表題作2014 Autumn

理一、鳴子縫製(シャツ工場)の息子
真尋、春日繊維(毛糸工場)の息子

あらすじ

「甘い手、長い腕」番外編。
2014秋Jガーデン、無料配布本。

真尋が甥っ子に編んでやったクマの編みぐるみを巡って
幼稚園でお友達とトラブルがおき……

作品情報

作品名
2014 Autumn
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
発売日
4.3

(3)

(2)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
13
評価数
3
平均
4.3 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数1

ほっこり時々ひんやり

クラフト紙で作られた無料配布本。
秋らしい色調と手触りに一穂さんの拘りを感じます。


『甘い手、長い腕』の番外編。真尋視点です。

真尋が甥っ子に編んであげたクマのぬいぐるみを
甥っ子と同じ幼稚園に通う女の子が欲しがり
それが元でお互いのママもやや険悪になり…。


最初は「どこの育児日記!?」と思ったものですが
幼児のエピソードを恋人同士の関係に繋げ
ほんのり切ないオチに持っていくところが
流石一穂さんです。

どうしても欲しいものを既に人のものだからと言って
諦めきれないのは、大人も子供も同じ。

女児の母親と理一が一緒にいるところを見て、どうしようもない不安に駈られる真尋の心情が痛いほど伝わってきます。


6ページという短いページ数の中に
男同士の関係の世間体の悪さや
チラリとしか登場しない女児の母親の
さりげない嫌らしさなど、
現実世界のちょっとヒリヒリする側面を
入れ込んでくるあたりが
一穂さんだなぁと思います。

すごく甘い番外編!というわけではないけれど
電話での二人の会話や
理一のため編み物に精を出す真尋など
ほっこりする要素もあり、
本編のほのぼのした雰囲気がお好きな方も
楽しめるであろう内容となっています。

2

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