聖なる黒夜、私立探偵・麻生龍太郎を先に読んでからその後の彼らを求めて読みました。RIKOシリーズ2作目。
母となった緑子が、人探しの過程で刑事を辞めて私立探偵となった麻生と再会します。
酒を飲みながら緑子に自らの「辛い恋」を話す麻生。これが凄かった。麻生の口から出たとは思えない惚気の数々。麻生の煮え切らない態度にムカつくこともあったけど、練をちゃんと愛してるんだな、と安心しました。
そんな麻生が練のためにとった行動が衝撃的で、どうしてと問う緑子に告げた言葉には胸を突かれました。
麻生と練、2人の気持ちは同じなのに本当にままならない。
主人公である緑子は読み手の好き嫌いがはっきり分かれるタイプですね。部分的に共感は出来ても女の部分が強すぎて個人的には苦手でした。
同性愛要素がある一般小説としてあまりに有名な作品ですが、そんなことはつゆ知らず何となくあらすじに惹かれて購入。どんどん引き込まれあっという間に下巻まで読み終わりました。
そして山内練にどっぷりはまる。あまりに哀しくてあまりに魅力的。坂道を転がるように堕ちていく姿が辛かった。
ミステリとしても面白いけど、この作品は麻生と練の恋愛小説ですね。そこに韮崎や及川らが複雑に絡んでくる。
サイドストーリーの歩道は、注意書きの通り下巻まで読み終えてから読んだ方がいい。そして上巻を読み直して欲しい。あの日自分を逮捕しに来た麻生、韮崎が殺され10年ぶりに目の前に現れた麻生。その時の練の気持ちを想像すると堪らなくなる。
RIKOシリーズ最終巻。色々突っ込みどころや矛盾はあるけど面白かった。
猟奇殺人事件を捜査をしていく中で、前作ではただただ残忍で冷酷だった練の過去、麻生の罪が明らかに。
練の姉・雛子も登場。雛子とは縁遠いパソコンを買った理由を考えた時切なくなった。朽木を紹介するページも、故郷を失った弟に届けるためかと思うと泣ける。麻生は雛子に恨まれてるけど、誤認逮捕した挙句、一年も保たずに練から逃げたんだから当然だと思う。
例の麻生と緑子のシーン、だだの暴走した感情の発散だと捉えたので割と平気だった。嫌な人の気持ちもよくわかるけど。
緑子の性格と尻の軽さは嫌いだけど、父親からの虐待じみた育てられ方と女性性の否定、警察組織で男に傷つけられ踏みにじられてどこか壊れてるんだろうな、と考えたら納得出来た。その辺は練と少し似てる。
余談だけどウスバシロチョウの学名、日本のものはグラシアリスではなくなっちゃって残念。綺麗な名前だったのに。
月神の浅き夢の後の話、聖なる黒夜の続編である海は灰色が現在第一部まで発売中です。2人の行く末が気になる方は是非読んで欲しい。
聖なる黒夜から8ヶ月後、刑事を辞めた麻生のもとに練が帰ってくる。
綺麗さっぱり足を洗わせたい麻生と、麻生との未来を描きつつも色んなしがらみもあり決断出来ない練。どんどんすれ違いが大きくなるのが読んでいて辛い。
麻生の言ってる事はすべて正論なんだけど、一番肝心な練の気持ちに寄り添ってない。おまけに自分は元妻を引きずってる。不満に思っていたら、田村が思ってた事全部言ってくれました。初出でのクズっぷりが信じられないくらい良いキャラだなぁ、田村。
短編集の中ではアレキサンドライトの話が印象深かった。アレキサンドライトと自分を重ねて、2つの性質を持つ石なんて嫌いだろ?と麻生に言う練が悲しかった。練は麻生に今の自分、綺麗ではない部分も受け入れて欲しかったのかな。
結局2人の蜜月は数ヶ月で終わり。同じ年の秋頃の話である聖母の深き淵に続く。
本当に待望の続編。連載版を読んでたけどまさか発売するまで10年かかると思わなかった。
時系列としてはRIKOシリーズ最終巻・月神の浅き夢のあとで、数年は経っていそう。元妻の手掛かりを求めて訪れた温泉街で事件が起き、押しかけてきた練と2人、調査することに。やっぱり麻生といる時の練は雰囲気が柔らかくて可愛いなぁ。
麻生は練と別れて、冤罪事件も放ってまだ玲子玲子言っとんのかと苛立ちましたが、長い年月をかけて麻生の中でやっと答えが出た模様。
ラスト近く、ある人に麻生が練をどう思っているのか語るシーンは、聖母の深き淵での惚気くらい衝撃を受けました。そういう事は本人にも言ってあげて欲しい。
これから二部、三部と続きますが、麻生と練が好きな人は絶対に読んでほしい。
ウルフハウンド続編+短編+クロスオーバーという構成。表紙とカラーイラストが最高に美しい。
弥勒×邑
ホスト引退という大きな節目の時に届いた報せ。
悪態を吐きつつも動揺する姿が痛々しいけど、弥勒の言葉に背中を押されて過去と決別出来て良かった。
ホストでなくなった邑を抱く弥勒の台詞はホストBL界の名言では!?朝日を眺める邑の清々しさが印象的。
3〜4話ではずっと気になっていた現在軸の2人が登場。2人ともめちゃくちゃ格好いい!邑は相変わらず美!ながら少し柔らかくなった印象で、弥勒はすっかり大人の男に。弥勒の肩書にびっくりだった。
今回一番衝撃だったのがextraでの邑の言葉。
弥勒が10年かけて邑を変えたんだなぁ、と感動した。
タマ×ミヤ
相変わらずのラブラブっぷり。そしてエロ担当。タマの弟が格好よく育ってる〜。
タマミヤが邑への信用ゼロなのに笑った。
有朋×野田先生
野田先生がピュアすぎて心配になる。ホスト業界なんて絶対そんなに綺麗にじゃないw
コンプレックスの原因となった姉も登場するけど、有朋の言葉で少しずつ自信を持っていけそう。
ホストシリーズファンとしては大満足な一冊だけど、私は強欲なのでまだまだ彼らの話が読みたい!
青くて苦いで存在感ありありだったオーナー・邑の話。
邑の金や愛への考え方や倫理観を歪ませた原因である生い立ちが明らかに。母を慕う幼い頃が可愛くて切ない。
少し気に入ってる手駒、くらいにしか見てなかった弥勒に秘密を知られてから変わっていく邑がとても良かった。あの邑が弥勒を意識して動揺してるのがすごく可愛い!
秘密を共有して心理的な距離が縮まる上、絶対に自分を裏切らず、守ってくれる。邑が惹かれて本命とするのも納得。
高校時代のミヤ(蓮)も登場するけど、この頃はまだ邑が好きだろうから色々不憫。蓮からすれば突然現れた変なやつがいきなり邑の本命になっちゃったしここから2年間、3人での同居生活が始まるし。
青くて苦いでミヤの扱いが酷かった邑だけど、弥勒に嫉妬する蓮をいじらしく思ってそうなあたり、邑なりに情はあるし可愛がってはいたんだろうな。
今作での邑と弥勒の関係は、あくまで特別枠止まりという感じなので、やはりKING IS DEADまで読んで完成する作品だと思う。
芽玖いろは先生の描く男たちは皆美しいし色気があるけど、邑は特に凄かった。さすがNo.1。これほど魔性とか色悪という言葉が似合う人もいない。
個人的に強気(俺様)受ってあまり好きじゃなかったけど、それをひっくり返すくらい面白かったし大好きな作品。