美しいこと 下

utsuikushiikoto

美しいこと 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神249
  • 萌×223
  • 萌19
  • 中立15
  • しゅみじゃない21

64

レビュー数
60
得点
1409
評価数
327
平均
4.4 / 5
神率
76.1%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
日高ショーコ 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
レーベル
Holly Novels
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784883863433

あらすじ

松岡が気になる感情が、友情なのか恋なのかを知りたい。そう感じた寛末は松岡と頻繁に会うようになる。寛末にとって、明るくて楽しい松岡と過ごす時間はとても居心地がよかったが、その一方で、仕事ができて社交的、女性にもモテる松岡が、どうしてこんな自分を好きなのかと、卑屈にも感じていて…。そんな折、社内で大きな人事異動があり…。
恋に落ちた二人の切ないラブストーリー。

表題作美しいこと 下

寛末基文,35歳,家業手伝い
松岡洋介,30歳,営業課長

その他の収録作品

  • 愛しいこと
  • あとがき

レビュー投稿数60

きれいごとじゃない!

はぁー
文庫版を読んで下巻は読むつもりはなかったのに、たまたま見つけて買ってしまいました。
まさかあの続きがこんなに苦しいなんて思わなかった……

松岡は何で、寛末なんて最悪な男がこんなに好きなんだろう?
多分、それは松岡にも分からないことなんだろうな。
松岡が健気すぎて可愛すぎて泣けた。
タバコの吸殻を持ち帰るエピソードに悶えました。

それに比べて、寛末の自分勝手さには憤る。
男は生理的にダメだって?どの口が言うか!!
こっちはお前が生理的にダメだわ!!!
松岡に冷たくされて落ち込むところは、ザマァでしたね。
もっと落ち込め!松岡に今までもっと酷いことをしてきたことを思い知れ!!と、思いました。
それが突然のラブモード突入だもんね……
仕事を辞めて田舎に帰って、ストレスがなくなってやっと松岡の事を考える心の余裕が出てきたのかねー?
それにしても、ふざけんなだわ(笑)

でもね、松岡が幸せならそれでもいいよ。
あとがきで木原先生が、寛末は松岡に溺れて松岡はメロメロになると書かれていたので、もうそれでいいです。
松岡さえハッピーなら何でもいいよ。
それくらい辛い思いをたくさんさせられたんだから。

とにかく、読んでよかったと思いました。
ここまで読んで完結だわ。
文庫版でも続編を出すべきだと思います!
それにしても面白かった。これが木原沼なのかぁー

1

7年ぶりに読みました

当時は社会人としての寛末の辛さがイマイチ分かっていなかったのですが、分かるようになってこの作品の良さをもっと知ることができた気がします。

距離が離れたり近づいたりを繰り返す2人。寛末視点で話は進むのに、兎に角松岡の健気さと、寛末が好きだということが全力で伝わってきます。寛末が、松岡がいかに健気で愛すべき存在か気付いた時には、読んでるこちらとしては正直寛末にうんざりしてた訳だけど、それでも松岡は好きなんですよね…ブチ切れつつも泣く松岡が愛しい。恋が叶ってよかった。

もちろん寛末が一方的に悪いわけでは決してなくて、性指向を変えるってこれ程の事だとは思います。ヘテロが簡単に男性を好きになるBL作品に辟易していたところもあり、この"男性を恋人として受け入れる"過程を描くパワーに圧倒される。
ただ、ヘテロの松岡が男にここまで執着した事は謎なので、その点がこの作品の良さとは言い切れないのですが。
他の方のレビューにもあった、松岡が潜在的なゲイまたはバイだったというのはあるかなー。なんせ松岡は"女のように"愛されたがっている節がある。

