6作品プラスコラム3点のアンソロジー。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「歓迎‼︎満・腹・亭〜あなたの淫紋満たします〜」とのまろ
男女問わず淫紋が出ると特殊な空腹感に襲われ、精液を摂取しないと収まらない…という設定。
その空腹を満たすのが「満腹亭」(風俗?)。
リーマンの八鬼は急に淫紋が浮かび、苦しくて満腹亭へ。
キャストの2人が、初めてだという八鬼に上の口からも下の口からも存分に…
…はいいけど実は!
満腹亭は女性向け店舗。八鬼が好みだったからお相手しちゃったよ、というお話。
絵柄はとても良い。
「淫紋シールを親友に貼ってみた」鈴木はこ
ずぼらな充史の世話を焼く友人の冬留だが、充史が面白半分に「淫紋シール」を貼ったら急に様子がおかしくなり…
疼いて淫乱になった冬留を抱いてしまった充史。事後は気まずいながらもラブが芽生えそう?
「やらしくなるからまっててね」緒川園原
色々なアンソロで何話も展開しているらしい「翼x志麻」の一編のようです。
年の差10才でHでの体力の差に悩む志麻は、ネット通販で怪しげな薬を買ってみるが…
淫紋が出て一晩だけ絶倫受けになったよというお話。絵柄良し。
「平凡な俺が淫魔と「共鳴」なんて!」しえろ
姉に連れてこられたホストクラブで酔っ払った英太。気がつくとオーナーの陣(実は淫魔)に貪られ…
すると、英太の体に淫紋以外にも他の紋「共鳴淫紋」が浮かび上がり、陣の運命の相手だった事が判明します。
「腐男子ですが、淫紋が出たらBLフラグが立ちました!」波野ココロ
腐男子リーマンの高野が、あるBLゲームをした後に淫紋が出現、次々とBLシチュエーションに遭遇し、そのまま彼氏ができました。
「これは淫紋のせいでテメーが好きなワケじゃねぇ!」一色藤
ケンカ番長の多々良は、別クラスの海瀬の強さが気になっている。ある日海瀬に呼び出されると急に淫紋が浮き出し、海瀬にときめいて勝手に乗っかってしまう。
実は海瀬は多々良が好きで、お地蔵さんに願いをかけていました。
Special short
1 k.kうさこ
DT同人作家xヤリチン幼馴染パターンで淫紋甘々アホエロが描きたい、との事です。
2 ずんだ餅粉
インキュバスxほだされ神父で2ページ。
3 ホン・トク
表紙の美人淫紋さん。社内で同僚と…のイラスト。
表紙は美しい。緒川先生、とのまろ先生が良かった。
エロ多めが多い印象ですが正直…淫紋縛りで6作品はツラいかも。
単話x4話で完結。電子単行本としてまとまりました。
プラス描き下ろし漫画24ページ!
いつも面白い斑月先生の作品。今回も奇抜です!
主人公は42才リーマンの村石。
体調不良が続き、これは「つわり」では?と感じ始める。
なぜなら、身に覚えがあるから。
酔って、誰かに抱かれ、その男が「中に出した」と言っていた事だけを覚えている。
俺はママになるのか?いやパパか?相手は誰なんだ…⁉︎
ホントに着眼がおもろい。
で、ギャグの面白さと同時に、どこかひんやりとしたキモチワルサ、もっと言えば微かなホラーみも感じさせるところが凄くいい。
私のお腹にいるのは一体ナニ?
…っていうのはどこか原始的な恐怖感だし、誰の子?ってのは実際になったら超恐怖!
