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表題作静寂の月 Another

喬木 一矢(大学院生・臨時教師)
浅岡 幹(高校生・出来の良すぎる双子の弟がいる)

あらすじ

多才で社交的な双子の弟・樹に、根深い劣等感を抱く浅岡幹。
家族や学校から孤立する中で、七つ年上の恋人、喬木一矢には盲目の信頼を寄せている。
しかし喬木にとって幹は、かつて手酷く自分を振った教え子・樹の形代でしかなかった。
身を引こうとした幹を、喬木は必死に引き留める。
その頃、喬木と樹にパリ大学への招聘が持ち上がった。
『必ず迎えに来るから、待っていてほしい』。幹に将来を誓い、渡仏した喬木。
ほどなくして喬木からの連絡が途絶え、出した手紙も住所不明で戻ってきてしまう。
不安を募らせた幹は、親友の助けを借りて、フランスへの一人旅を決意する。
一途すぎた初恋の行方は──?

虚飾と打算だれけの気持ちをくすぶらせるゲス男と切ない想いに身を焦がす健気男子の歪な恋の物語…。

作品情報

作品名
静寂の月 Another
著者
姉村アネム 
イラスト
森嶋ペコ 
媒体
小説
出版社
竹書房
シリーズ
静寂の月
発売日
ISBN
9784801911857
2.3

(35)

(8)

萌々

(3)

(1)

中立

(3)

趣味じゃない

(20)

レビュー数
9
得点
58
評価数
35
平均
2.3 / 5
神率
22.9%

レビュー投稿数9

いっそ徹底的に酷い結末が良かった

清々しいくらいクズしかいないので、コミックだけで我慢しておけばよかったと思いました。

幹の性格だとわかっていても、辛すぎるし、お前いい加減成長しろよとも思う。自己犠牲にも程がある。まあ、それが本人にとっては一番楽な生き方だったんでしょうが。

 Another とするのであれば、もう徹底的に別のお話にしてくれた方が良かった。ブラックな樹は結構面白かったです。
幹の性格も天才の弟がいるからこその自己肯定感が低いのはわかるけど
祖母にしろ両親にしろそんな天才が生まれるような土壌がある人物には思えないのですが。
部下達も無能ですし。

幹の心の闇の中で安穏とした幸せがありますように、そう願って目覚めなくてもいいんだよと思いたいです。

2

読み順考えたらいいのかな?

残念だけど、読み順を誤ってしまった。
コミックが「正版」で、小説が「Another」とあるので、コミック→小説 で読んだので、小説本のバッドエンドと、人でなしの幹君の家族に不愉快が残るばかりで、読後は脳を汚されてしまった感が強くて嫌。

このシリーズは、小説→コミック の順番で読めば、汚染から脳を守れるかも。
コミックから読んで、何かを期待して小説を読んだ自分が悲しくなります。

作者は、幹君をどうしたかったんだ?? 

不憫受けに設定したにしても、読んで心に残したいと思う所が無い小説、あり得ない虐待物語だと思う。酷い話だった。
「不憫受け」設定は、最後にハッピーエンドのドン伝返しがあるから、読んで楽しいの。
幹君への残念無念が残るばかりの残酷な展開だった。
誰かをどん底まで落として傷つけて泣かせたい気分の人が読むなら、鬱憤晴らしで楽しめるのかもしれない。

7

後悔

数年振りにレビュー投稿します。
私は漫画の方は未読で、あとから知ったWeb小説の本編の方も未読でこの作品はあくまでも本編と異なるパラレルストーリーだと言うことを読後に知りました。なのでこのレビューはあくまで今回の小説のみに対する感想になりますのでご了承ください。
大分辛口レビューというかほとんど愚痴になってしまうのでこの作品のファンの方は閲覧を避けていただければと思います。








※ネタバレ注意

とにかく攻がクズすぎて擁護の仕様がありません。特にパリに渡航後からは酷すぎますね。
正直本編の中に攻視点がなければ、結局あんなこと幹に言っておいて樹が一番好きだったんだね~てなるけど攻視点になった時は幹に気持ちがかなり傾いてる様子が伺える分余計にタチが悪いですね。
特に幹が喬木と樹の関係を知り距離を置いてからの喬木視点は大分幹に気持ちのベクトルが向いていたり、お前以外に勃たないみたいなこと言ってヤるだけヤッて。結局パリで樹と結ばれたらお前とのことは間違いだったみたいなこと言えちゃうのが本気でひどい。

