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表題作相合い傘で子育て中

山野清二,人買いに売られた少年
秋月是清,元華族の売れっ子小説家

その他の収録作品

  • 露と答えた、そのあとは
  • 虹の下で新婚旅行
  • あとがき

あらすじ

我儘な売れっ子小説家・是清が偶然拾った清二。眩しいくらいに純粋な彼と甥っ子の子育てをするうち家族以上の感情が芽生え――。

作品情報

作品名
相合い傘で子育て中
著者
雨月夜道 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344838802
3.5

(20)

(5)

萌々

(8)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
7
得点
66
評価数
20
平均
3.5 / 5
神率
25%

レビュー投稿数7

攻めと受けの身内が酷い人ばかりでイライラさせられる。

パーツ、パーツを切り取ってみると、萌える箇所もあるんだけど、繋げてみるとどこかチグハグ&ツッコミどころが多々な気がして、集中できませんでした。

出会った当時、攻めは14歳です。
おまけに極貧で発育不良ゆえに、見た目は8歳程度のショタにしか見えないんです。

受けは気難しい小説家様です。
かつて初恋の女性と駆け落ちを企てるも、女性は来ないどころか自分の兄と結婚しちゃった過去があります。
周囲からは「駆け落ちしてもお嬢様育ちの自分は受けの枷にしかならない&権力者である自分の父は全力で受けを潰すだろうから、受けの将来を考えて、つまり女性は愛ゆえに身を引いた」と諭されるんですね。
納得がいかない受けが「将来なんかどうでもいいし、愛を貫くためなら二人で死んだほうが良かった」と言ったところ、全員から「お前は人を愛する資格がない」と責められてしまった。
それがきっかけで「こんな自分と関わってもろくなことにならない、相手を不幸にするだけだ」と思うようになってしまった受け。

受けの発言って、全員から「愛する資格がない」と責められるほどなの?
それなら女も、駆け落ちの約束なんかするなよ、せめて駆け落ちの約束する前に身を引けばいいじゃんと思う。
愛を理由に裏切っておきながら、シレッと受け兄と結婚して妻&母の座を得て幸せそうに笑ってる一方、受けは慰められるどころかみんなから責められるとか、意味不明。
おまけに、兄嫁になったこの女が余命僅かということもあり、産んだ赤ん坊を受けに託すんだけど、か弱いフリして神経がワイヤー並みに太いとしか言えない。
ちなみに兄は、受けと妻の関係や過去を知らないらしい。


話を戻すと、自分といても相手は幸せになれないと思いつつも、攻めの手を離すことがどうしてもできない自分に気づくんですね。
で、「君を離したくない……君のことで頭いっぱいになって…もう、どうしようもない‥‥」と攻めに告げるんですよ。
そして攻めに「(おれのこと)……すき、なの」と聞かれて、肯定するんです。

「素直じゃなかったツンデレ受け(傷ついた過去有)が、自分から告白するシーン」として切り取った場合には、萌えます。
だけど、なんせ攻めは14歳……。
おまけに8歳程度にしか見えない14歳相手に……としか思えないです。

そして攻めも「せんせえが、すきです」と告げるので、一応両思いっぽいけど、なんかそれは本当に恋愛感情なのか?と戸惑いのほうが大きい。

なんか変に両思いっぽい感じになるよりも、あくまで攻めの心の中で「この傷ついてる人を俺が大切にしたい」「早く大人になってこの人を守りたい!」という気持ちが生まれて、将来へのフラグが立っただけのほうが好みでした。

ちなみにこの後、周囲からの「恋人同士」という言葉を受けは肯定してるので、へぇ〜やっぱり恋人路線認定なんだ…と。

そして伊勢物語・芥川の「二人で、露となって消えるまで(=一生添い遂げたい)」というやり取りとか、そこだけ切り取ると素敵なんだけど、やっぱりなんか早すぎない?としか思えない。
(あくまで、この時点では額にチューのみのプラトニックですが)

そして、第二話でいきなり三年後に飛んでるんだけど、攻めの体格は成人並みになっちゃってるし、英語とドイツ語もマスターしちゃってて、唖然。

おまけに後半は、前半に輪をかけてムカつくやつばっかりが登場するんですよ。
もうダメ……勘弁して……って感じでした……。
わかりやすい悪人ではなく、真っ当なツラして人のためと言いながらやらかす事はかなりエゲツない身内ばかりなので読んでてイライラします。

