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神作品

エキスパートレビューアー2023

女性ミスTyさん

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敗北英雄、●辱 電子 コミック

ITKZ 

無慈悲な蹂躙に隠された熱く切ないストーリー

 モブレをテーマにした作品なので万人にはお勧め出来ない。予想以上に力の込められた容赦無い輪姦モブレ、淫語にアヘ顔、同じエロでも「巨人族の花嫁」との差にびっくりしました。
 でも海王社さんだし溺愛巨人を描いている作者さんだから、その苦しみを抜けた先には救いが待ち受けていると信じて読み始めました。

 エロ以外は深夜じゃないアニメにありそうな雰囲気、例によって世界観設定が細かく作り込まれています。あらすじで蒼威が黒幕である事をバラしてしまったのは勿体無かったかな。
 結末があらすじから想像する内容とかなり異なり驚きました、ネタバレを見ないで読んだ方が良いと思います。前半はモブレメインですが、後半は二人の関係性や、荒廃し支配された世界の中で人間の本性を描くようなストーリーもしっかり。

 「攻以外との接触表現が含まれています」と注意書きがありますが、正しくは「攻以外との接触表現がメインです」人外と人間両方。蒼威(攻)×久我丸(受)の直接的なシーンはほぼ一瞬で凌辱のみ、ここはもう少し見たかった!

 以下はストーリーのネタバレを含む感想となりますので、どんな感じの内容・結末だったか知りたい方だけどうぞ。↓

 
BLと言う括りに囚われないなら、以下に該当する方は刺さると思う

ストーリー
・大切な存在だったのに違う道を選んで戦う事になる二人の関係性に萌える
・悪役のそうなった悲しい理由に同情し、散り様を見届けたい

エロ
・罵倒系言葉責めが好き(結構酷いです(^-^;色んな表現が面白かった)
・凌辱されても心までは屈しない姿勢カッコいい!


凌辱エロの定番
「快楽堕ちビッチ化」「一緒に堕ちよう共依存」「くっ、殺せ!」
 に反旗を翻す。どんなに蹂躙されても久我丸は諦めず、折れず、守ろうと、生き続けようと、最後まで救世者としての自分を貫き通す、戦いモノの主人公にふさわしい信念を貫く強さが好感でした!仲間を守る為に演じる回や自ら跨るシーンもあるので、強情と淫乱の両方の姿を楽しめました。

 捕らわれた後輩ブライネンとのエロもあり、彼は完全に家畜犬化しておりワンワンポーズしたり、久我丸を犯すよう命じられキラッキラの笑みで「本当ですか!!」とか言うのがシュールで、申し訳無いけれどちょっと笑えてしまった。

 蒼威の「情報感応能力」は人々の秘めた悲しみや汚れた本音の数々を嫌でも読み取ってしまう。厳しい訓練を受けて救世者に祀り上げられ、守って来た者達の真実の姿を目の当たりにし、そこに何の意味があるのか?と。
 理不尽な世界の中で様々な理由が重なる、蒼威の闇堕ちへのプロセスに説得力がありました。

 天魔が滅びて世界が救われた訳でも蒼威が帰って来る訳でも無く、あらすじにあるような同じ所まで堕ち「ない」と言う事は、同時にBLとしてはメリーですら無いバッドエンドになると思う。

 描き下ろしがわずかな救済措置でここが一番BLのLの部分だけれど、同じ「好き」でも久我丸と蒼威のそれは意味が異なったままで切なく、歪んだ愛の鎖ですら最後まで繋がれる事が無くて悲しい。二人が本音で向き合えた事、これが唯一の救いだったと思います。
 
 どんな理由があれ悪は裁かれなければいけないと言う事なのだろう、最後の蒼威の因果応報の姿、神魔からの罰を享受したのは幾多の罪を犯した自らへの戒めでもあるのかな…。
 
 BLとしては報われない結末かもしれないけれど、エロとストーリーを両方楽しめて、愛だけに留まらない二人の関係性とやり取り、互いへの想いに大変萌え滾りました!

※決してエロい事をする目的の悪魔ではございません

 2023年3月時点2話までの感想です。正直あらすじを読んだだけだと状況がよく解らない、お守りを捨てるまでは解った、その後「謎の雄っぱいと出会い…?」
 …??と思って読み始めたらまんまでした!お守りを捨ててすぐでっかいパイ壁に激突、これが悪魔ゼブルとの遭遇だったのです。

 明王寺蓮は清掃業者で働く青年。彼が掃除した部屋は怪奇現象まできれいさっぱりと言われ、背景には家族が押し付けたお守りが。
 お陰で曰く付き物件ばかり担当させられる蓮、思い出すのは実家での謎の儀式…もう関係無い、こんなお守りポイだっ!と言うのが事の発端。

