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ちるちるの一般小説だけどBL風味?みたいな最近のニュース記事で教えてもらった作品。好みのどストライクでした。ちるちるさんありがとう。
分厚い上下巻だし、ミステリーとしても重厚だし、魅力的な女性もたくさん出てくるし、男女の絡みもあるしBLとは決して言えないんだけど、主役は麻生龍太郎と山内練で2人の愛憎溢れる複雑かつ皮肉な運命の関係がこのシリーズの主題だと思うのでそういう点では立派なBLだと私には思えます。BLみたいに甘い関係ではないけど絆はそれよりも太いとさえ思えます。
なのでミステリーとしても優れているけど、BL面に重きを置いた感想、行かせていただきまっす!忘れちゃいけないのが捜査四課、いわゆる組対という警察でも1番荒々しいイメージの課に属している及川。攻めで捜一の麻生とは大学剣道部の先輩後輩の仲でそれ以上の元彼みたいな関係でもあったらしい。ここにものすごく萌えた。皆の前では名字なのに2人きりの時は今だに龍、純、と名前で呼び合う仲。ギャー萌える!しかも当時は麻生が受けだったらしいよ。
しかし本編最大のエロカワヒロインは受けの山内練。彼の数奇な運命、優秀な大学院生→刑務所で2年間色々な男のオンナにされる→出所後ウリセンバーで男娼→最凶ヤクザに拾われ愛人になる→元の頭の良さを生かしヤクザの関連企業の社長に。元はといえば本人に全く非はなかったのに坂道を転がり落ちるような怒涛の人生です。しかし白檀の香りがする体臭を持ち男を狂わせる魔性の美青年の面も持っているなんて一般小説でこんな美味しい設定のキャラクター…あざっす!としか言えないですね。
麻生×練が公式カップルですが及川が練を抱いてるシーンもあるし、練も可哀想な運命だけどやられっぱなしの性格ではなく、頭が良くボクシングも強いカッコいい受けです。及川が麻生に今でも片想いってのが萌えポインツ。ある意味麻生も魔性の男。3Pしちゃえばいいのに、なんてつい思ってしまいます。このキャラクター達の出てる関連作も早速買ってしまったので楽しみです。
ヤクザBLのBL成分が多いと英田サキ先生の作品みたいになるし、ヤクザ成分が多いと今作みたいになるのかな?と思いました。どっちも大好きさ!
不朽のBL小説100選に選ばれていたので、期待し過ぎました。
個人的にはストレスフルな小説でした。BL部分以外の内容(ミステリー)がお粗末で自分には合わなかったようです。一般小説でBL的な要素を楽しめる事に何より重きを置く人にはいいでしょうが、それ以上のものを求める人にはオススメしにくいです。
上下巻合わせて1300頁とかなりのボリュームで、「こんなに長いからには何か得られるものがあるはず。予想を裏切るすごい結末が待っている…」と忍耐強く最後まで読んで力尽きました。
以下辛口でネタバレレビューになります。
真相にリアリティが無さすぎです。一般○○三人が対抗勢力も倒せなかった暴力団幹部を殺したっていう設定に萎えました。いくら××を殺されて怨念に取り憑かれて復讐といっても無理がありすぎで、話が全く入ってこなかったです。ジョークだと思い、最終的にはどんでん返しが起こると思ったら、まさかの真相で驚きました。
最後に明かされた第三の○○も下巻の最初で「まさかね…」と思ったら、本当にそういうオチで…。簡単に展開が読めるベタすぎる展開でした。
魔が刺した善人が裁かれ、悪人が蔓延る世の中を刑事が嘆くのも、ありきたりすぎてクるものがなかったです。自分に無い視点を知って考えさせられたり、予想もつかない展開を見たいが為に小説を読んでいるだけにガッカリしました。
刑事の日常を知る意味では面白かったし、キャラクターには味があったのですが、肝心の真相にリアリティが無かったので、ニアホモにもハマれませんでした。しっかりとした骨のある設定やストーリーがあってこそ…のBLやブロマンスだと実感しました。評価の高いBL小説はそこは満たしている作品が多く、そういう作品に普段慣れているので物足りなかったです。
もう一つの大きなストレスの理由が、この小説ではBL的なものを期待させるシーンが描かれた後に同じくらいNLがみっちり描かれる事です。一般小説なのでバランスを取られているんでしょうか?
