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表題作密約のディール

鴻上拓真、32歳、外資系ファンドBCM日本法人代表
水城冬樹、32歳、東栄電工社長

あらすじ

次期社長として順調な人生を送っていた水城だが、ある理由から大嫌いな相手、同級生の鴻上の愛人にならざるを得なくなり…。

3月27日発売⇒4月30日発売⇒5月29日発売 

作品情報

作品名
密約のディール
著者
英田サキ 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344834064
3.7

(105)

(22)

萌々

(53)

(21)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
17
得点
389
評価数
105
平均
3.7 / 5
神率
21%

レビュー投稿数17

THE王道BLを堪能!!

あらすじからして、王道を楽しめそうな期待感たっぷりで読みましたが、期待以上に面白かったです!!
英田先生の文章力にはさすがの一言です!
エロいシーンでも掛け合い漫才のような会話が面白くてくすっと笑ってしまったり、祖父を失って孤独感に打ちひしがれてる受けに思わず涙してしまったり。。
攻めと受けがすれ違うきっかけとなった出来事が誤解だったことはすぐに分かりましたが、すれ違いから和解までの流れもスムーズで無理がありませんでした。
プライドを持って仕事してる男同士の戦いがカッコ良かったです!
個人的な趣味ですが、攻めが受けにがっついてて、それを受けがうっとおしがってるのを見るのが萌えでした。
暴言を吐きつつも受けには甘い攻めも素敵でした。
受けも攻めもそれぞれに苦しんでいたので、気持ちが通じ合って本当に良かったなーとしみじみ。。
欲を言えば、せっかく気持ちが通じ合ったので、最後はもう少しラブラブな様子が見たかったですが、愛のある憎まれ口を叩き合うのも2人らしくて良いです。

7

サスペンスを含む経済をテーマにした相思相愛もの

株式のMAやBCMに絡む相場のシテ操作のさわりが書かれていて面白かった。

あとがきが面白くて、
株取引を調べたけれどややこしいので、愛し合う場面を引き延ばして頁調整したそうです。

鴻上は、「傲慢でも、惚れた相手を傷つけたくない男の純情」で、冬樹は「憎いと言いながら、気になる鴻上に振り回される。」
二人の障害を作る工作をして、ずっと冬樹を騙していた卑怯者の正体が分かる。
誤解が解けると、二人は一気に相思相愛に。冬樹は愛に溺れてしまうタイプだったのか・・呆然。

続篇が無いのが、残念。
英田先生の構成は、とても読みやすい。

---
▶用語:事業継続マネジメント
BCP(事業継続計画)
BCM(事業継続マネジメント)
BCMS(事業継続マネジメントシステム)

▶鴻上が、本社と前任者の指示で仕掛けようとした方法は、仕手株 (してかぶ)・・これは現在日本では「違法」です。
発行済み株式数の少ない小型株で、題量に投機的売買を行う相場操縦の一種(英語のen:Market manipulationに相当)

3

これぞ好みの、The BL!

3月から4月、そして5月と発刊が遅れた新刊。
円陣さんの挿絵ということで、期待が高まるとともに
同じレーベル、同じ組み合わせ、でスカだった作品の記憶がよぎり
ちょっと不安もありながら手に取った。

結果、これは好きっ!
好みの「The BL」だった!
会社買収を背景にした、同級生の再会LOVE。

          :

かつて金持ちの子弟が集まる全寮制の男子校で
同室だった、水城と苦学生の鴻上。
18の歳、お互いに惹かれあっていたにもかかわらず
卒業式直前のある出来事から水城は、
鴻上を憎み、絶対に許さず二度と会わないと思っていたのだが
祖父から継いだ会社の若き社長に就任直後、再会してしまう。

今や外資系ファンドのエリートとして活躍する鴻上。
彼の会社に買収をしかけられた水城は
瀕死の祖父の為にTOBを一月待って貰うことを頼む。
その代償として提示されたのは、愛人契約……


最初の数ページは登場人物や背景の描写が説明調で、
読みにくかったが、そこを過ぎると物語に乗せられて一気に読了。
筋書きとオチは正直序盤で読めてしまうし、
設定などにも目新しさはないのだけれど、
共に見栄えも性格も男前で、バリバリと働く優秀な男二人が
30過ぎて、こじらせた初恋に不器用に振り回される様は、
(でも愛人契約だから、エロはいっぱいしている♡)
もうキュンキュンしてしまった。