パリ後~10年後の展開はあまりにも幹だけが不憫というか不幸すぎて、正直作者さんは幹というキャラが嫌いなのかと思うくらいでしたね。というか幹よりも樹が好きなんじゃないかって思いました。この作品が樹が主人公だったらまた違ってたかもしれませんが、幹視点でこの展開はあまりに酷いですね。ずっと諦め続けた先があの10年後なんて幹が報われなさすぎる。
喬木、樹以外にも幹たちの家族も揃ってクズで本当に胸糞悪くなりました。この人達は報いを受けるべきと思いましたけど物語的には全く制裁なしなのが不服ですね。幹も人並みの幸せを手にしていたらその辺は流せたかもしれませんが、幹だけが貧乏くじをひかされ病床に伏しても家族からも蔑まれていることが胸糞悪くてたまりません。

正直なんで幹があそこまで喬木に入れ込むのか不思議でしょうがなかったです。きっかけとかエピソード的には島崎の方が惚れる要素あったように感じる。島崎に婚約者がいたとしても彼を好きになった方が余程幸せになれたのにと歯痒くなりますね。


本当はもっと思うところはあるのですが場面が違うだけでキャラに対する愚痴が上記と同じような文言を繰り返すような形になりそうなのでやめておきます。

元がWeb小説で本編はあくまでも漫画の方でこちらはパラレルストーリーのようなものと言うのは読後に知りました。ですが、正直これを読んだ後に漫画を読もうという気は全く起きません。もし続編があったとしたら、幹は喬木以外の人と幸せになってほしいですね。喬木がまた調子よく迎えに来たとか行っても怒りしか覚えないと思うので。
悲恋、後味悪い作品は多数読んできましたが、ここまで読んだことを後悔したのは初めてかもしれません。読んだ記憶を忘れてしまいたいです。
ちるちるさんは大好きなサイトで久しぶりのレビュー投稿がこのような内容になってしまったことが自分でもすごく哀しいです。

9

ショートストーリーで救われる

読後、ショックで手の震えが止まりませんでした。
こんな終わり方ある?
ネタバレしないような感想を書きたいのですが、何かを書こうと思うとどうしても本文の内容になってしまいます。

↓ここから先、ネタバレになるのかも↓

不幸と悲しみのオンパレードです。精神的にくる不幸の全部を受けの幹だけにぶつけた作品です。作者さんもあとがきで「ビターエンド」と書いてありますが、ビターはビターでもカカオ98%のビターっぷりです。バッドじゃないのかよ?ってツッコミをいれたくなります。受けの幹にとって幸せと感じられるのは、ほんの少しだけです。でも根本は不幸です。
二回目は無いな…趣味じゃないな…そう思い読んでましたが…
電子書籍ではあとがきの後、さらに作者さんの紹介ページのそのあとに、幹の明るい未来が見えるようなショートストーリー(二段組で文字もかなり小さめです)がついてて救われた気持ちになって、(うっかり)読み直してしまいました。

ほんの少しの幸せのエッセンスが見えるだけですが、たまにはこんなストーリーもいいなって思える作品でした。

3

チープでうんざり

自分を虐げ拒絶した人間に自分の価値を知らしめた上で取り上げたい、罪悪感で半永久的に縛り付けたいという、読者の期待や主人公の感情、物語の必然性を超える、天の意志にくらくらします。

メンヘラの願望成就物語に尽きたという感じ。もうお腹いっぱい
リアルでたまに見る、別れるぐらいなら死んでやる、傷つけたことを後悔させてやるというチープかつ生々しい承認欲求が物語の内で感傷的に形を整えられたらこうなるだろうなというEDでした
なろうのいじめられっ子がいじめっ子に復讐する素人小説とあんま変わりません
とにかくそのために展開や状況設定があるので、矛盾と強引さがすさまじく
虐げられる状況が鋭角化する一方、それを覆す逆転劇はあまりにも説得力がありません
素人がよくやりがちな後先考えないシリアス化の一言ですね
まあWeb小説だからといえばそれまでなのでしょうか

8

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