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表題作中世遊楽団アウラ・ペンナ

十字軍帰りの謎の男・トール
遊楽団アウラ・ペンナのウート弾き・ユーリス

その他の収録作品

  • アウラ・ペンナ
  • フォールムーン城の音楽合戦

作品情報

作品名
中世遊楽団アウラ・ペンナ
著者
秋月こお 
イラスト
神村幸子 
媒体
小説
出版社
マガジン・マガジン
レーベル
ジュネノベルズ
発売日
ISBN
9784914967505
3

(3)

(0)

萌々

(1)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
8
評価数
3
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

説明不足がもったいない

これは、歴史的な背景と中世のキリスト教の戒律の厳しさが分からないと、読んでて「なぜ攻めがそこまで拘るのか」ということを理解するのが難しいんじゃないかなーと思いました。
とくに日本人の宗教観は特殊だしさ。
そういう部分について、フィクションを交えてもいいから、もうちょい細かい説明があったら良かったのになと思いました。
たとえば十字軍による異教徒の大量殺戮について。
たとえば宗教革命を繰り返してきた当時のキリスト教が、大罪と呼んだもの(同性愛もそう)をどう捉え、どう処遇していたかについて。
説明不足がもったいない。
そう思いながら読んでたら、先にレビューされた方が、「男同士が禁忌っていうのが出てくるのが意外と直前なのでちょっと急展開な気がしました」と書かれてて、「やっぱりそうだよねー!」と思いましたw
これ、あの萩尾望都さんの『トーマの心臓』でも、多くの日本人読者が首を捻ったであろう部分で、「感覚的に分からない」んだよね。もちろん私も知識として知ってるだけで、感覚的には分からない。
ケイン(トール)がそこにこだわる理由そのものは、「十字軍帰りのテンプル騎士団所属の修道騎士だった」という経歴が明らかになった時点で示唆されてるんだけど、テンプル騎士とか言われても普通はワケワカメだぞと思いました。

お話そのものはユーモラスでファンタジーで、世界観が楽しかったです。
ただ、ガラが可哀想。
あまりにも不憫なもんで、彼に思いっきり肩入れしながら読んでしまいました。

2

セルフ・パロディ作品

舞台は中世ヨーロッパ。
旅回りの楽団アウラ・ペンナは座長のニコルと陽気なダルブンガ奏者ガラ、そしておっとりしているけれど芯の強いウート弾きのユーリスの三人組。
体調不良をおこしたユーリスを休ませるために向かった木陰で、彼らは行き倒れ?の騎士と出会う。
意識を失ってしまったユーリスを介抱してくれた男自身ひどく消耗しているようだった。
ガラは男にパンと水を与え楽団の用心棒代わりに同行させることを決めるが……

読み終わって初めて気づいたのですが、セルフパロディー作品……なのですね。
ちなみに大本の方の富士見二丁目交響楽団シリーズはまだ未読です。
こちらだけでもぜんぜん読める仕様なのですが、いかんせん文章の上を目がすべってしまった感じのまま読み終わってしまいました。
キャラクターたちに感情移入する前に色々なものが盛り上がり、えーっと思っているうちに読了。
ちょっと残念です。

ラスト付近のトールがユーリスに手を出そうと決意するあたりの葛藤も、でもそれ結局アナタの妹さんのせいでしょ?とつっこみたい。
男同士が禁忌っていうのが出てくるのが意外と直前なのでちょっと急展開な気がしました。
色々あって最終的にトールとユーリスは世界は二人のためにみたいなバカップルになるのですが……
ガラが不憫で仕方ないです。
最初からずっとユーリスが好きだってこっそり主張していたのに。
後からぱっとでてきたトールにかっさらわれて……

とりあえず、富士見~を読むかなあ。

1

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