雨月夜道さんは、「新婚オメガの戦国初恋絵巻」シリーズと「お稲荷さま、居候中」を読んだだけなんだけど、身内の毒が強い気がします。
シレッと書いてるけど、やってる事はかなり酷いみたいな。

1

「猫」「大正」「子育て」

電子版は挿絵なし。
表紙は、黒髪和服の是清と(甚平と書いていたけど、)作務衣の清二。
地味な表紙のイメージに反して読み応えあった。H少な目です。
是清と清二相互の視点で進展する心理描写重視。
お題は表紙の絵そのまんま、「猫」「大正」「子育て」
読後、雨月夜道先生の人外以外の著書を、全部読んでみたいと思った。
この先生、構成上手というか、読みやすく書くのがうまい。 私は好き。

▶口減らしで売られた清二。
事故に遭い、重症で助からないと人買いが見捨てた後、作家の是清が拾って快方する。
是清宅に住み込みで働くことになった清二の視点で綴られる、清二と是清と伊織の三人暮らし。
栄養失調が改善されたら成長して、3年で是清の背を越し逞しくなる清二。

▶「絆」と「想いを伝える」が物語の肝。
黙ったままだと真意は伝わらない。誤解はすれ違いを産む。
一番上手に伝えるのは幼児の伊織。
一番下手なのは、作家の是清。感情を押し殺して育った幼少期の癖が抜けない是清。
そんな是清の不器用さを「可愛い」と想い、寄り添うように支える清二。

進捗にちぐはぐな部分があるのは、頁不足が原因の無理入れだと思います。
出版業界の不景気を感じました。

1

カバーイラストの祖語と無理やり感と不快感

レビューが良かったので期待した分、ガッカリしました。

出だしと言うか、清二がまだ小さい体の時の部分までは、良かったです。
でも、その次の段階から、無理やり感がすごくて。

清二のスーパーマンっぷりが(苦笑)。
たった3年で、倍以上の身長に育ち、日本語の読み書きだけでなく2ヶ国語を習得し、家事育児を完璧にこなすなんて、ありえないでしょう。
いくら先生が裕福でいいものをたくさん食べさせてもらえたとしても、そこまで急激に成長できるとは思えないし、できたとしても成長痛に苦しんで日常生活に支障がある筈で、家事や育児や勉強なんてできませんよ。
せめて5年とか、もっと年数があれば違和感は減ったのですが。
まぁ、あまり年数をかけると先生が年取っちゃいますからね(苦笑)。

周囲の自己中な主張の数々も不快だったし。
清二の兄夫婦(実は兄が相当陰湿だったということが判明したわりに、ラストの方で頭を下げるエピソードの挿入が、悪い人じゃない感を押し付けられたようで・・)、先生の兄夫婦(再婚相手が異様にでしゃばってくるし。)、先生のおじ。
それで結局子供の伊織と猫の夜叉丸とは別れることになるし。

あと、先生の年齢が不明なんですよね。
どこかに書いてあったのでしょうか?
相当年齢差があるだろうし、ショタですよね(苦笑)。
清二の年齢、成長前は見かけが7~8歳の14歳で、成長してもまだ17歳だし。
さらに言えば、家から勘当されたような立場のわりに、ずいぶん裕福だよね、と(苦笑)。
売れっ子作家だとしても、そこまでなの? だし。
そこまで稼げるなら尚更結構な年齢だよねぇ、とか。
先生兄の役職からしても、若くは無い筈だしなぁ。
兄も家から離れたってわりに大出世してるし。
なんかアレコレがおかしいというか。

で、清二がキスやそれ以降に戸惑いがないというのも、変で。
どこから知識を得たのか、どこで経験を積んだのか、というぐらい(苦笑)。
そこまで「天才」なのかよ、という。
もっと言えば、出会ったころに頻繁に先生を「可愛い」と評しまくるのも、年上受けの伏線すぎて(苦笑)。

カバーイラストが本文と違っていたのも、期待はずれの一つ。
清次がその体格になる頃は、伊織はもっと大きくなっているし。

そして、あとがきによると大正時代設定で。
まぁなんとなく、明治末期~大正初期ぐらいだろうとは思っていましたが。
それはそれで、その先の「関東大震災」や戦争が待ち構えている、というのが、どうしても「つかの間の幸せ」のように思えてしまうんですよね。
この時期を描いた作品全てに共通なのですが(苦笑)。
将来伊織が会いに来てくれるだろう的なラストにも影を差すというか。

