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女性茶流さん

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感情の起伏に乏しい

 こちらの作家様の作品を読むのは2作目です。こちらのサイトで高評価だったので2作目に手を出してみたのですが、お話の世界観に気になるところがありすぎて、楽しめるほどには入り込めませんでした。

 眉目秀麗な公爵家の次男が主人公。性に奔放なお国柄とのことで、同性同士での結婚も可能な設定でした。王族とは名ばかりで、主人公の受けの実家である公爵家が国を支えています。
 そのような背景の中、冒頭からいきなり、主人公が年下の王太子殿下に求婚されます。「王太子妃に指名する」と言っているので、側妃ではなく正妃です。

 まずその時点で「???」でした。いくら性に奔放な風習で多重婚が可能と言っても、王太子妃は一人でしょうし、その王太子妃に同性を指名することに対して、他の王族も、受けの両親も反対しないのは何故なんでしょう。王家が絶対的な権力を握っているのならともかく、名ばかりの王家なら、貴族の顔色を窺う立場でしょうし、いくら次男でもそんな王家に嫁がせるメリットもありません。主人公が放蕩息子で手を焼いているわけでもなく、語学に長けていて、令嬢たちから憧れられる存在なので、公爵家の事業が上手くいっていないことを考えれば、力のない王家よりは財力のある貴族と縁組みさせたほうがよほど有益です。
 それに、貴公子のフリをやめたら廃嫡されるかな、と主人公が考えるシーンがありますが、「廃嫡」というのは普通は嫡子=長男に対して使う言葉だと思うので、なぜ次男の彼が廃嫡の心配をしているのかも謎でした。

 王太子との結婚が嫌で、「世界が崩壊したらいい」と奴隷の攻めに愚痴ったら、いきなり鳥が剣を運んできて奴隷が砂漠の帝国の王族だったことが判明。
 その後、急に攻めが駆けだして一晩走ったら王都の北に攻めの国の兵士が宰相も含めて四、五十人集まっていて、これから帝国軍が侵攻を開始するという。他国でスパイ活動する宰相のもにすごく違和感があります。

 受けは自国が帝国軍に攻め込まれ、自分の屋敷も燃えているのを目の当たりにしながら、帝国に連れて行かれることになりますが、国民や家族を心配することもなく、奴隷として仕えていたときと態度が変わらない攻めに、「実は奴隷生活が気に入っていたのか?お前の主人はこんなに美しいんだし」などと考えていて、この状況で思うのがそれ?と思いました。
 兵士たちが人の生首らしきものを運んできたときも、「両親や兄、貴族たちは平和に慣れ過ぎたが故の自業自得だ」と考えます。王太子にしつこく求婚され、両親からも王家へ嫁ぐことを期待されていた以外は、特に周りの貴族や家族から虐げられていたわけでもないのに、そんなふうに他人事のように思ってしまうところはすごく冷血な人間に思えました。
 連れ去られたあとも賓客のように攻めからも周りの部下たちからも大事にされているので、「私に恨みがあって処刑したいんだろ」と思う心情にも全く感情移入できませんでした。

 攻めが帝国に連れ戻されたのは骨肉の争いで他の皇子たちが亡くなったからですが、攻めが受けを妃にすると宣言したため、受けを性奴隷にしようと思っていた暴君の皇帝が、せっかく連れ戻した唯一の後継者である攻めを殺そうとします。攻めは毒矢を射られますが解毒剤を持っていたため一命を取り止め、好色な皇帝の閨に侍るふりをして受けが皇帝に毒針を刺します。暴君の皇帝を慕う者は誰もいなかったので、攻めがすんなり後釜に収まることとなりました。

 語学に長けていて、美しさを武器に皇帝の寝首を掻いた受けはカッコいいと思いますが、美しさを鼻にかけているせいか深刻な状況でも深刻さが感じられず、ほとんど感情の起伏がないまま読み終えた感じでした。攻めは特に苦手なところはありませんでしたが、前半は喋れない設定で、最後、皇帝を斃すのも受けなので、全体的に印象が薄かったです。
 ストーリーも気になるところが多すぎて没入できませんでした。
 濡れ場メインでなかったことはよかったです。

プラマイゼロ

 一目惚れ→いきなり一途からお付き合いが始まった続編。普通は2巻目以降は作品を好きな人だけが読むのでしょうが、1、2巻まとめ買いしてしまったので、こちらも辛口評価ですみません。