1

簡単ではない事も分かってはいるけども。切なくて。愛しくて。

もっと早く、救済してくれるものと、勝手に願っていた。
だから。もう、切ない別れのまま。
バームクーヘンエンドとか。全てを想い出に出来るまで。なんて、エンドにさせられるのかと。
まさか、まさか、と。ハラハラさせられる後半です。
下巻は、途中までを「美しいこと」をふんわり終わらせて、
「お願いだから…。俺が寛末さんを好きだってことを、逆手に取らないで…。」
決して泣くまいと(泣いて仕舞えばいいものを。)しながら、健気な松岡の、
苦しい胸の内で終わる。なんて事言わせるんだよ⁈ 寛末‼︎

そうして、「愛しいこと」という、寛末視点で物語は続いていく。
綺麗な顔だと思うが、肌に触れる松岡の薄い顎髭にゾワッとする、などと書いていて。
ああ、やっぱりこの男は、生理的に男を受け入れられないのだと
私たちをガッカリさせる。
この男の情けないところは、それだけでは無い。
自分の気持ちですら分からないという。
リストラされてしまう事で、仕事は真面目にやって来たのにと、独りごちる。
卑屈にもなる。努力はして来なかったのに。
与えられた仕事をこなして来ただけなのに。
それなのに当たり前の様にプライドだけは高い。
お節介かもしれないけど、松岡の遠慮がちな申し出も蹴ってしまう。
他の方も触れていますけど、日高ショーコ先生の絵が無くては、ちょっとついてイケない、
トンデモ野郎だと思います。
松岡は、自分は女では無い、というその切ない想いから、顎髭を生やし、
伊達眼鏡をかけてまで。男らしい装いをしているのは分かるのだけど。
簡単に女の子になれるその美しさを活かして、女装をしないまでも、
ユニセックスな魅力を出しても良かったのに。
そうすれば、馬鹿な寛末はもっと簡単に落ちたとも思ってしまうのだ。

物理的に離れることで、思い出すのは松岡の事ばかり。
それでもこの鈍い男はそれを恋だとは気付かない。
そして、松岡がそれでも自分をいつまでも好きだろうと自惚れてもいる。
自分が少しの間付き合った女の結婚式で、再会した松岡に拒絶されて。
慌ててもいたが、それでも。
松岡の透けて見える苦しい胸の内を知って、喜んでしまっている。
ホント、ムカつく‼︎

最後の最後の最後で。
松岡を手離せない事にようやく気付いて、行動するが、
それは些か唐突に見えない事も無い。
松岡が怯えるのもとっても分かってしまうのだ。
そんなこと言って、やっぱり無理だと、いつ言い出しかねない事か。
木原先生はこの後、二人は同棲するし、バカップルになります。と、力強く言って下さっていますが。
おいそれと信じられないよ。
そのくらい、寛末は酷かった。男として、人として酷かった。
松岡がこの後、本当に幸せになれるのかどうかは、甚だ心配ではありますが。
今は、先生の言葉を信じたいと思います。

仕事をしている、社会人同士なのに。
こんなにも恋愛一直線で、どうしたものか。と、先生も書いておられますが、
周りが見えなくなるのもまた、純粋に恋愛小説の醍醐味だとも思います。

1

あっぱれ!さすが木原作品!ひきこまれる

木原さんの作品はもう大好きで、大好きで。
「fragile」でハマり、読み続けています。
上巻は延々と実らない片想いの恋を見せつけられているようでしんどかった。
けれど、これがノンケに恋をしてしまった男の末路なのかなあと、男が男に恋することの残酷な現実を突きつけられているようで、身が引き締まるような思いで読んでしまった。それが余計に、続きが気になって仕方なくなり、夜、遅い時間に読み始めたのがいけないのだが、結局、朝まで読んでしまうほどにはまってしまった。

