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一気に読んでしまうくらい読みやすい文体で、内容としても中身にのめり込める面白さがありました。
受けさんの里玖は、両親が死別してお人好しの性格が仇となり保育園の先生も辞めさせられ、その上に莫大な借金まで背負わされて‥となかなかに辛い場面から始まります。
それでも、叔母の元に舞い込んできた待遇のいいハウスキーパーの仕事で攻めさんでもある俠介さんやその息子の和くんと出会い、前向きに楽しく生活していく姿や、何よりも子供優先でその信念が最後まで変わらないとこ、初心な割に快楽に弱いなど、魅力的な姿が多くて私はずっと好きなキャラクターでした。
攻めさんの俠介さんは、妃川螢先生が後書きで仰っていたように最後までヘタレなとこを見せることもなく、寡黙なかっこいい方でした。
寡黙というか‥不器用で話下手で、強面な顔つきで損してきたことも多々あったんじゃないんだろうか‥と可哀想に思えてしまう、不思議と読後には愛着を持ってしまうキャラクターでした。
そんな俠介さんが、「家族守るのに、オトシマエもクソもねぇだろ」と言い放った時は、それまで和のことを大事にしてるのか、里玖のことをちゃんと想ってるのかはっきりしないとこがあったので、そのギャップにやられました。
久しぶりに極道絡みのお話を読みましたが、この本はヤクザ全開・暴力的というわけでもなく、和に癒やされ和まされ、時々あるエロいシーンにドキドキしたりと最後まで楽しませてもらいました。
不器用だけれど家族を大事にしたお話なので、癒やされたい時にまた読みたくなる本だな‥と思いました。