 大学生になった受けがセッの回数が多く体がきついため、攻めと会う頻度を減らすためにバイトを増やしたり、サークルに入ったりします。
 その映画鑑賞サークルで歓迎会があり、肉食系女子の先輩にロックオンされ、家までついて来られます。先輩を自分の家に泊めて自分は攻めの家に行こうとしていたところ、部屋の前にいた攻めと鉢合わせし、誤解されてしまう、という展開でした。
 サークルの人たちに背中を押されて攻めの家に行き、誤解を解いて、セッの回数が多くて体がきつかったことも正直に話すことができました。

 いくら自分は攻めの家に泊ろうと思っていたにしても、今日初めて会って、自分に対して「可愛いからもっと一緒にいたい」と言ってる女子を家に泊めるか?と思って、受けについては前回より好感度が下がりました。攻めのことも、流されて好きになったのかなという気がしてしまいます。そのあと、普通にタクシーで帰していたので、攻めの気持ちを考えるなら最初からそうすればよかったのではと思います。
 攻めと会う回数を減らすためにサークルに入ったのに、先輩を自分ちに泊めて攻めの家に行こうとしていたことにも、矛盾を感じました。
 新入生が入ってたのを喜んでいたのに、その待望の新入生が肉食系女子にお持ち帰りされようとしているのをスルーしている先輩達も、以前、それで新入生がサークルを辞めているのだから、普通は止めるところではないかと思います。

 自制できるようになった攻めは前回より好感度が上がりましたが、元セフレのお隣のお姉さんに誘われてるとき、受けが引き止める形になってしまったので、自分の意志で断るところを見せられていたほうがよりキュンときたかな思います。

 攻めの印象がよくなった分、受けが下がったので、評価はプラマイゼロといったところです。

鮫は桜に恋をする コミック

 

商業作品としては物足りない

 ヤリチンが先輩に一目惚れする話でこちらのサイトのレビューがよかったので1,2巻をまとめ買いしましたが、自分には合わなかったです。

 教室でヤッたりマンションの隣の部屋の女子大生とヤッてるヤリチンの攻めが教室で女子とセッしたあと、フェラされてるときに窓の外の受けの笑顔を見て一目惚れしたようです。そこからは即行で告白しかなりぐいぐい迫ります。ただその後も体育の時間に女子の頭を腕に抱いたりしているので、女子との距離感は近めです。攻めを諦めさせるために中間テストで学年一位取れたらデートしてあげてもいいと受けが条件を出しますが、実は攻めは万年学年一位という秀才でした。英才教育で小学生のときに高校の問題全部解いてたそうです。

 バイクでデートに行き、攻めが両親から育児放棄されていたという話を聞いたり、キスをされたりして、受けも絆された感じでした。
 その後、攻めのセフレだった女子が受けをバイの男子に襲わせようとします。受けは逃げ出したので未遂で終わりますが、攻めは襲おうとした男子をボコり全治二週間の怪我を負わせます。先生から、受けが受験生で大事な時期だからそっとしといてやれと言われ、卒業までは我慢して、卒業式のあとに改めて告白して、晴れてお付き合い開始、といった感じでした。

 女好きの攻めが同性に一目惚れ、しかも窓の外でかなり遠目だったので、かなり無理があるように思いました。頑張ってご奉仕してあげていたのに、その最中に同性に一目惚れされる女子が可哀相という気持ちの方が強かったです。攻めに対しては、「いきなり一途」な唐突感や疑問が最後まで解消されずに、好きになれませんでした。
 バイだからと女子に言われて強姦しようとする男子も、学校に訴えられたら退学だし最後までしてたら逮捕される可能性だってあったのに、恨みもない相手にそんなことするかなとリアリティのなさを感じました。実行犯の男子は全治二週間でそれを指示した女子は謝罪だけ、しかも教室に謝りにいかせるのも、被害者の心情を考えるとどうかと思います。

 流されっぱなしの受けもキャラとしての魅力は薄く、一目惚れ以外の好きになる理由が感じ取れませんでした。ただ、受けについては不快に思う部分はなかったので、攻めのキャラとストーリーだけなら「シュミじゃない」ですが、総合的には「中立」にしました。

