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表題作ナイトローズ~囚われの寵花~

蓮実裕仁、会員制高級クラブ・ナイトローズのオーナー
小山内知希、親の借金返済で男娼になった大学生、21

その他の収録作品

  • 恋のはじまり
  • あとがき:高岡ミズミ、北沢きょう

あらすじ

親の借金のために会員制高級クラブ「ナイトローズ」で身体を売ることになった知希。
大学生から男娼へと身をやつした生活は戸惑いの連続だった。
まだ性に対してさほど知識も経験もないなか、
容赦なく仕込み役に男を悦ばせるための性技を教え込まれていく日々。
時には、商品には手を出さないというクラブのオーナー・蓮実の冷めた視線に晒されながら……。
誰に対しても期待することをあきらめていた知希だが、
蓮実の眼差しだけは何故か気になってしまい――?

作品情報

作品名
ナイトローズ~囚われの寵花~
著者
高岡ミズミ 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796412681
3.2

(8)

(1)

萌々

(3)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
24
評価数
8
平均
3.2 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数2

これぞ、遊郭ものの醍醐味じゃないでしょうか!

高級会員制クラブ「ナイトローズ」を舞台とした、現代版遊郭ものです。
まだまだ青い主人公が、借金のカタに売り飛ばされ、性技を仕込まれて行くー。

元々、高岡先生は作家買いしてますが、今回は特に、発売を今か今かと待ってたんですよね。
この手のお話が個人的に大好きで、滾って仕方なくて。
だって、心とは裏腹に、容赦無く開発されて行く自分の身体ー。
客に抱かれながら、苦悩する不憫受けに萌えちゃって萌えちゃって。
また、そんな中で進展する、恋愛部分が楽しくて仕方ない!
好きな相手を想いながら、客に抱かれるってあたりがですね、気の毒ながら萌えちゃうんですよ。
これぞ、遊郭ものの醍醐味じゃないでしょうか。

まぁそんなワケで、借金のカタにエロエロな事をされちゃう不憫受けがお好きな方におすすめ。
設定がら、攻め意外との性行為が結構あるので、苦手な方はご注意下さい。

内容ですが、高級会員制クラブ「ナイトローズ」のオーナー・蓮実×親の借金のカタに身体を売る事になったキャスト・知希による、現代版遊郭ものです。

普通の大学生である知希が、借金のカタに「ナイトローズ」に売り飛ばされてきた所からお話はスタート。
キャストとしての仕事をこなせるように、仕込み役に容赦無く性技を教え込まれて行く様。
そして、キャストとしてデビューした知希の、本人の思いとは裏腹の人気ぶり。
そこに、クラブのオーナーで知希に特別な態度を見せる蓮実との、どこか優しい交流が語られ、二人が結ばるまでなります。

で、こちら、主人公である知希ですが、結構な不憫受けです。
実の両親は心中により亡くなり、金目当てで引き取った親族には売り飛ばされる。
そのせいか、最初から妙に覚めていて、人生を諦めてる感じと言いましょうか。
身体を売る事になったのに、憤りは飲み込んで唯々諾々と従う・・・。

えーと、気の毒なのです。
気の毒なんですけど、これが性技を仕込まれると、気持ちとは裏腹に「抱かれる事に向いている」身体でして。
まぁ、最初から感じちゃって、エロエロに乱れちゃうのです。
う~ん・・・。
これ、本人が内心で冷めてれば冷めてるほど、なんか萌えちゃうと言いますか。
それこそ、心とは裏腹乱れる身体だよ!!みたいな。

また素敵なのが、この設定でありながら、知希がほぼほぼ痛々しい目に合わない所なんですよ。
高級会員制クラブだけあり、仕込みは丁寧。
そして、付く客は紳士。
で、物静かでありながら抱けば抜群に感度の良い知希にですね、指名客がどんどん付きと売れっ子になって行くー。

まぁこれも、一種のサクセスストーリーと言うんですかね。
最初こそ優しく紳士的な客が、知希に入れ込み夢中になって行くエピソードなんかも語られまして、それにも萌えて仕方なかったりして。

で、ここに語られる、オーナーとの恋愛。
上手いのが、最初の出会いから、互いに強烈な印象を与えてる所だと思うんですよ。
知希は蓮実の、冷たくも強い眼差しに。
そして蓮実は知希の、どこか諦めてるような態度に。
そう、それぞれ気になって仕方ない存在と言うか。
そんな二人が、オーナーとキャストと言う垣根を越えて、少しずつ少しずつ互いに距離を近付けて行くー。
この二人の交流がですね、思いがけず優しいもので、この関係性でありながらキュンキュンさせてくれちゃうんですね。