下巻はキャンプのシーンから始まります。微妙な三角関係、松岡がかわいそうでかわいそうで。心が張り裂けそうなほどせつない。けれど、寛末の気持ちも分からなくはない。同性を恋愛対象として見ることができない、現実はこんなもんだろう。残酷なことだけれど。
それがわかったとはいえ、寛末はずるいと思う。
自分で答えがだせないくせに、その答えを松岡に求めても、彼を追い詰めるだけなのに。何度も、松岡にもう、こんな奴忘れて他の男に目を向けてくれ、幸せになってくれ!と思ったことか。おそらく、他のBL作品だったら、そうなるだろうと思う。一応、当て馬的な立ち位置で葉山と藤本が出てくるが彼女たちは女性だ。女性ではなく、攻めタイプの男性が出てくるような気がする。なんてったって、松岡は外見がとても美しいのだから!ゲイから引く手数多だろうに。それで寛末も松岡の魅力に気づき…と巷に溢れるBL作品のようなご都合主義的ストーリー展開に走らないのは、やはり、さすが木原作品だと思う!

葉山さん、私はこの女性が結構好きだ。姉御肌かと思えば、適度な弱さもあって、可愛らしさもある。仕事もできるし、要領もいい。そして、そんな葉山さんになったような気持ちで読み進めていくと、違った面白さがある。特に、同期の中でも出世頭で性格も外見もイケメン、仕事ができる同僚の松岡に恋愛対象としてではなく、人として惹かれる気持ちもよく分かる。こんなイケメンな同僚がまさか(彼と比べると)地味で気が利かないと思えてしまう自分の彼のことを、好きだなんて微塵も思わないだろうが…私の職場にも、仕事ができる松岡風な同僚がいるがその人が実はゲイで…という展開を期待してしまう。(野次馬的な感じで)

愛しいこと、では、視点が寛末になる。寛末になったおかげで余計に、彼のグジュグジュした情けなさが浮き彫りに…まあ、それがよりリアルで良いのだけれど…
2人が仲良くなって、夕飯を共にしたり、互いの家に行ったりすることは良いことなのだが…寛末はあくまでも友人として付き合っている。松岡は、その先を期待している。この差が、本当にせつない!
特に、それが如実に、分かるのが温泉旅行のエピソードだ。
テンションが上がりまくり、嬉しくてたまらない松岡とそうでもない寛末。この2人のこのテンションの差!!松岡は、温泉よりも寛末と出掛けられることが嬉しいんだろう。寛末はただ、温泉に行きたいだけ…。この差も、現実の恋のようで、ほんとせつない。子どものようにはしゃぐ松岡の態度も、その態度に心が綻ぶ寛末も、なにもかもせつない。寛末視点なので、松岡の気持ちが分からないが、松岡視点のものも書いてくれたら、余計にせつなさが増したろう。

松岡が答えを求めた時の
「どうにもならないと思うんだ。…多分、もうどうにもならない」
寛末のこの台詞を突きつけられた時の松岡の絶望感…想像するだけで、涙が出てしまう。現実は残酷。自分が好きになった人が、自分と同じように自分を好きでいてくれるそれが当たり前ではないことを思い知らされる。

そのあと離れてから、ようやく、松岡の存在の大きさに気づく寛末。ざまあみろ!という思いだ。おそらく多くの読者はそう、思うだろう。
連絡の手段がつかずに、途方にくれる寛末。
ようやく会えたのに塩対応に、涙ぐむ寛末。
もう一度、言ってしまう。ざまあみろ!

塩対応で拒否したのに、放っておけなくて、寛末のホテルに向かい、酒に潰れた寛末を介抱する松岡は本当に健気だし、いじらしい。
「3回も同じやつに、振られるなんて絶対に嫌だ」
この台詞に松岡の今までの苦労が込められている気がして、また涙がとまらない。
タバコのエピソードは寛末の中で完全に松岡が、恋愛対象として、性的対象として、浮かび上がった瞬間だと思う。そこからは熱に浮かされるように、互いを求め合う。
今までのすれ違いがあったからこそ、このラストの数ページが、読者にとっては最高のご褒美である。

木原さんのあとがきに、同棲してラブラブに暮らしていて、犬も食わないバカップルになり果てている、という描写がありました。嬉しいな!ああ、その様子が見たい。永遠に見ていたい。ごちそうさま!