 キャラの心情や行動がストーリーのためにある感じで、物語の中でそれぞれが自分の人生を生きているようなリアリティは感じられません。商業作品としてはかなり物足りなかったです。
 個人的にはエロさも感じませんでした。

楽しむよりモヤモヤすることのほうが多い

「俺が君を愛することはない」というお決まりの文句で始まるオメガバース+身分差もの。

 貴族の次男で騎士のα×男娼のΩ。国境の騎士団に男娼のΩが慰問にいき、運命の番っぽいαとすれ違ったことでヒートが誘発され、ヒート事故で番になります。番を解消することができ、妾を持つこともできる設定ですが、身分差のある結婚も許されているようで、攻めは受けと結婚します。ただ、結婚後の初夜に「俺が君を愛することはない」と宣言され、家庭内別居のような状況が続きます。

 まずこの時点で疑問で、妾にすることも番を解消して娼館に戻すこともできたのに、愛する気がないのになぜ結婚した?という疑問がずっとつきまといます。タイトルの「拗らせた初恋」もこの台詞と矛盾しているので、その台詞を言わなければいけなかった理由については、せめて1巻で明らかにしてほしかったです。

 一緒に暮らすうちにそれなりに気心も知れるようになりますが、攻めには元々婚約者がいて、その元婚約者が近々別の相手と結婚する予定だと聞き、自分がいなくなれば攻めはその婚約者と結婚できると考えて、受けは離婚届を置いて出て行きます。

 盗賊が頻発し攻めが忙しくしていて家に帰って来られなかったという事情はありますが、身分の低い男娼を正式な妻にしてくれて何不自由ない暮らしをさせてくれた相手に対して、一言の礼も言わずに離婚届だけ置いて出て行くのは、あまりに身勝手な行動に思えます。番を解消しないことには娼館で働けないのに、それもせずに都に戻って娼館で働こうと決めているのも、すごく短絡的に思えました。
 攻めの元婚約者についても、思い合ってる相手との縁談なら、こちらが離婚したところで攻めと元婚約者が結ばれるとは限りませんし。
 盗賊が頻発している中で、主人の許可も得ずに妻であるΩを勝手に出て行かせる使用人たちにも、「いやいや。引き留めて主人に連絡して指示を仰ぎなさいよ」と思ってしまいました。

 案の定、乗合馬車が盗賊に襲われて同乗していた女性をかばう形で受けが盗賊の男たちに襲われますが、ここにきて急に自己犠牲の精神が発揮されるので、切なさよりも唐突な印象を受けました。攻めから結婚を申し込まれた際、攻めの立場を考慮して男娼の自分は妻にはふさわしくないと身を引いていたり、攻めにちゃんとお世話になった礼を言ってから出て行くなどの他者の立場に立って物事を考えられるエピソードがあれば、もう少し受けのキャラクターに一貫性を感じられたのではないかと思います。

 攻めが受けのことを好きなことは1巻でも読み取れましたし、最後は攻めが助けに来たっぽい感じで終わっていたので、2巻には進まず読了することにしました。
 冒頭のキャッチーな台詞もそうですが、普通はこうしないんじゃないかなと思う言動に対してちゃんと納得のいく背景や理由が描かれていたなら2巻まで進んだと思います。

終始あっさりしている

 旅館の次男×地方アナウンサー。アナウンサーの受けは大学時代に攻めの実家の旅館でバイトしたことがあり、攻めが初体験の相手。攻めも男は受けが初めて。
 攻めはコンドームを常備していて自分とこの旅館の仲居に手を出すようなヤリチンです。
 社会人になってゲイバーで再会した後ホテルに行き、攻めが2カ月限定のヒモとして受けの家に転がりこみます。
 その後、攻めが俳優をしていたことが判明。2か月待たずに攻めが受けの家を出ていこうとし、引き留めようとして受けが告白し、お互いに両思いだったとわかります。攻めが家を出て行こうとしたのは、実家の旅館を手伝うためでした。

 特に前情報なく作家読みでしたが、仲居に手を出していたような攻めが受けを好きになったことについて、「受けだから」という必然性が感じられず、受けもお仕事頑張ってる以外は印象の薄いキャラで、最後まで気持ちが盛り上がることなくあっさりと読み終えてしまいました。

