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表題作だって、美味しいのが悪い。

謎の男
鈴木,会社員

同時収録作品SMOKING ROOM

湯浅,会社員
藤沢,他部署の先輩

同時収録作品いびつな靴底

長谷川に憧れる青年 ※受け攻めなし
長谷川,靴職人 ※受け攻めなし

同時収録作品ノンフィクション・レッド

(推定)磯崎・美大生
(推定)安藤・バイトの先輩

同時収録作品君のつくえで踊るぼく

(推定)松田・デスクを散らかす後輩
(推定)青木・几帳面な先輩

その他の収録作品

  • 描き下ろし「DOT」「COFFEE+」「GOOD NIGHT」「MINE」「PRIDE」

あらすじ

いつものように目を覚ました鈴木の目の前に、見知らぬ男。
〝鈴木の夢を食べていただけ〟だと言う男は
度々現われてはとびきり不味いコーヒーを一杯淹れて帰っていく。
……理解不能! でも、自分の夢をキレイで美味しいという男に、いつしか心は溶かされていき…。

鈴木と男の少し不思議なドタバタラブ「夢現ブレイクタイム」、憧れの靴職人はとんでもない性癖を持っていて…!? [いびつな靴底]、喫煙所で育まれるピュア(?)恋[SMOKING ROOM]など全5作品からなる、クセになるほど美味しい短編集、召し上がれ。

作品情報

作品名
だって、美味しいのが悪い。
著者
タカナシモリミチ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758074445
3.7

(64)

(17)

萌々

(25)

(17)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
8
得点
238
評価数
64
平均
3.7 / 5
神率
26.6%

レビュー投稿数8

デザート感覚で

タカナシモリミチさんの初コミックスです。

一つの恋に二人の男。
シックな雰囲気からライトなものまで。
異なる味わいをもった五つの短編集。

【SMOKING ROOM】
会社の喫煙室でしか会うことがない藤沢と湯浅。
彼女にフラれたから慰めろと言う藤沢に内心戸惑う湯浅は流れから自分がゲイであると伝える。藤沢へ望みのない恋をしていた湯浅はそれで話を終わらせようとするが……。

口からくゆる煙草の煙や、登場人物の見せるささいな表情や仕草、そして衣装と、作者さまが細かなところにまで拘りを持っているのが一目でわかりました。一番ツボだったのは湯浅のピアス穴。色っぽいです。
煙に満ちた狭い箱のなかでの二人のやりとり。
藤沢が煙草を吸う理由にちょっときゅんとしました。


【夢現ブレイクタイム】
鈴木の目の前に現れたのはフォークを持った謎の男。
人の見る夢を食料にしているという彼は自分を「人間」だと言う。
あんたの夢は「キレイ」で「美味しい」。
どこか掴みどころのない彼に調子を狂わされつつ、試しに一晩だけ夢を食べないでくれと頼む鈴木。一ヶ月ぶりの夢から目を覚ますとそこには。

表紙と裏表紙の二人ですね。
少し不思議な話。短編集のなかでは恋の要素が一番薄めでしょうか。
カバー裏にて謎の彼についてと一枚絵が。これは最後に見てほしいです。

【ノンフィクション・レッド】
アルバイト先の先輩、安藤さん。優しくて天然な安藤さんはオレにとって素晴らしい絵の「資料」だ。
安藤さんの白い肌が赤くなる瞬間に一目惚れした美大生の磯崎。
その「赤色」をキャンバスに描くため、安藤さんと同じアルバイト先で働きながら安藤さんの肌を抓ったり叩いたりと彼の赤色を求める日々。
ある日、安藤さんとよく似た色白の肌の女性の首元にキスマークを見た磯崎は衝撃を受ける。
その小さな赤色が…安藤さんにあったら…どれだけ美しいだろう。

安藤さんが本当に天然さんで心のオアシスですね(※後日談より)。
磯崎くんは少々S気味。いい性格してます。後半から安藤さんに調子を崩されていきます。


年齢などの描写が特にないですが、どれも年下×年上の雰囲気でした。
どの話もハッピーエンドで、後日談の描き下ろしもあって面白かったです。どの登場人物もクセのある人たちばかり。似通った話もなく、さらっとくどさを残すとこなく読めてとても楽しめました。

デザートのように、ちょっとした合間に読みたい、味わいたい。
そんな一冊でした。

5

物足りないけどイイ

赤い表紙に目を引かれ購入しました。
他の方のレビューにもございますが、これで終わり!?と思いました。
絵も綺麗でストーリーもイイものばかりだったのでせめて表題作だけでも続編希望です!!

メインディッシュというには、物足りないかもしれませんが、前菜やおつまみ的な感覚で読まれる分には十分すぎるかと…!