 お守りの加護が無くなった蓮にゼブルは近付き放題、その日から魂を巡る攻防の日々が始まる。ゼブルの目的は美味しい蓮の魂、最初は人間の姿で近付き(2話表紙参照)、途中で本来の悪魔の姿に、他にも美女や猫など色々な姿に変身出来るようです。

 悪いコはおしおきだ!追い払う為に尻を揉み叩き指を突っ込み、セリフもオラオラでやりたい放題の蓮が痛快で楽しい♪これは魂を奪いに来たゼブルが悪い、正当防衛です!
 2話では幽霊に襲われる蓮を助けてくれるのですが、対価として体液を欲求。でも結局は返り討ちにされ、イラマ、乳首ひっぱり、ズボン破きからの挿入、言葉責めetc…やっぱり蓮のやりたい放題で安心です♪おもらしっぽいシーンも有り。
 
 ゼブルのキャラも良かったです、一人称まで解りやすい俺様受け(好物)。最初は抵抗しても悪魔狩りの力のせいか?それとも淫乱気質なのか?結局はみっともなくヤられちゃいます。でも何度追い払ってもへこたれず、またすぐに陽気な顔して魂を求めて来る懲りないヤツ。
 そんなゼブルですが、2話の幽霊マンションでは悠然と見物する姿や幽霊たちを一掃する場面も、強さや威厳を纏っているような格好良い面も併せ持っているのも良かったです。

 現時点ではラブ要素は少なめ、2話の終わりにゼブルの気持ちに少し変化が表れ始めたかのような兆しを感じられるセリフも。
 悪魔狩りの家系についてなど、ゼブルと蓮の間にはどんな繋がりや秘密が隠されているのかがこれから気になる所です、ワンシーンだけ登場したゼブルの知り合いっぽい悪魔の事も気になりますし。

 すごく中途半端な終わり方では無いので2話まででも十分楽しめますが、これ多分続くよね…?ゆっくり進行でも良いので続きを描いて頂ければ嬉しいし楽しみにしています。
 好き嫌いは割れそうですが、会話のやり取りとか細かい所も笑える箇所が多くて個人的には超楽しかったです(^^♪

感動が散りばめられた完結編

 森で出会ったカップルの片割れ、ノアとの再会から3巻は始まる。彼が世話になっている教会で二人は過去の転移者が残した手紙を読み、転移者の役割や信仰について、そして2巻で語られていたこの世界の歴史が事実と異なる事を知る。家族愛の描写に弱い私は、写真裏のメッセージで早くもジーンと来てしまいました。
 
 女王…魔女の罠に嵌り離れ離れになる二人、グラーと新たに召喚されたドラゴンのフレイスと共に魔女の元へ向かうライル。露わになる魔女の欲望と恋愛感情を奪った理由、そして三つの神具が導く勝利、物語は遂にクライマックスへ!

 異世界ファンタジー作品はストーリーの目的に集中し過ぎて、お話としては面白かったけれど恋愛の部分が…となるケースも少なくありません。でもこの作品は設定やストーリーはしっかりこなしつつ、BLとして一番大切な恋愛感情の描写にも力が込められています。

 特に、恋を知らなかった王子様が、確信を持てない特別な感情に気付き始めてから、それを取り戻すまでの過程で生まれる様々な想いが、丁寧に描かれていると思います。綺麗な部分だけじゃない、呪詛に寄って引き出された奥底にある醜い感情も含めて…。
 恋愛感情を取り戻した後は「好き」なんて単純な言葉で片付けられない激情を知る、溢れ出る愛情を伝える言葉達、出会いの感謝を伝える言葉達にも感動しました。
 天音の方も同じで、切なく辛い気持ちも幸せな気持ちも、ライルの事が愛おしくて大切に想っているのが伝わってくる場面が多く描かれていました。

 愛しているとか幸せとか真っ直ぐな言葉、時にはやきもち妬いたり、他にも色々あるけれど、平和になった後の愛し合う二人のやり取りは見ているこっちも幸せ!
 愛情の光と闇、両面を見る事になるけれど、最後はもちろんハッピーエンド、ラブストーリーとしても満足度が高かったです。
 Hシーンも今回は光と闇の両面を見せますが、性的欲望や快楽の強調では無く、互いの想いを伝え合う手段のような、気持ちの部分に重点が置かれているのが良かったです。

 天音の喜怒哀楽が伝わる表情も魅力の一つ。2巻でライルが瀕死に陥った時の泣き顔が強く印象に残っていますが、今回は平和な日常を踏みしめる笑顔、結婚式での満面の笑顔、花開くような天音の笑顔が沢山見られて良かった!最初は仏頂面が多かったライルも気付けば笑顔がよく見られるように。

