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短編が4本収録されたオムニバス作品。どれも非常に優しい雰囲気で、棘のある人は1人も出てきません。疲れた時、他人の悪意をシャットダウンしたい時にオススメ。メインキャラも皆穏やか。逆にいえばさらさらと流れていってしまうような展開が続くので、印象には残りづらいかも。心情描写も少ないわけではないけれど、同性を好きになることへの抵抗や葛藤はほぼ描かれていないし、皆好きになるのが早い。でも、こういう作品をたまに摂取するのも心の栄養になるんじゃないかな。私はやはり表題作が好きです。ラテをきっかけに繋がるなんて、ちょっとお洒落ですよね。
中立にしようか萌にしようか迷ったのですが、個人的に萌えはなかったかな?と思いましたので中立で。
絵は非常に可愛くて画面も綺麗です。
ごちゃごちゃしていなくて読みやすい。
あえていうなら、可愛すぎて受けが女の子に見えたり見えなかったり…。
ここが悪い!という箇所は見たらないと思います。
けど、何も起こらない…と言えなくもないかも。
ドキドキしたり、ハラハラしたり、ということのないまま全体的にふんわり終わってしまって頭に残らない印象でした。
BLとしては非常にソフトなので、初心者さんに大変読みやすいかと思います。しかし、そこからもう一歩を求める方には物足りないかも。
(短編が多いと言うこともありますが…)
「バニララテの人」
カフェの店員とお客さんという組み合わせ。
こういう組み合わせは好きで、バニララテというテーマも可愛いと思いました。
でもやはり短編だからか、カフェの店員に恋してしまう流れがかなり早い印象…
男同士だから、と言うことは全く触れないでいつのまに恋に落ちたのかしら、と思ってしまったというか。
最初、客が気になる店員というていだったのが途中で店員が気になる客、になっていたため、どちらに視点をおいているのかわかりづらかった。そのためスルッと入っていけない印象でした。
「黎明フアンファーレ」
こちらも非常に可愛いお話。
学校を舞台にしていますが、社会人のお話です。
全体的に可愛くまとまったストーリーばかりなので、印象はぶれないのですが、これは特にもう受けが女の子に見えてしまいました…^^;キュン顔とか。
男の人のキュン顔は難しいと思います。乙女顔になってしまうと、可愛い絵だと男に見えない!てなってしまう。それがちょっと苦手でした。
お話の内容はみなさん書かれているので割愛します。
1つ1つのお話が短いので、お話に深く入り込むのは少し難しいかなと思いました
その点、二つ目のお話の「シアンに沈む」は前編・後編の構成で、他のお話のように言葉や説明が足りなくてわかりづらい、ということがなくて読みやすかったです。
どのお話もキラキラふわふわとした作風で、素直で穏やか。
線がきれいで、ガラスのような美しい瞳が印象に残りました。
ただ、その素直さやキラキラ感が少女マンガチックで、そういった表現に耐性のない人はつらいかなと思いました。
個人的には、やはり「シアンに沈む」が好きです
題名の「シアン」って何を指しているんだろうなと考えました
睦月くんの描く海のシアン、涙のシアン、裏表紙に描かれた中村氏の万年筆も青かったのでそういう解釈もありかなと思いました
■感想
本作は「バニララテの人」の他に「シアンに沈む 前・後編」「フィルター・ドロップ」「黎明ファンファーレ」「キミとバニララテ」の5作品を収録しています。
全体を通して「両想いの恋の行方」を日常の感情変化を巧みに切り取って描いたような作品に仕上がっています。
また、温もりが伝わってくるほどの柔らかい絵のタッチは、他の絵師さんとは一線を画しています。
ふとした場面の小物・動物・植物の描写は特に注目したいポイントです。まさに「圧巻」の一言!
読んでいてグイグイ引き込まれる場面展開と、ほんわかゆるふわストーリーにやられてしまいました。評価は「萌x2」とさせて頂きます。
ひそやかに
つのる思いはキラキラと
水滴となり
大気にあふれ
淡淡とした恋の始まりをそっとすくい上げたような繊細なタッチの短編集。
登場キャラはおしなべて皆ヘタレなので、ようやく恋愛への第一歩を踏み出したものの、たぶんこれ以上の進展は望めそうもない。
が、この、恋が始まりそうな瞬間の、キラキラした甘酸っぱい時間が好きならどの作品も十分楽しめる。
逆に、とにかく挿入エチは必須とか、男同士で交際を続けていく障害をいかにして乗り越えるのかというシリアス展開とかを求めるなら全くおすすめしない。
私としては、即ハメ万年発情系よりはこの淡雪テイストの方が好きなので、甘めに評価して萌×2