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表題作百日の騎士

ランスロット,28歳,円卓の騎士を名乗る男
安城寿音,22歳,服飾史を学ぶ大学生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

イギリスを旅行中の寿音の前に、突然西洋の甲胄を身に纏った大男が現れる。彼は、円卓の騎士・ランスロットだと名乗るが…!?

英国に住む日英ハーフの大学生・寿音は、ストーン・ヘンジをバイクで旅行中、突然の爆風と共に現れた西洋甲冑を着た大男と出会う。言葉も通じず、周りの状況すべてに驚きを露わにするその男を見捨てられずに、素性の知れないその男を家に連れ帰った寿音。身振り手振りと、わずかばかり聞き取れる彼のラテン語らしき言葉から分かったのは、ランスロットという名前と、彼が円卓の騎士の一人で魔術師により異世界に飛ばされてしまったという内容だった。百日経てば元の世界に帰れるという彼の言い分に、半信半疑ながらも一緒に過ごすうち、紳士的な彼の内面に寿音は徐々に惹かれていく。いつか別れがくると知りながらも、その気持ちは止められず―。

作品情報

作品名
百日の騎士
著者
剛しいら 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344831773
3.5

(24)

(5)

萌々

(8)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
81
評価数
24
平均
3.5 / 5
神率
20.8%

レビュー投稿数10

SFファンタジー タイムトラベルして現れた騎士

アーサー王のタイムスリップものは、「少年は神に・・」のシリーズが最近の作品でありますが、あれは、湖が時の門という設定。あちらの世界に定住して、悪い魔女の退治をする冒険。

ちょっと古い剛しいらさんの作品は、ストーンヘンジに時の門があると言う設定。ツールは、ペンダント。
タイムスリップした現代の少年と、アーサー王の恋物語ですが、タイムトラベラーが現代に定住するスタイル。
アーサー王は、現代に現れて、少年と恋をして、一旦過去に帰り、また現代に現れる。
現代では100日、過去で1日。
現代で生きる事にした二人・・ハピエン。

現代で生きる二人のた為に、剛しいら先生らしいというか、戸籍取得の方法まで考えて、ランスが現代で生きる土台を書いてます・・細かい。
そこそこのエロで、読んで楽。展開が読書意欲を削がない、面白い。
安定した文章力と構成力で読みやすい。剛しいらさんの全集、出ないかな。

1

百日間の騎士さまとの恋

ネタバレ有りに設定していますが、物語の核心部については極力触れないようにしています。

イギリスに住む主人公の寿音(じゅおん)は、ある日ストーン・ヘンジを旅行中に謎の甲冑姿の男と出逢う。
酷く汚れた甲冑、数々の血の香り、通じない言葉。
奇妙な事だらけの男に怯え戸惑いながらもなんとか聞き出せたのは、"ランスロット"という名前と"マーリンという魔術師に時の彼方から飛ばされて来た""百日経たなければ戻れない呪いをかけられた"という、あまりにも信じがたい話で…?

かの有名なアーサー王伝説で1番人気の騎士と言っても過言ではない円卓の騎士・ランスロット。
現代に生きる主人公が過去へタイムスリップする話は数あれど、攻めがタイムスリップするというこちらのパターンは珍しいのではないでしょうか?
「千年前から来た」と言うランスロットをなかなか信じる事が出来ず、半信半疑だった寿音が彼と過ごす内に「もしかしたら本当なのかも」と思い始め、その高潔さに次第に惹かれていく。
想い合う2人の中で、百日というタイムリミットが刻一刻と訪れていく切なさたるや…
とは言え、あくまでも伝説として語られている物語の実在しない人物がタイムスリップ出来るわけがないのですよね。
しかしそこは流石の剛しいら先生。設定が上手い。
アーサー王伝説のファンタジー要素にタイムスリップ、そしてSF要素を組み込んだ一風変わりつつも非常に上手くまとまっているお話となっています。
アーサー王伝説をこう味付けするとは!と驚き。
どういうこと?と読みながら、あ〜!そういうことか!と次々と種明かしがされていくのが非常に面白くも爽快です。

