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表題作虎の王と百人の妃候補

青嵐,後宮で出会った謎の男
紫星,姉の身代わりで後宮入りした西里の公子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大国・燿国の若き皇帝は、他国の王族に自分の后候補――実質的には人質を差し出すように命令。貧しい西里国は差し出す王族の女性がおらず、仕方なく公子の紫星が人質として後宮に入った。後ろ盾のない紫星は、周りから屈辱的な扱いを受けるが、ある日、皇帝の虎の世話係の男と知り合い!?

作品情報

作品名
虎の王と百人の妃候補
著者
秋山みち花 
イラスト
夏河シオリ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009501
3.9

(20)

(3)

萌々

(14)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
77
評価数
20
平均
3.9 / 5
神率
15%

レビュー投稿数3

読者は全てを分かった上で、主人公の混乱や攻めの慌てっぷりを見守るのです

こちら、姉の身代わりで後宮入りする事になった公子の、宮廷もので後宮ものです。
男の身で後ろ楯も無くと、あらすじだけ見るとシリアス系を想像しちゃいますが、これが意外と甘々でほのぼのとさせてくれるんですよ。
また、勧善懲悪と言いますか、こう世直し的な楽しさも味わえちゃって。

まぁ、完全に出オチ感満載ではあるんですけど。
なんで主人公が攻めの正体に気付かないか、不思議で仕方なかったりはするんですけど。
とりあえず、読者としては全て分かった上で、主人公の混乱や攻めの慌てっぷりを見守るのが楽しくて仕方なかったりしました。

内容ですが、後宮で出会った謎の男・青嵐×後宮入りした小国の公子・紫星による、宮廷ものになります。
やや痛い部分はあれど、基本的には甘くてほのぼのテイストです。

皇帝の妃候補として、姫を差し出すように要求された、それぞれの属国。
差し出せる姫が居ない小国・西里の公子である紫星は、男でありながら後宮入りする事となります。
で、そんな立場を侮られ、後宮では冷遇される紫星。
しかし、後宮内で自由にふるまう謎の男・青嵐と出会い、彼と過ごす時間に安らぎを覚えるようになりますが・・・と言うものです。

まずこちら、キモとなるのが青嵐の正体でしょうか。
青嵐ですが、皇帝が飼う黒虎の(自称)世話係です。
後宮を自由に闊歩し、宰相と対等に話し、衞士達を普通に使うー。
えーと、もう最初から、正体はバレバレだよねと。
とりあえず、豪放磊落って感じの男になります。

で、主人公である紫星。
実は彼は彼で、とある目的があって後宮入りします。
後宮入りと行っても、BLでよくある「男である事を隠して」パターンでは無く、「姫を差し出せない代わりに人質として」パターンになるんですけど。
大后や他の妃候補からは陰湿な嫌がらせを受け、廃墟同然の宮殿を与えられと、境遇としては不憫なんですよ。
なのですが、わりと性格的に泰然自若としてるいいますか・・・。
とある「目的」を果たす事が第一で、嫌がらせなんかもサラッと受け流しちゃうんですよ。
いや、男前でカッコいいじゃないかよと。

とまぁ、こんな二人が、後宮を抜け出したりして一緒に心安らぐ時間を過ごし、心を通わせて行くー。
しかし、何故か男である紫星が貴妃に選ばれ、更に伽をする事になりー・・・と言う流れです。

果たして、青嵐と紫星の恋の行方はー?
そして、紫星のとある「目的」は叶うのかー。
と言うのが見所になるんじゃないでしょうか。

えーと、皇帝なんですけど、何故か面紗で顔を常に隠しておりと、誰も素顔を知りません。
まぁ、しつこいですけど正体はバレバレなので、皇帝との伽なんかも楽しく読めちゃうんですけど。
また、青嵐と紫星が一緒に過ごすシーンが、とにかく甘いんですよ。
ペットである黒虎を挟んで二人で笑い合い、星見の一族である紫星が星について語るー。
実は彼等は幼い頃に出会っていて、と言う経緯なんかも、いい下味になっていて。
ついでに、紫星が貴妃になる事は青嵐には寝耳に水だったらしく、その事実を紫星から聞かされた彼が、焦ったり宰相に毒づいたりしてるのが笑えて仕方なかったりして。
いや、宰相というのが青嵐の幼馴染みでしてね、彼が色々画策してくれるんですよ。
皇帝と宰相で、後宮内を粛清しようと目論んでいて。
この宰相がまた、いいキャラなんですよね。

途中、後宮どころか政治まで牛耳る大后により、紫星が折檻を受けと痛い場面はあるんですけど。

ただ、実は青嵐の正体はー?と世直し的な面白さあり、健気な受けが報われて幸せになると言う王道の萌えありと、痛快な作品でもあるんですよ。
楽しく読んで、気分爽快で読み終えると言う。
と、とても個人的ツボ作品でした。

10

分かっちゃうけど面白い

とても面白かったです。
先のレビューにもありましたが、読者は最初から青嵐が誰であるのかが分かってしまうと思います。
それでもどうやってお話が進んで行くのか、2人がどうくっつくのか読みたいんです。うーむ、秋山先生凄いです。
そして夏河先生の描く青嵐がとても素敵なんです。
神評価にまでならなかのは、百人の妃候補と言う割にそんなに女性が登場しなかった事です。
もっと切なくなる要素も欲しかったです。そして邪魔する女ザマァな展開が読みたかった。意地悪ですいません。
あまりにも青嵐が紫星にぞっこんなので、全然心配要りませんでした。

1

星空のイメージ

表紙に惹かれてジャケ買いしました。
いわゆる王宮ものなんですけど、受け様が星読みの一族というのがちょっと珍しい設定で。
読んでいると星空のイメージが背景に浮かびます。
受け様と攻め様のまだ小さい頃に出会っているエピソードも可愛くて。
物語としては後宮のドロドロを戦う話しなのですが、なんだかピュアできらきらとした読了感です。

攻め様、青嵐は美男で、精神がたくましく、頼りになって。受け様の紫星は美人で心根も綺麗で凛としている。友達の黒虎も賢くてモフモフで可愛くて。

青嵐の治世はまだ始まったばかりなので、ぜひ続きが読みたいです。
星空のイメージを味わいたいです。

1

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