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表題作家政夫のニタ

三鷹恵,大学生,大企業グループの御曹司
新田潤,家政夫,30歳

その他の収録作品

  • 第一部 家政夫のニタ
  • 幕間 思い出は塩味薄め
  • 第二部 拒絶反応
  • 第三部 対極の共鳴
  • 第四部 やさしくなりたい
  • 第XX部 氷華の王子
  • 第XX部 今日も「おかえり」と「ただいま」が言えるようにのおまじない
  • あとがき

あらすじ

周囲を見下して生きてきた大学生・恵の元にやってきた家政夫の新田。
常に柔和な笑みを絶やさず、完璧に家事をこなす彼は傍若無人に振る舞う恵にも臆する事なくずかずかと日常生活へと介入する。
そんな新田に戸惑い、苛立つ恵は、あるきっかけで衝動的に彼を犯してしまう。
しかし翌日、新田は平然と恵の前に現れた。……なぜか身体中に暴力の傷跡を負って。
究極の自己中男と、自己否定し続ける男。
正反対の二人は、傷つきながらも惹かれあい――。

作品情報

作品名
家政夫のニタ
著者
正弓 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
ISBN
9784799725252
3.2

(38)

(9)

萌々

(10)

(6)

中立

(7)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
8
得点
110
評価数
38
平均
3.2 / 5
神率
23.7%

レビュー投稿数8

鳥肌が立ちました

うーん、なんというかこの表紙の受けはすごい人だなあと思いました
最初はこの表紙を見る限り攻めの主人公(恵)が受け(ニタ)を殴ったりするものなのかと思いきやそうではなく受(ニタ)の彼氏がニタに暴力を振っていました。
主人公が受けに暴力を振っていると勘違いしている方が多いのではないでしょうか。

この先は長いネタバレです~
主人公は父親(大企業の社長)の御曹司で父親の金で毎晩毎晩夜遊びをしているクズでした

突然主人公(恵)の前に現れた受け(ニタ)は恵の世話をさせる為に恵の父に雇われた家政婦としてやってきます。
ニタはとても天然でいつもヘラヘラしてポワポワ~とした性格で「電気のついてない部屋に帰ってくるのは寂しいでしょう?」と毎回恵に口癖のように言います。
ニタさんはすごい癒し系な顔でわたしには忠犬に見えました(笑)

ある日、恵はニタがゲイだということを知り無理矢理犯してしまいます。
ですがニタはくじけず犯された次の日も家政婦としてやってきます。
ですがニタの顔には複数のアザと絆創膏が貼ってありそれは自分が犯したせいでニタはニタの彼氏にここまで殴られたのだと思った恵はニタを辞めさせます。

殴られてもなお、ニタはヘラヘラとポワポワ~としたその傷だらけの顔で笑顔を作り笑っているところは何度見ても鳥肌が立ちます。

そしてニタがいない頃のように帰ってくると誰もいない生活に戻りますが恵はニタと過ごした思い出が忘れられずにいました。
そして恵はニタに会いに行きニタの彼氏と話をした恵はニタに会う前の自分にこのDV彼氏はそっくりだと思いました。
ニタをDV彼氏から引きはがし自分の家に住まわせだんだんと二人の距離が近づいていきました。
二人の距離が近づいていきますがそこには様々な二人の葛藤が描かれています。

ですがそんなある日、恵の家に現れたのはニタの彼氏だったあのDV男でした。包丁を持って恵を刺しニタを返せと暴れニタを刺そうとしますが恵唯一の友人であった渡辺がDV男を撃退し難をのがれました。

DV彼氏がニタを刺そうとした時に恵はニタのことを庇おうとしてその時に恵が「ニタさんありがとう。俺に心をくれて」
と考えたところはすごくいい意味で鳥肌が立ちました。

正直ここの場面は涙が出ました。

ニタが来る前は空っぽな人間だった恵がニタに出会ってここまで変われるのだと思うと胸がいっぱいでした。
正直、こんなに胸にささる作品だとは思いませんでした
絵も私好みですごくドストライクでしたので神評価にしました。
少しでも興味がある方はぜひ読んで欲しいな~と思います~

10

本当は・・・

最初にタイトルを見た時、どこかのドラマのパクリ?
正直そんなふうに思いました。

表紙はとても痛々しいです。
この傷がいったいどうしてできるのか・・・
誰に傷つけられるのか・・・
あんまり痛いのは好きじゃないので、最初は読むのを考えましたが
やっぱり読んで良かった。

金持ちの御曹司一人息子の潤。
夜な夜な遊び歩いては、潤のお金目的で寄ってくる友達とつるんでいて。
どう見ても、どうしようもないダメ息子なんだけど
そうなってしまったのには、やっぱり訳がありそうで・・・

