これは…面白い!
元々ヒロハルヨシ先生の絵柄が大変好みで、私は耽美系が合うと思ってたけどこういう作風にも合いますね〜。
もうレビューも多いので、感想だけ。
汚部屋を掃除してくれて、夕食もお風呂も用意してくれて。
でも相手は誰だかわからない。不法侵入の不審者。
そんなストーカーとメモ文通してカラダも許しちゃう。
この設定、ぶっ飛んでる。
もちろんストーカーの正体はすぐに見当がつくし、この人ならいいか、って思うからイイ話みたいな気がして読み進めるんだけど、これって結構ヤバいストーリーだと思う。
受けの、断れずに追い詰められて行く職場での姿。
攻めの、普通に好きなだけだったのに家に入り込んで睡眠姦にエスカレートしていく精神状態。二重人格みたい。
わかった後は真っ当な恋人のイチャイチャになるので、色んなヤバさも帳消しになる?この綱渡り的な展開は成功していると思います。
絵柄好き、ストーリーには驚き、甘々に見え隠れするブラックさ。
面白〜い!「神」で。
「1」、先に配信済みの「番外編」、そして本作「2」と、どんどん内容がアツくなってきた作品です!
この「2」は冒頭に番外編が配されていて、未読の方には良い配慮。
「1」は鳥飼の片想いが一応通じた、という内容。
「番外編」は矢島の方も矢印が出始めた様子。
…からの「2」本編という事で、恋が始まった2人、特に矢島の方も加速していくさまが描かれていく、といった内容。
これが非常にいい!
順調な2人の恋愛模様と並行して、鳥飼が先にレスキュー配属に⁉︎という波乱もぶち込まれて、読み応え十分。
これは遠距離だとかそういう物理的な障害じゃなくて、正に心に直結する波乱、そして元々のライバルという設定とお互いの気質そのものに関わって、本当に起こり得る事件、無理にねじ込まれた波乱のための波乱では全く無いところが非常に巧い!
過去元カレとのすれ違いの元を思い起こして臆病になる鳥飼。
単純であるが故に、そんな鳥飼の深い部分をハラに落とせなかった矢島。
そんな2人のすれ違いが正されるのもまた2人が属する消防士という職そのものにあるところも、必然性がしっかりと感じられる。
命。
文字通り「命」がかかっているお互いの仕事だから、小さな意地を張っているともう二度と会えなくなる事態もあり得る。
そんな部分を思い出してくれた矢島にグッジョブ。
怖かった…そんな本心をさらけ出しあった2人がとても…
私は行為がどうこうよりも、2人の生(き)の心/芯が直に触れて絡まり合った、その部分にすごく官能を感じました。
萌x2と迷ったけど…この際「神」で。
単行本未収録の読み切りを個人出版で電子書籍化した、との事。
アンソロジー「明日、死ぬ」の収録作品です。
主人公は医大生の優彦。
夏のある日、隣家の幼馴染・紡が急にやってきて「俺の葬式のリハーサルやらない?」と言ってくる。
優彦は心底驚く。だって紡はもう何年もガンで闘病して入院中なのだ…
紡は楽しそうに優彦に「お葬式の後にやって欲しい事」を語る。
まず骨を盗む!
それから2人でいつも遊んでいた海辺で。
ちっちゃなぬいぐるみを参列者にして。
優彦が追悼のスピーチ。
スピーチの後は、遺品を燃やすこと。
最後に骨を海に散骨してね。
「あと遺言 俺のことは忘れて」
笑ってて
他の誰かを好きになって
たまに思い出して
そしてかかってきた一本の電話。
優彦はリハーサル通りに紡のしてほしいお葬式をやり遂げます。
私いい歳ですが、本当に大事なひと、本当に大好きな友だちが亡くなったことありません。
優彦の心を思うと、心が痛くて涙が込み上げました。
でもこの話にはまだ続きがあります。
これは紡と優彦に起きた奇跡なのか。
良かったね、なのか、これから先もずっと⁇、なのか。(他の人好きになれないじゃん)
紡は可愛らしく笑っています。
ARUKU先生やっぱり凄い。凄い。凄い。
「きのう何食べた?」の同人誌、第10弾!
内容は、
コミックス23巻の♯182、2人の結婚式の夜。のお話です。
2人で自宅に帰り、鯛茶漬で落ち着いたシロさん。
ケンジは、後片付けするからシロさんはお風呂に入っちゃって、とご機嫌。
お風呂に入ってみると。
バラの香りのバスオイル。
ふかふかの新品今治バスタオル。
新品Cクラインのおパンツ。
そして極め付け、新品国産シルクのサテンパジャマ。
ちょっと寛容になってたシロさんもギョッとする金遣い!
一方大はしゃぎでシロさんに迫るケンジだけど、はじめシロさんは拒否気味です。
それはケンジがずっと準備してて、今日は絶対疲れてるからやめとこうって。(実は腹上死されたら困ると思ってんの)
だって新婚初夜だよ⁉︎と騒ぐケンジ。キスだけでも!と頼み込んで…
ベッドにシロさんを優しく押し倒して、ガチの本気キス!