4

コップに水があふれるように…

初めて読んだとき、口絵イラストの寛末のセリフ「(松岡に)キスしたい衝動が押し寄せてきて…」に、すごく驚いたのを思い出します。上巻を読んだ後では、寛末が松岡を好きになる展開が全く想像できなくて。

付き合っていた葉山さんと別れた寛末が、松岡に「好きだと思うんだ」と告げる踏切のシーン。松岡はしゃくりあげて泣いてしまいます。『涙が落ちる分だけ、気持ちが崩れる。辛うじて自分を保っていたものが、もっと弱い脆いものになって、今にも倒れそうになる。』淡々と心の状態を物理的に表現する描写が、かえって松岡の心情を力強く伝えてきて、心をわしづかみにされます。木原さんのこういう文章が好きでたまりません。

松岡視点の「美しいこと」は、早く好きだと言ってほしい…という、松岡の切ない願いで締めくくられています。

二人が頻繁に会うようになってからの話は、寛末視点の「愛しいこと」。
結局、寛末は松岡に友達以上の感情は持てなくて、リストラされたひがみも重なり、松岡を切り捨てて田舎に帰ってしまいます。この間、わずか4か月。振り回される松岡があまりに可哀そうで。

ところが寛末は、田舎に戻って静かに暮らすうち、なぜか松岡のことばかり思い出します。ふとした表情が可愛いと思ったこと。一緒にいると気持ちが楽だったこと。自分に向ける一生懸命な気持ち。松岡に会いたくてたまらなくなりますが、葉山さんの結婚式で再会した松岡に冷たく拒絶され、電車の中で泣いてしまいます。松岡もずっとこんな気持ちだったのだろうかと。寛末がやっと泣いたと、意地悪くも少し溜飲の下がった私。松岡は寛末に何度も泣かされていましたから。

少しずつコップに溜まった水が一気にあふれるように、寛末の中にやっと松岡への愛しさがあふれたのだろうと思います。不器用で鈍感で優しい男には、長い時間と回り道が必要だったのですね。怒って泣く松岡も、寛末が口をつけた吸い殻を大切に持ち帰る松岡も、うなだれる松岡も、可愛くて仕方がない。寛末のあふれる想いは止まりません。タイトルの「愛しいこと」は、そんな松岡のことなのでしょうね。

寛末が松岡を強引に新幹線に乗せ、片方の靴が脱げてしまった松岡に自分の靴を履かせる場面の一文が、作品中で一番好きです。『あの時、江藤葉子に恋をした。そしてあの時よりももっと強い衝動が、自分を突き動かそうとしている。』さりげないこの一文が、物語のすべてを表している気がするのです。衝動の言葉にも寛末が同性の壁を越えたことを感じます。加速する新幹線、突き上げるような揺れ。寛末の高まる気持ちを表しているようで、何度も読み返し、その余韻を味わってしまいます。

心が震えるような寛末と松岡の恋模様と胸を打つ文章の一つ一つが、私にとっては美しくて愛しくて、宝物のような作品です。

3

惚れた弱み

”どんな君でも好きだよ”と言った寛末は、
大好きな葉子が、松岡だったと知って
受け止められず、松岡から距離を置くようになる
二人とも、もう会わないと思っていたのに
共通の知り合いを通じて、また出会ってしまった二人

受け止めてもらえないとわかっているのに
好きでいるのを辞めれない松岡と
同じ人だって、性別が違うだけだってわかっているはずなのに
”男”である松岡をどうしても受け入れることができない寛末

一見、寛末のほうがひどい人間に思えるけれど
すごい、”人間らしい”人だと思います
そして、”自分に素直”な人なんだと
こいつ最低だなって思いながら読んでいたけれど
ふと、感想を書こうと思って、彼を思い返すと
これぞ、”人間”だよなぁって思ってしまいました。
そう、現実に近い人間。こんなもんだよなぁ
でも、ひどいと思うのは、松岡の心情を知っているから

