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表題作所轄刑事・麻生龍太郎

及川純,本庁刑事
麻生龍太郎,所轄刑事

あらすじ

麻生龍太郎は25歳の新米刑事。下町の刑事課強行犯係に配属され活躍する。恵まれた警官人生を歩みながら人には明かせぬ秘密を抱えて生きる麻生。のちに辣腕刑事となる男の「それ以前」を描いたミステリー連作短編集。

作品情報

作品名
所轄刑事・麻生龍太郎
著者
柴田よしき 
媒体
小説
出版社
新潮社
レーベル
新潮文庫【非BL】
発売日
ISBN
9784101396255
3.3

(3)

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萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
10
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

25歳の龍太郎!

ピチピチの若さの20代で、呼び名も麻生ではなく龍太郎。でもやはり周りの同世代同僚よりは落ち着きがある…というか老けた性格の印象。彼が様々な事件を通して刑事として成長していくストーリーですが、腐女子が気になるのはチョコチョコ出てくる交際中の先輩刑事、及川純の存在。彼は大学の剣道部の先輩でもあり、彼の引退試合の夜に愛が芽生え、付き合い始めたらしいよ。キャ!(萌)

20〜25歳まで付き合ってるってかなり先輩に青春を捧げている麻生龍太郎。でも「本当に俺はゲイなんだろうか。これでいいんだろうか」と毎日心で泣きたくなるほど悩んでいます。純の方は潔くゲイを認めていて麻生の葛藤もわかるから辛い切ない。彼には本当の愛があるからね。今作から約20年後の設定のリンク作「聖なる黒夜」を読めばわかりますが。

龍太郎の後の恋人・山内練によると「及川さんはあんたに女になって欲しかったんじゃなくて、あんたの女になりたかったんだよ」って…何それ萌える。強面の捜査4課で剣道世界一だった男が精神の根っこは女だなんて。でも同族の勘というか同じ人を愛してしまったからその意見は的を得てるんだろうな。

及川さん、さりげなく部屋の合鍵を龍にあげようとしたり、一緒に暮らそうと誘ってますが、その度にはぐらかされています。でもプライド高い人だから絶対に自分からしつこくは言えないの。そこも萌ええ。意地っ張りなのはやはり受け気質だ。

龍太郎は純に対しても元妻に対しても練に対しても、愛する人への態度が常に煮え切らないというか、優柔不断というか、事件に対するのと同じく石橋叩きすぎるのよ。あれはもう性格だから仕方ないのか。主役だから心情とかモノローグ部分が多いのにあんなに不可解な人物は珍しいです。そのミステリアスさが、彼の魅力の一つで色々な男を惹きつけてしまうのかもしれません。

追記…「フォー・ディア・ライフ」からのハナちゃんシリーズ5冊も購入しました。あまりBL要素はないけど山内練はじめ、聖黒シリーズのキャラが続々出てくるのでファンはニヤニヤできます。

3

甘食

どこにこの感動を書いたらいいかわからないからここに書いた。2022年7月21日発売の今作の角川文庫版読んだー!なんと書き下ろし短編に及川純が出てきた。マンションに引越ししてからもう新しい彼氏できてた!若いイラストレーターの前の彼氏はなんと年上カメラマン。まさかの「純くん」呼び。萌ええ!及川さん男を切らさないモテモテの魔性のゲイか。でも龍の事は特別なのよね。忘れられないのよね。ああ切ない。

先輩後輩のビターな恋模様

『聖なる黒夜』の麻生龍太郎がまだ新人刑事と呼べる時代のお話でした。
本作では龍太郎と付き合っているのは大学の先輩で、警察としても先輩で恋人の及川。

非番の前夜に及川の部屋に泊まる…という関係が続いているようです。
だけど決して順調な関係ではなくて、龍太郎は及川が運命の相手だと思いながらも違和感を感じていて、それを及川も感じとっている様子なんですね。
微妙な関係の2人だから、曖昧な気持ちを少しの間だけでも忘れたくて、深酒になってしまう…そんな習慣はベテラン刑事になっても、探偵になっても続きます。

及川はマンションを購入することになり、龍太郎にさり気なく一緒に住もうと言うのですが…ラストで龍太郎は本庁に移動になりますが、寮を出ることはありませんでした。
龍太郎と及川の関係の終わりの始まりだったんだと思います。
いやぁ、なんとも切ない。

2人について書きましたが、龍太郎の刑事としての話がメインです。
恋愛の記述は少しなんですよ。
もう少しあれば、もっと萌えられたと思います。
しかし非BL、ミステリー小説の中の貴重な萌えでした。

2

角川文庫には書下ろしがあります

本作は「聖なる黒夜」の麻生と及川の若かりし頃が読める唯一のタイトルです。二人とも大人っぽいので20代の男子には思えませんが、特に及川は確固たる自分を持っていてゲイであることを公言しているのもすごいです。麻生とのやり取りを見ていても適度にスパダリと人間臭さを兼ね備えてモテ男っぽい余裕を感じます。が、会話の端々に臆病な顔が見え隠れするので、麻生に受け入れてほしいといういじらしさを感じました。ある意味、麻生が好きだった頃が及川の人生の絶頂期だったのかも。及川は麻生が本気で好きで、振り向いてほしくてたくさん頑張っていたんだと思うと・・・切ないです。「聖なる黒夜」の及川がどこか刹那的なのも、ある意味失恋を忘れるために仕事に打ち込んだ結果なのかなと。彼には幸せになってほしい!と思いました。(そして及川についてこれ以上の情報がないのがより切ない)

ちなみに、角川文庫の方には書下ろしがあるので、なるべく角川文庫で読むようにしてください。新潮の方には書下ろしないのでご注意を。(私が間違えたので念のため)

1

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