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久しぶりに小説読みました。
イラスト(本間アキラせんせ)に惹かれて購入しましたが、本当にお話も素敵でした。
基本的に年下攻めが好きな私ですが、これほど良い作品に出会えたのは久しぶりかも・・・。
空手黒帯、よまわり隊(町の警備隊みたいな感じかな)のメンバーで強い攻め、邦光大悟と暗い過去を持つ場末の店の美人バーテンダー氷川青磁のおはなしです。
九州の小倉が舞台という地方BLで方言とか可愛いですよ。
そして大悟がとにかくかっこいい!年下だけど包容力があって強い。こんな人に守られたい!!
青磁も色っぽくて素敵です。
とにかく読んでみて欲しい。ほのぼのとした気持ちになれます。
攻めはガッシリ型年下攻めでした。これも小説ディアプラスで気に入ってて続きが読みたいと思ってたのですが、表紙!素敵ですよねえ。なんだこの受けの細腰。色っぽい首筋。アンニュイな表情。そして男らしい攻めが後ろから抱っこ!構図が最高です。
攻めの北九州弁もよかったです。ご当地BL素敵です。ストーリーは過去にとても可哀想な目に合った受けが心優しい攻めと出会い最後は幸せになるという自分の好みどストライクのお話でした。受けが色っぽいのも良かったです。
北九州・小倉を舞台にした、いつきさんのご当地お仕事モノ。鉄板です。そこに本間アキラさんのイラストとくれば美味しくないわけがない‼
主人公の大悟(24歳)はスポーツインストラクター。空手黒帯で、ボランティアで地元の防犯活動に参加している硬骨漢。ある夜ハッテンバの公園で、不良たちの「オカマ狩り」に遭っていた男を助ける。近くの店のバーテンだというその男青磁(30チョイ前くらい?)の際立った美貌には見覚えがあった。3年ほど前、博多の一流ホテルのトップラウンジで花形シェイカーだった彼がなぜこんな場末で、荒んだ暮らしをしているのか?
出会った時の青磁の印象は鮮やかだった。その日大悟は、戸籍にも載ってない実父と生まれて初めて対面し、彼が広域暴力団の組長であるという事実に衝撃を受けていた。「母さんの葬式にも来んかったくせに、今更父親づらすんのかよ!」いまにも席をけって立ちそうな大悟の前にスッと差し出されたカクテル。その名も「母の涙」。青磁の機転のお蔭で大悟はわれに返り、最初で最後になるかもしれない実父との思い出を最悪なものにせずにすんだ。礼を言う大悟にはにかんだように微笑んで見せた青磁。あれが本来の彼だとしたら、いまの氷の女王のような彼になるまでに、いったい何があったのか・・・
青磁の店に通い始める大悟。すこしずつ縮まる距離。でも青磁には、絶対ひとには踏み込まれたくない一線があるようで、そこに触れるとピシリとはねかえされてしまう。
視点は交互に切り替わるので、読者には青磁の目に大悟がどのように映っているかも判ります。ガタイが良くて、ハンパなく強くて、なのに中身は「純情乙女」。そんな年下くんにいちずに慕われて、ほだされるなという方が無理な話。それでも青磁には、すんなりその腕に飛び込めない理由があった。
本作では、ごく普通の市民に対して突然牙をむいた時の暴力団の恐ろしさや卑劣さが正面から描かれています。BLによくみられる、腐女子の脳内にだけ生息するような、金と力と男の色気を併せ持った「なんちゃってヤクザ」とは一線を画しています。なおかつ、舞台となった町ではいまだ現実の事件も後を絶たず、絵空事の域はとうに超えてしまっているのです。
青磁を襲った理不尽な暴力は、身体の傷が癒えた後もずっと彼の心を苛み続けている。その心に寄り添うには、覚悟と忍耐がいる。その点若いのに大悟はエラいんです。ちゃんと「待て」ができるから。そして相手の身になって考えようとする。曲折を経てようやくふたりが初めて結ばれた翌朝、青磁の働くバ―のドアのステンドグラスから差し込む夜明けの光を見て、大悟は思う。「青磁にはいつもこんな風に見えていたのか」「もっと早くあいつの苦しみに気づいてやればよかった」 バリバリの体育会系のようで意外とこまやか。こういうヤツだから、薄倖の美人受けを任せても安心、なんですよね。
後日談の「キス・ミー・テンダ―」では、T市場でのどんぶりデートとか、ちくわを入れるか入れないかのお雑煮バトルとか、少なからずご当地に思い入れのある私にはたまらない要素がてんこ盛りでした。青磁に初めて咥えられて「や、いけん、そんなん」て、小倉弁丸出しになってしまう大悟が滅法カワイイ。大悟が祖父から譲られた古い一軒家で一緒に暮らし始めるふたり。大悟の父との確執、青磁の姉との誤解も解け、青磁はその腕にふさわしい華やかな舞台でふたたびシェーカーを振ることになる。青磁は大悟の父に「決して彼を独りにしない」と誓う。母を亡くし、父と生き別れ、この先子どもを持つこともない大悟には青磁がすべてだから。ラストはあまりにも万事うまく運び過ぎかとも思えるが、青磁の過酷な前半生を思えば、このくらいしてもらってもバチはあたらないだろう。
なによりふたりの暮らしぶりは地に足が着いてて、なんだか先日BLニュースでも紹介されてた台湾のお菓子のCMに出てたカップルみたいなんだもの。彼らが29年と言ってたから、きっと30年後の大悟と青磁もあんな感じで睦まじくやってるに違いない。久々に一点の曇りもない読後感でした。
設定、文章、台詞、展開など、浮ついたところのない、素敵な小説でした。主に本間アキラさんの挿絵が目当てで購入したのですが、その点も大満足。カッコ良い大悟と美人な青磁と、何より扉絵にもなっているバー店内の描写は素晴らしく、じっくり眺めてしまいました。
大悟と青磁、それぞれが過去そして現在と向き合う場面にグッときました。二人の心情が交互に描かれるので、理解しながら読むことができたのも良かったです。
ただ、地方BLの割に、特に主人公二人の会話が標準語っぽいことが最後までスッキリしませんでした。ま、私が地元民なのでそう感じたって話ですが…。脳内で地元の言葉で再生すると「ん?」てセリフがちらほら。逆に、方言BLが苦手という理由で避けている方がいたら「心配ご無用!」と太鼓判を押したいです。
しいて言えば、深い関係になるまでの展開がちょっと急かなと感じましたが、その点を差し引いても★4ぐらいの素敵な一冊だと思います。
初読みの作家さん……と思いながら読み始めて
すぐに、ああ絵師の石原理さんに惹かれて読んだ
『つながりたい』の作者の方だと気がつきました。
方言と文章が印象に残っていたんですね。
:
舞台は北九州・小倉。
格闘技系インストラクターと、年上のバーテンダー。
それぞれ過去を持つ大悟と青磁。
安定した読み心地の作品だった。
すごく心揺すぶらたり好みだったりはしないのだが
ストーリーにも引き込まれるし、キャラも悪くない。
バーテンダーというと、Between the sheetsのような
華やかな世界を思い浮かべるが、
これはもうちょっと地に足のついた世界を描いている。
濃すぎない方言や地域色が彩りになっていて
派手ではないが味のある作品になっている。
よまわり隊のエピソードや市場での食事シーンも面白いが、
バーのマスターや大悟の父、まわりの大人がとても魅力的。
評価は、萌と迷ったが、若干甘えで萌×2です。