その内シロさんもその気になってきて…
さて。シロさんは実はHに好みがあるんでしたよね?
ちょっと酷く扱われたい。
ちょっと痛くされたい。
いつもの優しさだと実は物足りないシロさんだけど、今日の攻めモードのケンジはシロさんへのご奉仕仕様。
ガリっとシロさんの乳首を噛んで言葉でも追い込み、最後は寝バックで突き…
事後はいつもの優しいケンジ。
改めてシロさんにプロポーズします。
言葉にならない感謝を噛み締めるシロさんです。
…と、ここで終わればキレイ〜!だったけど、翌日エピソードがあります。
やはりケンジ倒れる!
疲れが溜まってたんですよ〜。
一方シロさんはお肌ツヤツヤで逆に若返ってる⁉︎…というオチ。
2人ともいつまでも元気でいてくださいよー。
はぁ〜凄い作品…
こんなの読んだことない。
緊迫感と、あり得なさが故に逆にリアルさを感じる。
これ、人間ものだったらどう読めるんだろう。多分ホラー。人外ものだから入り口が入りやすくなったのかも。
「食べられたい」欲望を隠し持つ狼獣人のルフリアが、体の大きな山羊獣人の学生グラにかぶりつかれて、願望の実現を実感し始める…
…という冒頭。
叶わない欲望がもしかして叶う⁉︎
その頭でっかちな興奮と、いざ歯が首に食い込む時の恐怖感。
チーターがガゼルを捕食する瞬間、ガゼルの脳内には脳内麻薬オピオイドが出て…と聞いたことがあるけれど、本作は食べるのが草食動物、食べられるのが肉食動物。
この場合も同じなんだろうか?
本作ではルフリアがこうなったしまった元凶のキツネ獣人リズがちょっかい出して引っ掻き回すのがちょっとウザい。
単にのそっとしてるだけのようなグラが、リズを出し抜きルフリアの制止も聞かず、ある意味二重人格的な部分が垣間見えるのも興味深い。
本作を読んで我々/私も「動物」だという認識を強く感じたし、また生存本能とは真逆の願望や、草食種なのに肉を食べるという行為はタブーを越境している…
そんなゾクゾク感も。
絵柄が好みなのとトンデモな作品世界が興味深いTERRA先生の作品。
本作はその究極!
獣人の暮らす村では成人の儀式がある。それは男根力を競うバトル…(以下dnk)
つまり「dnk相撲」なのだ!
2人が土俵/円陣の中で組み合い、dnkをお互いこすり合わせ先に射精したら負け。
連勝者は族長に。連敗者は村の男たちの子を産む役目となる。
さて、主人公は幼馴染同士のノラとハイネ。ハイネの兄は現族長。
儀式当日、ハイネは連勝、ノラは連敗となり、族長vsハイネ&ノラという1対2の決勝戦へ。
結局現族長の完全勝利で、ノラはその場で族長の種付けが行われ、場所を変えてから連続で村の成人男性全員、2度言いますよ〜「全員」が種付け!
全員ガチ挿入、ガチ中出し。モブ輪姦どころじゃない。
といっても、彼は儀式で選ばれた大切な村の器。乱暴ではなくとにかく「村の子を孕む」ための行為です。こわ。
最後にハイネの番が回ってきたところで……終わり!
わわ…ここで終わりですか!
ケモミミにふさふさ尻尾、細マッチョの肉体、エロ。
内容/展開はともかくも、プロットが一貫している。
私はモブ輪姦も孕ませも苦手ですが、一気に前のめりで読了です。
私的に傑作。萌x2よりも上という意味で「神」で。続きください。
あらら、意外と評価が…
私はすごく面白いと思いましたよ!
本作はアメリカが舞台のタフな刑事シリーズの一作。
今回はフィラデルフィア市警の刑事・アダムが主人公です。
アダムは妻との離婚問題を抱えて過剰捜査で停職となり、復職のために規則でカウンセリングを受ける…という冒頭。
カウンセラーは市警所属の精神科医・シン。
反抗的で挑戦的なアダムの態度に真っ向から対峙してアダムから一目置かれるシンですが、シンも実は不幸な過去があり…
…という2人の出会いと並行して、猟奇的な女性連続殺人事件が起きています。
被害者女性のひとりがシンの患者だったり、アダムとシンの間に緊張関係〜顔を合わせれば言い合いになるのに何故か性的な何かが介在するような〜があったりで、捜査とアダム/シンの関係性が絡みつつスリリングに進んでいく、そこに読み応えを感じました。
アダムとシン、ケンカップルと言うにはアダルティで…
アダムはストレートですが一目見た時からシンに色気を嗅ぎ取って惹かれ、一方ゲイのシンはアダムの肉体的魅力を認識しつつ自制。だからアダムの方がシンに恋した、という感じなのかな。
事件が解決して2人が心のままに抱き合うラストは、非常に官能的なラブシーンとなっています。
私はここが「神」だと思った。
◯藍紫姫子先生の無骨な刑事スタンレー・ホークと怜悧な日本人精神科医ジンを思い出しました(いい意味で)。
◯藍的耽美というより、洸先生ならではの若い甘さと情熱を感じる官能性が感じられました。
これ、1度目に読んだ時はすっごく懐疑的で、なんか裏ある、なんか裏ある、と疑いながら読んでました。
で、読み終わって「ナニコレ?」
で、だ〜い好きな一冊になりました!