そんな潤のところに家政夫としてやってきた新田30歳。
自分の気持ちを押し殺して笑顔を見せる新田と潤の生活が始まる。
どうみても何か訳有な家政夫の新田。
どんなに潤が凄んで見せても、どなり散らしても、
日付が変わって夜中に帰ってきても
「電気の付いていない部屋に帰るのは寂しいでしょう」
新田のお決まりのセリフ。
大抵のことには動じない、そして決して本心を見せない新田に
少しづつ知らず知らずの間に惹かれて行く潤。
潤に足りなかったのは、人の愛なのか・・・
どんなに拒絶しても自分を見てくれた新田に自分から歩み寄っていきます。
自分でもわかっていても隠し通している新田の本心。
「この人には自分が必要だから」逃げ出したい気持ちを封印して
暴力を受けることを自分の中で正当化しようとして・・
自分のことより他人のことを優先して生きてきた新田。
その新田を助けようとする潤は、新田によって変わっていき・・・

どうしようもなかった潤だけど、本当はとっても優しくて
愛する人を大切にできる人間だった。
幼い頃からの環境や、押さえつけられ吐き出せずにいた思いが
新田と出会ったことによって解放され本来の自分に戻っていきます。
新田もまた、自分の意思で闇から抜け出し潤との生活を手に入れることができました。
内容はDVなどもあり少々暗いイメージはありますが
潤が更生していく後半は、新田を守ろうとする潤が頼もしくさえ見え
2人が戸惑いながらも自分たちの気持ちに正直に生きようとする姿は
見ていて清々しく、照れながらもお互いの愛を大切に育もうとしている
そんなふうに感じ取ることができ、今までの潤が他人のように思えるほどでした。
二人の幸せな未来が見え始めたラストでホッとしました。

4

萌えとは違う何か

皆さんの評価があまりにもバラバラという事、
そして表紙のインパクトに惹かれ購入しました。

内容は他の方々が書かれているので
私の感想だけを書かせて頂きます。

読んだ感想は、このバラバラな評価が出るのも納得という感じです。
「萌え」とは違います。
心にずしんとくるような…
私的には泣くような「感動」ともまた違う感情が
読み終えたあと残りました。(確かに泣けるのですが…)
結論は読んで良かった、です。

確かに内容構成はよくあるものかなと思います。
最近のテレビドラマを見ているような感覚にもなります。
よくあるものですが後半は私の予想の範囲を超えてました。
それがまたテレビドラマ感。
そしてキャラクター一人一人の表情が凄く良いです。
正弓先生のイラストだからこそ、
この漫画の深さが出ていると感じます。
そしてDVヤンデレ男本当に怖いです。狂ってます。
DV男が襲ってきたシーンは
少年漫画のような、あまり女性コミックでは見ない描き方をされてます。
私はそれがとても良いなと思いました。
気が狂ってる、怖いこの人危ないと一目でわかり、
その緊迫感がとても伝わります。
この二人殺されないよね…という不安でページを捲るのが怖くなります。
その中での恵くんの行動には感動しました。
私は死ネタが少し苦手なので1回目は
びくびくしながら読んでしまったので
「良かった生きてた!」という安心感がいっぱいでしたが
2回目はニタさんの表情や恵くんの言葉にとても感動しました。


この作品を読んで次回作も読みたいと感じました(*^^*)
ニタさんの笑顔に癒されましたし笑
正弓先生は作家買いします!


バラバラな評価が気になる方は
1度読んでみてはいかがでしょうか?

4

「電気の点いていない部屋に帰ってくるのは寂しいでしょう」

傷テープにあざだらけで少し困ったように微笑む表紙のニタさんがとても気になって読みました。
体裁ばかりを気にする親の元、三鷹グループの御曹司として家庭の暖かさなど知らずに育った三鷹恵。ろくに大学にも行かず夜遊びばりの見事なクズに育ちました。周りの友人も所詮恵の金目当てでつるんでいるクズばかり。家政婦も次々辞めていきます。
そこに現れた家政夫の新田潤(通称ニタ)。
常に笑顔を絶やさず、恵に何を言われても動じません。

そんなある夜、嫌なことが重なった恵はニタを乱パに誘います。
「ごめんなさい、僕ゲイだから女の人は無理なんです」と必死に拒絶するニタを無理矢理犯す恵。
もう来ないだろうと思っていたのに、翌日家では顔中怪我だらけのニタが、昨日までと変わらない笑顔で恵を待っています。
DVでニタをあんな痣だらけにしたのは、恵ではなくて他の男に嫉妬したニタの現在の恋人でした。
再びニタがDVされるのを気にした恵は「そんな顔して来られても迷惑」だとニタをつき離します。

