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表題作恋ひめやも

元教え子・電子機器メーカー営業・棚橋孝太郎(25)
担任教師・水原慧(32)

その他の収録作品

  • いつか終わる恋のために

あらすじ

想うだけでいいから、先生を好きなことを許してほしい」。結婚目前で参加した高校の同窓会で、担任教師の水原(みずはら)と再会した棚橋(たなはし)。昔の地味な印象とは裏腹に、艶めく笑顔の水原に、急速に惹かれていく。恋人より今は先生と一緒にいたい…。けれど、ある日突然「もう家に来るな」と拒絶され!? 今ならまだ引き返せる、なのに想いを断ち切れない──執着も嫉妬も肉欲も、初めて知った真実の恋。
(出版社より)

作品情報

作品名
恋ひめやも
著者
英田サキ 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199005459
4

(126)

(63)

萌々

(24)

(29)

中立

(7)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
23
得点
505
評価数
126
平均
4 / 5
神率
50%

レビュー投稿数23

恋すればだれもみな…

読み返しました。レビューの皆さまも英田先生ご自身も、地味と言われることの多い作品ですが、恋する心情をメインと考えると、とてもドラマティックに感じました。
恋の病は心の内に内に入っていくものだと思うので。
ある意味外の世界を遮断する?
乗っ取られる感覚とでも言いましょうかw

この作品はBLなんですが、BLの域を超えたお話でもあると思います。
恋だと自覚するまで、棚橋が長く葛藤する。
相手が同性だから、長く葛藤しているという見方もありますが、
相手が男女間でも同じ。
どこからが恋なのか・・・わからないのが恋。それを象徴してる作品のように思えます。棚橋と水原の心情メインで進行し、余計な設定が少ないのでよりシンプルに葛藤が描かれていてよかったと思いました。

とくに。棚橋がショッピングセンターで水原に会い、車で送っていくシーン。水原の呟きにのって、勢いでそのまま海にいくことにした棚橋。
水原の口癖の「好きにしろよ」を聴いて、
「はい。好きにします」と答えた後の、
『僕は直進するつもりだった信号を右折した』
↑この文章におお!と感嘆。棚橋がまっすぐ進む予定だった人生を、右折しようとする衝動。複雑な心情がだんだん恋にシフトしていく気持ちを、巧く的確に含めていると読んで、萌えました☆英田先生の表現技巧に恍惚♪
こうゆう比喩的文章大好きです(><)

恋をすると、すべての景色が変わる。
映画の内容も、テレビの内容も、本の内容も、恋の浮き沈みによって左右されてしまう。
水原は教職者であり棚橋よりも年上なのに、時に弱く、幼く見える数々のシーンから、恋は年齢も性別も関係なくコントロールできない普遍的なものなんだと強く思いました。

相手を想うがゆえに、臆病になる気持ち。
相手を想うがゆえに、止められない衝動。
どちらも本当だと思うと、切なくて、痛かった。。。
想えば想うほど自分と対話して、内面が露呈されていき、自分の自己防衛なのか、相手への思いやりなのか、わからなくなる混沌。
一番ほしいものなのに、失くすくらいなら選びたくない。
甘い水に浸かれば、失くした後の残酷な日々が想像を絶する苦痛になるからと、どんどん頑なになっていく水原に、読んでいて暗くてやりきれない思いになりましたが、なぜか今回読み返して一番彼に共感しました。

でも。それは今の景色。
別の恋をしたら、今度は棚橋に共感するかもしれない。
みんな水原でもあり、棚橋でもある。そんなお話♪
じっくり恋のねっとりした感情に転がされたい方におすすめwww
英田先生の巧いタイトルにも神降臨!!

最近レビュが自己満足で長文傾向に。。。(汗)
お読みいただた方、お付き合いいただきありがとうございました!!

13

恋はいつか終わる、という二人

表題作と続編の中編二本立てです。
棚橋(攻め)の彼女と元彼女、水原(受け)の元彼氏が登場します。直接の描写はなくても、それぞれと肉体関係はあっただろうなという感じはありますので、苦手な方はご注意ください。

「いつか終わる恋のために」
棚橋の目線です。同窓会での再会を機に、元担任の水原の家を訪問する仲になります。棚橋は親しくするうちに、いつしか水原に惹かれてしまいます。しかし水原は、以前不倫で付き合っていた大竹と寄りを戻すと言い…。

「恋ひめやも」
水原の目線です。前作の続編になります。
好きだと言う棚橋に、水原は素直に俺もだと言えず、優しくされるのが辛くて泣いてしまい、棚橋の気持ちが迷惑だと言ってしまいます。それからしばらく棚橋の足は遠のき、久しぶりに家に来たかと思えば、女を抱いたと言い…。

もう、ひとつひとつがツボでした。セリフ、描写、イラスト、何もかもがです!携帯電話を額に押し当て、目を強く閉じた棚橋の姿が目に浮かび、涙腺が緩みました。棚橋に、何故大竹先生に抱かれたふりをしたのかと問われ、水原先生が返したセリフで「だって」が2回繰り返されているとか、可愛すぎます。

