と思わず声を掛けたくなるお話を上下巻でたっぷり楽しませてもらいました。最初の短編集では個人的には「杉野と桧木」推しだったのだけど辰見と戌井の物語をその後の3冊に渡り追っていくうちにキモヲタ×元ヤリチンツンデレのカップルにすっかり魅了されてしまった。フェロモン症の世界は勿論フィクションだけど、二人の感情は限りなくノンフィクションに近く好き合うが故に起きる衝突の苦悩やトラウマに囚われた悲しみ、そして恥じらうモジモジ感や相手に触れたい・触れられたい思いや極みまで登りつめた充足感までもが生々しく読み手に迫ってくる。フェロモン症の世界観も合わせエンゾウ先生の創造創作力、美麗で力強い作画にはブラボーッ!!とスタンディングオベーションを送りたくなった。大人になった2人は愛し愛されしっぽりラブラブなのね♡と油断していると不意打ちパンチを喰らう描き下ろしは最後まで辰見と戌井らしいw
本当に面白くて素敵な作品を読み終わった時の充実感はコレだっ!と思い出させてくれたのでした。
シリーズ最初の短編集を読んだ衝撃は今だに忘れられない。もちろんフェロモン症の世界に囚われたのは言うまでもない。そして前作のラスト。ハピエンなのねっ!素敵っ♡⋯で・も・さ⋯ソコに辿り着くまでの二人をもっと見たかったーっ!!と拳を握り締め床を叩いたのを昨日のように思い出せる。そして4年弱の月日が流れた今日⋯諦めなくて良かったーッ!!と、これまた拳を握り締め空に突き上げた自分が居た。前作よりも増し増しになった作品の熱量にすっかりのまれながら夢中になって上下一気に貪り読んだ。読後になんでこんなにこの作品は自分をのめり込ませるのかとふと考えた。思い当たるのはやっぱり辰見と戌井が放つ熱量。濡場は言わずものがな、怒ったり泣いたり、恥ずかしがったり等の感情の描写も迫力満点で迫り来る。はぁ〜凄かった。