わたしにください-十八と二十六の間に-

watashi ni kudasai juuhachi to nijuuroku no aida ni

わたしにください-十八と二十六の間に-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神26
  • 萌×23
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない5

59

レビュー数
10
得点
156
評価数
40
平均
4.1 / 5
神率
65%
著者
樋口美沙緒 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
チッチー・チェーンソー 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
価格
¥790(税抜)  
ISBN
9784592877486

あらすじ

傷つけ合いながらも、ようやく距離を縮めることができたはずの路と森尾だったけれど、それぞれの恋情はこじれたままだった。
路への強い想いを自覚しながら、路を激しく傷つけた自分が許せず、再び想いを伝える資格がないと思い悩む森尾。
そんな森尾を追い詰めるかのように、後輩・臼井が路から「退け」と森尾に迫り……。
「わたしにください」のその後、多感な高校時代を経て、大人になるまでを描いた続編登場。
切な痛い恋と葛藤が胸を揺さぶる衝撃作!!

表題作わたしにください-十八と二十六の間に-

森尾祐樹,高校生(18)〜建築家(26)
崎田路,高校生(18)〜児童施設職員(26)

その他の収録作品

  • あとがき&描き下ろし

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数10

取り返しのつかない事

前巻初めでは卑屈で嫌な子だった路が、悲惨な経験を経て、自分自身の事を思い直して、努力して、みんなから愛される子になっていく過程が良い。そこに辿り着くまでは、苦しくて路がトラウマで辛い思いをたくさんするけど、路自身が前向きに頑張るから応援できました。


BL面では、受も攻も、レイプの被害者と加害者で、攻は引け目に感じてるし、受は受で相手の感情を勘違いしてるしですれ違いが多く、お互い認め合うまでが長く感じてしまう。攻の森尾自身が無意識にクズだから、過去に路以外も傷つけてるし、その事で路も傷つけられるしで、大崎みたいに「森尾なんてやめときなよー」と思ってしまった。

でも、取り返しのつかない事をしたからこそ思い悩む森尾も、教師の誘導でクラスメイトにとって取り返しのつかない事をしてしまい、傷つけられて自分を見つめ直した路も、互いに光を感じて惹かれあったんだから、割れ鍋に綴じ蓋なのかもしれない。


悲惨な過去を乗り越える2人が好きな人にオススメしたい本です。

2

過去は変えられないけれど

今回はクラスでも目立つ文武両道な生徒と学級委員長の続編です。

強姦という最低の始まりを乗り超えて共にいる未来を選ぶまでの本編に
攻様視点による恋人になってからの後日談を収録。

前巻にて攻様は親友が大学の指定推薦枠の候補にから除外された事を
逆恨みして、不利な証言をした受様を傷つけるために強姦され、クラス
で孤立し、不良達に目を付けられてどん底な状況に陥ります。

しかし不良達が受様に更なる暴挙を加えようとした現場を目にした攻様
によって難を逃れた受様は自分を変えるための努力をする道を選びます。
そして変わっていく中で自分が攻様に恋をしていた事を自覚します。

対して攻様は不良達の行為で自分が受様を犯した行為を初めて客観視し、
初めて深い罪悪感を抱きますが、改めて接した受様の素直でまっすぐで
優しい人柄に癒され、惹かれていくのです。

しかし、受様は魅力的な攻様の恋の相手になるとは思わず、攻様も自分
を強姦した相手を受様が受け入れるはずがないと思い込み、2人の想い
が重なる事はありませんでした。

そんな中、バスケ部の1年生が受様に告白してきます。受様は好きな相
手がいると断りますが、後輩は強気で受様を口説き続けるのです。

何かと受様に接近を図り、攻様を敵視する後輩を攻様も苦々しく思います
が、受様に何かいう権利もないと見守る事しかできません。一方、受様も
口説き続ける事を止めない後輩の言動の端々に違和感を感じていました。

実はその後輩は中学生の頃に攻様に一方的に組み伏せられた過去があり!?