BL小説やBL要素が皆無の一般小説は読みやすいですが、BLとNLが交互に入り混じる小説にこんなにストレスを感じるとは…。遠近両用のコンタクトレンズに慣れるまでの間もこんな感じでしょうか?ピントを合わせるのが大変でストレスでした。
要は、前半でリタイアするほど面白くない訳で無く、後半の中途まで読み進めて始めて「意外と内容が深く無い?展開が冗長?」と気づいた頃は遅く…。ここまで長編でなければ、ストレスは無かったと思います。使った時間や労力を思うと…。長編小説を読むのも勇気がいると思いました。
この作家さんのカラーにも馴染めなかった部分もあります。最初は「男性が描いているのか?」と思ったくらい硬質な部分と女性的な部分も具有されている特性が個人的には合わなかったようです。硬質なら硬質、女性的なら女性的で突っ走って欲しかったのが、個人的な感想です。中途半端で読んでいてモヤモヤしました。
作家さんが向かいたい場所が見えてこなかったです。
ミステリとして始まった上巻。下巻では、むしろがらりと変わって二人の愛の物語の様相を呈してきます。
長回しの科白が増え、作者の言いたいことが登場人物の口を介して切々と語られます。決して読みにくくはありません。が、そのセリフの奥に作者の言葉が透けて見えるところがやや残念。あくまでも生きたキャラとして動かして欲しかったな、と思います。
謎解きの方は、キーとなる人物は上巻である程度予想できます。材料は情感で出そろっていて、下巻でぐるぐるに絡まった糸をひもといていくのですが、都合のよい展開が目につき、ミステリとしてはややまずさが感じられます。
しかし、これはもはやBLだという認識だった私には、むしろドロドロとした感情の吐露によってBL的クライマックスに到達する爽快感がありました。
「愛してる」「俺もだ」みたいな安易な展開とはオサラバです。何でもないような言葉の裏に、どうしようもなく切ない恋心が込められていて、心を揺さぶられます。それから、ただ愛していて、お互いしか目に入らない、そんな中高生の恋愛ではなく、二人以外の人間との関係、怖さ、憎しみ、慈愛、など複雑な心情が絡み合い、リアルです。
現在のカテゴリ分けだとミステリですが、やはりこれはラブストーリーだと思います。こういったタイプの本を特集して欲しいですね。自分で探すのはなかなか大変なので。
こういうクオリティのものを読んでしまうと、今後積ん読を消化できるんだろうかという気になります。
「聖なる黒夜」は非bl作品です。なので男同士の関係はサラッと、匂わせる程度なのかと思ってました。濃いめの友情な感じかな、なんて予想してたのですが、全然違うとすぐに分かりました。
この作品は「匂わせる」を越えてしっかりそこのところが描かれています。
☆ここから激しくネタバレしますので、ご注意ください☆
まず、主人公の麻生龍太郎。彼は初めは妻に一方的に離婚された男として出てきますがたまげましたね、麻生はバイなのです。だから練を誤認逮捕してしまった時に判断が狂った・・・といえるんでしょうね。
傑物、山内練も根本的にゲイ(受け)であっても、女性とも致せると。練の甘い体臭はいいなあ、本気で羨ましいです。
それに及川、彼も非常にいい味出してましたね。魅力的なキャラです。剣道を介しての麻生との関係にはゾクゾクきました。
韮崎もバイ、この男は天性のバイですねー。本文にもありましたが、ここまでモテたら本望でしょう。
男たちの関係がここまでしっかり描かれているとは思ってませんでした。麻生と練もちゃんとヤリますからね。
でも、やっぱりこの作品はblではないのですね。主人公も練もボーイズではないですし。
ただ間違いなくときめきましたよ、極上萌えがありました。文庫版に収録されているサイドストーリー「歩道」と「ガラスの蝶々」も読み応えがあり、良かったです。
この作者さんの作品はこの聖なる黒夜上下巻しか読んだことありません。
下巻の疾走感がすごかったです。
元々泣けると聞いて読んだ作品ですが、心が苦しくなる涙が出ます。
恋愛の涙だけでなく、男女の恋愛の涙、裏切られた苦しい涙。
作中の言葉にもあったように輪廻転生があるならば、この事件に関わった人たちが、いつの時代かわからない過去に出会っていて、こうなる運命だったのかもしれない。運命めいた関係だったのかもしれないと感じる作品です。
麻生と山内の間は愛という言葉よりは憎悪や懺悔そして2人が運命に従った結果のような気がします。
及川、山内のどちらかが死んでしまうのかなとヒヤヒヤしましたが、最後はハッピーエンドと言っていいのでしょうか。
きっと麻生は一生山内に翻弄されて生きていくのかなと感じました。
BLではないと分かっていますが、及川も幸せになってほしい・・・そんな気持ちです。