彼女がいるのに、同性である水原に惹かれていく棚橋の心情が自然でした。棚橋は結婚を前提に付き合っている彼女を、親に紹介する直前にフリます。私はあまりそういう展開は好きじゃないのですが、棚橋を酷い男だと思えませんでした。仕方がない、と思ってしまうほど、彼の心情に流されてしまいました。

水原は恋に臆病なうえ強情で素直になれず、偽りを口にしては容易に本心を見せません。そんな水原を慎重に観察し、今だと思えば機会を逃さずどっと攻めていく。棚橋は優しいけれど意外とハンターだなと思ったものです。両思いになってからのベッドシーンでは、「先生」呼びなのに、先にイッてしまった水原を「仕方がないなぁ」というのが微妙な力関係を表しているようで、とても萌えました。

恋はいつか終わる、永遠を約束してくれないというのが二人の認識で。
でも、恋が終わっても傍にいてくれる。そんな予感がする、というのが胸にきて泣けて仕方がなかったです。

元生徒の年下攻め、教師の年上受け、優しくて丁寧口調の攻め、素直じゃない受け、両思いになるまでの経過が好きな方に、絶賛お勧めです!


余談ですが、私はこの二人が好きで好きで好きで!
特典ペーパーとか、フェアの小冊子とかにSSが載っていないかと探したのですが見つからず。唯一発見したのが、2010年発売のドラマCDのブックレットに掲載されていた「恋ひ恋ひて」でした。今日現在は作者様のブログに掲載されておられます。「恋ひめやも」の後日談で、お正月の二人の幸せそうな様子に泣きました。最後まで泣かされた作品でした(笑)

12

真っすぐな片想い

ダブルバインドで知った作者様。

そのカラーを払拭させられた作品です。

素直にすごい・・と思いました。
こんなに心に沁み込むような、恋の話を書ける方とは思っても・・いや、失礼しました。
きっと、こっちが本命、いや得意な方なんじゃないかな、と思いました。
淡々とハードボイルドもいいけど、大人の不器用な恋愛模様も絶品です。

受けの先生は、頑なツンデレなので、本音を聞き出すためのやり取りにハラハラ・・、根負けしたような先生の捨て台詞には、読んでるこっちがテーブルに突っ伏しそうになりました。読み進めてく内、もう俄然攻めの元生徒を応援です。

勿論、読後感爽快・・v
文章力、表現力、共にBLの枠に収まりきらない作品です。
誰でも安心して最後まで読み切れる話だったんじゃないでしょうか。

8

よい涙を流すことが出来ました

ちょっとした衝撃でした!
英田先生の裏社会物ではない普通の?物語とのことで急に読みたくなって電子版で読んだのですが…
(最近電子版に手を出すようになってちょっとヤバいです。簡単に購入出来てすぐ読める。でもどんどん口座からなくなっていくものがw) 

元担任教師でゲイの水原先生と婚約者がいる元教え子の棚橋の物語。
同窓会で再会してから、棚橋は水原先生と過ごす時間が少しずつ増えていきます。
先生の元カレ、棚橋の婚約者、それぞれ切り離せない人たちがいて、二人はそれぞれの中でブレーキをかけようとする。
それでも止められない気持ちを棚橋が告げますが…
それが物語の中盤、そこからワタシがダメでした(T_T)
なんかそのあたりからずっと泣き通しで。

切なすぎる。でも、二人の気持ちが凄くわかる。
これはもう男同士だからということも関係なく人としてどう誠実でいるべきかってことでもあるから。

少年時代のトラウマとか元カレとの関係とかいろんなことが絡まって、水原先生は棚橋を突き放してしまうんですよね。
棚橋は一大決心をするのですが、先生は受け入れられない。
でも棚橋はあきらめない。もう切ないっす。

「紫草のにほへる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに我恋ひめやも」
「長月の有明の月のありつつも君しきまさばわれ恋めやも」
本の貸し借りをしている二人が「風立ちぬ」の話から上記の句を引用して話すシーンがいいです。
先生の苦しい胸の内がわかります。

最後の最後、棚橋の想いが先生を溶かしてようやく素直になります。ちょっと強引に迫ったりもしてね。
もう良かったよー。また泣いたよ。
こんなに心をかき乱されてそして穏やかな気持ちにさせられて、あぁ「恋」って凄い!って思わされた素敵な小説でした。

8

英田さん史上、断トツに

地味なっていうか、普通の設定の話。

7年ぶりのクラス会であった元担任。
話してみるとなんだか落ち着く、それにちょっと可愛く見えたりして,どきっ?
自分には、結婚を考えている可愛い恋人がいて、
自分も先生も男で、
それなのに恋は!

小説家、究極の命題、
「恋に落ちたら」

そんな命題に、ヤクザだの麻薬だのって言う、派手な舞台なしで、
普通のサラリーマンと、さえなかった元担任という、地味な設定で真っ正面からぶつかったような、ストレートなお話。

「いつか終わる恋のために」だけだと、何か「普通BL」で、物足りないが
表題作の「恋ひめやも」で明かされる、先生の胸の内。
何で先生が、そこまで往生際悪く、天の邪鬼で依怙地なのか
そして棚橋は、の全てを、先生本人も気付かなかった痛みとして、受け止めて

こういう前向きなハッピーエンド
素敵です。

7

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