既刊「わたしにください」の続編にして2人の恋の完結編になります。

攻様にとって受様はクラスメイトではありましたが、大人しく自分との
共通点もない受様はその他大勢の中の1人でしかありませんでした。その
ために親友が陥れられた仕返しとして受様を傷つけるだけの目的で強姦し
て何も感じていなかったのです。

そんな攻様が受様を1人の人間として認めた事から徐々に惹かれていく様
と、攻様への恋を自覚した受様の両片想い状態からどうやって成就するの
か、本作の発売を楽しみにしていました。

受様に想いを告げてくる後輩、攻様に好意を寄せる同級生、攻様の親友、
攻様をズレているというバイの兄等、様々な人との関りで攻様はかつての
何とも思わなかった自分の行為が人を深く傷つけていたという事実に初め
て思い至ります。そんな自分のズレを自覚した攻様は過去の自分を許す事
ができなくなるのです。

自分を許せない人には他人が何を言っても響きません。弱かった自分を許
し前を向いて歩きだし、そんな姿が攻様の心を捕えた受様の言葉ですら、
攻様には届かないのです。どうやったら2人がハピエンを迎えるの!? と
ハラハラし通しで、ラストまで一気読みさせられました (>_<)

人はどこまで傲慢になれるのか。そしてどこまで人に優しくなれるのか。
愛しているから赦せるのか。愛しているからこそ許せないのか。

人の中にある矛盾を追求したお話でもあるのかなと感じました。誰の中に
もあるそんな感情のせめぎあいが、攻様と受様の関係の決着点であり、
非常に深く考えさせられるお話ではありましたが、2人が8年も離れる必要
があったのかしら!? というのが正直な感想です。

初出が古いという事もあり、その当時の勢いや想いの深さを表現する為に
8年という歳月を設定したのでしょうけれど、高校時代(2年秋から3年の冬)
との対比だとしても停滞期間が長すぎるように感じたし、両想いになった
2人のラブラブな絡みシーンがないのも、ちょっと不満なので「萌」とさせ
て頂きました。

特典類はチェックして購入しているので、ラブラブシーンのある小冊子は
入手していますけど、強姦から始まっているからこそ愛あるHで物語を
閉めて欲しかったです。

今回は樋口さんの既刊から『愛の裁きを受けろ!』をおすすめとします。
攻&受の諸設定やシチュが本作カプに似たお話にしてみました。

2

許して、許されること

あ~~~~天才だな~~~~と思いながら後半はずっと泣いてました。

攻めの強姦からスタートした奇妙な関係は、まるで普通の高校生みたいにお互いの両片想いへと変化して、束の間の幸せで楽しい時間を過ごすようになって、でも「どこかズレてる」攻めが、その自覚していなかったズレのせいで、日に日に受けを強姦してしまったことへの罪悪感が大きくなっていくのがどうしようもなく苦しかったです。
受けを傷付ける相手に向ける感情が「同族嫌悪」になってしまうのはめちゃくちゃ苦しいですよね。
過去に攻めに傷つけられた子たちが、仲睦まじくしてる二人を見て「どうしてそれは俺じゃなかったんだろう」となるのも、そういう子たちの気持ちが痛いほど分かるのに「選ばれたのが俺でよかった」と思ってしまう受けも、あまりにも人間らしくて、誰かだけが悪いわけじゃないんだよなと痛感しました。

膨らんだ罪悪感に、他の感情をすべて塗りつぶされて、前にも後ろにも進めなくなってる攻めは、本当に「意気地なし」ですが、それでも、自分がいなくなった後の受けに「楽しい予定でたくさん埋まって欲しい」とスケジュール帳を渡して、約束を守れなかったと花火のムービーを送って、それがたとえ罪滅ぼしでもそういう不器用な優しさを見つけようとしてくれる受けと出逢えて本当によかったね……と思います。

樋口先生の書く受けは本当にいつも強くて美しくて、傷つけられて苦しんで理不尽な思いをしても、いつもで自分で世界を変える努力が出来るから大好きです。
今回も、「ゴミくずみたいにされたって、俺は立ち直って生きてきた!」の一言が最高すぎて、ぼろぼろに泣きました。
傷つけたくないと怯える攻めに、「傷つけられたって、俺は立ち直るから信じて!」と言う美しさよ……

誰だって、人生のどこかで取り返しのつかない失敗をしていて、あの時に戻れたらきっと違う未来を手に入れられたと妄想することをやめられないけど、その行動がなければ開かなかったルートも間違いなくあって、スタートを間違えたからこそ始まった二人の関係も、誰かに許されて、誰かを許して生きていくことを思い出せたことも、大切に思える二人の新生活が幸せであふれているように願うばかりです。