どんなに辛いと思っても
寛末に好かれたことがある松岡は
愛されることの心地よさと、幸せを知ってしまったから
好きで居れることを辞めれないんだろうなと思います。
私でも、あんな愛され方したら、ひどい男でも
ほだされると思います。

人間の心理描写がうまいなぁ~
”ひどい””かわいそう”だと思っても
それが人間だといわれると納得できる
きれいごとだけでは、人間は生きていけない
感情があるからこそ、汚くもひどくも、そして可哀そうにも
なれるし、人を愛して幸せを感じることもできる
うまく言葉にできないんですけど。。。

これめっちゃコミック化見たいです。

4

ノンケ攻めってこういう事だと思う。

ノンケリーマンの頂点!!!!これぞノンケ攻め!!!!!!!!
しかも受けのほうが出来る男っていうのがまた……男としてプライドが刺激され、逃げ出すヘタレ具合に腹が立ちつつも、騙されて怒るのも正直当然だし、男としての妬みも理解できるんですよね……男として負けたくない!!!って思うのは当然だし、プライドなくなった男こそつまらない攻めはいないですからねえ。(プライドの置き所にもよりますが)
女性と付き合う描写があるのでNG出される方もいるかもしれませんが、私は登場した女性に大いに大いに同情しちゃうんですよね…BL界にいる限りあなたは幸せになれない!!!!!って。
攻めのグズグズ加減のイライラさえ平気であれば、ぜひ読んでみてください。本編完結後を描いた小冊子を読むとイライラも吹っ飛ぶのでぜひ読んでみてください!

5

評価がすごく難しい‼︎

木原さん二作目です。
箱の中でのダメージがデカかったので、最後松岡が幸せそうで本当に良かったです(☍﹏⁰)
あとがき見る限り、遠距離恋愛もそんな長い間ではないのかな??

今作は文庫でなくノベルの方で読んだんですが、美しいことーで終わらせて私も寛末に好意を持ったままで終わらせられたら良かったのに…
と少し思ったり_:(´ ཀ`」 ∠):_

本当どこが良いんだ!?
どこが良いんだよこんな最低男の( ꒪⌓꒪)

でも、描写から寛末の外見の脳内変換が酷い事になってたんで日高先生の描く寛末には随分救われました〜(๑˃̵ᴗ˂̵)
モッサイ描写なのに、実物?の寛末は男前!笑

寛末の自分勝手な態度に、それでも喜んだら傷ついたりする松岡が痛くて痛くて胸が苦しかった〜(╥Д╥ )
読んでて痛くて苦しくて仕方なかったのに、もう他の木原作品を読みたくなってる!!

いや本当、心理描写があまりにも秀逸で素晴らしかった(´༎ຶ۝༎ຶ)

6

攻めが酷い。けどある意味リアルな心理描写

木原音瀬さんは初読みです。いや、すごくよかった。いいもの読ませてもらいました。
睡眠よりも続きが読みたくて寝るのも忘れて夢中になって上下一気に読みました。これから読まれる方は上下揃えて読むことをお勧めします。止まらなくなるので

皆さまが仰る通り、無神経な攻めの寛末に対して終始イライラ。酷っっ、、何なのコイツ。ひろすえーー!!と何度ツッコミを入れたことか。。。

受けの松岡は健気、美男、性格もいいし、もっといい人みつかるよ〜!何も寛末じゃなくても、とかわいそうで切なくて、何度もみぞおちギュンギュンして辛かった。
しかし、寛末の気持ちもわからなくはない。確かに大好きな女と思っていた人が男で、いくら中身が同じで好意をもたれても躊躇しますよね。理解に時間かかりますよ、普通。気持ちが行ったり来たり、好きだけどなかなか恋愛感情はもてない。松岡の好意を知りつつ居心地いいもんだから友達としてキープしたい。ずるい人ですな。寛末のような人リアルだと思いました。

