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悪役転生なのに推しに籠絡されてます

akuyaku tensei nanoni oshi ni rouraku saretemasu

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表題作悪役転生なのに推しに籠絡されてます

八重 一三、幸久の家臣で旺介の推し
相模 旺介(支倉 幸久)、乙女ゲームに転生した大学生(志水の里の代官)

その他の収録作品

  • 愛おしき一生

あらすじ

戦国を舞台にした乙女ゲームにハマっていた旺介は推しに推していたキャラクター・八重の上司で悪代官の幸久に転生してしまう。こんなに間近で推し様のご尊顔を目にし声を耳にして、過剰な萌えの供給に旺介は胸いっぱい! 八重に奇異な目で見られるのもご褒美だと堪能しつつ、 旺介は死亡ルートを回避するために奔走。旺介の鮮やかな戦術に八重の見る目も変わり、馬に同乗してくれたりお姫様抱っこしたり。今までは八重を画面越しに見ているだけで幸せだったのに、一緒に過ごせば過ごすほど旺介の萌えと好きが止まらなくなって!?

作品情報

作品名
悪役転生なのに推しに籠絡されてます
著者
雨月夜道 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344852853
3.9

(19)

(8)

萌々

(5)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
73
評価数
19
平均
3.9 / 5
神率
42.1%

レビュー投稿数6

作り込みがすんごい

ボリュミーな一冊ですね!
電子だと厚みが分かんないので、何の気なしに夜の23時くらいに読み始めましたが、これがイカンかった…。なかなか読み終わらなくて困りました。困るっていうのは、もちろん面白過ぎてです。

すんげー作り込みでした。なんかね、なんかね…色んな要素が爆盛りで、よく一冊にまとめたなぁとビックリです。
目を擦りながら、あくびも垂れ流しながらも結末が気になり過ぎて最後まで一気読みです。(週末で良かった…)


乙女ゲームに転生っていう始まりの作品なんですが、最初は想像の範囲内に終始するかと思いきや全然でした。

乙女ゲーム内の悪役代官・幸久に転生するオタクな大学生・旺介が主人公で、彼の推しキャラ・八重が自分の家臣という設定です。
言っちゃあなんですが、転生直後から道のりは険しいです。乙女ゲームの設定ではどのルートでも殺されてしまう憎まれし代官なので、旺介の転生後既に評判は地に落ちかけているし命も狙われています。そんな悪代官であっても、彼に付き従うのが八重という家臣。硬派でぶっきらぼうですが、忠誠心は固く有能な男です。

乙女ゲームなので、ヒロインキャラと結ばれる幸久の家臣が数名がおります。この家臣たちとの関係が転生後のストーリーを大きく動かしていくことになります。また幸久の父や継母と義弟の関係、家督問題、ヒロインの企み、旺介の過去や幸久の生い立ち、八重との信頼関係、そしてクライマックスの顛末などなど……作品を構成する素材が多く、どこを向いても見どころが満載です。もちろんBL展開は一番です♪

ストーリーと設定が細かくて緻密な作りです。
悪き者を知恵で成敗し、不利な状況を頭の回転の良さと舞台度胸で乗り切り、問題を根本から解決し民に寄り添い愛情を持って家臣を守るその姿が、すんばらしーです。
旺介は臆病者ですが、敵をやり込める手腕は恐ろしく的確。地頭が良いのと乙女ゲームをやりこんだお陰で、敵意を向ける者たちの罠を暴いたり、味方につける姿がカッコいい!そして自身の悪評をどんどん変えていくスカッと展開が最高でした^ ^


レジュメとかパワポとか、現世でのやり方を踏襲し転生先で応用するのには笑っちゃいました。八重のぬいぐるみを作って可愛がったりするのも面白くて、すごく多才で器用な旺介がこの世界ではキラキラしています。
彼の現世での不憫な環境には虫唾が走りましたし、転生先でも実は同じ境遇の設定ではありますが、違うのは旺介を理解し味方になってくれる人たちがいるということです。それが彼を頑張らせる原動力となっているのが、なんとも健気でホロッときてしまいました。


乙女ゲームの世界ということで、ゲームの設定を保持し修正しようとする勢力もいます。ゲーム内にはゲーム世界の独自背景が隠されていて、表向きの背景と裏に隠された背景が存在してたりなんかしてね。
プレイヤーにとっての娯楽と都合の良いことが、ゲーム世界の住人にとっては不都合にもなるということが、これまでの転生作品と一味違う描写になっているところでしょうか。
だからか最後までどうなるか予想もつかなかったし、面白かったです!(^ ^)


ストーリーも良いし、キャラも良いし、設定も展開もオチも良かったです。BL部分は派手さはないものの、主従関係を通して垣間見える密やかな愛の深さにドキドキしました。
読後感も良く大満足。おススメです!

