一時は、MRとしてバリバリ仕事をしていた二人がさまざまな経験を経て人生のプランBとして共に寄り添いあって生きていくお話です。
大きな何かが起こって、劇的に人生が変わるわけではないですが、小さな嬉しいや寂しいを少しずつ積み上げて今の人生ができていることを物語を通して感じられる作品です。自分の人生に少し通ずるところもあったりして、読むたび自分の人生を考えるきっかけになります。
作中で登場する久慈の「永遠に全力で走り続けることなんてできないもんな」というセリフがとても印象に残っています。吾妻の心の声でもありましたが、なんでも、パーフェクトにこなして見える久慈にもそのような一面があるのだろうか、と考えるきっかけにもなりました。
作中の久慈や吾妻のセリフは、どれもとても素敵なセリフで、ほかにも私の好きなセリフがたくさんあります。ついついせかせかしてしまいがちな毎日の中でこの作品に触れている時間は、とても心が落ち着いて、ゆったりとした時間を楽しむことができます。
話が進むにつれて、徐々に変わりゆく二人の距離感もこの作品の魅力だと思うので、一巻以降もぜひ読んでみてください。