と、純粋にストーリーをメインに楽しんでしまったので、BL度的にはそこまでラブ度を感じられなかったというのが正直なところで。
ですが、言葉が通じない2人が少しずつ意思の疎通を試みたり、寿音が教える現代の物事に驚くランスロット等、読んでいて微笑ましい場面も沢山ありました。
個人的には攻めのランスロットにやられましたね!
真面目で誠実、持ち前の高潔さと気高さで慣れない土地へ飛ばされても、臆せずにしっかりとやるべき事を遂行する為に行動をし、弱きものや助けを必要とするものは皆助けたいという慈悲の心を持つ。
もう、まさに騎士!といった感じが素晴らしい。
かと思えば、シャンプーが苦手だったり、適応力が高く好奇心旺盛で現代のものに興味津々な姿がなんだか可愛らしくて、こんなに素敵な騎士さまが居たら誰でも惹かれちゃいますよね。
寿音が描いたランスロットの絵を見て「鏡や魔法の板に映すより良い」と言うシーンが好きでした。

そして、ラストにあるもうひと仕掛けがこれまたそう来るか!と納得のいくものでした。
あとがき後のその後の2人のSSがまた良かったです。
アーサー王伝説ものではありますが、詳しい知識が無くても読めるかと思います。
少しひねりの効いたお話が読みたい方や、騎士ものがお好きな方におすすめの1冊です。

2

100日の恋♡♡

アーサー王と円卓の騎士
湖の騎士 サー ランスロット
この『ランスロット』が攻め
そしてイギリス在住 ハーフの『寿音』が受け

んん~~ン、いやが上にも盛り上がっちゃう♡♡

剛しいら先生と亜樹良のりかず先生のゴールデンコンビが送る、現代での騎士とのラブロマンス♡♡
"♡"♡(*///ᴗ///*)♡"♡"
もう甘いっ甘いわぁ~~~。
しかも「えっSF??」な。

僅かながらも過去・現在・未来が行き交い、魔術師マーリンによって、ランスロットは寿音の居る現代に飛ばされて来た訳です。
そしてタイトル通り『現代には100日しか居られない』
そんな中、二人は巡り逢い愛し合ってしまうのですね。
そりゃこんなかっこいい騎士の中の騎士、寿音じゃなくても惚れちゃうよぉ!
亜樹良先生のイラストが「これでもか!」と燃え上がらせてくださいます。

しかも受けのパパは甲冑造りの名手。
そんな訳でイギリスのドラマ界では有名人。
丁度イギリスの騎士のドラマ撮影をしているので、(パパはちゃっかり)攻めをエキストラとして参加させてしまいます。
それがもぉ格好良いのなんの!
そりゃ本物の騎士なんだもん。
監督からエキストラに至るまで、心を鷲掴み!!
また、騎士道精神にも溢れていて、弱い者には自分の持っている物を分け与えます。
これが近い未来、己を助ける事になるのですが。
この辺もさすが剛しいら先生、上手いですねー。

100日で、過去から来た言葉も通じなかった騎士(ランスロット)が、どんどん自分で道を切り開いて行く。
100日で、寿音とも離れがたくなるくらいに愛し合って行くのですが、しかしこの100日で、攻めは過去に帰らなければならない。
死をも恐れぬ騎士ですからね。

寿音の目線で語られるのですが、この寿音、本当に可愛い♡♡
寿音も何時しかちゃんと自分の道も切り開いて行くのです。
寿音のママもパパもサイコーよ。

ちょっとだけエッチな情報
攻めは騎士ですから、エッチな時も誠に正攻法。
それ以外のやり方は『神をも恐れぬ悪魔の所業』になる訳なんですねー。
勿論寿音は全てにおいて『バージン』なので、それで良かったのですが、100日が近づくある日に、ランスロットの足の間に入り、とうとう○○をお口で・・・(∩˃o˂∩)キャーッ♡
この時のランスロットがサイコー。
必死で寿音を止めるのですが、余りの良さに・・・
正攻法以外だと後で必ず神に赦しを乞う(ラテン語なのでワカリマセン)姿が。
これまたえーわー。
それとね、初めてランスロットと寿音が結ばれる時、ランスロットが「痛む・・・が、すぐに過ぎる」と言われ、寿音は幼い頃に口にしていた痛みを回避する(実際はしない)おまじない「お星様、お星様、どうかお願い」と唱えるの。
もー可愛さ倍増。
そしてまぁこの時の亜樹良先生のイラストの良い事と言ったら!!!もう何もかもがサイコーですっ。

うふ、また私の宝物が増えました。

4

ブラボー!