だって。
こんなストロングなストーリー。大好きですよ!
陰キャで、婚活は全滅失敗、いじけて他人の幸せなんて祝えない、一木はそんな男。
ゲイではないけど社内のきらめき王子的な小田島にちょっとアコガレ。
ところが、なぜかその小田島から結婚を望まれて…
…と、そこから始まる疑問と恥じらいと嬉しさと、そしてやっぱり疑いと。
読者(私)も一木と一緒に「なんでここまで?」って戸惑うんだけど、小田島は甘くて甘くて、なんか本当に王子様みたい。
ところがやっぱり波乱はあるんですよ。
小田島が怪しい電話してるのを聞いてしまう一木。
やっぱり…と小田島から距離を置く一木。
私も一緒になって「やっぱり!」なんて思って読んでたけど。
なんと小田島の愛情は本物なんですよ。なんでか知らんけどとにかく本当に一途。
だから陰キャでオタクで疑い深くて臆病な一木は、そのままの自分で愛されてるんです。
良いわ〜…最高の読後感だわ…
正直、小田島が一木を好きになるきっかけは弱いと思います。でもこの際どーでもいい。このハッピーさ、これが全て。迷ったけど「神」でいっちゃおう。
単話でコツコツ読んでいましたが、まとまって読むとより一層の絢爛豪華!
元々第1話は「メスイキx熟れおじBL」アンソロジーの収録作なので、まずはルグランの超絶なイケオジぶりに圧倒される。
そして、この物語はオメガバース。
αさえも発情させる「至高のα」、
運命の番相手は、親子ほど歳の差がある他国の皇太子殿下、
立派なαだった皇太子が、ルグランと顔を合わせた瞬間からΩ化し始めるかのような発情、
…と、1話だけですでに濃厚。
そんな感じで、2話が「XLサイズBL」3話が「熟れおじxオメガバースBL」で展開していき、4、5、6、7話で初めての喧嘩、からの結婚式延期、乗り越えての結婚前夜、オスカーの情緒不安定、華麗ながらも壮絶にエロい結婚式、奇跡的なおめでたと心配された出産…
皇太子オスカーの凛とした所や可愛らしい所、ルグランの、ある時は冷徹ある時はオスカー無しではいられない弱さ、そして所々のコミカルな味付け、緩急も素晴らしく読ませてくれます。
その後もう1人のお子も産まれて、家族4人の穏やかな時間。
ルグランはオスカーにいつも感謝を表しますよね。
て言うか、畏敬の念?
元々自分も秀でたαであるオスカー。なのにルグランの番になり、不可能かと思われた妊娠と出産、そして結婚のために全てを手放したルグランの別荘を買い戻していたり。
親子ほど歳の離れたオスカーへの尊敬が見えるのがいいんですよね…正に心もイケオジ。(オスカーの父王もなかなかいいオジよ)
あと、絵柄の美麗さ。
衣装やインテリアの素晴らしさは勿論、表情の表現、肉体表現の凄み。
やっぱり池玲文先生最高です。
「裸の王様」
「熟れおじBL-攻&おじ同士-」アンソロジー収録作品。
BLというか…国王が自分の誕生日パレードに国の最先端技術をアピールする為に特殊な布で作ったマントを着ることになったが…というおもしろかわいそなお話。
みんなびっくりしただろうね!
単話の時から注目してたけど、こうしてまとまって一気読みしたら…凄すぎて悶えた…!
これがデビュー作⁉︎
正にアンビリーバボーですわ。
主人公は地方局に左遷されたプロデューサー・時任。
担当している朝の情報番組のメインMCは人気局アナの佐野だが、佐野は異常なほど時任を慕っている。
誰とも馴れ合う気のない時任は適当にあしらっていたが…
…と始まります。
属性としたら「忠犬攻め」?または「警備犬」?
とにかく佐野は時任を崇拝していて、時任のためならなんでもする、と言う。
人間不信の時任はずっと佐野を拒絶しているんだけど、佐野の真心が強すぎてついに彼を信じてみようか…という気持ちになっていくのです。
そこを彩るのが激しく熱いエロシーンです。これはかなり!
佐野は、行動だけ見るとストーカー一歩手前の激重執着。
紙一重の一途さで時任の心に入っていく純愛攻めですね。
絵柄も素晴らしく、美形な佐野、イケオジ時任、2人の肉体美は眼福。
これは間違いなく星x5の「神」評価決定です。