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表題作戀人

相棒で恋人の刑事・川崎八起・33歳
新人刑事・天羽拓人・25歳

あらすじ

さいたま署に勤める刑事・川崎と天羽が相棒から戀人になって数カ月。順調に信頼関係を築きつつあったある日、川崎がかつて関係を持ち問題となった青年・篤弘から電話がかかってきた。川崎を頼る篤弘。篤弘に焦れる天羽。そこに川崎の娘が誘拐されたとの連絡が!

作品情報

作品名
戀人
著者
剛しいら 
イラスト
石田育絵 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813000730
3.4

(5)

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萌々

(2)

(3)

中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
17
評価数
5
平均
3.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

リアルみに感心

『相棒』の続編。
この2作は主人公の天羽・川崎の恋模様よりも『子ども(または天羽も含めた『若いヤツ』)の自立』がテーマなんじゃないかと、今作を読んで思いました。

前作で仄めかされていた『川崎が過去に起こした少年淫行』の相手である篤弘から川崎に電話が入ります。彼がバイトをしている保育園に子どもを預けている母親が殺されたのです。
篤弘は義父から性的虐待を受けていた過去があり、その事件がきっかけで川崎と知り合ったのですが、2人の付き合いが問題視されたことで、篤弘は川崎に3年間、連絡をしないでいました。今回、篤弘の家の付近に不審者が出没し、出所した加害者ではないかという不安もありました。
言葉が足りない川崎にモヤモヤする天羽。

お話が単純な三角関係のドロドロに陥らないのは、天羽の警察官として責任を全うしようとする姿勢が篤弘に伝わったからでしょう。そこに『若い頃の川崎を見た』辺りなんかは、このお話の川崎のグタグタぶりを読むと苦い笑いを醸し出したりして。

子どもを預けたまま迎えに来ない保護者、付き合っている女性の幼い娘を誘拐する男、義父による性被害など、このお話は児童虐待のオンパレード。
次から次へと起きる事件がそれぞれ関係があったり、なかったり。
その感じが「実際の現場でもこうなんだろうなぁ」と思わせてくれます。
そんな中で『良い仕事が出来る様に』頑張る天羽や、いつまでも犠牲者としてやられ続けることを拒否する篤弘の有り様に、スッキリした気持ちになりました。

しかし、平日の川崎のダメさ加減は半端じゃないなぁ……
5年後位には天羽に捨てられそうな気がする。
キャラとして『クズ』ではないのに、ここまでダメダメな攻めって珍しくないですか?

0

拓人がどんどん男前になっていく

1冊丸ごと表題作です。「相棒」の続編になります。

川崎が抱いてしまった被害者・篤弘の登場に、拓人は動揺します。
継父に性的虐待を受けていた過去がある篤弘。そんな継父の姿を見かけ、篤弘はトラウマに苦しみながらも母親を守ろうとします。それと同時期に川崎の娘が誘拐されます。川崎が容疑者の一人に、篤弘の父親をあげたところから、拓人は篤弘と二人きりで会うことになりますが…。

という内容です。篤弘を「俺の愛した男」と拓人にはっきり告げる場面には酷いんじゃないの?と一瞬思ったのですが、その後の拓人の行動がすぱっとしていて心地よかったです。川崎をよそに、拓人と篤弘が良い友人になったのは笑いました。失恋した篤弘をそのままにせず、過去を乗り越えさせたのも良かったです。

シリアスになりそうなのに、どこかコミカルな雰囲気が漂う作品です。テンポよく話が進むので一気に読み終えてしまいました。後日談までちゃんと書かれていて、落ち着きますよ。

1

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