4

2人の「ごめんなさい」でパンクしそう

レイプという事実が二人の恋愛の必要条件だったか否か。

中々ショッキングな仮説だけれども、前巻でうっすらと感じていた疑問。
今巻ではその答えが明らかになります。

とある憤りからゴミ扱いのレイプをした相手、崎田路への罪悪感で彼を観察するうちに恋に落ちた攻の森尾。一度は告白したものの、言葉は届かず、それでも友達として崎田の傍で胸を焦がしては、過去の自分を悔いる日々。

そこへ前巻ラスト近くで登場し、二人をひっかき回していた臼井がまさかの森尾のレイプ被害者その2だったことが判明。被害当時の年齢なんと14歳。
しかもそれを森尾はすっかり忘れており、しれっと同じバスケ部に所属していた…。
ただでさえ、やらかしているのに、攻の過去のあまりのクズっぷりに思わず慄きます。
臼井のあれこれは当て馬感情ではなく、森尾への怨恨・路への同族嫌悪から生まれたものだったようです。

この事実の発覚に、路は多少の混乱はありつつも、片付けの魔法(?)で意外とあっさり苦しみを乗り越えます。

一方最もダメージを負ったのは他でもない元凶の森尾でした。
決定的に自分を許すことができなくなった森尾は、路からの好意を受け取ることなく路の傍を離れました。
好きだから、大切だから、自分みたいな存在が傍にいてはいけないという理由によって。

ここからが、好きだけど絶対に付き合わない攻VS生涯この攻しか愛せない受の8年間の長期戦。

8年間…長いです。
森尾の親友黒田だけでなく、読者としてもそろそろ森尾を許してあげたいタイミング。

とは言え何年経ってもこの攻はどこか愚かなのです。
会う気はないのに完全に連絡を絶つわけでもなく。
再開すれば、ためらいながらもデートを用意する。
告白されれば、後追いのように好きだと告げるけど、自分を許せないから付き合えないと言う。

なかなかの自己中っぷりに最後は路くんがキレました。
そして現実を突きつける。
「レイプがなかったら森尾は自分を好きにならなかった。見向きもしなかった。」
泣きながらそれを認める森尾。

やはり答えはこれでしたか。

だから、二人が結ばれるにはその事実丸ごと、愛も罪も表裏一体にして森尾は永遠に受け止め背負わなければいけない。
それが路の言う、「自分といると森尾を幸せにできない」という言葉。

「自分を許せない攻」と「相手を苦しめても傍にいたいと望む受」。
お互いの勝手な「ごめんなさい」が溢れていて、最後のシーンでは胸がパンクするかと思いました。

が、同時に既にこれが8年かけてたどり着いた、彼らの幸せの形なのでは?とも思いました。
罪だったり、許しだったり、葛藤だったり、躊躇だったり、見方を変えれば愛だったり、偶然だったり。
そういう過去と未来を全部ひっくるめて、森尾と路の幸せと定義しても良いのではないかと。
2人が2人でいることによってしか生まれない複雑な彩りは一言で言えば幸せと呼べるのではないかと。

なので、路はああ言っていたけれども、この物語は十分お互いがお互いを「幸せ」にしているハッピーエンドだと思います。

レイプから回りだした歯車。
自身の卑劣さの自覚、正当化の感情を源に生まれた恋愛感情。
アンビバレンスな行動と態度。
一生モノの悔恨。
どこを取ったってよくあるBLではないです。
でもそこに、少しだけ痛いけれど、ちゃんと心に残るモノがある。
心に響かせるパワーがある。
甘々ハピエンとかそういう既存の面白さとは別の何か。
そういうモノと出会える機会はそうは多くないと思うのです。
そういう希少さをひっくるめて「読み応えのある作品」だと思いました。

8

樋口先生らしい作品ではあるが

上巻にあたる『わたしにください』がしんどすぎて、下巻である今巻は購入後なかなか読むことができなかった。

複雑に絡んでしまった森尾と路の関係が、今巻で解れ、幸せになる姿が読みたい。

その一心で、手に取りました。

DKという、青く、若く、未熟な彼らの成長物語。
今作品を一言で言うならば、そんな言葉になるのだと思います。

路を傷つけてしまったことに、深く後悔し、思い悩む森尾の姿に彼の誠実さを感じる方は多いのではなかろうか。

だがしかし、である。

長い…。

路を愛したからこそ、自分の愚かさと未熟さに気づき、成長していく森尾の描写が、これほど長い文章を必要とするのかと言われたら、個人的には不要かなと思いました。

彼ら二人を取り巻く旧友や後輩も多く登場し、恋愛だけではなくこれからの自分を模索する彼らの姿には応援したい気持ちは湧き上がってきます。が、ぐるぐるする彼らの姿に、いったいいつまでそうしてるつもり…?という感想も出てきてしまった。