今まで他人に興味など持つことなく生きてきたはずの恵。ニタが来なくなってからついついニタの事を考えてしまい、会いにいってみることに。
そこで出会ったニタの恋人・吉野原将門。
吉野原の「ニタを自分のものだけにしておきたい」というクズっぷりを聞いているうちに、コイツは、まるで俺じゃねえか」と気づきます。
恵は吉野原の異常さに気づき、ニタを住み込み家政夫として自宅に来るよう諭します。
ニタに会う前の恵ならば、きっとこんなことはしなかったと思う。
表情も感情も仮死状態だった恵が真剣に怒ったり、嬉しそうに笑ったり、照れたり人間味を取り戻したのはこのあたりから。一度ニタに会えなくなり、ニタの大切さに気づいてからだと思います。
そして、自分に優しく出来ず、他人の事ばっかりで、自分の意思をはっきり持たないニタを自分とは反対のクズだと告げます。
この解釈は本当に難しかった。自分なんて構わずに他人に優しくするのはクズなのか。可愛そうな人には抵抗出来ず、ついその人の言いなりになってしまうのがクズなのか。
何があっても笑顔で動じないニタは私から見たら強い人で、全然クズ要素が見つからなかったので戸惑いました。

その後ニタは再び三鷹家の住み込み家政婦に。
今までクズでしかなかった恵はまたニタを傷つけるかもしれないと悩みますが、ニタは心を打ち明けた恵に即答です。「傷つきません」「傷つくわけないじゃないですか」と満面の笑顔。

ああ、やっと幸せな2人が見られるのねと思ったのも束の間。

チャイムと共に、完全に目がイっちゃってるニタの恋人吉野原・包丁を手に登場。
ニタを取り戻すため恵に包丁で襲いかかって来ます。
「あ 駄目だ 俺 死ぬ」と思った瞬間止めに入ったニタ。
「違う、僕は僕の意思で恵くんの元に来たから」「君を支えてあげたかったけど、ごめん」「僕は一生自分の意思もなく、家の中に閉じ込められるのは嫌だ!」
ニタが恵の影響を受け、自分の意思で自分のために生きていくことを決めた瞬間です。
逆上した吉野原に恵が言った言葉。あれは半分自分に対して言ったんですよね。
「ニタさんありがとう 俺に心をくれて」の見開きページは思わず泣いてしまいました。

事件後、ニタさんのいつものセリフが少し変わります。
「…仕事じゃなくても部屋の電気をつけて君の帰りを待っています。」
仕事じゃなくても、自分の意思で、君を待っていたいから待っていますと聞こえました。

確かに「萌」という言葉で評価することは難しく、でも、心に残る良作だったと思います。

1

思ったほどクズじゃない。

究極の自己中クズ男 × 心を殺して微笑む家政夫
帯にはそうあり、
表紙は、殴られ首を絞められた跡が残る顔で笑う受け。

これでもう勝手に、
攻めは受けに暴力を振るうDVクズ男だと思い込んでいたのですが、
攻めはそこまでのクズじゃなく、DVクズは別にいました。

攻めは、大企業グループの御曹司。
親に愛されずに育った寂しさを、
金に群がる男女を周りにはべらせて、人の気持ちなんて考えず、
好き勝手を繰り返すことで晴らしている大学生。

受けは、その攻めの家で家政夫として働く新田さん。
(攻めはバカにしたようにニタと呼ぶ)
攻めがどんなに理不尽でも、へらっと笑い、
どんなに遅くなっても「おかえりなさい」と迎えてくれる人。

ある日攻めは、
ひどく苛立っている時に受けがゲイなのを知り、
力任せに抱きます(エッチシーンはチラッとあるだけ)。

翌日、仕事に来た受けの顔には、酷く殴られた跡が。

一番のクズは、受けの恋人のDV男だったのです。

攻めは、単に受けの優しさにほだされたのではなく、
その優しい受けにDVを働く男が、自分と同じに見えて、
そして、
その男から逃げようとしない不憫な受けをどうにか助けたくて、
変わっていきます。

でも、攻めはすぐ上手く素直になることはできず、
そんな中、逆上した受けの恋人が現れて…

恋をしたというより、
自分を受け入れてくれる信頼できる人を見つけた…
そんなお話に近いと感じました。

攻めの魅力を、受けの視点ではなく、
攻めに恋心を抱く大学の友人(男)の視点で描くのは、
上手いなぁと思いましたが、
攻め受け当人が恋に心を揺らす様子も、
もうちょっとちゃんと見たかったな。

それがあって、もっと絵が魅力的だったら神評価にしていたかも。
(絵は正直、全体的に雑です)
思ったほど激しくも特殊な感じでもなかったですが、
丁寧に綴られればとてもいい作品になるお話だと思いました。

こちらの本は1冊まるごとひとつの作品で、オール描き下ろしです。

11

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