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表題作ためらいといたずら

「菅谷岳」・「小学生」・「12歳」
「朝陽達哉」・「居酒屋アルバイト」・「26歳」

あらすじ

深夜のコンビニ。仕事帰りでクタクタの朝陽に突然弁当をくれたのは、時々女連れで見かける目の覚めるような美形の男だった。そして数日後、再会した男の背中にはなんとランドセルが。その大人びた子供――岳は、まだ12歳で、偶然にも朝陽の隣人だった。親に放置されている岳を見かね世話をするようになった朝陽は、簡単な手料理にもはしゃぐ無邪気な岳を可愛く思う。だが朝陽を見る岳の目には、一途な恋の熱が灯っていた。

作品情報

作品名
ためらいといたずら
著者
夏生タミコ 
イラスト
ひなこ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778118686
4.2

(38)

(21)

萌々

(11)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
158
評価数
38
平均
4.2 / 5
神率
55.3%

レビュー投稿数9

12歳とは…??

長めのお話が読みたい気分だったので、取り敢えず背表紙が広かったこの作品を購入させていただきました。

登場人物は居酒屋バイトで26歳の朝陽達哉、達哉がよく行くコンビニに女連れで時々現れる青年である菅谷岳のふたりです。

仕事帰り、深夜にコンビニに寄り、夕飯を買うことにした達哉でしたが、夜遅いこともあって、達哉の喉を通りそうなものは残っていませんでした。渋々諦めて帰ろうとした達哉でしたが、ふと声をかけられます。声を掛けてきたのはここのコンビニに女連れで現れるとこがある男。男は達哉に弁当を押し付けるような形で去っていきますが、達哉はそれをありがたく受け取ることにしました。後日、達哉が信号を待っていると、小学生の集団が向かいにいることに気付きます。その小学生の中に170センチほどの身長の子供がいて、ランドセルや黄色い帽子が浮いて見えます。実はその小学生、昨日達哉に弁当を押し付けた男で…

いい意味でも悪い意味でも「12歳とは…??」と思ってしまうような作品でした。取り敢えず私はおもしろいし感動する話だと思います。

挿絵がひなこさんだと言うところも評価のプラスポイントでした。

小学生が攻め、という設定が許せる方には是非おすすめしたい作品です。多くの人に読んでいただきたいです。

2

年下攻めの魅力が詰まっています

この本は、年下攻めの魅力がとても詰まっていたと思います。かわいい岳がかっこよくなっていく様子、色気を出していく様子にドキドキしてしまいました。
攻めが小学生というとんでもない設定だと思いますが、その分、これからどうなるんだろうというように小説の世界にひきこまれました。
主人公の自分は自分を好きになってくれるような人しかすきになれないと思っていたなどという心理描写が書かれているページがすごく好きで共感しました。
当て馬はかわいそうでしたが、かなり好きなキャラクターです。

1

興味本位で

どんなものなのかと興味本位で読んでみた。

12歳×26歳。
ファンタジーでも、見た目18歳以上に見えたとしても、小学生の放置子が隣のオジさんに世話をしてもらっているうちに恋愛感情が芽生えるというのは、ちょっと無理があるような気がした。
自分的には、せめて中学3年生とかだったら良かったかも。

情景描写が今ひとつで、もう少し丁寧に表現してくれればもっと物語に入り込めるんだけどな、と思うところが幾つかあって残念だった。

0

読む側にもかなりの葛藤が…

26歳の朝陽と12歳小6の岳。
この二人が恋をするってね、想像も付きませんが想像も付かないから読みたい気持ちが強くなる。

そしてどうにもならないことが生きてると様々あって、その1つが誰かを好きになるということで。
朝陽の心の葛藤がそのまま、読んでいる私の葛藤になって途中かなり苦しかったです。
常識やモラルや世間体やそんなものを考え出すとキリがなくて、もうどうしようかと思いました。
もし自分の子供が小6で、その大切な子が26の男に…!と思えば許せないのに、朝陽と岳にはどうにか幸せな未来が待っていて欲しいと願ってしまう。(特にクソな親に放っておかれた寂しさを岳には2度と味わって欲しくなかった)
そんな矛盾だらけの自分の気持ちに疲れました(~_~)
疲労感半端ないので、これはもうお話の世界なんだと割り切って読むしかなかろうと、中盤から気持ちを切り替えて読破。
結末は予想通りなのですが、逆にそうでなかったら困るし!
14歳の年の差はいつまで経っても縮まる事はないんですが、長い目で見ると岳が大人になって30歳と44歳のカップルになったら別に大した問題じゃない気がするな。
そうなるまでずっと一緒にいてほしいです(*^^*)

2

世間と年月は、何故こんなにも残酷で悲しいのだろう?

