美しいこと 下

utsuikushiikoto

美しいこと 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神228
  • 萌×219
  • 萌19
  • 中立15
  • しゅみじゃない20

172

レビュー数
59
得点
1288
評価数
301
平均
4.4 / 5
神率
75.7%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
日高ショーコ 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
レーベル
Holly Novels
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784883863433

あらすじ

松岡が気になる感情が、友情なのか恋なのかを知りたい。そう感じた寛末は松岡と頻繁に会うようになる。寛末にとって、明るくて楽しい松岡と過ごす時間はとても居心地がよかったが、その一方で、仕事ができて社交的、女性にもモテる松岡が、どうしてこんな自分を好きなのかと、卑屈にも感じていて…。そんな折、社内で大きな人事異動があり…。
恋に落ちた二人の切ないラブストーリー。

表題作美しいこと 下

寛末基文(家業手伝い,35歳)
松岡洋介(営業課長,30歳)

その他の収録作品

  • 愛しいこと
  • あとがき

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レビュー投稿数59

読者も罰をうける下巻

寛末基文は、騙されていた。
自分が恋した女“江藤葉子”が男だと知った。
容姿に惹かれたわけじゃない
彼女が、おばあちゃんでも子供でも何者でもかまわないと思った。
でも・・・“男”であるとは思わなかった。
ゲイじゃないという松岡洋介が自分を好きな気持ちがわからない。

松岡洋介をどこへも位置づけられないまま・・・
いつも彼を思っている。
こんなに誰かのことを考えたことはなかった。
でもこの気持ちが恋なのか友情なのかの区別は自分にはつかない。
ずるずると答えを出さないまま、彼を縛りつけてしまう。
居心地のよい彼の隣りで、彼を傷つけているズルイ自分。

と、いうのが下巻のお話。

上巻からバトンタッチ下巻は、寛末基文視点で描かれます。
下巻では、上巻で松岡洋介とともに寛末基文を騙していたツケを罰を
読者も一緒にうけることになります。
“江藤葉子”は、消滅してしまう。
あんなに優しかった寛末基文も消えてしまうわけです。
楽しかった日々が泡のように消えて
それでも寛末基文の気持ちの変化を読者も根気よく待ちつづける。
ページをめくってもミラクルは訪れない
寛末基文の言動に一喜一憂しながらビクビクとエンディングを待つ
このじれったさ、やるせなさを味わうのが読者への罰ですw

10

後半の怒涛の展開が切ない

ネタバレおおいに含みます。

松岡にさんざん期待させておいて、やっぱりダメでしたって。
ちょっとほんとに寛末さん!!!!!
それでも離れてみて初めて気づく松岡の大切さ。気になる、気になる…
そして再会して、無神経に接する寛末。
やめて!やめてあげて、これ以上松岡の傷をえぐるのは…!!!
大変イライラさせてくれる寛末さん。
でも松岡くんに無碍にされて落ち込む寛末を見てると今度は寛末のほうになぜか感情移入…
松岡、待って。やっとこの人気づいたんだよ、何が大切か。
まだ見捨てないであげて…!
そして再会。
お互い気持がだだ漏れなのに、なんで素直に言えないんだろう。
松岡は寛末に散々気持ちをもてあそばれて捨てられて、そのトラウマがあるんだろうけど、寛末…!!!
男見せろよ!ここで!!!
で、やっとの告白もなんか頼りない…ダメ寛末……
なんだかんだでHもできてハッピーエンド…?ってかんじだったけど、
全サの続編「愛すること」を読んで、一安心。
なんか…寛末メロメロじゃん?よかった。。。
寛末は松岡をあれだけグルグルさせてトラウマ作らせて泣かせて、いろんなことしたんだから、責任とって幸せにしないとだめだと思う。ほんとに。
ほんとにお願いしますよ寛末さん。

なんか「よかった…」っていうよりホッとした。ほんと。
松岡の幸せを願うばかりです。

8

号泣です

ラスト、泣きすぎて気分が悪くなって、なぜかゲロを吐いてしまいました。なんでやねん。
レビューの多い人気作品なので、あらすじめいた話は割愛します。

この小説は、受けの松岡がいいんだよねぇ。
後半は攻め視点なんだけど、受けの切なさが、間接的なのにダイレクトに伝わってきます。で、それに気づかない攻めにかなり苛立つ羽目になります。
いいひと特有のウザさを書くの、木原音瀬さんは本当に巧いなと思いました。意識的に書くのって、意外と難しいと思うんだけど。
でも攻めの葛藤も分かる。そりゃあ簡単にゲイにはなれないよね。リアルだと思う。
最近のあまたのBL本は、ゲイへのハードルなんてあってなきがごとしだけど、それが幻想なのは分かってるし(幻想を楽しむものだから、それがダメという意味ではなくて)。