我ながらびっくりですが剛しいらさんの作品を初めて読みました。最初がこの作品で良かったなぁと思える面白い物語でした。

一言で言うなら、とても良く出来たタイムトラベルものです。イギリスを舞台にしたファンタジーですが、寿音とその家族が暮らす現実世界と歴史にまつわるお話のバランスが良くて読みやすかったです。ランスロットを始め寿音や彼の両親のキャラクターが素敵で、会話もテンポが良く、映画やドラマなどの映像で見てみたいと思いました。…でも実写化されたら寿音は女性に変換されそうだな…。

中世欧州系ファンタジー作品は攻がやたら傲慢で受がやたら健気な体格差モノが多いのであまり得意ではないのですが、この作品は最後もきちんと地に足の着いた終わり方で「ブラボー!」と拍手喝采でした。

3

時を超えた恋が世界を救う

久しぶりにファンタジーものを楽しみました。
異世界トリップやタイムトラベルものはBLに限らず好きなジャンルなので手に取りました。

この作品は架空の人物だったはずのアーサー王の騎士ランスロットが現代にやってきて、装飾を研究をしている学生 寿音と出会い恋が芽生えるというもの。

しかしランスロットは騎士としての矜持と愛する者の幸せを守るため元の世界に帰り戦わなければならない。次に元の時代に戻れるのは百日後。寿音がランスロットとの限られた時間の中で徐々に惹かれていく気持ちが増してくほど、近い将来別れなければならないという切ない思いが溢れていきます。
けど、何とかこのままこの世界で二人の幸せが続けばいいのにと思いながら読んでいました。
100日後に帰っていく姿を涙ながらに見送る寿音の姿は切なかったです。

でも現代社会で暮らすことになっても出生証明もなくどうやって生活基盤を築くのかなど現実的な心配をしましたが、最後にはちゃんとランスロットの優しさと騎士道精神が導いた良い解決策を作ってくれたので安心しました。

西洋甲冑制作の第一人者の父親とあまり売れていない舞台俳優の母親がとても魅力的に描かれています。

寿音は幼い頃に亡くなった病弱な兄への思いや、日本で暮らした数年に馴染めなかったため友人が作れなかったりと、人とのコミュニケーションが下手で寂しがりやな面があります。
父親は大らかでやりたいことを認めてはくれていても自分の跡を継いでくれないことをさみしくも思っているようです。それを感じて寿音も心苦しく思っているから、本物の騎士であるランスロットが仕事を手伝ってくれたり秀麗な殺陣を見せてくれるのも嬉しそうでした。だから、こんな素敵な男がお婿に来てくれたらパパも嬉しいだろうなとも思いました。

おまけのようなSSでは、俳優としてますます売れて魅力的になり遠くに行ってしまうのが寂しい気持ちに落ち込む寿音だけれど、ランスロットのほうも離れては生きていけないなんて、ラブラブなお惚気を聞かせてもらいました。

4

もやっとしたまま読了

私としては久々のしいらさんだったので、けっこう期待して読んでしいました。タイムスリップものだけど、実在しない騎士が過去から移動って?と思ったけど、その辺納得のいくうまい設定。こちらの世界に住むことになるための戸籍問題もクリア。スマートで順応性があり騎士道を貫くランスはとても魅力的だったのに対して、寿音はウジウジしていて好きになれなかったのが残念。未来人の行動も結局のところよくわからなかったし、従者ミリヤのこともなんだかすっきりしないままでした。

3

打倒マーリン!

剛しいらさんのファンタジーものが好きで、発売されるのを楽しみにしていました。今回のお話は、千年前からタイムスリップしてきた騎士と自分に自信を持てない大学生のラブストーリーでした。

世界観としては、千年前と現代がうまくつながっていたので、お話にぐいぐい引き込まれていきました。ランスロットの騎士らしい、潔くて男らしい性格がかっこ良くて、寿音に言うセリフや態度にキュンとなりました。ただ、寿音がランスロットに対して、好きになるのが早いな~と思ってしまいました。

