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海を感じる作品

海洋学校の先輩×後輩のお話
学校のある島が舞台で海の景色が沢山描かれており、海風の吹き抜ける爽やかさを感じます
学校で会話する場面よりは学外での会話が多い印象を受けました
二人が付き合うまでの場面が主で、付き合う前にキス程度の軽い接触はありました

攻の鳴海くんが島までの船で酔ってしまい、介抱した受の神崎くんに興味を持って距離を縮めていきます
神崎くんは初めは塩対応でしたが踏み込んでくる鳴海くんに絆されて話すようになります
この塩対応の訳なのですが、鳴海くんによく似た神崎くんの義兄と拗れた関係にあるから
義兄は腹違いの兄弟ではなく神崎くんのお姉さんの旦那さんです
婚姻関係を解消する気も無く神崎くんにも手を出す御仁
神崎くんの方から好きになり誘った関係ですが、思いの外色よい言葉が降ってくることに却って怯えて島に逃げ込んだため今の印象はさして芳しくない様子
中盤では義兄と神崎くんの絡みがかなり色濃く描写されています
鳴海くんは詳しくは知らずともこの関係を心配し、義兄とも少しだけ話します
義兄は鳴海くん神崎くん両名に関係を綺麗さっぱり解消する気はなさそうな意味深な発言を残して帰りますが、帰りの船内で振り切ったような言葉を零していたので恐らく恋愛関係はなくなるのだろうなと感じました
あと私は彼を反面教師にしようと誓いました

当初顔が似ているから避けたかったと神崎くんは考えており、鳴海くんも少しの間 顔が似ていることを気にしていました
しかしきちんと鳴海くんと義兄は全くの別人と認識し、その上で鳴海くんが好きだと思っています
代わりじゃなく好きという描写があるのでこの二人の先に関しては安心して見られます

また、付き合いはじめた瞬間がぼかされており、二人の雰囲気だけで察する形態にしているのが好きです
神崎くんの見た目も私好みの美人さんで、束原先生の絵柄も水が滲んだ隙のようなものを感じられて素敵でした

初心者にお勧め

大学生の後輩×大学院生の先輩、そして題名にあるように植物が沢山出てくる青々としたお話です
性描写も本編最後と描き下ろしにちらっとある程度のあっさりさで、恋仲になるまでと仲を深めてゆく心の寄り添いが丁寧に和やかに描かれています

攻の七星くんは大きくて強面だけど礼儀正しくて落ち着きのある素直な子です
植物好きの受である御影くんの植物知識にも耳を傾け、ルームシェアの際には植物のお世話も覚え、付き合ってからも強引な仕草がなく、御影くんを大切にしている想いがひしひしと伝わってきます
御影くんは大切にされていると感じる度に頬を赤らめ、撫でられるだけで身体を跳ねさせ、キスをすれば力が抜けてしまう初心さがとても可愛らしいです
この御影くんの反応だけ聞くともどかしすぎるのでは? とも思いかねないのですが、言うところは真っ直ぐ言葉にして伝えているので大人しい印象は強いのにおずおずした態度に苛立つことはありませんでした

終始ほのぼのとした展開ですれ違い的な部分といえば次へ進みたいけれど空回ってしまうことと、七星くんと御影くんそれぞれの過去の話くらい
それもきちんと昇華して慕い合う場面まで繋げてくれるので最終的な心情は穏やかになります

ゆっくりゆっくり進んでいきますがもどかしさは全く感じず、ひたすら応援したくなるばかりです
すっきりしたコマ割りで読みやすく柔らかな清涼感を感じました
緑が豊富な部屋の場面も多いのに背景の抜きが大変お上手で、植物の圧が登場人物に勝ってしまうこともありません

初めて買う方は勿論、和やかな雰囲気を味わいたいならお勧めです

想い自体は純粋

同じ大学、同じ学部の咲原くん×深森くんが恋仲になるまでが中心のお話
深森くんは美人だけど近寄り難い空気を纏う子です

受が黒髪美人のものを探していてこの作品を知り、表紙の冷たい美貌に惹かれて購入しました
基本的に物語は咲原くんの語り口で進みます
初めは深森くんとも大して話したことがない状態で、周りと違わず近寄り難いとも感じていたので深森くんは表紙の通り冷たい美人に描かれています
咲原くんが深森くんと仲良くなるにつれてじわじわと美しさに温度が足されてゆき最後は和やかな雰囲気すら漂わせていました

しかし親しくなるほどにうかがえる素顔は潔白なものばかりではありません
咲原くん、深森くんの六歳上の奈木さんという人が居るのですが、彼は深森くんに対して恋愛感情を抱いていないのに歪んだ独占欲で束縛しています
束縛を受ける当の本人は劣等感をもつ自身が求められるのが嬉しくて、与えられると拒めずに相手を庇ってしまう状態です
奈木さんと深森くんの関係はみだらなこともあるけれど深森くんの想いは必要とされたいの一心で、その微妙な真っ直ぐさが若々しいなと思いました
咲原くんは深森くんを心配し、いたずらに与える奈木さんのもとへも足を運ぶこともありました
彼自身の中で悶々と処理してしまうこともある子ですが、拗れた関係を可笑しいとはっきり言えたり上のような行動力を持ち併せている点は殊の外好ましかったです

愛のない独占欲は求められていることがわかっても完全に心を満たすことはなく、深森くんも咲原くんと仲を深めると“この人ならもっと楽しかったのだろうか”と揺れるようになります
遂には深森くん自身も気づかぬうちにじわじわと想いの比重が咲原くんの方に傾いてゆきました
結局二人が恋仲になるのは奈木さんが社会からぐんと遠くなってから
ここだけ切り取ると深森くんは奈木さんが退いたから代わりにしたのでは? という見方もできるけれど、描き下ろし部分で奈木さんが退くよりも前にきちんと関係を絶った場面があるので代用ではなく心が移ったことが伺えるのではないかなと思っています

また深森くんが着用している服は奈木さんからの贈り物であることが多いらしく、それらは首元の詰まったものばかりでしたが、前半の終わり頃に咲原くんと私用で出かける際に着用していたものは贈り物でない首周りの開いた服でした
奈木さんとの関係を絶ってからはシャツの釦も開けるようになっていたので首元を詰めるのは恐らく奈木さんの束縛の一環
初期から潜在的に他人の意思を纏わず咲原くんと接したかったのかと思うと愛おしいものがあります
受の条件が好みだったので購入した本なので一貫して深森くんにかわいいという感情はありましたが、徐々に「うつくし」から「らうたし」のかわいさが味わえるようになってゆくところも非常に気に染みました