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表題作侯爵様の花嫁教育

ウィリアム・ケネス・ハミルトン,侯爵家の一族
広瀬結衣,亡き従姉妹の身代わり婚約者役の大学生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

10年ぶりに再会したウィリアムに、偽の婚約者の役を頼まれた結衣。連れて行かれたお城で、レッスンとして甘いキスをされ……!

作品情報

作品名
侯爵様の花嫁教育
著者
秋山みち花 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344829756
3.1

(7)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
21
評価数
7
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

再会甘ラブ

受けである結衣が子供の頃にほんの短い間一緒にいた攻めのウィリアムとの
再会もので相愛だけど誤解からすれ違うが結衣の危機的状況に助けに現れ、
誤解もすれ違いも超えてラブラブになるシンデレラ的ストーリー。

ウィリアムが腹黒冷血人間なのか、自分は利用され後は離ればなれになってしまうのか、
そんな誤解があるお話ですが、実はウィリアムの一途なまでの長年の片思いが
オチャメな侯爵の計らいで実るお話でもあります。

痛い要素も無く、結衣が本当に愛されていることを信じるまでのお話ですが、
ウィリアムのショタ疑惑やウィリアムと貴族夫人との不倫疑惑など
読者には怪しいと思えるところも無きにしも非ずですが、
相対的に見れば攻めが長い間受けに片思いしていて、結衣が小さい頃の約束通り
お嫁さんにする溺愛型の甘い内容に無垢な結衣に花嫁レッスンと言う名の
エロを仕掛ける内容でもあります。
結衣にとってもきっと初恋の相手なのだから、初恋同士の恋が偽りの結婚と言う形で
実り、でも心だけは本物の結婚なのねと言うお話でした。

2

王道あまあまロマンス

秋山さんの『ベタ甘王道』は基本的には好きなんですが、こちらはあらすじで『あまりにもありがち過ぎな予感が・・・』と買うのを見送ったんです。

それが『花冠の誓約 ~姫君の輿入れ~』が(こちらも違う理由で買うのを迷ったんですが)、それはもう私の好みにどストライクだったので、秋山さん再読祭り開催と同時に、見送った過去作いくつかも買ってしまいました。

で、こちらですが・・・正直なところ『まあ、買わなくてもよかったかな・・・?』と思わなくもないです。ゴメンナサイ。
ただ『買わなきゃよかった』とまでは思っていません。

イヤもう、ベタベタです。甘いです。所謂『身代わり花嫁』ものとしてはまさに『王道』でしょう。


英国人の父と日本人の母を持つ結衣(受)は8歳まで英国で過ごして、その時にウィリアム(攻)と出逢って仲良くなりますが、最初が事情があって振り袖姿だったので女の子だと思われていたんです。

別れ際にウィリアムに『(結衣は自分の花嫁になると約束したから)必ず迎えに来る』と告げます。

その後、結衣は日本に帰国しますが、10年後留学生として英国に来てウィリアムと再会します。

『実は男なので花嫁にはなれない』と言う結衣に、ウィリアムは『男でも女でも関係ない』と。

そして、結衣の亡くなった従姉妹が侯爵のひとり息子の忘れ形見だったため、彼女の身代わりとして侯爵家の一族であるウィリアムに連れられて、後継者争いが起きているらしい侯爵家の城を訪れます。
ウィリアムの『(身代わり)婚約者』として。

侯爵は入院中で、城では一族に引き合わされるんですが、まあお約束の対応ですね。『侯爵家に東洋人の血が』とか『本物の証拠は?』とか。

まあ、それもウィリアムが庇ってくれてやり過ごし、その後はお城で『淑女教育』です。

侯爵家の傍流であるウィリアムが、唯一の直系である結衣の従姉妹との結婚で爵位や財産を引き継ぐことになるので、ウィリアムは最初から結衣を利用するつもりだったと明かし・・・

結衣がウィリアムの『想い人』についてぐるぐる思い悩むのまでお約束です。

しかし、ラブ面があまりにもなし崩しというか適当というか・・・

『10年前に花嫁になる(する)約束をしている』っていうバックグラウンドがあるとは言うものの、いまいきなりナチュラルにH方面に行っちゃうのがちょっと・・・

確かにウィリアムは言葉では『愛している』『花嫁にと約束した』とは言うんですけどね。結衣は、最初はどう見ても流されてるだけだろう。
まあ、結衣はいつの間にかウィリアムが好きになってたようですが。

イヤ、私は結局のところこういうのもキライじゃないんですよ。

たぶん、ダメな人は最後まで読めないでしょうが(それ以前にあらすじと表紙イラストだけで避けるでしょうね)、なんだかんだ言いつつも読み通します。どれだけ文句あっても!
ありがちな王道も、それはそれで安心できて好きなくらいなんです。

それでも、あまりにもお決まり過ぎると読んでて飽きます。すべてが薄くて浅くて完全に想定内過ぎました。

それならそれで、キャラクターに特別な魅力があれば、ストーリーが平坦でもまだいいんだけど・・・

まあ『敵役』の立ち位置(キャラクターとしては既に敵じゃないよね)の、侯爵家の一族であるチャールズがなかなかイイヤツだった。
むしろ、ある意味ウィリアムより『イイ男』なんじゃなかろうかとさえ感じましたよ。

あえて言うなら、それが『意外性』か?イヤ、逆にありがちなんだろうか・・・

言い換えればウィリアムに魅力を感じないんですよね。チャールズというキャラクターがいるから余計に。←別に、チャールズがすごく魅力的だとか好みだとかじゃなくて。

それに、途中でエリザベスという(いわば当て馬的な)人妻が出てくるんですが、ウィリアムと彼女との関係がラストできちんと解決してない気がするんだけど・・・

結衣に誤解させるためのエピソードとして、あの2人のシーンが入るのはよくわかるんですよ。それは別に構わないんです。
ただ『誤解させる』会話(台詞)の種明かしがないままなのはどうなんだ。

う~ん、どうも『詰めの甘い』部分が目について、気になってしまいました。

まあ、あっさり読みやすくてあまあまを堪能できるのは確かです。

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