元はアンソロジー「東京戦慄奇譚」の1編としての読み切りが、その後続いて1冊となって…という作品。
だからテイストはホラーっぽい。そしてSFっぽくもある。
というのも、一緒に暮らす恋人が人間ではない、というお話。
視点は禄斗。
幼馴染で恋人の七海の様子がおかしい…
…と始まるんだけど、実は禄斗の方が…という物語が始まります。
アンソロ掲載部分の第1話では、禄斗がどうやって生きているのかだけが提示されて宙ぶらりんだったけど、2話以降禄斗の「食料」は七海が調達している様子が明かされて、いよいよホラー味が増してきます。
禄斗は明るくてワンコで、でも嫉妬してる時は殺気が凄くて、そんなところも怖い。
そして、読んでいくうちにクリスチャンらしい七海がここまでしてしまうのは正に禄斗への愛であり、禄斗にそばにいて欲しいんだという心が伝わってきて、段々哀しみの色が見えてくる。
禄斗が自分の真実を知り七海がある決意をする展開は、本当にこれしか無いの?と思いながら読みました。
5話の解釈は…
禄斗は七海と同じようには死なず、またさまよって新しく「寂しい子」の前に現れた…そんな風に読みました。
途中で出てきた同族とは違って、「禄斗だった個体」はただ寂しい人を笑顔にしたい、そんな存在なのかな。
ラストに向かって、怖さよりもただ哀しさが漂って…「萌」で。
へぇ〜、この2人がねぇ…という気持ちで、まず「青と碧」を再読。
あ〜尊い、と再確認し、うん、この吉田くんならあるかもね?と思いつつ本作へ。
しか〜し。
表紙のような笑顔いっぱいとはちょっと違うよ。
私の好みは、ストレートに愛を語り真正面からぶつかり合うストロングスタイル。
対してこの2人は…
駆け引き、ですよね延々。
といっても、本作は単によくあるBLではなくて、大人になってできた友人との新しい関係性のお話だと思うのでこれはこれでいいんだと思う。
ただ、飯田はクールなようで幼い頃からのヒネクレをずっ〜と引きずっちゃった人物。
飯田を素直にさせるのはなかなか難しそう。
先に素直になった吉田の方が誘導していく感じ?
頭のいい飯田は、ある日急に「駆け引きは時間の無駄だ」とか悟りそう。
ケンカップルと深いところで繋がる相性は矛盾しない。だからこの2人は青と碧とはまた全く違うニコイチの姿を見つけていくんだと思う。
ここではまだまだ駆け引きの強さが目立つので私の評価は「萌」。でもすごく面白いし新しい視点を感じる。
激カワ・ちょいエロのライトラブコメ、第18巻。
今回は、朝春が中心の巻です。中心どころか朝春だらけ!
まず最初のお話は、「視える」おばさまに守護霊が強い!と言われた直後に、様子のおかしな立てこもり男を落ち着かせるストーリー。
どうやら守護霊は仏らしい…
そんな朝春最強エピソードの後、輝のお付きのタコ(滝米花)が絡まれた女性を助けて半グレにボコられてしまったお話。
ショックでイキる輝を宥める朝春。
半グレの居場所を突き止めて侵入すると滝米花がいて、一緒に捕まって朝春は媚薬を盛られてしまい…
…と危機一髪展開もありつつ、一冊としては順当に2人のラブラブが拝めます。
今回「朝春回」という事でカバー下も全部朝春尽くし。小鉄子先生の愛が伝わってきますね。
絵もストーリーも安定で読みやすさも抜群、あっという間に読めちゃう。でも満足感も十分です。
下巻。
蛍と晶にそれぞれ降りかかっている危機とその打開/決着がスリリングに展開していきます。
読んでるとホントにハラハラ。ホラー/オカルトというよりも、捕まった晶はどうなるの⁉︎このまま殺されるの⁉︎的なサスペンス感。
さて、本作の大きなテーマであるオカルト的な2人の能力。
過去と未来の交差が2人がお互いを救う鍵になるわけだけど、読んでいくとただ「過去と未来」という一本の道に2人が立っている訳ではない事がじわじわとわかってきます。
つまり…
…時系列もずれたパラレルな世界線が存在している。
これは難しい。
だってさ。先にある世界線の中の蛍が、過去危ない目に遭った晶を見る。そして過去に干渉しに行く訳でしょ?