あと挿し絵が日高ショーコさんで良かった。松岡がちゃんと30代のイケメンだったので。どう見ても10代の女の子にしか見えない30歳の挿し絵だと、ちょっとガックリなのでw
願わくば攻めをもっとダサダサのモッサリに描いて欲しかったかなー。

つーかこの続編小冊子で、評価の高い『愛すること』なんですが、今、オークションで一万円の値段がついてますよ…orz
高けーよ!どんな嫌がらせだよ!
ええ、でも絶対に買いますよ。
コノハラーむつこです。

8

むつこ

>>ミドリさん
もちろんまっしぐらですとも!定期的に萌えを補給しないと死ぬ体質になってしまった!
ほんと松岡には泣かされまくったァ…。でも萌えたのはあの鈍感でムカつくヒロスエ(キライじゃないんですがw)のおかげですよねーwだって松岡みたいなイイ男、ふつうに恋してたらあんなに苦しまなくて済むもんw

CDは買ったことないんですよ。ハマるのが分かってるから、手を出すのが怖いんですw
上巻だけのCD…鬼すぎるww

ミドリ

わーありがとうございます、萌えまっしぐら・ミドリです(笑)
でもむつこさんもかなり萌えまっしぐらですよね(笑)!?好きですvv(告白。笑)
愛することの中でも寛末にかなり冷や冷やさせられるシーンも多いんですけどね。
なんでこんな男がいいんだ松岡!!と終始思ってました。
そしてますます松岡が愛しくなります。私の持ってるBL作品のNo.1攻サマを彼に紹介してあげたいくらいでした。
5月発売のドラマCDにこれは収録されないのかな?!と楽しみにしてるんですが。
正直美しいことのCDにはがっかりしてしまったんで…まさか下巻は収録されてなかったなんて。
痛いだけのCDになってしまいました。

むつこ

>>ミドリさん
一万五千円…うはー、泣きそうw
もちろん買いますです!さんざん泣かされたんだから、ラブラブイチャイチャを見るまでは死ねません!
本編のセックスは二回あったけど、どっちも受けにとったら悲しいセックスだったもんね。
一回目は痛いだけで。
二回目はトラウマいっぱいで、行為後も幸せを満喫しきれてなかったし。

ラサタニカのこともそうだけど、ミドリさんの萌えまっしぐらっぷり、超好きですw

むつこ

>>弥七さん
スイマセン、汚くてw
評判が高く、泣きましたという感想をたくさん読んで期待値を上げまくった状態で読んだんですが、私もそれでも泣きまくりでした。
一万円はまだ途中経過なので…ミドリさんは一万五千円らしいっすよ…(涙)
もとは確か800円ぐらいだったような…。

ミドリ

愛すること、私も1万5千円で手に入れましたよー
でもでも、手に入れて満足です。
というか、これを読まないと美しいことは終われないです。松岡も報われない! 
なんで、むつこさんにも早くお手に取っていただきたいです!萌えてください!!
ラブラブな二人を、松岡にメロメロな寛末をご堪能ください!

弥七

  ゲ、ゲロ!! すいません。思わずツッコミを……。
 でも、泣きましたね~私も。
 しかし、小冊子が1万にもなっているとは……。すごいですね。

読み終わってほっとした…

松岡の気持ちが報われるのか・・・。
報われます!
しかし、気持ちが通じ合うまでの道のりが遠すぎる~!
結婚式での再会は、ドキドキしちゃいました。
だって逆襲の松岡なんですもの!
しっかし、寛末ってニブイんだなぁ・・・、もっと早く気づけよって言いたくて仕方なかったです。
もう胃がいたくなるほどじらされました。
最後は今までの辛さを埋めるみたいに甘々で、たまりませんでした。
この続きは、某全サで読めましたが、そちらもかなーり松岡が一人で悶々してました。
いいです、この二人!

7

見事な心理描写!