上巻であれだけのことがあった森尾と路の関係が、下巻であっさり進んでしまったらそれはそれで興ざめではあるのですが、上下巻(2冊)の分量が必要な内容ではないような…。

樋口先生らしい、というか、先生の原点はここなんだな、という作品で、全く萌えないわけでもないし、読者を惹きつける文章力はさすがだと思うのです。二人の相手を想う愛情の強さにもかなり萌えました。

が、うん。

完全に好みの問題ですね。
スパダリに愛でられる受けさんがドツボの私には、うじうじ、うじうじ、ずーっとうじうじする攻めさんに萌えきれなかったのが残念でした。

6

うーん…私には許せない

受けがひたすら可哀想な上巻は「まあ、BLってこういうジャンルあるよね」とまだ思えたんですが、下巻で攻めが受けをレイプした時よりもっと前に別の後輩にもゲスすぎる事をしていた事が判りドン引きしました。

ネタバレになっちゃうんですが、攻めが16歳の時他の学校の14歳の小柄な少年を弄んでヤリ捨てて(面倒くさくてあんまりよくなかった、の暴言つき)高校で再会しても身長伸びてたから気付きませんでした、むしろそんな事すっかり忘れてましたって…どんだけ外道?多分他の被害者もいるよ?いくら更生しても大人になってハイスペックになったとしても私は許しませんよ(←執念深い)

臼井は確かに受けの路に対してレイプをけしかけたり(未遂)性格は悪いけど多感な時期に攻めの森尾に酷い目に合わされた影響を受けてるせいだと思います。受けも不良生徒からのレイプは辛かったけど攻めからのは元々好きだったからまあ良かった、みたいな感じでなんであんな奴好きなんだ?と思います。将来またあのサイコな部分が出てくるんじゃないかと心配になります。

腐女子的に私が許せるキャラは友人の大村くらいかな。彼も上巻では路への虐めに加わって悪い奴だったけど、8年間路に寄り添ってあげてたし、かなりの美形らしいのにあまりいい恋愛できてない感じがいい意味で気になります。

辛口になりましたが、樋口さんって元々攻めがハイスペックだけどロクデナシっていうパターンが多い作風なので読者との相性なんだと思います。

9

合わなかった

樋口先生好きなんですけど、今回は合わなかったです…いかにも切ない!を全面に押し出した溺愛執着攻めが苦手なのもあると思いますが。

攻めは受けをレイプしてしまった自分自身を許せなくて苦しむんですが、流石に拗らせすぎ…って思ってしまって感情移入できなかったです。
あと高校生から社会人の後半の流れ?が結構雑に感じました。
ただ、ラストの受けの「意気地なし!」には笑ってしまいました笑
よくぞ言ってくれたー!いいぞ!って感じ。

あと!両思いになってからのセッ…がないです!二人でホテルの部屋まで行くのに!
最後両思いセッ…はBL小説の様式美みたいなところがあるのでちょっと拍子抜けしました。
2冊購入の連動特典小冊子に両思いその後(もろもろ込み)があるみたいなんですが、違う書店で買ってしまったのをわざわざ前編買い直すのもな…って感じですし、特典なんて初めにしか付かないんだからちゃんとまとめて欲しかったです。

要所要所グッとくるポイントはあったんですが、攻めが長いことうじうじうだうだしてるのが苦手な人はハマらないかもしれません。

5

どうか森尾が願ったとおり、優しく路を愛し続けられますように

勝手にですが、前巻で一番痛い部分は乗り越えたと思っていました。
何なら、後は巻き返しだけ~♪くらいの浮かれた気分でいたんですよね。
そしたら、想定外に今作もしんどくて「何でなのおおおおっ!」と悶絶する羽目になりましたよ。
もうこれ、あまりに切ないし何より哀しすぎる・・・!
ある意味、前作よりしんどい内容ですよ。

