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愛することの意味を教えられるような作品です。

甘いだけの話でないことはわかっていて、尾上先生の初期作品のシリアスぶりもこちらのサイトのレビューから見知っており、なかなか手が出せずにおりました。
が、ついに、開けてしまいました。
ギリギリ明治かという時代設定で、身分差が厳然とある中での主従の想いが、切々と語られます。
哀しさがどうしても拭えないので、完全なハピエンとは言えないかもしれません。ただ、社会構造の壁や、この時代には不治の病等を乗り越えて相手を求めよう、愛そうとする主人公達の熱、想いの迫力が凄いです。
恋愛本来の姿とは、こんなに哀しく激しいものかと、教えられる気がしました。
甘いだけのお話ではないけれど読めてよかった。そして、こんなに激しく相手を愛する人物像は、最近の尾上先生作品でも息づいているから、花降るシリーズにもあんなに心打たれるんだなあと、源泉をたどれたようにも思います。
それでも、1945年シリーズはまだ手に取れない。。
まずは本作品を繰り返し読むところからです。

人生の愛し方を教わる幸せを感じます。

残念ながら新刊購入が出来ず、たまたま図書館で取り寄せが出来て読めました。
優しくて自分より周囲を優先するばかりで、人生の負のスパイラルから抜け出せなくなった挙げ句にどことも知れない岸にうち上げられてしまったような攻めが、愛されることを知らない寂しさに命をかけて愛を得ようとして失敗してしまい、悔やみと、心中相手だけを死なせてしまった罪の意識に縛られて死ぬ迄
ひたすら自分を責めている受けちゃんとの、再生のストーリーとして読みました。
攻めにしても受けにしても、悪いところのない人間で、「どうしてこうなってしまったかなあ」という悔恨が中盤迄の展開を覆っていて、逃れられない不幸といったワードが浮かぶような雰囲気か続きます。
暗めの雰囲気なのですが、受けちゃんの幼なじみにしてスパダリ属性を持つ裏の大寺の若様(当て馬ではありません。)やら、受けちゃんが飼っている凶暴極まるハクショクレグホンやら、生命力やら社会を生きるたくましさを供給してくれる存在のエネルギーにはかなり救われます。
鄙びた地域での受けちゃんの慎ましい暮らしぶりの描写なども楽しみながら読みました。
終盤、何とか受けちゃんを救い出したい攻め様が、持ち前のスキルと愛で無理に展開を早めるあたり、ハラハラして、何とか間に合った!というぎりぎり感がありました。
ハピエンです。
自分達の一歩一歩で進んでいく覚悟をそれぞれが固めて一緒に生きることを選ぶことで、過去に二人が陥っていた限界が消し去られて、プラスの回転に舵がとられたような迫力を感じます。
このあたりの多幸感は、先生の、より最近の作品、花降る王子シリーズ等に共通すると感じました。
「二月病院」を初読みして以降、先生の作品はいつも覚悟が要ります。それでも今作もやはり読んでよかった、読めてよかったです。

両片思い萌えまくる

ネタばれです。

余りに健気で、ひたむきに攻めを思う受けちゃん。
勇気を振り絞って、自分を嫌いだと思い込んでいる攻めに告白します。
読者からしたら、攻めの留学を、前にやっとやっと両片思い解消か、と期待するところが、自分の過去を許せない攻めは、受けちゃんの思いを『受け止められない』と返してしま。攻めの言葉がたりなすぎて、受けちゃんは、実は攻めが自分を好き過ぎる事実すら知れずに、攻めと離れてしまう。
二度と会わないつもりであることを感じさせて、ただ受けちやんはのことは『忘れない』とだけ言って留学してしまった攻めが、遠いところから限られた手段だけでとってくる連絡を、受けちゃんは本当に見事に前向きに受け止めて、攻めの幸せを願いながら、自分の人生にも真摯に向き合う。
攻めもまた、恵まれた資質を極限まで伸ばして自分を鍛えて、そしていつも受けちゃんの幸せを願っている。何でも忘れっぽかった攻めにとって、『忘れない』と伝えることは、ある意味最愛の告白のように思います。
このストイックな二人が結ばれる迄の長さ、切なくてじれったくて、途中で止まれない。
両片思いと健気な受けちゃんが大好物ですが、この二つのポイントを本作品はかなり押しまくってくれました。
樋口先生の他の作品も読みたくなりました。