私はこの作品で木原さんを知り、その筆力にまんまと捕らわれてしまいました。
さて、美しいこと上の続きです。
この作品は松岡、寛末のどちらに肩入れしているかで随分と印象が変わるように思います。
私は上で松岡のいじらしさ、健気さ等に惚れて彼の方に思い入れがあるので上同様に読んでいて松岡が可哀想で可哀想で。
そりゃ真剣に好きだった相手が実は女装した男だった。なんていう寛末の気持ちもわかっているつもりなのですが…。
今回そのほとんど寛末視点で物語が進行していくので寛末の考えている事がわかります。
ちょっと薄情なんじゃ?と思うシーンや、答えが出せず松岡に頼る場面にモヤモヤイライラもありましたが最後の新幹線からのシーンで全て帳消しになりました。
ホテルのシーンからは涙腺がずっとゆるくなりっぱなしでした。やっと思いが通じ合ったシーンで泣いたのは初めてです。
読後に小冊子の愛することを読むと更に泣けます。というか個人的にこれを読み終えて初めて完結した。と思いました。
小冊子の方は入手困難なようなので何かの作品の後ろにでも是非収録してほしいです。
美しいこと購入当時から木原作品を何冊か読みましたがこれは初心者には薦められないかなぁ。という作品も何冊かありました。
そんななか美しいことは割りとすんなり受け入れられる木原作品だと思います。
まだ未読の方、木原作品を知らない方には是非読んで欲しい作品です。

7

リアルがここにある

「美しいこと」では、完全に2人はつながれません。まだ2人の物語が描かれるスタート地点までを描かれています。

「愛しいこと」ではやっと希望が見えた2人のその後が描かれています。しかしここでもそう簡単に2人を幸せにしてやらない木原節がバンバン効いてました。
前回より更に寛末sideにイライラしました。どこまで松岡を傷つけたら気が済むんだというくらい無神経さ。それと優柔不断さも。もおこの男にこの性格を直せと言われても無理なんだろうな、なんておもっちゃったり。

健気な松岡は好きになってもらおうと努力しました。そんな一途で純粋な心までも自分に災難が降りかかったとき簡単に無碍にするあの寛末の態度に腹が立った。そりゃそうだ。

結局すべて失ってから大事なものに気付いた寛末は松岡のもとへ会いに行きます。「もおあんな思いはしたくない」と平然を装っていた松岡の態度に初めて感じた松岡からの“冷たさ”。その態度に傷つきはしたがそれでも最後はちゃんと自分の気持ちを松岡に告げます。

あんなに傷ついたのにそれでも見捨てることができず、寛末への想いを消すことなんて出来なかった松岡が読み手としても愛おしかった。年齢は寛末より下ですが、松岡の方が何倍も大人で包容力があり優しくて魅力的だ。

最後の最後にやっとつながれた2人。これまでが苦しくて先が見えない状態が続いた分、ラストの2人のイラストはすっごく幸せそうで泣きそうになりました。

男と男が付き合うって簡単じゃないですよね。ノンケ同士ならなおさら。人を想う気持ち、傷つけられる痛み、愛するということ、愛されるということなど、恋をする上で全ての人間に共通するものを非常に繊細でリアルに描かれています。ぜひ、たくさんの方に読んで欲しい作品です。

7

最後まで読んでやっとホッとした

読んだばかりなので、感情的なレビューになってしまってます。

もう上巻の中盤辺りから、寛末こんちくしょうと思いました。
こんな状態で終わる筈が無い想像できていても、ラストでやっとほっとしました。
もう途中は何度読むのを中断したか分かりません。
それほど合間合間に壁を殴りつけてました(笑)
別に、寛末は全てが悪い訳じゃないし寧ろ人間らしい思考回路で、現実男相手ということは、そう簡単に乗り越えられる壁じゃ有りません。
それを分かっていても、もっと松岡さんのことを気にしてやれよと。
松岡さんが健気すぎてきゅんきゅんしたのですが、言葉の端々で、寛末のことを気にして遠慮しているのが汲み取れ、それに気付かない寛末にもんもん。
相手のことを考えて、自分の感情を必死に堪える松岡さんに、自分のことばかりの寛末。
この関係がすごく良い反面、じれったかったです。
寛末は自分の為に嘘はつけても、松岡さんを傷つけないための嘘は言わないし、相手の言葉の配慮に気付こうともしない。そんな印象を持ちました。

たしかに初めに嘘をついていたのは松岡さんでも、いつまでたっても踏ん切りをつけずに江藤葉子に未練タラタラで責め続ける寛末にはイライラでした。

終盤も、はっきりしろよ!!と言いたくなりましたが、それでも、松岡さんのことを考えるように、松岡さんの言葉の意味をちゃんと捉えれるようになった寛末の心の変化に、これから幸せにしてやってな!!と強く願いました。

