦士は困るのです。
翔さんだけがずっと好きだから。

翔さんに、奥村との関係を咎められて
堪りかねてとうとう想いを告げた後家を出てしまい
友人の孝弘のところへ転がり込みますが
この孝弘がすごくいいヤツで…。
翔さんいわく、合コン好きのチャラ男ですがw

そこからも、もうきゅんきゅんきゅんきゅんしまくりです!!
“チョキチョキライフ”というタイトルに気後れしていた私がバカでした!!
通じ合ったあとのHがこれまた気持ち良さげで
「泣くほどええんか」って、翔さ──ん!!!
38歳のわりにオヤジくさいww
でもホントにすっごくよさそう……。

奥村との関係に終止符をきっちり打つシーンでも
いくら偶然とは言え、翔さんの男前な態度にずっきゅん!!
奥村はといえば、敦士をちゃんと好きだったから
名残惜しそうで気の毒でした。
なんかもう憎めなかったです。

ところが!!
新しく出来るマンションの庭を任される事になり
その工務店の担当者・堂島が!!
今後の仕事の件も含めて、敦士との関係を条件にし
敦士は翔さんの為ならと
バレないように言いなりになってしまいます!!!

ここ…ここは…いくらなんでも応えないで欲しかった…!!
敦士はちょっとね、
考えが浅いとこもあるから仕方ないかもだけど…。
せめて触られるくらいだったら良かったなぁ…と
個人的に残念に思うわけです。
堂島には、敦士に対して愛が欠片も感じられなかったから。

でも、なんやかやでハピエンです。
敦士が高校卒業後フラフラしていたのが嘘みたいに
人間としても成長していく姿を
翔さんも傍で見ながら支えられていたというのが
胸にじーんと染みました。

マサさんという、仕事が多い時に手伝ってくれるおっちゃんが
これまたいい人で楽しかった!!
各エピソードにいちいちじわっときました。

ああ、もっと早くに読んでいれば良かった……。

3

職人BLカッコイイ(∩´///`∩)

タイトル…絶対損してる気がする。
奈良さんの表紙に惹かれて購入したものの、
BL的な萌えがあるのか?とちょっと不安を覚えつつ。
実際読んでみたら、メッチャ萌えてキュンキュンしてドキドキして泣いて…すっごく面白かったです!!!ヾ(*´∀`*)ノ


受け目線で流れていくストーリー。
関西弁の軽快なセリフでポンポン進んでいきます。(関西弁に馴染みがないとちょっとしたニュアンスとかわかりにくいかも…です(^^;;))

片思いの苦しさや些細な幸せに一喜一憂して
満たされない思いをヨソで発散して紛らわして…。
好きだから側に居たい
好きだから側にいるのがツライ
2つの相反する気持ちの間で苦しみながら、おバカなりに一生懸命攻めに尽くそうと頑張ってる姿が健気でキュンキュン。

攻めのことが好きで好きで好きで好きでって、それしか言うことないんかい!wwってツッコミたいくらい「翔さん好き」しか言わない一途さと、アホっ子らしい短絡思考がなんだか可愛らしいです。

もっと近づきたい気持ちが暴走して襲い受けしてグイグイ行くくせに相手の本心を聞くのは怖くて逃げて家出。家出してるくせに気になるからといってコソコソ影から見てる半ストーカーw この中途半端な行動とアホさに萌えツボを刺激されヾ(*´∀`*)ノ

そこからの両想いになるシーンはもぅもぅっ(///Д///)
床ローリングしてましたw
甘々のデレデレ大好きには堪らん糖分///

でも、これでまだ話は中盤。おやー?と思ってたら
仕事を天秤にかけられ体差し出す系の流れに、
甘々エッチのすぐ後にコレはなんとも言えない吐き気が…。

攻めの性格を考えれば、悲しむだけってすぐわかるのに。
受けの短絡思考を殴りたくなる。
案の定、攻めが知った時にはすごく怒るんだけど、
怒ってるけど攻めがひどく傷ついてるのがわかって泣ける…
平手打ちした攻めの手の方がずっとずっと痛いだろうな…とか思ったり。
中盤が甘々だっただけに、悲しかったです。

攻めは外見も内面もカッコイイ人でした!
職人気質で余計なことは言わない分、言葉には重みがあって。
見た目が怖そうなのに実はとっても優しくて、ちょっと甘えたで。
んで独占欲が強い。
趣味と仕事で鍛え上げられた体と、外仕事で焼けた肌。関西弁。
個人的に萌えツボが詰まった最高な攻め様で震える…(∩´///`∩)

関西弁萌えの方・アホっ子受けがお好きな方・甘々がお好きな方は是非♪
チョキチョキライフのタイトルはアレですが、職人さんと見習いくんの両片思いが楽しめる1冊です。

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