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じわじわと来ます

最初は設定や展開をイマイチ飲み込めませんでしたが、終盤すべてが明らかになってみると・・・。

もちろん、鷹倉のカズナを思う気持ちもそうなんですけど、カズナが本当に優しくて、優しくて涙が止まりませんでした。

ひどい実験を受けてつらいはずなかっただろうに、鷹倉が罪悪感を持たないように、「自分は化け物だから人間みたいに繊細じゃない。もう忘れてしまった」と言って見たり。

取り残される恐怖に子供のように怯えて、またカズナにも同じ想いをさせたくないと泣く鷹倉に、「自分は化け物だから、辛くない、悲しくない」とそんなはずもないのに。

最後、カズナは鷹倉と共に人生を終わらせる事を選びますが、鷹倉と出会うまでの長い長い年月よりも、鷹倉と過ごした日々が彼にとってずっと意味のある時間で、幸せだったんだろうな。

思い返すと、また涙が出てきます。最高のラブストーリーでした。









普通

筋書き的には、色々あって傷ついてた受けが攻めに出会って、立ち直りっていうお話ですよね。序盤の話の作りはうまくて取りこまれたのですが、途中から「うーん」って感じに。

まず、女子高生の件は、あそこまでひどい事になるのか?っていう疑問が。知り合い程度の人はともかくとして、親しい友人とか要を擁護してくれる人がいてもいいはずです。普段の行動や評判をかんがみれば、そんな事する人かどうかわかるような。まぁ、相手の親が狂ってた、名指しされていた、否定できなかったという点はありますが。現実の世の中では、少年事件で逮捕されていても、保釈後普通に大学生とかになってる犯罪者なんてザラにいますから、疑惑程度の要があそこまで責められるというのも考えにくいです。フリーターになるという設定上仕方なったのですが、過剰演出な気も。傷つけたことがトラウマだけで話は通じるかと。

そして、なにより攻めの公平がイマイチかな。なんか、自殺をした人に対する意見があまり説得力がないのです。ゲイであることを悩んでいたのは認めますが、イジメで精神不安定な人と児童虐待の被害者では比べ物にならないのでは。それを偉そうに「自分で選んだんだ」というのは随分若い意見だなーと。なんていうか、軽い。

要がひとまず加瀬とヨリを戻すのは良かったのですが、ああいう状態なら加瀬だって決して嬉しくはないですから、離れざるを得ない気がします。もう少し時間かけてもいい気がしましたが、ぱっぱっぱと物語は終盤に。

たぶん、もう少し公平という人間に説得力があれば、要が立ち直ったことを納得出来るのですが、あの程度のことで解決してしまう悩みなら、それはそもそも大した悩みでなかったんではと、つっこみたくなりました。あまりに設定が重すぎて、バランスを取るのが難しくなってしまったのかも。盛り込みすぎって気もします。DVシーンとか、その辺の心理描写はすごかったのですが。惜しいです。

4巻かけて納得させられた感じ

最初、一巻を読んだ時は、なんだこいつらテンプレ通りだなと思ってたんですが、徐々に彼らに釘付けになっていきました。

主人公成沢については、「心に傷を負った、人とコミュニケーションの取れない受けだって、ケケケッ」とまで思ってましたが、「あー、こういう人いなくないかも」と思うように。BLなので、目立った設定ではあるんですが、ここまで特別なケースでなくとも、性格は大人しいのに、思い込みをひたすら真実だと信じて頑なに行動して、結果うまく行かなくなると「ほら、やっぱりね」と言う人っていますって。

いや、嫌な奴というか困った人ですよ。でも、彼はそうとしか生きられないわけで。どうにかできないからこそ成沢なんです。普通の人ではないんだとしか言えませんね。

お互いがお互いを思うがあまりに、どんどん明後日な方向へ行ってしまう。「おいおい」と思いながらも振り回されてしまいました。

ただ、一応瀬川が成沢の行動を学習していって、なんとか二人は向き合えるようになるわけですが。ま、その辺の心理描写もなかなかでした。

最終的に、彼らは変な奴のまま終わります。ただ、お互いに自分の変さを受け入れて、相手を見るようになったということでしょう。こういう終わり方、嫌いな人は嫌いでしょうね。でも、恋愛って一挙解決はないから、私はこんな終わり方のほうが好感が持てます。恋愛をしたくらいで、問題が解消してたら悩みませんから。