単純ですが「ランドセル男子攻め」という言葉に釣られ、
ポチリしてしまいました。
ランドセルをからってるってことは、最高でも12歳ってことだ!
それが攻め!? 
ぷ、プラトニックなの……?
エッチシーンなし……?
え、違う? 

うぉー興味津津!
ということで、ドキドキしながら最初のページをめくりました。

でも、この単純な好奇心は、後から裏切られるのですが…

   ◆◆   ◆◆   ◆◆

12歳の小学生・無垢で天真爛漫 × 26歳の普通のフリーター

岳(攻め)は、12歳の小学生。しかし外見はどう見ても大人。
しかも外見は抜群にカッコ良い。
でも中身は普通の12歳よりずっと幼くて、稚い。
それをひょんなキッカケから隣人として、面倒を見るようになった
朝陽(受け)の物語です。

14歳差!!
しかも攻めが小学生……!!
年下ワンコ攻め好きな私でも、コレはいくらなんでも
設定に無理があるのでは……と思いましたが、それがどっこい
全然そんなことありませんでした!

岳の無邪気な笑顔、仕草…一挙手一投足が、可愛くて仕方ない。
幼い一途なワンコとでも言えばいいんでしょうか。
自分の全世界が、朝陽であるかのように、ずっとついて回って、
朝陽の言葉に喜んだり、しゅんとしたり……。

世間的には、ませた小学生も中にはいますが、岳(攻め)は、
完全に逆です。天衣無縫とでも行ったらいいのか…
心が真っ白で綺麗で、それでいて無知で……まるで天使のような存在です。

最初は、岳が朝陽に惹かれ……その熱のある視線に気づいた朝陽もまた
岳に惹かれ始め……。


自慰すらしたことがなかった岳は、泣きじゃくり、
朝陽が自慰の仕方を教える……。
そこで初めて、キスをして…。

でも、朝陽は何度も何度も自分の心にブレーキを踏もうとします。
何故なら、岳は小学生だから。
たった12歳の子供だから。
自分はただの隣人でなにも責任を負えない。
世間で言えば、幼い子に猥褻を働いている。
法律や世間がそんなことを許すはずがない。
岳に惹かれる気持ちを懸命に堪えて堪えて……。

徐々に迫る、岳への気持ちとそれと同じく増していく「罪悪感」。
その「罪悪感」こそが、私を物語に引き込んで行きました。
世間や法律が、こんなにも2人に厳しいなんて…。
立ちはだかった壁は、あまりにも高く感じました。
でも、2人にはどうしても幸せになって欲しくて、
祈るような気持ちで、先へ先へと読み進めました。


そして、朝陽はついに決意します。
岳とセックスをする。
そしてその後は……

岳(攻め)と朝陽(受け)の初めてのセックスは、
岳がまだ12歳の小学生だということを厭というほど
感じさせるもので、でもその時だけは朝陽は「罪悪感」や「背徳感」から
完全に解き放たれているのが分かって、
読んでいて、胸がぎゅっとなるセックスシーンでした。

朝陽が決意したことは、
「セックスの後、岳が18歳になるまで会わない」ということ。
岳の未来ある幼い子どもの将来を潰したくない。
いずれ岳にも好きな女の子ができる。
その時、自分は忘れ去られたほうが良いのだと……。
今後、6年間会わない。
あまりにも悲しい決意で、読んでいる私も切なくなりました。



そして、4年が経過し……
岳はついに高校生になって朝陽の前に現れます。
朝陽は言います。

「おまえ、高校生ならもう分かるよな…?
 俺が昔、なにをしたか…」

ああ、もう!
そんなに自分を責めないで欲しいよ、朝陽。
あの時は、お互いちゃんと好きあっていた。愛し合ってた。
だから肌を重ねた。
それじゃあ、ダメなのかな…?

こうして、4年が経過し、岳と朝陽は恋人という関係になり、
ひとまずハッピーエンド。
(エッチだけは18歳まで待てず、フライングしましたが)

ひとまずはハッピーエンドなのです……が、
やはり岳が12歳のあの日々に、何故朝陽と岳の愛は
許されなかったのか……?

世間と年月の差の残酷さを感じずにはいられませんでした。

   ◆◆   ◆◆   ◆◆

朝陽が岳を身内に引き渡す時。
そして、岳が4年後に姿を現した時。
思わず、涙が出そうになりました。
朝陽の気持ちに同調してしまったようです…。

涙をボロボロと零す朝陽。
抱きしめる岳の震えた声。

この話のハッピーエンドを願わずには、いられませんでしたが、
こんなに嬉しかったラストは、久しぶりです。


著者の方があとがきに書いているように、
この先、何十年も2人で生きていって欲しいです。

切に願います。

7

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