ただ、人を許す事。許される事。そして、愛する事。

もがき苦しみながら二人がたどりついた場所に、すごく心を動かされたし感動もしました。
これ、何で「-十八と二十六の間に-」になんかなぁと思ってましたが、この八年間と言うのは、森尾にとって必要な時間だったんでしょうね。きっと。
この二人を見ていると、愛とはとてつもなく身勝手で、なのにこの上なく純粋で、また救いでもあるんじゃないかと思えてくる。
森尾が神様に願い続けた「欲しかったもの」には、涙が止まりませんでした。

でも、かなりしんどいので、痛いのが苦手な方は最初から避けて下さい。

で、すでに素敵なレビューをあげてくださってるので、個人的に印象深い部分のみ語らせてもらおうと思います。

えーと、今作ですが、前作に引き続き・・・と言うより、更に二人のスレ違いが深刻だったりします。
前作で路をレイプした森尾。
路への想いを素直に認めた事で、逆にひどい罪悪感に苛まれるんですよね。
これが、もう本当に切なくて。
私は攻めザマァが好きなんですよ。
森尾みたいな攻めと言うのは、徹底的に痛めつけてくれていいと思ってるんですよ。
それが、こう、森尾のあまりの自分に対する厳しさに、何かもう「自分を許してあげてよ!」と言いたくなってくる・・・。
森尾にとって路は純粋でキレイな存在で、自分は汚して傷付けてしまうだけと言う、強迫観念にも似た強い思い込みがあるんですよね。

で、路は路で、森尾が自分と居てくれるのは、同情や罪滅ぼしでしか無いと勘違いしている。

スタートがスタートだった為、互いに相手を気遣いすぎて、一歩を踏み出させない状態と言いますか。

また、路のレイプによるトラウマがですね、かなり深刻なんですよね。
似たような状況に陥ると、戻したりマトモに動けなくなってしまう。
いやこれ、そんな路を見る度に、自分を強く責めてそばに居る資格は無いと絶望する森尾。
もうとっくに許しているのに、どうしても自分ではコントロール出来なくて、森尾を心配させる事で自身も傷付く路。

このトラウマって、厄介なんですよ。
普段は忘れてるつもりでも、本当に一瞬でフラッシュバックなんかが起こるんですよね。
身体が覚えてる。
私は足に包丁を落とした事があるんですけど(ネタじゃないです。ガチです)、それ以来、血が一切ダメですもん。
血を見た瞬間、足元からザッと震えが登ってきて失神しちゃうんですよね。
簡単には、忘れられるもんじゃない。
要は何を言いたいかなんですけど、自分の意思でコントロール出来るものじゃないと思うのです。
ましてや、まだ高校生の路がそんな簡単に乗り越えられるものでは無い。
しかし、その路の反応が、森尾を追い詰めてしまう。
こう、あまりに哀しい。
哀しすぎる。
いや、攻めが簡単に許されて受けと幸せになろうものなら「甘いよ!」と腹が立つのに、ここまで自分で自分を責めてると「もういい加減、罪悪感を捨てろよ!」と、今度は許さない事にもどかしくなってくる。
だって、本当に切なすぎるんだって!

で、深く感動したのが、二人がたどり着いた答え。
この二人、深刻なスレ違いを経て、離ればなれになります。
八年もの間。
26才になって、再会した二人の選んだ道ー。

路ですが、森尾と出会った事により、自身の中の愛と深く向き合うんですよね。
路の出した答えは身勝手かもしれないけど、それもまた愛だと思う。
許す事も愛なら、苦しめると分かっていても共に居るのも愛だよ。
いや、正解なんて無くていいし、正しい愛し方なんて分からない。
ただ、信じる事が大切なんだろうなぁと。

どうか、森尾が願った通り、優しく路を愛し続けられますように。

5

やきもきしました


とっても素敵なレビューがあるのでライトに書かせて頂きます。

樋口先生大好きな読者です。
また、電子版は読んだことがありません。
以上を踏まえた上でお読みください!!