個性豊かな多聞とステラは好感が持てたけど、寿音があんまり好きなタイプではなくて感情移入ができませんでしたが、ファンタジーとして楽しめた作品でした。

4

仕掛けのあるタイムスリップもの

タイムスリップして千年の昔からやってきた騎士と
父が甲冑製作の専門家で、自分も服飾史を勉強している学生。
普通は千年前から来たなんて信じられるはずもないのだが、
そういう素地故に理解とコミュニケーションが成り立つという設定は
なかなかよく出来ていると思う。

アーサー王伝説が関わる話なんだけれど、そこにもう一捻りあって
なかなか大掛かりな道具立て。
単純にアーサー王の騎士のランスロットではない。

彼の造形は時代がかったいかにも騎士という
強さと高潔さがあっていい。
対する寿音は、男らしい父にコンプレックスを抱き
内向的で意外に嫉妬深い。
魅力という点では、攻めのランスに一方的に持ってかれてる感はあるが、
剛さんの硬質な文章も好きだし、
ステレオタイプじゃない感じの家族の描き方も面白い。

ただ、
出生証明書の下りは、上手く考えたものだと思うものの
そこまでの経緯がちょっとご都合主義?と思えなくないし
未来人の行動は今ひとつよく分からなかったし、
せっかくありきたりじゃない面白さなのに
消化不良気味の点や細かい引っかかりがあって
夢中になれない感じだったのが残念。


3

ロマンティック…

まずあらすじと表紙に飛ぶ星に「これはラブコメだな」と思いこみ、
口絵のキリストばりに髭がモサモサした男に「ああ、これはラブコメだ」と確信し、
寿音(受)とランスロット(攻)の出会いの状況に「間違いなくラブコメだ」と読み進めていたのですが…とんでもなかったです!
時を跨いだロマンチックストーリーでした。

私、これを読み始めてしばらくは、剛先生の「顔のない男」を想定して読んでたんです。
寿音の環境がお芝居系に偏っていたせいかもしれない。寿音もしきりにタイムトラベルを信用していない感じだったので。
けれど、どんどんタイムトラベルを信じないといけない状況に陥ってくる。
それなのに、どんどんランスロットに惹かれていってしまう…という感じ。

でも、ひょんなことで未来にやってきて生活する、という普通のタイムトラベルではありません。
この仕掛けは話の核なのでネタバレできませんが、さすが剛先生…と、唸らせられます。
ランスロットには己に課した使命があり、それを全うする崇高な意思もある。
タイムトラベルは彼の意図するものではなかったのですが、それすら武器にしようとする賢さもある。
もう、騎士とはかくあるものだというのを体現したような人なのです。
ランスロットの存在がもうもう、萌え!です。

寿音は内向きな青年。豪快で男っぽい父親にコンプレックスを持っている節もある。
寿音の家族は一見すると、そこそこ裕福で幸せな家庭なのですが、それぞれに心のなかに闇を飼っているのがわかる。
それがランスロットの存在だけで、みんな健全になっていくのですよ。
それもやはり、ランスロットの純粋な魂があってのことでしょう。

もうひとり、重要な脇役であるヘイリーという男がいます。
彼は自分の運命を悟ってああいう形でランスロットを助けたのか、そこがよく読み取れなかった…もし無事に再会できたら、どうするつもりだったんだろう?

ものすごく贅沢を言わせてもらえるなら、前後巻になってしまっても、じっくり読みたかったお話です。
でもこのすっぱりした切り口だから良かったのかな…
読み終えたとき萌え×2でとりあえず登録していたのですが、すぐに再読にかかってより楽しめていたので、神に変更です。

9

騎士様はシャンプーが苦手w

アーサー王伝説をうまくからめてあって楽しかった(*´ω`*)
展開はやっ!!と最初思ったけど、日数制限があるから仕方ないのかなw
最初はどう終わるんだろうと思ってたけど、きれいにオチつけて、よくこういう手のものである戸籍はどうすんだ問題もうまく片付けられていて、ホントにきれいにまとめたなと。
その戸籍関係(出生証明書)で終盤の名前についてのところ、寿音の言うこともわかるけど、ちょっと個人的になんかひっかかるものを感じた。些細な事なんだけども。
いくつかキャ(*´∀`)って思うセリフなどがあったのは良かった。
意外とそういうのにお目にかかれないので。
すごくどうでもいいんだけど、寿音(じゅおん)の読みをなぜか「ことね」と何度も読んでしまった・・・

5

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