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縁と音海は学生時代からの付き合いで今は同棲中のカップル。
すごくすごく大好きなお話です。
喫茶店を経営する縁は面倒見のよいお人よしで、在宅デザイナーの音海はどちらかというと感情が顔に出ないタイプです。
それでも互いの役割があって、それなりにうまく暮らしています。
何も大きな事件は起こらないのですが、それが味であるような…こういうたるたるしたお話はずっと読んでいたくなります。
お互いの領域のようなものを守りながら、被りながら夫婦のように暮らしています。周りの人から恥ずかしいくらい夫婦みたいと言われる2人はベタベタのラブラブというのではないんだけど、自然に通じ合い阿吽で会話しているのか面白く感じました。夫婦は似て来るといいますが、そんな感じです。
女の子にいつもお人よしな縁に対して、静かに嫉妬する音海もかわいい。
恋人というより長年連添った夫婦感が強いので、そんなに激しくて熱いようなシーンはないのですが、それでもたまに「しよう」みたいな時はドキドキしたり・・・。
相手が自分と似たような事を言ってることに気づいたとき、自分は幸せな出会いをしたなぁという些細な幸福感が暖かいお話でした。
富士山ひょうたさんの作品で2番目に好きなシリーズです。矢島と音海の男夫婦物語の第一弾です。次の『瞳の追うのは』で、二人の付き合ういきさつとか描かれてるけど、この作品では出来上がった二人が読めます。
特に大きな出来事があるわけじゃないけど、毎日の積み重ねが愛情と共に育っている様子が描かれていて、淡々としてるけど、面白くて引き込まれます。二人に流れる自然な空気に、信頼関係のできた長いカップルの良さを堪能できます。
他は、短編が2つ収録されていて、こちらも良かったです。
恋人同士の音海と縁の日常生活を些細なトラブルを交え、比較的淡々と描いた作品。
あるとき、縁が働く店に吉田という子がバイト希望してきた。
吉田は、音海目当てで働きたいという。最初は断っていたものの、タダ働きでもいいからということで一週間だけ雇う事にするが―?!
音海は、吉田が自分ではなく縁を好きになってしまうのではないかと気がきではない。誰に対してでもいい顔をしてしまう縁は過去、音海が好きだった女性の相談にのっていた所、自分の方が好きになられてしまったと言う事があった。
しかし縁は、何故音海が怒っているのか最初は解らず、ふたりはお互い苛々し言い合いになってしまう。
音海が凄く可愛くて萌えますvV気になるもんだから毎日店に顔を出しちゃって。でも最後はやっぱふたりらしく、お互いの気持ちをぶつけ合って仲直り。このほんわかさいいなぁ。描き方が上手い。
他にも同居するようになったエピソードとか、ふたりの友人涼子に付き合ってる事がばれちゃった話とか盛り沢山です。
同時収録作品もお勧めです♪
既にしっかりデキあがってるカップルの、
ひたすら淡々とした日々のお話シリーズ、1冊目です。
もうね…本当に、何も起こらないのよね、このお話!
びっくりするほどの超平和な日常生活・ゲイカップル編…という感じ。
いや…カップルというよりは、もはや夫婦。
「男夫婦」という言葉が、ここまでしっくりくるお話を、私は他に知らない。
高校時代からの親友。それが今は恋人。しっかり同性。
実は…「元カノの友達」だったのよ…実は!…だとか、
「女友達の彼氏」だったんだよ…こいつは!…みたいな、
同窓会で顔会わすにゃ、少々複雑ないきさつアリなんだけど。
共通の知り合いもいっぱいいて、リアル(男女)恋じゃ最もよくあるタイプ。
ここには…世紀の大ロマンスも、血みどろの愛憎劇も、
普通の恋のイザコザすら何も無い。
もうビックリするほど、何も起こらない(驚っっっ)
夫婦愛ってのは、日常生活の延長の上に育まれるもんだなぁ~と、
今更ながら、言い聞かされてるような気分だ。
何というか…良い話だというよりも、羨ましい。
(読者が)女なら、心底羨ましく思うのである、このカップル。
「あ~もう恋には疲れたよ、結婚したい」と思った時に読むと、
悪魔のように心に染み渡るお話なのです。
ともかく、続く男って素晴らしい☆
矢島は高校時代、女友達(涼子)の彼氏として紹介された音海と同棲中。
そんな二人に涼子の結婚祝いを兼ねた同窓会の報せが届くところから、
この物語は始まります。
とても好きな作品なのですが、
いざレビューを書こうと思うと難しくて困ります。
なぜならこの物語は特に大きな事件は起きず、
同棲中の日常が淡々と描かれているだけだからです。
矢島と音海が家事をしたり、
ちょっとしたことで焼きもちをやいたり、怒ったり。
生活の中で相手の事を「好きだなぁ」と感じたり。
そういうゆるい雰囲気が、たまらなくイイのです。
一緒に暮らす幸せを、ほのぼのと感じて、嬉しくなるのです。
地味なお話しだとは思いますが、まったりと幸せになれる作品です。