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あらすじ:
失踪した兄を探すため、兄のいた執事養成学校に潜入した眞人(受け)。
寮で同室になった龍之介(攻め)もまた、行方不明になった親友を探していて…
目的を同じくする眞人と龍之介が、二人で執事養成学校の秘密を探るという展開。
推理サスペンス的な流れですが、眞人にいまいちやる気が感じられず、緊迫感に欠けるのが残念。
授業中居眠りする等けっこうノンキしており、本気で兄を探す気があるのか疑問でした。
執事養成学校の授業内容などは比較的丁寧に描かれており、優雅な雰囲気はそこそこ楽しめました。
しかし肝心の失踪事件の方は、処理の仕方がちょっと酷すぎる気が。
まず龍之介の親友が輪姦モノのゲイビデオに出演させられていたことが判明。
その後、黒幕に捕まった眞人は、兄も同じような目にあっていたことを知らされます。
龍之介が助けに来たことで眞人は無傷で解放され、学園の闇も暴かれ一見落着。
一応ハッピーエンドですが、ドラッグを盛られ輪姦されたらしい兄のその後がサラッとした説明のみで片付けられてしまう点にはかなり違和感が。
眞人は兄と再会することもなく、また兄のことをそこまで気にしている素振りもなし。
実はスゴイ人物だった龍之介とのやり取りやH描写の方に焦点が当てられていて、その前にもっと描くべき事柄があるんじゃないかなと釈然としない気持ちが残りました。
ラブ展開自体も互いを好きになる決め手に欠けるように思え、萌を見出し辛い内容。
あとがきによると、某作品で某俳優さんの執事役にハマったことが本書執筆のきっかけとなったようですが、執事萌だけでなくストーリー展開にももう少し工夫が欲しかった気がします。
麻々原さんの挿絵は大変素敵だっただけに、惜しいと感じる一冊でした。