身に覚え…ってのが抱腹絶倒ターンのはずなんだけど。
2人の候補がいて、ここの解明が始まるとこれがまた…。
うわ〜……となりますよ。
誰の子なのか。この子は生まれるのか。一体何があったのか。
笑いとかすかな恐怖感。また一つ新機軸を見せてくれた斑月先生、さすがです。
まだまだついていきます。
第169回芥川賞候補作の一般文芸。
限りなくご自身をモデルとした私小説、「デッドライン」「オーバーヒート」に続く三部作的作品。
純文学って…正直始まりもなければ終わりもない…って感じで、本作もそんな感じ。
何か一つのはっきりした物語はなくて、承だけがあって起も転も結も無い…ような読後感。
時間軸的には、第一作「デッドライン」の前。主人公は高校生です。
「デッドライン」「オーバーヒート」では主人公は「僕」だったけど、本作では「志賀達也」という名があり、より客観視されて距離感がある感じ。
時は1995年。
その年のオウム真理教の事件とか阪神淡路大震災が世の中の空気感にはあって、でも舞台である宇都宮では希薄、しかしうっすらと波のように漂い。
達也は頭が良くて進学校に通っている。まだ性的指向は明確ではなくて男女AVでオナニーしてるけど、男へ向かう欲望も意識し始めて。
父親は広告代理店を経営し、趣味はオーディオでアンプに凝っている。仕事関連でいち早く出始めのインターネットを自宅に繋ぎ、達也も使い始める…
雷都と言われる宇都宮、その電気に満ちた土地と、大震災による振動が電波のように地球を震わせる感覚、インターネットが繋がる時の電気音、ビリビリと身に走る性への興味と恐れ。
タイトルの「エレクトリック」の直接の意味付けは不明だけど、達也を取り巻く世界/空気に一触即発で満ちる静電気を感じるような。
ラストはブツッと終わって超不完全燃焼ですけどね。
3作品収録。
「バ美肉三十路オフパコおにいさん」
試し読みで、意外とエロだけじゃなさそう!と想って読んだら、やっぱりアヘっぽいエロでした。
「バ美肉」っていう言葉、初めて聞いた時は驚いたな〜。それが今、◯HKの総合で連ドラにもなるんだもんね…
ストーリーとしては、ネット空間でバーチャルロリっ娘とチビ狼として出会った30才リーマンと年下イケメンが、リアルオフ会で意気投合…というお話。
現象としては、酔ってずるずるとヤられ…なんだけど、攻めが受けを溺愛/激愛してるので愛あるHという感じで読後感は悪くない。
攻めは元々ゲイ、だけど受けは別にゲイ設定無かったようですが、その辺性自認も性的指向も決めつけなく流動的でいいんじゃない?という現代の気分なのかも。
2人での配信もやるようになったのはいいけど、ポルノハブにならないように気をつけよう!
「密室x開発xユートピア」
カラオケボックスのバイトくんと店長さん。
ある日2人で一緒に清掃をしていたら急にバイトくんに襲われる店長。好き好き言われてずっと大混乱が続くが…
結局バイトくんの粘り勝ち。こちらもベースに溺愛/激愛があるから…と言いつつ、ヤベーストーカーぎりぎり。
「かわいいヒモにはお仕置きを」
男を拾う系。
彼女に追い出された男がゴミ捨て場にいて、好みだったから拾ったゲイの恵介。
そいつは根っからのダラケ男だが、お仕置きなどしつつそれなりに楽しく生活してるよ!というお話。
全体にガチムチっぽい体つきとハッスル!なエロ。オホッ喘ぎ系。
受けはチョロい系だけど、攻めの心はラブラブがベースなので読後感良し。
萌x2寄りの「萌」。
9作品収録のアンソロジー。お題は「雌お兄さん」。
雌お兄さん、と聞くとドエロな肉食系ビッチ美人が誘い受け・襲い受けで〜…というイメージだけど、本作は私基準だと「雌お兄さん?」みたいな作品もチラホラ。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
都みめこ「兄弟ごっこの恋模様」
突然知らない男に「…兄さん…?」と声を掛けられてから奇妙な兄弟ごっこを続けている清二。
どんどん「弟」の将文に惹かれていくゲイの清二は遂に一線を越えるが…
確かに襲い受けだけどメスじゃないし、どっちかというと腹黒攻めのカテゴリーだと思った。
みちのくアタミ「イイことわるいこと」
4ページのSS。
家庭教師をかって出てくれる近所のお兄さん。2人きりになると…
本当にワルいお兄さんだこと。
五月女えむ「ロックアップモーテルで待ってる」
俳優の朝日向は今ひとつ伸び悩み後輩にも追い抜かされ、枕営業に身を染めようとしていたが…
その後輩に助けられますよ。これは全然雌お兄さんじゃないなぁ。
カシオ「二丁目の長い夜」
クラブに舞い降りた美少年。狩られたげな佇まいに誘わずにはいられない…
翌日、会社にて連絡先を聞かなかったことを後悔しながらため息をつく篠田の前には冴えないSEの並木が。
あるあるネタ〜! こういうギャップが雌お兄さんですね。
ろむ「ぼくといやらしの先生」
生徒たちの欲求不満もお世話してくれる塾のアルバイト講師(普段は大学生)。毎回違う子の相手をしていて…
うん、確かに雌お兄さんだ。天然タチ悪い!