憎むべき相手にままならない思いを抱く水城も、
「女王様を跪かせてやる」なんて言って一見傲慢だけれど
実は、水城には敵わず優しい鴻上も、
端から見ると子どもっぽいやりとりをする二人も
最後は思いが通じて甘〜い二人も、可愛くて好き。
そして、水城の秘書の新田さんが、なんともいいキャラ!
(しかし、彼は愛妻家らしいのでスピンオフは無理……;)

TOB(株式公開買い付け)をめぐるあれこれは、
上手に噛み砕いてストーリーに入っているので
知識がなくても特に支障なく読める。


一見硬い雰囲気ながら、王道設定で実は甘く、
いい男二人の可愛いLOVE、英田さんとしてはかなりエロも充実、
個人的にはBLらしいBLとして、かなり好きな作品だった。

惜しむらくは、最後ちょっと再び説明調でトントン話が進むところ。
残りページ数を見ながら、これはどうまとめるんだ?と思っていたのだが、
オチもその後の甘さも、もうちょっとじっくり読みたかったのが(−)。



12

英田さんがTHE BLに挑戦された結果

皆様の書かれている"THE BL"って何ぞやと思っていましたが、読んで納得。これはまさしく王道です。

主人公の受けは、祖父の会社を継いだエリート。
ある日、高校時代自分をレイプした同級生(攻め)と十数年ぶりに再会。
攻めは外資系ファンドのエリートとして働いており、彼の会社は受けの会社に買収を仕掛けている。
買収を待ってもらうため彼の愛人になるが……

受けは、裕福な家庭に育ったエリート。
ことあるごとに攻めに女王様呼ばわりされていますが、女王様というより自己主張のハッキリした大人の男性という感じでした。
愛人契約を結んだ後も攻めに下手に出ることはなく、嫌なことは断固拒否するし、愛撫されイかされても言動は強気なまま。そこに男としての矜持を感じました。

攻めは、高校時代は不器用で優しそうな青年。再会後は一見偉そうな言動ですが、端々に受けへの労りが見え、やはり良い人オーラがダダ漏れ。
これは高校時代のレイプも真犯人はアイツに違いないなと早々に予想がつきます。
愛人になれと持ちかけた割に、無理強いはしないし、受けを傷つけないようしつこいほど入念に準備するところに愛を感じます。

確かに先の展開は全て読めてしまいますが、個人的にそこは問題ではありませんでした。
むしろ、こう来てほしいな〜と思った通りの展開やシーンに萌えツボをグイグイ刺激される感じが心地良く、王道の良さを実感しました。

あとがきで書かれていたように、英田さんにしてはエロシーンが多め。
ただ、最後のHがカーセックスで終わってしまうのは少々物足りないかも。
これがもっとエロに特化した作家さんだったら、カーセックスの後の2ラウンド目+再会後のHまでガッツリ描いて下さった気がします。
もちろん空港のシーンで終わるのが物語としては綺麗ですが、THE BLの割には最後の最後で英田さんの冷静さが(本書に限っては)裏目に出てしまったかなと思います。

また、買収だOTBだと本格的な仕事の話が出てくる割に、愛人契約で買収を待ってもらうのはやはりご都合主義的。
カチッとした仕事描写は英田さんの持ち味の一つではありますが、愛人設定で行くのであれば仕事描写はここまで詳細にせず、バッサリカットした方が作品のトーンが統一されて良かったんではないかと思います。

しかし、こういう路線の英田作品も毛色が変わって面白かったです。リンクスの英田さんは他のレーベルと一味違って毎回楽しみです。

11

意地っ張りと弱さは表裏一体

病床の祖父が会長を務める会社の社長に就任した水城。
就任早々に持ち上がった買収話。
しかもその買収を持ちかけてきた相手が、水城の高校時代の同級生の鴻上でした。

そして鴻上が買収話に1か月の猶予を与える代わりに提示した条件は、水城が鴻上の期間限定の愛人になること。
高校自体自分を傷つけた鴻上が再会してもなお、自分にひどい仕打ちをするのか理解できない水城でしたが、病床の祖父の為に取引に応じます。

敵対心むき出しで始まった愛人契約でしたが、時折みせる鴻上の優しさに水城の気持ちが揺れていきます。
よくある展開の王道ストーリでしたが、仕事でやり手の強気な二人が愛人関係で見せる駆け引き(やり取り)が面白かったです。

そして最後に待っていたどんでん返しには、拍子抜けでしたが(苦笑)

2

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