初コミックスとのことですが、今作の押さえられた萌えツボと次回作に期待してこちらの評価で('ω')

2

軽妙洒脱な短編集

二作目の「まっくらやみで君と、」でストーリーは勿論のことスタイリッシュな絵柄に惹かれてしまいました。
スタイリッシュな色気を感じる絵柄はもちろんのこと、先生の描かれる天然さんの無邪気な表情がとにかく可愛らしくて、こんな顔されたら堪らないよね、という顔ばかりなのです。
絵柄そのものは少し神経質そうなのに、天然さんの表情にはそういった絵柄の神経質さが消えて、ただただ無邪気。そのギャップが非常に好みでして。

あまりにも二作目が良かったので、一作目にあたるこちらも読んでみることにしました。

全部で6つのお話が収められた短編集でエロは皆無、キスもしていませんが、絵に色気があるからでしょうか、裏にそういう熱を含んだようなお話ばかりです。
「ノンフィクション・レッド」以外はどの作品も二人だけで、派手な動きもありません。
会話劇を楽しむといいますか泥くささが皆無の都会派だと思います。

冒頭の「SMOKING ROOM」
こちらが一番好き。
ゲイの湯浅は喫煙室でしか出会えない他部署の藤沢のことが好き。いつものように二人で煙草を吸っていると藤沢が失恋したと言いだして・・・。
しかも藤沢は実は煙草が嫌いなことも判明。
自分の事を「僕」と呼ぶ藤沢は、二作目の「まっくらやみで君と、」に登場した課長に通じる天然さ、可愛さがあって、個人的に好きなキャラです。

「夢現ブレイクタイム」
突然枕元に立っていた夢を食べて生きているという男の話。
ファンタジー系がいまいち苦手なのでちょっとこれは作品の意図を掴みきれません・・・。嫌いではないんですが、正解がないような話に感じます。

「いびつな靴底」
これ面白かった。
憧れの靴屋の職人さんの元へ弟子入りを願う青年がやってきます。
弟子入りの条件は自分の作った靴を履いて、自分を踏みつけてくれ・・・と言うんです。
踏みつけてくれというからにはきっとそういう性癖があり、どMなんだな?と思って、踏みつけながら「この醜い豚野郎!!」と罵ってしまうのだけど、職人はそんな性癖もないうえそんな言葉はちっとも求めておらず・・・・。

「ノンフィクション・レッド」
カフェで働く先輩の安藤はとても色が白い。美大で油絵を描く磯崎は先輩の肌をつまんで肌が赤くなる様が芸術的で美しいと入れ込んで、絵を描く際の資料と称して安藤の肌をつねってみたりしているが、少々天然ぎみの(この人も自分を僕と呼ぶキャラ)安藤は少し邪な心が生じている磯崎の意図に気づかない・・・。

「君のつくえで踊るぼく」
会社で隣合わせの席に座る上司と部下の話。やる気もあって仕事もできる部下なのに唯一の欠点はデスク周りが汚いこと。それをついつい几帳面な上司は放っておけず片付けてあげている。
ある日風邪で休んだ部下の家に行ってみると、まさかの・・・。

1

年上受けが好き

実質的なエロなしですが、エロなしだからこそ、この、何とも言えない意地悪な雰囲気が逆にエロくてツボでした。
中でも、底意地が悪くて臆病なツンデレな攻めと、天然な受けの「ノンフィクション・レッド」とかは、エロなしだからこそ好きなお話。
他にも、受け攻めすら定かではないけれど、お互いに臆病な「SMOKING ROOM」や、一筋縄ではいかなそうな「いびつな靴底」に見え隠れする意地悪な感じも好き。
全体に限られた室内だけでお話が展開する作りと、このチョット気障な絵柄の雰囲気も似合っていて、私の好みとしてはかなり神寄りの萌2です。

0

全作品もっと読みたい!と思えるほどの可愛らしさ

◆SMOKING ROOM
 冒頭を飾るこの作品が一番お気に入りです。タカナシ先生はきっと可愛い先輩受けがお好きなのかな。煙草を燻らせながら伏し目がちな表情が色っぽい先輩が、徐々に後輩にペースを乱され、本心を露わにしていく様がとっても可愛くて萌えました。逆に後輩の表情がどんどん大人びていくところも素晴らしい。2人の続きをもっと読みたかったので、短編なのが残念です。

◆ノンフィクション・レッド
 油絵専攻の美大生・磯崎は、バイト先の先輩である安藤を物理的に傷付けた時に浮かぶ色に執着しています。頬をつねった時の赤、背中を引っ叩いた時の赤、キスマークをつけた時の赤などなど。安藤がかなりお人好しで素直な性格なので、磯崎の行動は結局すべて許されてしまう。でも、なんだかんだ最初からお互い好ましく感じていたからなんだろうと思います。歪な関係なのに、あくまで健全な雰囲気の作品でした。

◆君のつくえで踊るぼく
 これも会社の後輩×先輩もの。多分この後輩が机を片付けないのはわざとなんだろうなぁと早い段階で気付いてしまっても、どう先輩を自分のものにするんだろう、と期待に胸を膨らませてしまいました。そうやって気を引こうとする後輩も可愛いし、文句を言いながら毎回律儀に片付けてあげる先輩も可愛いので、萌えずにはいられないのです。読み終わった後にタイトルを見返して、また萌えられる、素敵な作品でした。

0

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