松基羊「パパは先生に知ってほしい。」
子供を連れて保育士の七瀬の家に転がり込んで主夫になった浩二。元はデリヘルボーイだった事を七瀬に告白したが…
元雌お兄さん、って事ですね。嘘のない2人は本当の家族になれそう。
ハジ「ノラ猫の甘い憂鬱」
デリヘル男娼のカトリが本気で想っているのは、店長。でも店長はカトリに言わせない。カトリも言わせてもらえないことはわかっている。
切ないけれど、戯れのようでもあり…
みつこ「君は知らない」
「鬼軍曹」という渾名の厳しいプロジェクトリーダー・中嶋の趣味が感動系DVDを見る事、と知って面白がっていた青木だったが…
中嶋が可愛く思えてきて好きになっていくお話。私的には雌お兄さんとは違うんだけど、この作品が絵柄も話も一番好きです!
ぴい「演じてラヴァー」
2ページのSS。
わざと鍵を開けておいたり、来る時間にシャワー浴びてたり。それは「変質者に強姦?」ごっこなのかも。
まあ雌お兄さんかな?
こうして見てみると、雌お兄さんってワルい要素が必要だと思いました。ちょっとでも健気が入ると雌感じゃなくなる…っていうか。
今回「百と卍」の6巻の内容は千と兆編となっています。作内スピンオフ的な。
読みたい内容ではあるけれど、最近自分基準で一作品の中で同時/同比重で他CPが出てくるのに否定的になってるんで、そういう意味では星ひとつ下げ。
絵柄は相変わらず凄い。描き込みもギッチリ。
で、ストーリーも濃ゆい。ちょっと濃すぎませんか?
絵もストーリーもこれでもか!と迫ってくる感じで、ちょっと圧倒されちゃってる。
なぜ兆?
…という答えは、兆そのものにありました。
千の愛しいおとこ、今は亡き億政は兆の双子の兄弟。
これを運命と言わずしてなんと言おうか。
今の兆との性愛、過去の億政とのいきさつ、つながっている悪党たちのアクの強さ。
兆と億政がなぜ離されたのか、2人の分かれた運命、億政の病気。
千の生まれと、生来の渇望?欠落感?ともかく特別になりたい/特別が欲しいという強い感情。
これらが畳み掛けてきてもうお腹いっぱい。胸やけ寸前。
読むのにも体力のいる作品だと思います。
ニッチな性癖を鋭く突くアンソロジーといえば!の「性欲図鑑」シリーズ。
今回のお題は「アイドルH」。
4作品収録。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「国民的アイドルと地下女装アイドルの格差セックス」ゆんぐ
主人公はアイドル志望の大学生・翔太。
夢はなかなか叶わず、バーでバイト兼地下女装系アイドルグループに所属しているが、なぜか本物の国民的アイドル・国光タツヤが自分の熱烈オタクで…
拝み倒されて一緒にカラオケに行くが、酔ったタツヤにヤられる翔太。
格下の翔太の方が塩対応というお話。
「ふたまたマネジメント」竹若トモハル
素行の悪いアイドルユニットのマネージャーになった達吉。
実はマネージャー兼2人の慰み者で、毎回3Pで好きなだけヤられていたのだった。
その上どちらかを選べと迫られて二輪挿しされ、結局日替わりで恋人を決めることになったとさ。
「ポンコツアイドルエロ調教レッスン」土井モニカ
四人組アイドルグループの中の落ちこぼれメンバー・新。
メンバーの令と光は親身になってアドバイス、その上エロいレッスンもしてくれるが、渚だけは意地悪。でも本当は…
…はいいけど、令と光は演技だったって逆に凄くないか?渚はどうだったのかは秘密のままです。
「アイドル輝夜のSSRな下半身事情」キヅグチ
アイドルグループメンバーの輝夜は、人気ダンスユニットの一番人気・成田の大ファン。彼らのカードゲームに課金しまくって、成田のSSR(スーパースペシャルレア)カードをゲットしようと頑張っている。
ある日楽屋に居残ってゲームしていたら、部屋の外で成田の声が。『俺は輝夜きゅん単推しだから!』
輝夜は楽屋を飛び出して、一気に両想い成立、そしてその楽屋でもうH!
USR(ウルトラスーパーレア)な成田のtnkでイク輝夜のSSRなイキ顔…
ガチャ動画プレイか!
私はゆんぐ先生の微妙エンドと、キヅグチ先生の発想が面白かったです。