すごく、じれったく、すごく、人間らしくて、すごく、感情が揺さぶられる。そんな作品でした。
とにかく松岡さん可愛い(笑)
最後にほっとしたし、これからを考えるとじわぁっと幸せになれます。
ちゃんとお互いがお互いを認めて好きになるのには時間が掛かったけれども、そのぶん、これからは2人でいろいろ乗り越えられるだろうなと思います。
幸せになって欲しいと感じました。

7

傲慢で身勝手で繊細

人を強く思う事で、松岡は自分の心の底の弱い部分を露呈されていくのが分かります。
そして、思われる事で、寛末は勝手でご都合主義で人の気持ちをぞんざいに扱う自分が湧き出ます。

読み進めていくと、本当に本当に、葉子であった松岡と寛末の関係性が、見事に逆転していくのが分かる。
確かに寛末は、葉子を抜きにして松岡自身と向き合える――そう思ったから葉山とも別れたのだし、その気持ちに松岡の心は震えた。
「自分が転べば君が来てくれると思った」、そんな寛末の本音を聞いて、松岡はすぐさま泣き崩れたい気持ちでいっぱいだったのではないでしょうか。
松岡の気持ちが切なかった。
状況は違えど似たような経験をしている人間には、酷く感情移入して止まない部分だと思います。
出来る事なら私が松岡を抱き締めてやりたい衝動に駆られました。
「逆手に取らないで」、これがどれだけ悲痛な気持ちだったのでしょうか。


『美しいこと』から『愛しいこと』に移り、今まで松岡目線だったものが寛末目線となります。

寛末は確かに自分勝手なのだけれど、結局人間ってそういう所があるよね理由は違えど、という気持ちになってしまうのは私だけでしょうか。
「松岡の自分への気持ちに、恋愛感情が抜けて友情になってくれないだろうか」なんて、随分な言い分だ。
けれどそれは松岡が葉子の時に寛末に思っていた事にも近く、それでもやめられなかった松岡は男として寛末を思う事となった。
ただ、寛末はそうなれない。寧ろ徐々にその松岡の気持ちが鬱陶しく感じ始める所に、更に自分を卑屈にさせる人生の転機が訪れる。
能力の悪さのせいだと自分を納得させるも、気持ちが追いつかない。
自分は頑張ってきた、会社の為にと文句も言わず左遷された通りに異動もした。なのにこれは何の仕打ちなのか――とグルグルしてしまう。
かたや松岡は、若くして課長に昇進する。あまりに自分と対照的過ぎて嫌気がさし始めた頃に、松岡の優しさと言う名のお節介が。


読み進めると、私も勝手だなとつくづく思うのです。
両者、似たような事をして似たような思いをするのに、私はどうしても松岡に肩入れしてしまう。
人間、好きな人にはとびきり優しい気持ちを持つのは当然なのは分かるんだけれど、どうしても『愛しいこと』の寛末に共感出来ないモヤモヤが残ります。
ただ言えるのは、それほど寛末も苦しんだと言う事。
自身の人生の窮地に、他人を考える余地がないのは当然だったし、ささくれだった心に松岡の優しさや気遣いは自分のせいだとは言え、すんなり受け入れられる程割り切れないものがあった。
葉子を死ぬ程追い掛けていた時とは180度変わる寛末の見方に、寧ろ現実味がありました。
葉子を通して松岡の目線で見た時の寛末の心の綺麗さは、今考えれば恐ろしい程の熱が上がっていたんだと思えました。


最後のあとがきで木原さんが仰る通り、これからは寛末が松岡に入れ込んでいくんだろうと思えて仕方ありません。
それにきっといちいち赤くなったり素直になれなかったりする松岡がそこに居て、寛末は謝ったりするんだけど「可愛いなぁ」と思って思わず口にしてしまう。
それで又松岡が赤くなって「やめろよ!」なんて言う、2人の小さく幸せな時間の生活。
頭に思い描くだけで、心がきゅうっとなって甘酸っぱくて、少し涙が出そうな続き。
お互いがしっかり思い合えるようになるまでの2年は、長いのか短いのか。
松岡はきっとそれを思い出す度に切なくなるし、寛末はそんな松岡の気持ちを汲んであげる事が出来るようになっているんじゃないかと、勝手に期待して止みません。

そして、日高ショーコさんの画が美しく儚くて、もっと見たいと思ってしまう。
上下巻の表紙を繋げて、何度もほうとため息を吐き、涙がじわりと込み上げてくる切なさに心が捕らわれます。