三毛猫のオスも、ありえないというか(苦笑)。
さらっと流しちゃう部分だけど。
隠れラッキーアイテムってことなんでしょうかね。
虹のシーンも、なんか、いかにも的で。

あれこれ盛り込みすぎ。
丁寧に設定を確認・整理し、推敲してほしかったです。
もっと内容をそぎ落とすか、もっと頁数を増やすか、という中途半端な作品になってしまったな、という印象です。

1

碧雲

突然失礼します。
タイトルに誤字、多分誤変換があるようなのでご一報まで。
「そご」
× 祖語:比較言語学で、同じ系統に属する幾つかの言語が、分岐・発展する前にあったと想定される、共通の祖先に当たる言語。
◎ 齟齬:事柄が、くいちがって、合わないこと。

無表情·不器用·可愛い·照れ屋…萌えどころ満載!

以前から気になっていた作家さんで、前作シリーズ2冊を購入していながら未読のままだったので、初読み作家さんでした。

私自身、現代以外のお話を読んだことがなかったので、どういうものなのか気になっていながら時代小説に手を出せないでいたので、今正直に思うことは「もっと早くに勇気を出せばよかった…!」です。
それくらい、最初の数ページで世界観に魅入られ、現代じゃないからこその葛藤や言葉回しが新鮮で、現代ものとはまた違った萌えというものを初体験させていただきました(^^)


この作品は大きく3つの話で構成されているのですが、最初の1つ目の話の冒頭で攻めさん(清二)が死にかけているシーンから始まるのは衝撃的で、是清や伊織、夜叉丸を通して本当の笑顔を取り戻していく清二の成長ぶりが涙を誘いました。
というか、清二がいい子すぎて素直で可愛くて…自分の好きな受けさんだなあと思いながら読み進めたら。

2つ目のお話(こちらが本題)で、随分男らしく逞しく成長していて実は格好良い攻めさんだったと知った時は、驚きました。
本題では、受け攻め両方の視点が交互に読めるので、その時その時の2人の考えている事、感じている事が真っ直ぐ伝わってきて、もどかしくて仕方ありませんでした。
受けさん(是清)にとって、3年前に保護した清二と3年後の逞しくも賢く成長した清二に対する気持ちの変化の戸惑いや、是清自身が3年前よりも表情や態度に感情が表れやすくなっている事など、2人のそれぞれの成長の仕方も魅力的。
また、伊織の存在が2人に与える影響としてその都度その都度大きく、この作品でも1番のキーパーソンだとかってに思っているのですが、そんな身体は小さくとも大きい存在の伊織と離れ離れになってしまうシーンは、本当に切なかったです。

3つ目は、紆余曲折あって伊織と離れて暮らすことになったその後の蜜月期で、いちゃいちゃがそれまでに少なかった分、お互いがお互いにデレデレで甘い甘い2人を最後に堪能出来たので、満足に読み終わりました。
これからが事実上の新婚夫婦になる2人には、もっともっとらぶらぶに過ごして欲しいです。

私としては、結局清二はあれだけの能力と可能性がありながら、「是清を守る」ために学校には行かないのか、使用人という身分のままなのかが気になるところではありますが、伊織の成長した姿と共にまたいつかこの3人のお話が読めたらいいな…と思うくらいには満足できた1冊でした( *´︶`*)

6

成長する清二のイラストは必見です

イラスト買いです。
多分、この作者さんの作品は、同じく金先生のイラスト買いで以前に1作読んだはず。

大正時代設定の身分違い物です。
口減らしのため人買いに売られた少年が、雨の中車にひかれて死にかけているのを周りの野次馬がただ見殺しにしている中、助けの手を差しのべたのは、、、

小説家の是清と、是清に拾われた子どもの清二、そして是清が兄に託されて育てている甥の伊織の三人での暮らし。
やせこけた小さい子どもだった清二はがっしりとした青年になり、いつしか、庇護者だったはずの是清に恋心を抱くようになります。

子どもの出てくる話って、結構な確率で泣かされがちで、この作品でも、伊織の健気さは涙腺に来ます。
お互いを思うからこそすれ違うっていうのもわかります。
お話の全体の流れとしては悪くないし、子どもから青年に成長する清二の変化を見事に表したイラストは素晴らしいのだけど、エピソードの詰めが微妙に甘かったり、ちょいちょい細部でなんか萌を削がれる表現があったりとか、まあ、とりあえず、伊織の喋る幼児語が個人的に合わなかったということで、イラストにオマケしてギリギリ萌かな。

1

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