まりぽん812
本編の最後で気持ちを確かめ合ったハッサンとファウジがロンドンに移り住み、二年たった頃のお話。
ファウジは目の手術を受け、もののありかが分かるくらいには視力が回復しましたが、外出はハッサンに手を引かれてのようです。ツンなファウジにとっては、手をつなぐ理由があって、よかったではないですか(笑)。
夕食を食べに二人で外出したものの、「寒い、寒い」と騒ぐファウジを黙らせるため、ハッサンはファウジの口に飴を放り込みます。すっかりファウジの操縦を心得ているハッサン。二人が微笑ましいです。
帰り道、「絶対に温かいスープが飲みたい」と駄々をこねるファウジを公園のベンチに座らせて、一人スーパーマーケットに向かったハッサンは、そこで双子の弟・アントンと二年ぶりに再会します。正直なアントンは、『自分はファウジのことは好きになれないけれど…、彼がハッサンのことを愛しているのは嘘ではないのだろうと思う』、と話します。アントンは、ハッサンより人の心の機微に敏感なのですね。本編でも、ハッサンよりずっと早くファウジの気持ちに気付いていました。声を奪われた悲しい経験が、彼をそうさせたのかもしれないと思うと、胸が痛みます。そんなアントンも今は二人を温かく見守っていることに、穏やかな時の流れを感じました。
ハッサンが急いで公園に戻ると、ファウジの姿は無くて。焦って探し回るハッサンがアパートに戻ると、玄関にファウジがしゃがんでいて。抱きしめて「申し訳ありませんでした」と詫びるハッサン。ファウジは「…次からは寄り道をせずに、もっと早く戻ってこい」と返します。恋人同士なのに、相変わらずの主従関係めいたやり取り。それでも互いを温め合うように抱き合う二人からは、甘い空気が伝わってきて、ものすごく萌えます。
本編は辛い描写が多かったので、幸せそうな二人が見られてよかったです。
この小冊子がなかったら消化不良のままモヤモヤしているところでした。たった数ページですが、私にとっては救済の数ページでした。ありがとうございました。ファウジの目が良くなるといいなと心から思います。頑張れハッサン笑
読み終えたときに、あれ?って思いました。
これだけ?まだ先があった気がするのだけど・・・。
で、思い出したのは、同人誌「Novels plus mini 」で加筆されたのを、私は先に読んでいたので、物足りなさひとしおでした。
この特典でも穏やかな後日談にほっとさせられましたが、更にそちらでは、さらにハッサンのために内緒で料理をするファウジが書き足されており、ラージンとアントンの今後のむふふな関係も示唆されているという本からは推測できないビックリ具合でした。(作者様の双子は最初から「攻」のつもりだったとのコメントにええっ!でした。)
同人誌の加筆分、新装版の発売があれば収録してもらえるのかもしれませんが、本自体が2013年発行なので、まだ先の話ですよね。余談でした。
そこで終了なのかーという感じ。BLというには物足りない。特典小冊子なので仕方がないけれど、本当にただハッサンとファウジのその後の雰囲気が分かる程度です。
あらすじとしては、ロンドンに移住して同棲しているハッサンとファウジが散歩に出かけ、ファウジのリクエストに答えたハッサンが、スーパーマーケットに立ち寄ったところ、アントンに再会する、というもの。
ファウジは目の手術を受けていて、多少は視力が回復しています(でも文字は読めないので、日がな一日部屋で猫と過ごしています)。ハッサンは相変わらずファウジに対しては敬語で、尻に敷かれている感じ。
本編とは打って変わって雰囲気が一気に甘甘、紳士的な攻めとちょっとワガママな受け、恋人同士の同棲生活という感じ。あれだけ大変な目にあってきたファウジですから、彼らに救いがあって良かったと思います。
本編がファウジにとって、あまりにも悲惨だったので
この小冊子に少しだけ救われました。
ハッサンのおかげで、ファウジの眼も多少は見えるようになっているし。
そして、他の方も言われるように、ここからの話がもっと
読みたかったです。
ですが…なんと言っても、木原さんの作品なので、
また、更にファウジに辛い試練があったりするのは嫌なので
複雑ですね。
他の作品の中に、ちょこっと幸せにしてるハッサンとファウジが
見れると嬉しいのですが。