そうやってやってきた蛍は、晶にとっては未来の蛍だったわけで。
実際複雑だなぁと思う。
ハラハラ感と、間に合った〜!というカタルシスはありました。
よく読んでみれば、ひいおじいちゃんの言葉とかにヒントがあったのかな。
多分…ひいおじいちゃんは未来も過去もパラレルも見えて、でも「ひとり」だから自分が身を投げ出せばそのまま死んでしまう。実際死んでしまった。でも2人なら!
そして、晶の言うとおりどんなパラレルの道を通ろうが、結局は結ばれる未来があったのでしょう。
絵柄は相変わらず端正。サスペンス感が楽しめました。
「花盛り、恋盛り」電子限定描き下ろし漫画となります。
4p。
以下、内容となります。
↓↓↓↓
タイトル「風呂盛り、恋盛り」
「大変です‼︎ 巽さんがのぼせました‼︎」
酒を飲んで露天風呂で倒れた巽。
菊之進に任せるが、心配な表情の凛に対して全く動じてない総一朗。
それどころか、やっと二人きりになれた、と凛を傍に寄せる。
カチコチになる凛だが…
総一朗「心配しなくてもここじゃ何もしないよ お湯汚せないしね」
見透かされた!と焦る凛は思わず「わっわかってますっっ 家族風呂じゃないんですから…っ」と答えるが…
家族風呂ならしてもいいのか?と解釈した総一朗。早速菊之進に無茶な依頼をするのでした。
多分、菊之進はこれまでも色んな無茶振りされてたんだろうなぁ。
「花冠の花婿」にチラリと出ていた旅館「櫻庵」の若旦那。
妙に色気があって気になる…
…と探したら、やはりありました。元の作品が。
…という訳で、こちらです。
主人公は、料理人の凛。
前の職場で男にいいように遊ばれ、職も家も失って死場所を求めてこのさびれた「櫻庵」にやって来た。
ところが若旦那の総一朗に見破られて、死ぬくらいならここで働いてくれ、という展開に。
給料の代わりに「総一朗が恋人になる」という契約を結ぶが…
総一朗は美形だし優しいし気配りがあるし、で凛はすぐに本当に総一朗を好きになります。
しかし、契約だから本気になっちゃいけない、と揺れ動く凛。
一方総一朗は本当に誰にでも親切で、本心がどこにあるのか見えない。
これでは確かに凛は生殺しだよなぁ。
…と思いながら読むんだけど、あっさりと実は総一朗も本気、となって両思い成立は呆気ない。
総一朗と凛はハッピーエンドではありますが…
総一朗のモテキャラがイマイチというか、本人が天然なのか知らないけど、凛の印象通りいわゆる「人たらし」で、関わる人が誤解するようなレベル。
現に、番頭の菊も仲居の浅葱も総一朗に気持ちがある訳で…
凛に対しては、はじめ凛が断ってるのにキスしたり手コキしたり。
この辺りがイマイチ。
そして第5章が番頭の菊之進さんの恋バナ。
菊は総一朗に長く片想い。今回遂に凛が本命になり傷心。
そこに初体験の相手が泊まりに来て…
その男・宗久に変わらぬ愛を捧げられるお話。
菊には心底良かったね、だけど、宗久と総一朗がソックリに見える。描き分け課題。
絵柄は美麗。
櫻庵の各従業員たちのスピンオフに期待。
総合「萌」で。
「花冠の花婿」電子限定描き下ろし番外編となります。
4p。
以下、内容となります。
↓↓↓↓
(桜叶のモノローグ)
結婚7周年、遠慮しなくていいと言ってしまったばっかりに…
本当に手かげんしてくれない
「高校生の時とは違う俺をたくさん知ってもらうから」
そう言いながらガンガン攻め込んでくる悠矢に、やだ…っ、むり…っ、待…っ
…と喘ぐ桜叶だけれど。
散。
悠矢の贈った豪華なバラの花束が悲惨なことに。
桜叶「…だからやめてって!」
桜叶が抵抗してたのは、バラの上で、という事に対してだったみたい。
悠矢は謝りながらも8周年にはもっと大きなバラにするから、となだめています。
(とか言ってこれを毎年やってるんじゃ……?)