6

立場によって逆転する正義

今回は暴君代官に仕える毒舌家の重臣と
暴君代官に転生してしまったゲーム好きな日本人のお話です。

転生した受様が生きるために大逆転を果すまでと
攻視点での本編裏事情を絡めた後日談を収録。

早くに母を亡くした受様は父の再婚で義母と弟ができますが
義母は受様を不細工と蔑み、自分似の弟のみを可愛がり
弟も母同様に受様を見下していました。

しかしながら父の本心も義母や弟と同じで
受様は大学進学で家を追い出されてしまいます。

そんな受様の趣味は乙女ゲームをする事で
今は戦国の世を舞台に地方豪商の娘のヒロインが
圧政を引く暴君代官を倒すべく代官の重臣達を落とし
代官を打ち倒す乙女ゲームにハマっています。

受様が推しキャラは
不愛想で毒舌家で一匹狼な重臣攻様です♪
攻様は一番に裏切るだろう予想を裏切り
最後まで主に付き従って殉死するキャラです。

受様は帰宅途中にゲームのアップデート操作をしていて
大型トラックに轢かれてしまいます。

死を意識した受様が
せめて攻様を幸せにしてから死にたかったと思っていると
物静かながらも悲し気な男の声が響きます。

この命、そなたにやろう。

次に受様が気が付くと頭が割れるように痛く
地面に突っ伏していました。

死んだと思ったのは勘違いかと思う受様でしたが
着物姿の少女に自分が突然飛び出したため
受様が落馬して怪我をしたと言われます。

しかも受様の傍にはゲームの悪役代官の重臣達で
受様は彼らに主の悪役代官に転生していたのです!!

でも悪役代官の最後は必ず殺されるルートです。
受様は死を逃れることができるのか!?

モブキャラながらも受様の最推しな攻様と
悪役に転生した受様の異世界転生ファンタジーです♪

受様を落馬させた少女がヒロインで
受様は今がゲームの始まりの時点であり
まだシナリオを変えていけると考えますが
現時点で代官の立場は四面楚歌です。

詰み過ぎた状態に熟考しだした受様でしたが
受様の怪我を知って迎えに来た攻様を見ると
一気に挙動不審なオタクになるのですよ(笑)

読者的にはすごく美味しい展開ですが
こんな受様がどうやって逆転を目指すのか
全く先が読めません。

ゲームには登場しなかった悪役代官の愛息
代官親子の命を狙う父の正妻となった大国の姫
大国の姫の姪であるヒロイン
ヒロインに攻略対象とされる攻様の重臣達

受視点で進みますが
受様には隠されている設定や展開もあり
予測不能な展開の連続でハラハラ&ドキドキ

受様も攻様も死なない幕引きを迎えるまで
とっても楽しく読ませて頂きました。

受様と対極にいるヒロインの魅力が
ゲーマーだった時と代官となった受様から見た時で
逆転しているのが面白かったです。

2

ページを捲る手が止まらない面白さ

雨月夜道先生の作品を読むのは「キスの魔法で狼王子と恋始めます」に次いで2作目になります。こちらの方が好みでした。

最近ハマっているジャンルという事もあり凄く面白かったです。転生した世界が乙女ゲームという設定はありがちですが、西洋ではなく戦国時代という点が斬新だと思いました。

私は推しはいてものめり込む事はなくて気持ちが理解出来ないタイプなので、登場人物が推し活する様子や推しキャラに失神したり興奮したりする様子を読むのが大好きなんです。