 実はもう少し続くかなぁ?と思っていたので3巻で完結だったのは意外でした。長すぎず短すぎない冊数でまとめた事により、異世界を救う物語と二人の恋物語をどちらも物足りなくならず、間延びし過ぎず、バランス良く両立出来ていたと思います。
 テオとノアをはじめ、愛を取り戻した世界の人々の笑顔や、グラーとフレイスのケンカするほど仲の良いやり取りも楽しくて良かったです。

 戦いや辛い場面もありましたが、どこか童話のような優しく暖かい雰囲気を感じられる作品でした。幸せな二人の旅の結末を見届けさせていただき、ありがとうございました(*^-^*)

実は舞沢がかなり好きです

 SNS系の題材は好みで無いのですがこれは表紙買いしちゃう!単純に絵も好みでした。帯に「ふんぬ~」とかマヌケな叫びが書いてあるBL初めて見た。

 宮(MIA)の溢れ出る魅力については先方のレビュアーさん達がたくさん書かれているので、私はまず舞沢浩司について書こうと思います。宮が舞沢に「お前って絶対モテないけど一部の層には需要ありそうだよな」と言っていましたが、「はい!ここに需要がある腐女子が約一名います!」と挙手させて頂きます(同士の方は一緒に挙手しましょう!)。

 溺愛やスパダリに食指が動かない私の場合、舞沢みたいな攻めは逆に喜んで飛びつきます。イケてない男が見せる意外と強気で積極的な姿勢に、謎のギャップ萌えと漢を感じる。欲望に忠実ゆえの絶妙な気持ち悪さが面白さでもあり、おまけにHNはタロイモ(何でだよ)。冴えない男だからこそ共感しやすい部分や、応援したくなるのもあるような?
 
 そんな舞沢の視点で描かれ、色々考え込む複雑な思考回路の描写も面白さのポイント。インタビュー記事にもある軍隊のシーンが解り易い例ですが、言葉選びにオリジナリティを感じる文章面、舞沢のリアル顔を筆頭とする絵的な表現面共に凝っていて、よく考えられているなと感心しました。
 無難な人が一人も居ないサブキャラクター達も笑いに花を添えます、特に出る作品間違えたような堕天使は一度見たら忘れられませんね(笑)

 気になる点としては、宮が舞沢の事を好きな理由やきっかけがあまりよく解らなかった所。単に気付いたら好きだったパターンもあるけれど、二人の学生時代がどんな感じで、どんな風に接し合っていたかはもっと知りたいなと思いました。
 せっかく宮の事を好きだと認めかけた舞沢も、最後は嫌いで締められているので、本格的なラブはまだこれからと言った感じで、これで終わりなら少し残念に思った事でしょう。

 ところが2巻が出るようなので、上記のようなポイントはそちらで補完されていく可能性がありますね。甘々過ぎるのはらしくないけれど、二人らしい関係の進展に期待しながら楽しみにしています。
 正直どちらのキャラもこれはどうかと…とか、どうしてこういう考えになるんだろう?と言う部分もありますが、明るく楽しく爽快で読むと元気になれるから良し!本の厚みはやや薄めですが中身は濃~い一冊でした。

暗いトンネルを抜け、光指す大地を踏みしめるように

「気持ち悪い!!あんた男でしょ!?」
朋美のセリフ、BLそのものを否定するかのような
言葉で少々ダメージがありますね。
その稜と陽平の写真を見た教師達は困惑するも、
そもそも人の写真を勝手に載せる行為と
学校裏掲示板がある事自体を、
問題視していなさそうなのも不愉快でした。

でもこれはリアル寄りの反応を
描いているのかもしれません。
写真はやり過ぎとしても、彼氏を陰キャの、
しかも男子に取られたも同然な女子校生の反応は
こんな感じに成り得るでしょうね…。
二人をくっつける為に読者に反感を食らう
キャラに利用される女子もある意味可哀想とも思う。
学校もネット中傷など細事は見て見ぬ振りでしょうな。

二人の出会いと距離を縮めて行く過程には萌えつつも、
上記の不快感から前半は読み返しにくいのですが、
時が流れて後半は良かったです。
稜の本心が解らず本当に陽平を恨むように見せて、
実は全部陽平の為に…と、最後にやっと解る方が
感動が大きかったのでは無いか?と最初は思いました。

でも、稜の本音が描かれるからこその良さもあります。
陽平の居場所を守りたい稜と、
償いと一緒に居る為尽くす陽平、
一見献身的、自己犠牲的な裏に、
本当は自分の欲望や汚い感情も含まれている。
心情描写が多く表現豊かに描かれている為、
考えさせられる部分もあって読み応えがあり、
結ばれるまでの切ない過程にも十分萌えがありました。

結ばれた後のHは甘く、描き下ろしで癒されました。
これからは一緒に幸せのレールを歩み続けて欲しい、
そう思わせてくれる二人でした。