それにしても、寛末の松岡に対する態度が冷た過ぎて酷い。どうかと思いました。松岡の誕生日にケーキを届けますが義務的だし、適当。温度差ありすぎ。自分勝手、天然、鈍い、残酷に色々傷つけてる自覚なし、タチ悪いです。終始寛末はグルグルしてます。松岡の事を寛末なりに真剣に悩み考えてはいるんですけど、やっぱり男だからってグルクル。
しかし、松岡に対し恋心を自覚した途端甘々です。扱いが江藤(松岡ぎ女装してた時の偽名)の頃の様。松岡、本当によかったね!!本当に松岡かわいい。幸せになってほしい。時間かけて答えが出た分、寛末の気持はもう変わらないだろうな。この先きっといつまでも松岡にベタ惚れな気がします。
結ばれたのは最後の最後なのでこの2人の甘々な続きが読みたいです。是非。

松岡はめっちゃいい人。こういう人が本当に優しい思いやりのある人といえるんだろうな。見習いたいです。寛末を初め上巻では無欲で優しい人かと思ったけど、あれは違いましたね…性格が悪いわけではないんですけどね。でも、ああいう人いるよなぁ、と思った。

答えが出るまでの時間のかかり方、グルグル感、行ったり来たりの正直な寛末の心理、立場や想いの逆転など御都合主義のBL(それはそれで好きですけど)と違いリアルでよかったです。
この方の作品他も読みたいと思いました。

寛末が吸ったタバコの吸い殻をさり気なく持ち帰るシーン好きでした。松岡〜かわいすぎやろって。結婚式で再会し、寛末を一生懸命拒絶してるけど結局見捨てられない優しい松岡のコンビニシーンも好きでした。

ちるちるさんの不屈の名作ランキングがキッカケでこの本を知って読みましたが納得。正に不屈の名作でした。

5

愛しいこと

文庫版を読んで満足していたのですが、その後の物語があると知り、今本収録『愛しいこと』が読みたくて、ノベルス版も手に取りました。
なので、『愛しいこと』に関してだけ呟きます。

ガー!!寛末~~~!!このヤロウ!!!(怒)
そう何度も叫びました。
『美しいこと』は松岡視点で書かれていたので、松岡の気持ちは痛いほど伝わっていたし、彼に感情移入していました。なので、『愛しいこと』の寛末視点が・・・絶望的に寛末が酷くて、叫ばずにはいられませんでした。
寛末は本当に鈍くて、気が利かず、優柔不断。
あとがきで木原さんも呟いていらっしゃいますが、寛末のような奴、世間的にはよくいると思う。そういう私自身振り返って寛末的な嫌な部分が全く無いとは言い切れず・・・寛末視点になったことで彼のダメな部分が強調された気がします。
『美しいこと』も読みながら泣いたけど、『愛しいこと』も同様に泣けます。
恋人未満期の二人のいい雰囲気や、松岡が浮かれてる様子も伝わってきていただけに、寛末を忘れようと決心した後の松岡の様子は想像するだけで涙が出てきます。好きな人の吸った煙草を捨てられない松岡のいじらしさにも泣かされます。
寛末と恋人になれて、松岡が幸せならもうそれでいいと思えるほど、松岡の心情に気持ちを持っていかれるお話でした。

今『愛しいこと』までを読み終えて思うのは、
ダメ→好きになれるかもを『美しいこと』でやっておいて、『愛しいこと』でやっぱりダメでした→好きになりました、の流れはクドイような気もします。
が、松岡視点と寛末視点、『美しいこと』のその後の二人の様子が読めたことは嬉しいし、二人がちゃんと恋人同士になるところまで見届けた感はあります。
ただ、『美しいこと』で終わるという選択肢もあったような気がします。
二人が幸せに暮らしている様子も読みたくなっているんですが・・・欲って果てしない。
物語をどこで終わらせるか、その匙加減は難しいなと思いました。

4

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