あとここに、知希に入れ込んでおかしくなった客の暴走により、誘拐されと言ったハラハラドキドキの展開です。


これ、主役二人の背景がですね、しっかり作り込まれてる上に丁寧に語られてるんですよ。
その為、二人の感情の動きなんかが、すごく自然で説得力があるのです。
互いに惹かれあって行くのが、もう当然みたいな。
そして、人間ドラマにも、またしんみりしてしまう。
オーナーのお兄さんの件然り、ナンバーワンキャストである遥佳の件然り。
こういう部分まで、手を抜かずに書かれているのが凄いと思うんですよね。
「当たり前じゃねーか」と思われるかもしれませんが、これが無いと、「薄っぺらいな~」となる気がするよ。
あと、こういう設定だと落としどころが難しいと思うんですけど、まぁベタではあるものの大満足のラストでした。
こういうお約束は大歓迎だったりします。


最後になっちゃいましたが、設定が設定だけに、エロエロになります。
エッチ時の知希ですが、超エロ可愛いから!
超エロ可愛いから!!
攻め以外とのエッチありと、この点では読者を選ぶかもしれませんが。

と、設定といい落としどころといい、個人的にツボ作品で楽しく読めました。

15

ナイトローズが輝くとき・・・

大学生の『受け(それ迄はノーマル)』が、親の借金の肩代わりに、現代版の【遊郭】に売られて・・・な幕開きです。
この『受け』の背負っている背景がなかなかにシビアなのですが、全く淡々としていると言うか、何もかも達観していると言うか…で、売られた可哀想な…読んでてしんどいなぁ…と言うのはゼロなので安心してくださいね。
しかもこの現代版【遊郭】、まぁ小洒落ていること!。そこに居るキャストの皆も、それぞれ事情はあるのですが、あっけらかんと今の自分を楽しんじゃってる。世間ではまだまだ肩身の狭い《ゲイ》の子達なら、こここそパラダイスなのかも知れない。
一応そーゆー秘密クラブのキャストだし、お客様を取ってナンボなので、お客様を楽しませるツボやコツをきっちり叩き込まれます!
お客様は全て社会的地位のある人ばかりなので、安心してその技を披露し(!)次からの指名をガッツリと貰わないといけません。

なので、教え込まれた技をこれでもか!と披露しちゃう所がなんともかんとものウフフで♡。

と言う事ですから、1つだけ気を付けて頂きたいこと。
それは『受け』は『攻め』だけしか知らない、とか、初めては『攻め』だった、とかは無いのね。
こーゆーお仕事だから、フツーに色んな人に抱かれちゃうし(借金返さなきゃ)、お得意さんも掴まなきゃ。でなきゃ本当に遊郭さながらの《顔見せ》の様なお部屋で客引きをしないといけなくなっちゃう。

『攻め』は当然ここのオーナー。言わずと知れたカッコ良さよ。幾つもの会社を持っているから、この秘密クラブには滅多に顔を見せないの。だーけーどぉー、『受け』がやって来てからは。皆が驚くほど足繁くやって来るのよね。
本来なら面接したらハイそれでお終い、なのに、『受け』が初めてレクチャーを受ける時も離れない。そして遂に『受け』が「キスすらまだなのに!」に「これで初めてで無くなった」と甘い大人のキスをしちゃうのよねー。
これはお互い 認めない 違う だけど、絶対の一目惚れ、運命を感じちゃってるのよ!
だけど、お互い『オーナー』と『キャスト』で進行しちゃう。
えーっ、そうなんや。
そんなしょうもないありガチな『お約束』では進まないってか。

『受け』は着実にキャストとしての地位を築いて行き、『攻め』は変わらずちょこちょこちょこちょこ顔を出す。

所がここで大きな事件が起こります!(そうでなくっちゃ)
やっとここで『攻め』が自分に正直になる。
全てを捨てたような『受け』の心が再び動き出す。
ここから先はどうかその目で読んで、その心で感じてくださいませ。
イラストも本当に美しくて素敵です♡
ただね、1つだけ本当に残念なことが…。
『受け』が着物を着ているシーンがあるのだけれど、ここは普通に着せずに、キャストらいし大胆な着付けをして欲しかったなー。これじゃぁ普通のお姉さんと変わらんじゃん・・・な。
私の感覚がおかしいのかも知れないけれど・・・。

『遊郭』ネタだけれど、何処までも透明で(これは受けのせい?)、キャストの皆も軽やかで、こんなえぇ職場って他になくね???な、整った環境でした 笑。

3

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