野蛮人との恋愛(3) ろくでなしとの恋愛

野蛮人との恋愛(3) ろくでなしとの恋愛
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
1
得点
15
評価数
3
平均
5 / 5
神率
100%
著者
菅野彰 

作家さんの新作発表
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イラスト
やしきゆかり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥514(税抜)  
ISBN
9784199002762

あらすじ

なりゆきで同居を始めて約一年。
手が早くて身持ちの悪い外科医の守は、後輩の貴彦を一度だけ抱いてしまった。
籍だけとはいえ、長期入院中の妻も子もいる守には、自分の衝動がわからない。
不自然な距離を保ったまま、貴彦への想いから目を逸らす守―。
そんなとき、恐れていた二度目の夜が訪れて…!?五歳になった息子・歩と、家族ごっこをつづける二人を描く続編も収録。

表題作野蛮人との恋愛(3) ろくでなしとの恋愛

籍だけの妻子持ち外科医・柴田守
恋人?同居人で元後輩・結川貴彦

その他の収録作品

  • ひとでなしとろくでなしとその息子と。

レビュー投稿数1

大好き&大切な作品

野蛮人との恋愛(3)とありますが、詳しくいうと、1が剣道部の大学生同士のカップル、と2&3がそのカップルの攻めの兄&受けの先輩のカップルの物語です。
私はこの2と3のカップルの物語が本当に本当に大好きで!
自分にとって、とても大切な物語です。

攻の守は剣道で日本一になったこともあり、剣道を愛してはいたものの、弟の方が本当は才能があると気付いてしまったが故に実家の道場を継がずに外科医になった男です。
人に弱さを見せることを良しとできないが故に、何よりも大事にしていた剣道で弟より不出来だったことがずっとしこりになっています。
常に人より上に立とうとする男で、見目も良くバリバリに働くけれど、その分人に対しての優しさが欠け、それを本人も自覚しているという厄介な人間です。
対して受の貴彦は、強権的な父親に怯え、義理の母親に性的虐待を受け、虐待を受けた事すら、自分の弱さのせいだと常に自分を責め、何をどうすれば良いのか己の判断を信じる事も出来なくなり、必死で普通を装っていたものの、追い詰められて社会生活からドロップアウトしたゲイです。

2巻はそんな二人が出会って結ばれるまでの物語でしたが、そんな二人故に、一度結ばれたからといって「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」で終わるわけがありません。

3巻は中編が2編収められているのですが、最初の一編は、2巻の約一年後、守とかつて付き合っていた女が、守の子を妊娠出産したものの体調を崩しているという話から始まります。
そんな中、貴彦は守の家に居候してほぼ引きこもりのような生活をしてはいるものの、身の置き所がないかのようにふらっといなくなっては戻ったりしているよう。
出だしから不穏なスタートです。

弱い者を慈しむ心など持たず、常に切り捨てて生きてきた守は、弱く傷つきやすい貴彦にどう接すれば良いかわからないまま、それでも貴彦を守ってやりたい気持ちが芽生え、その気持ちに自分自身戸惑っている上、誰も守ってやろうなどと思ったことがなかった故、守り方も分からず、彼にしては珍しく途方に暮れています。
貴彦は貴彦で、正しく強い父や貴彦のような人間に萎縮し怯え、人との関わりから逃げて生きてきた中で、それでも守が見せる微かな優しさや弱さに、貴彦とならもしかしたら…とほんの少し、一歩踏み出せるかどうかというところで戸惑っています。
そんな二人がそれでも互いに少しずつ歩み寄って恐る恐る互いに触れ合い許し合い新たな一歩を歩もうとするまでが第一編の物語です。

互いの一番頑なしこりを、一番傷つきやすく柔い、誰にも触れられたくないところを、互いにだけ触れ合うことを許し合い、互いだからこそ癒されあえるようになるまでが、とても繊細に描かれていて、読むたび二人が互いに出会えてよかったなあとしみじみします。

第二編はそれから約5年後の話。
守の形式上の妻が病で亡くなったことから、この子供の歩を守が引き取ることになります。
多忙な外科医である守に面倒をみることなどできないことから、勢い守と同居している貴彦がまるで母親のように面倒をみています。
子供を育て生活を営むことに必死で過ごす中で、二人が互いをパートナーとして認め合っていることを疑わなくなっている姿に、確かに積み重ねた日々が二人にあるのだなあとしみじみしました。
他方、子供をむかえたからこそ、同性のパートナーとの関係を世間に対して宙ぶらりんにしたままにできなくなって、起きる問題もあるわけですが。
昔の二人だったら、弱い逆風でもたやすく縁が切れただろうし、明るい未来など想像さえしなかっただろうけど、今の二人は…?という。

大好きな物語の登場人物に対しては、まるで実在の大事な人かのように行く末を気にしてしまうのですが、この2人に関しては、特にそういう気持ちが強かったので、2巻ではまだ不安ばかりだった2人がここまで来たのだなあと、結末を読んでしみじみしました。

なお、その後の話がchar@ vol27とvol28に掲載されていたことを最近になって知りました。電子書籍で読めるので早速読んだのですが感無量です。
こんな話を書いてくださった作者様に大感謝です。
登場人物の成長を丁寧に慈しむように描かれているので、今でもどこかで生き、続きの物語を紡いでいるような気さえしています。
できれば、歩の幸せな成長も見届けたいところですし、雑誌の一部としてではなく、まとめて一つの作品として、いつか読める日が来るのを待ち望んでいます。

そう思えるこの作品に出会えて良かったなあ。

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