前作からの続きなので、やっといちゃいちゃが見れるかな!とワクワクしていたのですが、思いっきりドロップキックを喰らいました。

私が感じたテーマは”許す”
過去の過ちは誰が許すのか。
被害者か。もしくは加害者自身、第三者か。
この”許す”ことが二人の中を引っ掻き回します。
拗れます。

どうしてそういう発想になるの?!という展開が多々あります。
この作品は行動より、心情を大切に描かれていると思います。なので、ふたり(主に攻め)の行動にやきもきさせられます。これは断言します。苦手な方は注意。

序盤は攻めの視点から書かれていますが、始めっからシリアス真っ只中です。受けを好きなのに目を背く事のできない罪の意識、過去に己がしてきた事。
最後は勿論ハッピーエンドですが、心が抉られます。

余談ですが、番外編がとっても欲しい。
綺麗に纏まっているのですが、ふたりのいちゃいちゃがもっと欲しいです。
あと、特典小冊子は是非お手にとって欲しい!
本作品がもっと好きになります!

1

こんな悲しい両想いがあるだろうか…。

「わたしにください」続編。
色んな感情が溢れ取り留めのない文章ですみません。

なんて悲しい両想いなんだろう、と思いました。

私は前作を読んで、2人のすれ違いはスタートで躓いてしまっただけ、誤解を正せばすれ違いも修正できるとライトに捉えていました。けれど森尾の罪意識はそんなもんじゃなかった。こんなに長く強く自分を責め続ける攻めを初めて見たかもしれません。

痛々しささえ感じるほどの罪意識。
どこまでいっても許されようとしない。

愛すれば愛するほど、許してほしくて、許されたくない。
愛すれば愛するほど、自分の犯した罪の大きさを実感し打ちのめされる。

森尾の罪意識に終わりがないのです。崎田がどれだけ言葉を尽くしても、崎田が許しても、森尾自身が自分を許せない以上永遠にループが続く。皮肉なことに崎田を愛し続ける限り、罪も同じようについて回るのですね。

救いはどこにあるのだろうか?
愛とはなにか?許すとはなにか?
森尾と崎田が答えを求め続けた時間がとても切なくてどうしようもなく泣けました。

森尾の兄は
"(森尾は)存在するだけで傷つける側"
"恵まれるということはそれだけ他人を踏みつけることだ"と言います。
今作では森尾が記憶に留めることすらなかった過去が襲ってくるのですね。

森尾が罪の意識もなく送っていた"日常"は、
だれかにとっての"最悪な日"だった。

兄の指摘通り、森尾は無意識に人を傷つけてきました。
(森尾がクズすぎてゾッとする展開だった;;)
そして被害者の復讐・恨み・嫉みの矛先は……。

崎田に恋する前の森尾ならそんな過去を晒されたところで気にも掛けなかったでしょうね…。
けれど崎田に恋をして、崎田を通じて多大な苦しみを痛感して、今は感情を持っている。
因果応報なのですが、自分のクズさを目の当たりにして自分を追い詰めていくのがシンドイです。

そういう点では崎田のほうが強かった気がします。
 前を向く力がある。
 変えようとする努力がある。
でもそう強くなるキッカケを与えたのは森尾なんですよね。

森尾の存在に傷つけられた人もいるけど、助けられた人もいる。
けれど森尾は自分の負の面ばかりに苛まれて気付こうとしないほど拗らせてしまって。
崎田が真っ正面から向き合ってぶつかるのを、森尾は……。

愛=罪
愛が深ければ深いほど罪も深くなる。
こんな悲しい両想いありますか?
なんて大それたモノを抱えてるんだよぅ。

崎田は好きだから許せると言う。
森尾は好きだから自分を許せないと言う。
じゃあどうすれば許されるのか?
一体誰が何を許すというのだろうか?

サブタイトルに『ー 十八と二十六の間に ー』とあります。
ずっと前にも後ろにも動けなかった時間が動き出すまで8年。
動くキッカケとなったのが崎田の怒りだったのが個人的に印象に残りました。

思い返せば崎田は森尾に責めるような感情をあまりぶつけてないのですね。
早めの段階から手放しで許されてしまって森尾自身で自分を詰るほか無かった。

本音でぶつかりあってようやく少し許せたのかな。
タイトルの伏線が回収されて号泣しました。
そういう意味だったのか…!ですよ~(;////;)
ずっと後ろ向きだった森尾から前向きな言葉が聞けて良かったです。

※余談ですが
購入を予定してる方は特典小冊子が付くうちに是非。
本編再会後(崎田視点)の部分を森尾視点で書かれているのでより理解が深まります。
また本編では恋人エッチがないけど(解せぬ!)、その辺りは小冊子で読めました。

10

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