面白かった

 ちょっとナルシストなサラリーマン×引っ越した部屋に憑いていた地縛霊。

 オカルトですが、ラブコメなので全然怖さはなかったです。
 攻めが引っ越した部屋には地縛霊がいて、男に抱かれたら成仏できるから、抱いてくれと迫られます。霊なので普段は触れませんが、霊が触れたいと思えば生身の人間のように触れられる、という設定でした。最初は除霊しようとした攻めでしたが、徐々に絆されていき、成仏してくれるんなら抱いてあげてもいいかなという気持ちになります。ただ、甘い雰囲気になると受けがテンパってポルターガイスト現象が置き、物が浮いたり飛んだりするのでそれ以上先に進めない感じでした。
 
 受けのことが気になりだした攻めが不動産会社に問い合わせて、住んでいる部屋が事故物件ではなかったことから、受けが実は死んではおらず、ベランダから落ちてこん睡状態で今も生きていることが判明します。攻めが自分の体に戻ってから会いに来るよう伝えて、受けはいなくなります。
 体に戻るまでの間の受けの回想シーンで、実は攻めと受けは同じ大学で、大学の頃に受けが攻めに一目惚れしていた事実が明らかになりまます。身体に戻った後はあっさり目が覚めて、受けが攻めに会いに来て、ハピエンとなりました。

 人間対幽霊でハピエンにするなら、実は死んでいなくて生き霊だったことにするのが一番シンプルなので、展開は予想ができましたが、攻めと受けが大学の同級生だったという設定は予想外でした。大学生の受けが住んでいた部屋に社会人の攻めが引っ越してくるというのもかなり偶然が過ぎるので、初対面のほうがすんなり受け入れられたかなと思います。

 ぷっと笑える場面が結構あって、ラブコメとしては面白かったです。

びっくり

 Amazonさんで評価が高かったので拝読しましたが、ちょっとびっくりしました。

 Ωが委縮して夜の相手ができなくなるくらい威圧感が強い王弟αが嫁を探すことになり、Ωとしては行き遅れている騎士の受けにも声がかかります。顔合わせで受けが委縮しなかったことから王弟の妻に選ばれた、という話でした。
 それぞれの背景については説明があり、国の英雄である攻めに受けは以前から憧れていて、といったことは書かれていますが、他の方もレビューされているように、顔合わせからいきなり婚前交渉、いきなり溺愛、いきなり結婚という感じで話が進んでいき、それ以外のストーリーがないので、知らないキャラの二次創作を読んでいるような気分でした。

 全体の半分近くまで婚前交渉で、やっとエチが終わったと思ったら、結婚式を挟んで初夜になります。出来上がってるカップルのベッドシーンやイチャイチャを読みたい方はそれでもいいのかもしれませんが、人物像や惹かれ合う過程をエピソードで読みたい人にとっては、かなり物足りないと思います。
 
 無双で妻を大事にする攻めも強いΩもキャラとしては好きなので、キャラだけでも好きになれるときは『萌』評価にしていますが、こちらはあまりにも読み物として楽しめるストーリーがなかったので、『しゅみじゃない』寄りの中立にします。『しゅみじゃない』にしなかったのは、不快に思う部分はなかったからです。

モヤモヤが残る。

 ちるちるさんで評価が高かったので拝読。ピッコマさんで全話無料で読めます。
 成金貴族のαと、名家だが没落貴族のΩの政略結婚の話でした。

 結納金目当ての結婚ですが、受けは幼い頃から攻めを慕っていました。何故か二度目のヒート以降、攻めは「別にヒートを起こしたからって死ぬわけじゃないだろ?」とわざと傷つけるようなことを言って、ヒートのたびに外出するようになります。結納金は最初に半分が支払われ、子供が生まれたら残り半分が支払われる予定なので、受けは実家から子作りをせっつかれており、辛い立場におかれます。

 子供の頃に攻めからオモチャの指輪を渡されてプロポーズ的な告白をされていたり、ヒートのとき以外は溺愛モードで言葉でも好意を伝えられるので、両片思いであることは序盤でわかります。よって、なぜヒートのときだけ拒絶するのか、というのがお話を読み進める上で一番気になる点になります。
 
