ボタンを押すと即立ち読みできます!
ここに来たのは、別れを告げるためだ。もう二度と会わない。
二人の甘いシーンから始まるので、この先悲しい記憶喪失が待っていると思うと、どうハッピーエンドに持っていくんだろうとワクワクとページをめくっていきました。
最後まですれ違い、思い違いの繰り返しでしたが、お互いの視点で交互に語られるのでテンポよく、ダレることなく読み進められました。
BLは過程を楽しむ恋愛物語でもあるということを改めて思ったお話でした。
えすとえむ先生の男らしいイラストも素敵でした。これは色気のある良いヒゲです!
ハーレクインの海外作品超訳シリーズ。
いよいよ英田先生登場。
今回はちょっと昔のヨーロッパを舞台にした、軍隊の上官と下士官の秘めた恋。
英田先生って、DEADLOCKシリーズのように海外を舞台にした翻訳物っぽい文体の作品もあるので、こんな風な時代がかったハーレクイン展開とも相性ばっちり。
むしろ、記憶喪失だのすれ違いだのっていう王道メロドラマ展開を、振り切って繰り広げられるのは、ハーレクインな原著があるからこそ。
えすとえむ先生の挿絵も、ルドルフは渋いし、マティアスも美青年。
特に筋肉もりもりにしているわけではないのに、ずっしりと骨が重そうで、ついでにあっちも、、、。
分量的には2段組かなりたっぷりですが、ノリノリでぐんぐん読める麻薬的魅力の作品でした。
これは数年前のハーレクイン・ラブシックの超訳シリーズ。海外BL作品の元の翻訳があってさらにそれを日本のBL作家が超訳する…というよくわからないシリーズ。手間かかるし元の翻訳者に失礼じゃね?とも思ってましたが、今回は「デッドロック」シリーズで外国人が主役のお話も読み慣れてる英田サキ先生の文章だからか読みやすくて話にどんどん引き込まれました。
19世紀オーストリアと戦争中のプロイセン(今のドイツ)軍の大尉(黒髪口髭ダンディー)×中尉(金髪碧眼20代)が攻めと受けなんですが、導入部分から面白い。攻めが受けの裸の写真をニヤニヤ眺めてる所から始まり、2人は今回の戦いが終わったら除隊して駆け落ちしよう!と約束していたのに攻めが落馬して記憶喪失になってしまう。受けが切なくて1番可哀想なパターンです。
受けは療養の為に軍を離れる攻めのベルリン方面への帰省の旅に付き合うのですが、受けにとっては試練の連続です。攻めに恋人だった事を思い出してもらえないわ、攻めの召使いや攻めの元愛人にはネチネチ虐められるわ…物語の最後までよく我慢できたなと思います。
最初の方の攻めのモノローグでそれまでの恋人は庇護しなければいけないタイプばかりだったけど受けは逆に自分の事を守ろうとする凛々しくて勇敢なタイプ、との事で大好きな男前受けです。カッコいい受けが傷ついて弱ってるのがまた萌えるのよね。イラストもそんなアンニュイな雰囲気で素敵でした。
展開が早いので一気に読めました。面白かった!
2年分の記憶を喪失したルドルフが、記憶を取り戻そうとする時に、頭に鳴り響くのが太鼓(ドラム)です。表題の言葉そのものをページで見つけた時は「これか!」と思わず叫びそうになりました(笑)
ルドルフがエルンストという恋人と別れたことを覚えていなかったのが一番の不運ですね。最終的に、ルドルフはマティアスをちゃんと思い出しはしないものの、再び愛するようにはなるのですが、かなり終盤まで切ないです。
二人の誤解やすれ違いが無理なく展開され、流れるように読めます。
ただ、翻訳に慣れていないと戸惑うのが名前です。途中、名前でなく姓が登場して、誰のこと?と思ってしまうことがありました。日本語だと違和感なく切り替えられるのですが、カナ名だとなかなか・・・。でも、この作品ではほんの少しでしたよ。ルドルフがマティアスを愛称で呼んでなくて良かったです(笑)
除隊して二人で逃げようと決めたルドルフとマティアス。
除隊届を出してルドルフに会いに行ったマティアスは、最後の戦いでルドルフが落馬し自分との記憶を忘れていることを知ります。
除隊届は出してしまったし、途方に暮れるマティアスでしたが、
記憶が戻るかもしれないというわすかな期待を胸に、療養のため地元に戻るルドルフの旅路を共にします。
でも現実は記憶を失ったルドルフが、自分以外の男性に恋していることを知ってしまうという残酷なもの。
自分が騙されていたのではないかと悩み苦しむマティアスがかわいそうでした。
自分の知っている愛し合っていたころのルドルフを信じるのか、記憶を失い自分が知らなかったルドルフを信じるのか。
二人の擦れ違いの感情がとても切なかったです。