たぶん、10年後も20年後も、成沢はうだうだ言い続けてそうだし、瀬川はそれに惑わされつつもイラっとしてそうです。

最初は甘くないと思ったけど

私、子供も強姦も好きじゃないんです・・・。だから、最初読んだ時は辛かった。レイプシーンの描写の衝撃だけが先行して、「これのどこが甘い生活なんだ」と当たり前の反応をしてしまいました。

でも、数度読み返してみると、やっぱりこれは「甘い」んだろうなーと思うのです。

それは、執着に似た文和の愛情がということではないし、後書きに書かれていたような藤井にとっての美味しい状況ということではなくて。

中学生になった文和が自分なりの世界を築き、それによって藤井に愛されてないという事実を知った時に、一旦離れます。で、昔のように寂しくなくても、結構な長い間離れても、それでもずっと藤井の事を考えてる。そして、ただ藤井を好きな自分を認めて会いに行くわけです。

これって、「愛してくれるから愛してる」から、自発的に愛するに移行した瞬間でもあるわけで。この辺の心の動きがとても好きだし、甘い。そして、愛を認められる文和はとても強い。

藤井と文和の関係はストックホルム症候群?とも思えるんですけど、むしろこの過程を経なかったらそうなのかもしれないけど、一旦離れたことによって、そこから抜けたと言えるでしょう。

一方藤井の奴はどこまで行っても嫌な奴ですね。レイパーだったのもそうですが、それだけでなくそれなりに文和といい感じになってからも、自分が死んだら一緒に死ぬと言う文和の言葉に気をよくしながら、反面自分はそこまで思ってないから優位だとせせらわらったりするところが、非常に腹が立ちました。

でも、ある意味藤井はデフォルメされた存在で、恋愛において相手を見下した言動をしたり、搾取したりするのが平気な人ってそれなりにいるよなーとも思ったり。誰もが教科書的なまっとうな恋愛をするわけではないし。もちろん、褒められたことではないんだけろうけど。

ただ、それでも最終的に人を信じられる人、人を愛せる人の勝ちというか、その方が幸せかなと思います。それすらも、才能というか、持とうと思って持てるものではないから。

私は基本的に「愛さない人は愛されない」と思うので、愛されたい人ほど人を愛したほうがいいと思うんですが、正反対の行動をとる人って多いですよね。藤井もまさにその通りで。自分が愛されることばっかり考えてますね。

藤井の場合文和という稀有な相手がいたおかげで救われてますが・・・。たぶん、彼に会わなかったら「愛し愛される」ことを望みながら、彷徨い続ける人生だったのではーと思います。

本当、藤井にはもったいない。





個人的には激痛な作品

どこに行っても大絶賛の嵐で、今ひとつ話にのめり込めない私はおかしいのか?と思ったのですが。

面白くないのかと言われたら、ぐいぐい読ませるし、設定も面白いのに・・・。でもでも、よーくよーく考えたら、私の中のトラウマが私も物語に入り込ませるのを妨げているということに気が付きましたよ。

そう、10年以上も前に私はまさに松岡の立場だったのでした。よくよく読んでみると、相手の男に寛末がそっくり・・・。(外人だったけどw)

そうだよ、そうだよ、「付き合えないけど、友達だけど、会いたい。気になるから」とか言われて、半年以上も振り回されたっけ。わたくし「好きだっていう気持ちを逆手に取られて」ました。(涙)そして、相手は私のそんな辛さにも気づかない。私にだって心があるんだと叫びたいけど、好きだから言えない。

好きじゃないなら嫌いって言ってくれれば諦められるのに、嫌いとは絶対に言ってくれない。寛末のように相手の為の嘘がつけない人でしたなー。

まさに、松岡のように過ごした毎日・・・。

海と距離のおかげで、1年で逃げ出せたけど、それはそれは苦しい日々でした。

だから、松岡のけなげさを見てても、昔の自分を見るようで、痛いのですよ。他の痛いといわれる木原作品はそもそも自分と全くかけ離れた設定が多いので、「ぎゃー」と思うことはあっても痛くない。この作品のほうがリアルな分だけ、非常に痛いです。

と、とにかく破壊力ありすぎです・・・。あー、思い出すと涙がとまらんです。こういう恋愛をしたことがある人には、地雷スイッチともいえる作品かと。(それだけスゴイってことですが)

ま、物語的には幸せに終わって良かったと思います。ある意味、二人とも大人だったから出来た結末だったのかなーと思います。20歳そこそこの二人だと、私のように耐えられなくなって逃げ出しちゃうし、相手のように追いかけてこないで、終わってしまうので。そういう意味でも、地に足のついたラブストーリーかなと思いました。