 結果的に、実家からの手紙に「子どもを産むまでは実家に帰ってくるな。ひとりでも産めば契約金が手に入るからその後離婚しろ」と書いてあったので、それを読んだ攻めが子どもが生れたら受けが実家に帰ってしまうと思い、行為を避けていた、というのが真相でした。
 既に跡取りは他にいるから、受けが実家に出戻って来ても迷惑なだけだろうに、なぜ実家は手紙にそんなことを書いたのか疑問が残りました。子作りを避けるだけなら、あえて傷つけるような言葉を言わなくてもよかったのではとも思い、スッキリ感は薄かったです。

 また、元々、こちらは神評価が18あったのですが、試し読みを読んで戻ってきたら、いきなり18→14に減っていて、こちらを収録したアンソロジーの作品だけが、他の作品も同じタイミングで神評価が2つずつ減っていたので、お話の内容以上にそちらのほうがモヤっとしました。

攻め受けが期待したのと逆だった

 前情報なしに絵が好みだったので読みました。
 アパートで独り暮らしをしている春田は部屋の前にいた美形な高校生の椿井に声をかけ、部屋に上げます。椿井は派手な見た目で殴られたような痣があり、春田は不良と認定しました。
 その後、椿井は春田の部屋に入り浸るようになり、泊まるようになりました。深夜に椿井が部屋を物色していることに気づき、春田が咎めます。
 春田はお父さんを事故で亡くしていて、その原因が、椿井の兄が赤信号で信号を渡っていたからのようです。春田が暮らしていた部屋はその前に椿井の兄が住んでいて、兄がそこに置いて来たものを取るために、椿井は部屋を物色していたようです。
 春田はそれを信じられず、椿井との縁を切り、引っ越します。

 それからしばらくして引っ越し先にも椿井が来て、300万を渡されます。椿井が部屋を物色して探していたのはそのお金で、椿井の兄が春田親子に渡すために貯めていたものでした。以前、春田母が椿井家に慰謝料として300万渡していたため、それを返した形です。
 椿井は春田に好きだと告白し、隣人が大学を卒業し部屋が空き、椿井が春田と同じ大学に入学したのを機に隣に引っ越してきます。この巻は元の友達くらいの間柄に戻ったところで終わっていました。

 椿井は見た目が派手なだけで、いい子すぎて不良とは言えないんじゃないかと思います。椿井の両親についても、ネグレクトに近いのかなと思っていたら、一人暮らしさせて大学にも行かせているし、バックグラウンドがわかりにくかったです。
 椿井の兄が引っ越しするとき、なぜ300万を部屋に置いて行ったんだろうと思いますし、それを取りに来たのなら金の在り処も教えていただろうから、あちこち物色する必要はなかったように思います。
 春田の父が加害者ということになっていますが、赤信号で渡っていたのなら、歩行者のほうが過失割合は多いと思います。車を横転までさせて回避しようとしたわけですし。
 そういった感じで気になるところが多々ありました。
 自分の兄が春田の父を殺したようなものなのに、春田のことが好きだからと椿井が隣にまで引っ越してきて絡んでくるところも、好きになれませんでした。

 ちるちるさんを見て椿井が攻めと知りました。それも、個人的には期待から外れていました。

絵やキャラは好き

 広告制作会社の営業とデザイナーで元々幼馴染の二人の話。受けのヒナがブラック企業に就職し疲弊しているのを見て攻めのハセが同じ会社に誘ったようです。ハセは人たらしのモテメンでヒナはそんな彼に昔から片思いしていました。高校生の頃に同性が恋愛対象だとカミングアウトしましたが、「親友のことそんな目で見てねーから」と自分から牽制してしまいます。
 たまたま一緒になった出張で相部屋になって(旅館みたいに和室で布団を並べてた)、ハセが寝ている横でAV見ながら自慰をしていたらハセが起きて一緒にする流れになりました。見られたくないからという理由でお互いに向かい合って自慰をすることになります。
 直後、ヒナは風呂に逃げますが、ハセの「やっべ、やりすぎた」という台詞で両片思いであることが判明しました。 

 結果、セフレのような関係になりますが、ハセのことを好きな女の子が出現し、ヒナが身を引こうとしてハセが追いかけて、ようやくお互いに気持ちを伝えあえてのハピエンでした。

 初エッチがオフィスというのは引いてしまって萌えきらなかったです。
 ストーリーにもあまり真新しさを感じられず、これといった印象が残らないままにさらっと読み切ってしまいましたが、絵が綺麗だし攻めも受けも好きなキャラで、最後まで楽しく読めました。同じ作家様の新作が出たらまた読んでみたいと思います。