6

とにかく松岡の健気さに心打たれました・・・

上巻で、江藤葉子は自分であることを寛末に告白し、松岡は冷たく拒絶されます。
二人とも深く傷つき別れますが、葉山を介して偶然再会してしまいます。
寛末を忘れられない松岡は、二度と寛末の顔を見たくないと思いますが、
何故か寛末は、駅で毎日待ち伏せをしたりして、松岡に近づこうとします。
期待してまた傷つく事が恐くて、松岡は寛末を拒絶しますが・・・

『美しいことでは』、松岡がぐるぐる悩んでいる姿が痛々しくて切なかったです。
寛末の、松岡が気になって気になって仕方がない気持も、分かります。
自分に対して好意を持ってくれている相手を、意識するのは人として当然ですし。
でも「恋愛かどうかわからないから確かめたい」なんて状態は、
松岡にとって辛いですよね、蛇の生殺しです・・・

最後の、泣き崩れる松岡の、
――早く好きだと言って。こんな気持ちから早く助けて。――
の心の叫びが、胸に痛かったです。


『愛しいこと』からは寛末目線で話が進みます。
離れようとする松岡を「好きになれるかもしれない」と寛末が引きとめ、
二人は頻繁に会うようになります。
しかし寛末は、二人でいる事は居心地がよくて楽しいけど、
江藤葉子に夢中だった時の様な、気持の昂りは持てませんでした。
でも、松岡とは一生の友達としてこれからも付き合っていきたい・・・
そんな時に、寛末は会社をリストラされる事になります。

優秀な松岡と自分との違いを身に染みて感じ、卑屈になり自己嫌悪する寛末。
自分を寛末が避ける理由が分からず、一喜一憂する松岡が痛々しい・・・
温泉旅行では、子供のようにはしゃいだり、恥ずかしがったりしている松岡が、
無茶苦茶カワイイです!
松岡は、一途なワンコちゃんですね(笑)

リストラの件を知った松岡、寛末に仕事を紹介しようとして逆に怒らせてしまい、
それがきっかけで寛末は実家に帰ってしまいます。
その時松岡が、寛末に必死に縋りつく様子が余りにも可哀そうで・・・
寛末ヒドイよ、あんた冷たすぎるよ~!と思いながらも、
同じ社会人として寛末の卑屈でどうにもならない気持ちも分かります。

結局最後は、寛末が松岡を追いかけて、二人はやっと想いを通じ合います。
私が切なく思ったのは、松岡が、寛末が一口吸った煙草を、
冷たい態度を取りながらもさり気なく携帯灰皿に入れた場面。
松岡は本当にいじらしいです・・・
あとは、温泉旅行の時に、居眠りから目覚めた寛末が自分を見降ろす松岡を見て、
――あぁ、葉子さんだ、本当に同じ人だったんだな――と思った場面。
寛末がどれだけ葉子を愛していたのかと思うと、胸が痛みました。

長い時間を掛けてやっと心を寄り添えた二人。
もうこれは「神」以外ありえません。

6

ゆるぎない寛末

下巻からはフォントも小さくなって、「愛しいこと」へと続きますが、ここからは寛末視点でのお話に変わるので、なおさら寛末の鈍感さや自分本位なところが露呈されて、もうどんどん嫌いになっちゃいました。
ほんとにこんな男のどこがいいんだ!!目を覚ませ松岡!優しいとこはあるかもしれない。でもちょっとズレすぎてやしないかあああっ(`Д´◎)
いや、わかってるんですよね松岡は。それでも好きなんだ。かわいそうだ。
そんな松岡が、ラストでようやく報われるのですが、そのときでさえも鈍感で酷いこと言っちゃう寛末。
もー許さん!ほんとにもういいの?こんな人で!…いいのね。
これを読んでから5年経ち、その間けっこう嫌い!と思う攻め様はいっぱいいましたが、いまだにこの人、5本の指に入る嫌いな攻めです。

ergoに掲載されていた日高さんの漫画も、ようやく意味がわかり、じーんと胸震わせています。このお話は、日高さんのイラストで2割増しじゃないでしょうか。
ここまで女装に違和感のなく、本来の姿でもなよなよしていないイケメン松岡像と、野暮ったいけどちゃんとすればイイ男ってな寛末像がぴったりで、しかもしっとりと色気のあるイラストは、お話の内容とともに心にずっしり残りそうです。

漫画にしても、読んだあとしばらく頭から離れないカップルっていますが、この二人も私の胸の中に引っかき傷を残したような、忘れがたいカップルになってしまいました。

6

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