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表題作ライチ☆光クラブ

あらすじ

■驚愕!戦慄!興奮! 二十年のときを経てふたたび幕をあける、美しき少年たちの残酷なる舞台。
■工場の煙に覆われた螢光町の片隅にある「光クラブ」と名づけられた少年達の秘密基地。その場所で、ある崇高なる目的のために作られた「機械」が目を覚ました。鳴り響く笛の音、狂気をはらんだ叫び声…。熱狂する彼らの目的とは!? 「機械」の正体とは!?
■80年代、伝説の劇団「東京グランギニョル」(飴屋法水主宰)の舞台を、鬼才・古屋兎丸がマンガ化した衝撃作です。

作品情報

作品名
ライチ☆光クラブ
著者
古屋兎丸 
媒体
漫画(コミック)
出版社
太田出版
レーベル
F×COMICS【非BL】
発売日
ISBN
9784778320171
4.4

(20)

(14)

萌々

(3)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
86
評価数
20
平均
4.4 / 5
神率
70%

レビュー投稿数2

この狂気を実写化出来るのか!?

映画化されるというニュース記事がちるちるに掲載されていたので久しぶりに読み直してみました。
 いやいやいやいや、無理でしょ!これを実写映画化ですと??映画サイトを見てきたら15R指定になっていたけれど、18Rでもどうかな?と思うような内容ですよ。同性愛、裏切り、惨殺、凌辱、誘拐監禁、中途半端に実写化出来るような内容ではありません。やるなら徹底的に原作に忠実に過激にやっていただきたい。
 不気味な絶対君主ゼラとゼラを愛するジャイボを誰がどう演じるのか興味があります。この2人には過激な性描写があります。ジャイボは中性的で輝くばかりに美しくそして深く深く狂っています。これを演じられる役者がいるのだろうか!?そしてこの物語の鍵を握る少女カノン。この世界の対岸にいるような白百合と称される美少女です。この残酷な物語の中で、唯一のオアシスとなるカノンとロボットライチの関係。人間になりたいと願うライチと綺麗なままでいたいから大人になりたくないカノン。大人にならずに永遠に少年のままでを掲げる光クラブに正気のままいられるのは、同じ望みを持っているからなのか。「やっぱり人間になれなかった」と死にゆくライチに「ライチは人間だわ、本物の人間だわ!」と涙を流し、光クラブを後にします。光クラブを出ると言うことは大人になることを受け入れると言うことなのでしょう。
 最初は秘密基地ごっこの延長線で作った光クラブでした。そこに圧倒的な知能を持ち、子供の頃に胡散臭い占い師に言われた言葉に囚われているゼラが現れて変わっていきます。少年たちはみな同じ中学校に通っていて、その学校は男子校です。性に対して目覚める時期にまわりは男子ばかり。そういった鬱積の中の狂気。精神的にも体格的にも未成熟な、10代前半の役者じゃないとこの狂気は伝わらないと思います。
 まったく好きな話ではありません。でも評価はどうしても神になってしまう。それほど衝撃的な作品なのです。

6

昭和レトロなアングラ美少年世界

BLではなく一般向けなのですが、少年同士の同性愛描写が出て来ます。
光クラブの帝王ゼラ×美少年ジャイボには性行為の場面があります。恋愛ではなく忠誠のようなのですがニコ→ゼラもBL的に見えるかもしれません。
女の子キャラがロボットのライチとカップルなので
女性の存在が邪魔してこないのも良い所。

お話が暗く結末も悲劇的で、単純な両思いの同性愛は出てこないし、残酷な場面が登場しますが、
独特な昭和レトロの雰囲気で描かれた美少年の世界は一見の価値があると思います。
こういう濃い漫画はたまにしか世に出ないのです!
個人的にはもっと出て来てほしいノリなのですが。

サラッと読むとすぐ終わってしまうし皆死んでしまい何がなんだかわからないかもしれませんが、
「ぼくらの光クラブ」も一緒に読むとキャラが把握出来ます。
作者インタビューによると、悪いことをしたから少年達は全滅したらしいのですが、ただ悪いだけではなく大人の汚さに反発する若く純粋な心ゆえの暴走だったので、読んだ直後は、何も光クラブ皆死ななくても…と少し寂しく思いましたが、キャラ皆好きになりました。おすすめです。

1

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