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同棲カップルのお話「ディアグリーン」の縁と音海が付き合うに至るまでを描いた続編というか、過去編ですが、これ単独でも十分楽しめる作品です。
私は前のディアグリーンのゆるゆるタラタラした感じが大好きでこっちも読みたいなーと思って手に取ってみたのですが、あのゆるさは健在しています。
恐ろしくスローペースですが、それも味として楽しめるかな、と思います。
長年の友人から恋人へ・・・という設定の典型的なタイプのお話だと思いますが、このくらいスローペースのほうがむしろ好みでした。というのも、長年友人だったのにあっという間にくっついちゃったりしたら逆に違和感がある、ということもあるので。そのあたりは非常~に丁寧に描かれていると思います。
クールでマイペースな音海とおせっかいでお調子者で直情型の縁。
性格は正反対ですが、不思議と飾らず居れて心地よい関係の2人。
こういう友達本当にいそう・・・と思います。大学で一緒に上京してたまーに電話して、会うときは頻繁に、会わないときは何ヶ月も・・・それでも思い出したようにどっちかから連絡を取ってはふらっと飲みに行ったり互いの家を行き来したり。
大人になっても続く理想的な関係ではないかと思います。
ちょっと意外だったのは、ディアグリーンを読んだときにおせっかいだった縁が生活時間の不規則で体調管理も乏しい音海を同棲に引き込んだように描かれていましたが、意識しはじめたのは音海のほうが先なんですね。
もてるのに恋愛には淡白な音海が縁を意識し始め、自分でもわからなく悶々と意味不明の行動を繰り返す音海と、そんな音海に対して何かおかしいな、と感じ始める縁の関係がじれったくてでも萌えます。
そのあたりで終わっていますのでくっつくのはまだ先かな、という感じです。
このお話、電話というアイテムがすごくキーになってる気がするのですが、ずっと家電で電話してる2人を見て、あれ?ケータイないのかな?と思ってみたら発行は2005年・・・、あ、でもディアグリーンの過去のお話だから、実際はかなり昔のお話なのか!と。そう思うとなんか面白いんです。
家電がつながらないと近くに住んでても連絡が取れないとか、電話が鳴ってるのに出ないと今家にいないのかーとか、留守電に切り替えておかないと行方不明とか。
生活時間が合わなくて家電に出れないとずっとすれ違いが続くんですよね。
いまケータイのある時代では考えられないし、今何してるの?て聞けるメールもSNSもあるし、行方不明とか何してるかわからないとか、ないと思うんです。
今では描けない情緒あるラブストーリーだなぁと思いました。
富士山ひょうたさんの作品で2番目に好きなシリーズです。矢島と音海の男夫婦物語の第二弾です。今回から、二人が付き合ういきさつと、一緒に暮らすことになる様子がじっくりと描かれています。
高校時代に、矢島の女友達(涼子)の彼氏として紹介された鳥海。鳥海が涼子と別れた後も、なぜか友情は続いていて、卒業しても一緒に上京したのです。
矢島は彼女ができても、なぜか優先するのは鳥海。
鳥海は今まで彼女もいたけど、恋い焦がれるという経験をしたことがありません。でも矢島に対しては、特別でありたい、誰かに先を越されるのはイヤだと思うようになるのです。悩んで迷う鳥海。友情から愛情に変わることで、変化する関係に怖がる鳥海の気持ちが伝わってきて切なくなります。
じれったさと切なさを堪能して、2巻に続きます。
学生時代からの友達だった縁と音海。最初はお互いがお互いの存在を特別だと思うようになってゆく。そしてあるとき音海が男(内山)から告白された事などをきっかけにして、ふたりの関係は少しずつ変わっていく。
初めに相手への想いを自覚したのは音海だったんですけど、今まで築いてきた友達としての関係を壊したくないと言う思いからなかなか行動には移せなくて…この関係を崩したくない。でも好きという事に気づいてしまった。二つの想いがせめぎあって、音海がかなり辛そうで切なかったなぁ。
最後の方で内山(結構いい奴です)とやけ酒を呑んでいて酔っ払った音海を内山が音海宅まで連れて帰るんですが、調度縁から電話がかかって来るんです。勿論音海酔っ払ってるんで内山が取るんですが、その時の縁の慌てっぷりといったらって感じでした。
音海の家までダッシュする縁。この時既に、ふたりの気持ちは重なってたんじゃないかなぁ。。。
といっても縁がその気持ちを自覚してくれるのはもうちょっと先のようですけど☆
ディアグリーンのシリーズ第二弾で、時系列的には前作の前の二人が付き合うまでのお話です。
丁寧な感情描写や二人の距離感が納得の冨士山さんクオリティ。
友達から特別な人へ。
少しずつ自分の気持ちに気づいていく二人ですが、一冊終わったところでまだ自分の気持ちを自覚しているのは音海だけという。
このじれったさがたまらないのですよ。うふふ。
読み切りも楽しかったです。シスコンくんとの恋。
相手の幸せのために亮司と別れようとする淳生が切ないです。
しかしお姉ちゃんをふっきった亮二がおっとこまえでかっこよすぎる。
実にまったりとした男夫婦のお話「ディア・グリーン」成立編です。
ただでさえ地味にひっそりと普通に存在していそうなカップルは、
その成立時でさえ…物凄く地味だった。
ゲイカップルなんだし、それ相当の年月も経ているんだから、
それはそれなりにドラマティックな展開もあったんだろうなぁ~とか、
いくらなんでも、最初からここまでまったり老成してはいなかっただろう…
みたいな、そういうドラマ脳な読者の期待を
(良い意味で)バッサリ裏切ってます。
こいつらは、本当に本当に、最初から地味に続いてた。
大したドラマ展開も無く、山も谷もさほど無く、
(たぶん…)Hも(他のBL漫画ほどは)濃くは無く、
もちろんHの回数も少なく(いや…この巻ではエロの気配もゼロだけど)
カップルだからHしてない訳ないだろうけど、あまり想像できない感じ。。
ひとりの女を挟んで、「女の彼氏」と「女の男友達」っていう、
なんかアメリカのホームドラマみたいな初期設定だったんだけどねぇ~
なんか「女」のほうとは縁が無くなったのに、
「彼氏」と「男友達」のほうだけが、普通に友人関係が続いちゃった。
まったりまったり…友人関係だけ地味に続いてる。
おいおい、これで良いのかいw
もうちょっと何か始めんのかい! BLだろ?
イラッとくるくらい、どうしようもなく地味…。
なのにね…このお話、3巻まで続いてるのよ。
地味で地味でどうしようもないのに、
どうしても後が気になって仕様が無い。
ある意味、究極の地味派手とでも言おうか☆
おお…そう言えば、固定電話とか、昔ながらの喫茶店とか、
背景も小物もエッセンスも、昭和レトロな地味さが良い味出してました。