しかも旺介が前世での経験を活かして代官として志水の里の改革を行っていくところにとても魅力を感じました。

旺介にとってはゲームの世界でも、その中の人々はゲームキャラではなくて1人の人間として人生を生きている事にちゃんと気が付く点が素晴らしかったです。
そしてプレイヤーだった時の視点と転生してから実際に経験したことで、見えていた事が事実と違う事に気が付いてから一気に面白くなるんです。

バッドエンドを避けるべく旺介は八重と一緒に頑張るのですが、終盤になって真の敵を全然想像もしてなかったので驚愕しました。そして旺介が転生した理由にジワリと来たんです。
「愛おしき一生」は八重視点からそのことが語られていてなお一層感動しました。

転生ものが好きな方にお勧めします!

2

可愛い((o(。・ω・。)o))

推しに籠絡される…なんて幸せな展開"(ノ*>∀<)ノと手に取りました。

受け様は、乙女ゲーム好きの旺介。
トラックにぶつかり、気付けばやりこんでいた乙女ゲームの世界へ転生していた。
しかも、悪役キャラ主の幸久として。
驚愕していると、最推しの八重が目の前に現れて昇天…もとい気を失ってしまう。
もちろん、攻め様は旺介の推しであり、幸久の側近である八重。

いやはや、この転生した後の旺介の、八重への茹でタコぶりやメロメロぶりが可愛い。
全自分がスタンディングオベーション、とか、ダイイングメッセージとか、笑うしかない。
バックハグとか、耳元でのささやきとか、羨ましいのぉ(*´`)♡
いやそれが「味噌大根」とか、倒れそうでしたが吹き出しました。

悪役キャラ設定の幸久の逆転劇の爽快感や、八重との相思相愛とか、ドキドキハラハラ。
半分程で、いい感じに進んでいて、ん!?まだ半分もあるけど、何が…!?と思っていたら。
なるほど~、そんな敵がいたのか。
真実を知った時は驚きました。

ただ、私は全くゲームをしないので、正直『ロードする』とか、ゲーム独特の動作とか出来ることとかが、よく分からなくて。
初読では、何がどうなってこうなってるのか(^_^;)

八重の独白のような「愛おしき一生」を読んで、ようやくちょっと分かったような。
それでも、色惚れ三股組が、いつ正気に戻っていたのか、やっぱり分からない( ̄▽ ̄;)

と、よく理解出来ない所もありますけど、それでも何度読み返しても推しにきゅんきゅんしてる旺介が可愛い。
八重の人間臭さもかっこよくて好き。
脇キャラの桃丸も可愛いし、明石もいい男だ。
なんだかんだ、とても楽しく読ませて頂きました。

イラストは大好きなカワイチハル先生。
タイプの違う他の攻略キャラも見たかったです♡

3

乙女ゲーム転生ものの新説?すごい!

乙女ゲーム転生もの。出尽くした感を感じていたのですが、いやいや。定番なところを逆手に取ってやってくれましたね!すごかった!

旺介が憧れの推し八重のいる大好きな乙女ゲーム転生を果たし。しかし絶対に虐殺?される幸久という極悪キャラで。

ゲームの世界とはいえ旺介頑張りましたね。逆境に負けず八重にも助けられ、なんとか生き残り我が子や家臣や里を守ろうと。

しかし実は…な設定がすごかったです!
そんなに練られて凝ってて、ゲーム対人間な戦い?八重も幸久も泣けちゃうよ〜。

乙女ゲームに対する教訓とも言えるこの一冊。とっても読み応えがあり、それぞれの糞みたいだった人生をこれからは今度こそ大好きな人と精一杯生きるぞ!と感動しました。


BLにはまってからはやってませんが、乙女ゲームユーザーとしても考えさせられるお話でした。なぜか攻略キャラ以外は死ぬルート。別に殺さなくても…なのに。
死に際がカッコいいとか制作側が言うなんて…。
大好きな乙女ゲームの映画版があるのですが、攻略キャラ以外がなぜか全員死ぬんですよね。なんで〜?と観た当時も思ってたんですが。やりすぎでしょ!と。
まあ戦国とか幕末とか人間じゃない設定とか仕方ないのかもしれませんが。

そんな殺されるキャラだって彼らなりの生きてきた意味、シナリオの矯正力。うーん、深いなあ。

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